透明の「扉」を開けて

美黎

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23の扉 新世紀

新しい風

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  ただ 
  吹いてくる風を 気持ちよく味わえること

   「ここに在る意味」は
     ほんとうにそれだけで 良くて。


「   あぁ~ 平和。 」

 そう呟きながらもくるりと振り返り、
  少し後ろをゆっくりと歩く リュディアの姿を 観る。

「  うん。」

「なぁに?どうしたのよ?」

「 いや。」

 そんな私を見て クスリと笑う彼女の「美しく束ねられた紺色の髪」は
 サラサラと風に靡いて。
その
 が に揺れる様も また気持ち良くて
 そのまんま、石段をポンポンと降り
 少し涼しくなってきたラピスの空気を じっくりと 味わう。


「うーん、平和?…そうね、確かにヨルから見れば。どこも、平和なんでしょうね。」

「    まあ、 そうだね。 ここからだもん、みんな 。」

「そう言われると安心するわ。今日も楽しみだし。」

「   ふふ、なんだろうね、揃って呼ばれるなんて。 珍しい。」


 今日は久しぶりにエローラに呼び出されて。

これまた久しぶりのリュディアと二人、連れ立って
 青の館から水色の店まで テクテクと歩いている途中だ。


 あれから 順調に「自分の矢印の上を歩いている私」は。

日々の「変わらぬ、生活」を粛々とこなし
 着実に自分の道を 創っているし
「今日の呼び出し」もきっと 「その体感を掴む為に起こるなにか提示」で
そこへ行けば「自分が何を積んできたか」が 観える筈だ。

 だから 「ポンポンと弾みながら降りる自分」と
 「静かに降りているリュディア」の距離が 離れすぎない様にしながら。

広場へ繋がる道に出るまで ペースを調整しながらも
 心のままに 弾んでいたんだ。









   うん?

 あれ?

     これって  もしかして

   いや もしかしなくとも?


   まさか てか

   やっぱり、  もしか して ?


 えっ リュディアも  そう思う?

    やっぱ 「そう」だよね?


   あ レナ、知ってるでしょ

  なるほど 鋭いもんな

   確かに「姉さん達」 ふむ

   
   なんか 「懐かしい」なぁ ~


  うんうん  かわいいだろうなぁ

    「赤ちゃん」 。


     うん  そっかぁ


  てか  ホント

   「時が経つの」? って 早いな?

 えっ?「遅いくらい」だって? ウソ

 いや 「私の体内時間」「縮尺」がおかしいのか
  うん、でも 
    なんだっけ そうじゃなくて

 ああ そう「スパンの違い」よ  そう

   「創ってるもの」が ちと 違うから

    そうねぇー  

        しかし  子供かぁ~


    かぁわいいだろうな~~


    うんうん



「  おめでとう!」

「ありがと。」
「良かったね~。シャルム待望の子だわね~。」
「あの人は口に出さないけどね。」
「らしいわ。」

「ま、でも元気そうで良かった。そうかなぁ、って思ってから会ってなかったから。」
「一応ね、店に出れない日もあったから大事を取って。」
「うん、それがいいよ。」



    そうね~   そうか~

    成る程 「子供」。


   「私が」
        「私も」?


   うむ  「私が 子供を生む」
  確かに「産みたくは ある」な

    でも「今じゃない」のよね まだ

   もっと なんだろ

   「平和」って言うか「調和」に
    多分 「生まれない」

      うん


   そう なんか

  「私のタイミング」が まだ

    それなのよ
           うん


 んで   そうね

   やっぱり。


  「時間」 「時代」?
  その「自分年表の進み具合」が
    大分「世界周り」と 違うんだわ


 あ でも  「長く生きる」なら「当然そうなる」のか

   ふーん?

  でも  それって

    「実際」?  どう  なるんだろう


   まあ  「なるようになる」んだけど 。



「…………………ヨル?」

「この子はいいわよ。放っときなさい。まあ、何しろ良かったわね。意外と遅かったから、作る気ないのかと思ってたわ。」

「まぁね。ここラピスはみんな、早いもの。私も意識してなかった訳じゃないけど、店もあるし、従業員も初めて雇うしで大変だったんでしょうね…なんか今思えば、それも大分昔の事みたいに感じるけど。」

「私の結婚式からも、もう二年だもの。うちだって煩いわよ。でも造船所の子供達が可愛くて。それで満足しちゃうのがいけないのかしら。」

「リュディアらしいわね。二人とも道具に一番関心があるからじゃない?」

「…………そうね…子供が産まれたら、時間も減るし。なにしろ、エローラはおめでとう。いつ産まれるの?」

「次の春かな。暑いのがひと段落して、大分体も楽になった。本当にこのまま暑かったら無理かと思ったわ。」

「お腹にいるだけで自分も暑がりになるらしいものね?うちにも最近、妊婦さん多いのよ。」
「へぇ?本当?」

 
 夏用にディスプレイされた明るい店内へ入った時、
 確かに「いつもと違う空気」が 流れていたんだ。

そして直ぐに「エローラの変化」に気付いた私は
 リュディアとアイコンタクトをし、
そこに相槌を打つレナの瞳で「予想」が「確信」に変わると
 笑顔で 「おめでとう」を言って。

 そのまんま ニコニコで「時間とスペースのくるくる」を眺めながら
  「新しく宿る生命」と
  「時が齎す変化というギフト」に、
「いろんな いろ」を浮かべて 幸せな気持ちに浸って いた。



   そう ね

    そう か


   「赤ちゃん」ね 。


       うん「子供」か

   ふむ。



  それについて 早速「スペースを廻り始めている いろ」

 それもまた 「いろんないろ」が あって。


   あの
  「懐かしい」といろは
   未だ「一番濃いディーのいろ」だし
   しかし「何処かの私のいろ」でもあって

  「の私」は 産んだことはないけれど。


    なんだろうか

  でも
    「ちゃんと廻ってる生まれ変わっている」のは わかるから

  それでいいし
  それが いいし


    「時間が解決する部分」って 言うけど。


  でも  そうか 

   成る程?

   「時間」も また「自分」

  て言うか「ただ流れるもの」じゃなくて
   「自分で積む進めるもの」だから
  
  成る程「消化できて」 「今ここ」、 そうね


    確かに。

  
  「それもまた 美しいいろ」になって

    ぜんぶ 「ある」もん なぁ 。




 思えば
 「現実世界」の 中、
  ずっとずっと ただ「流れる季節」を 感じて。

  「この思いいろ」に「どんな意味があるんだろう」
  何故 これいろは私を突き動かすのだろうか、と
 「わからないまま進んでいた自分」がこの地点真ん中だとクリアに観えて

  「その理由なかみ理解できる観れる自分」は
  ずっと遠くに来たことが わかる。


      なるほど ?


 そう、「エローラの祝福のいろ」に 誘われて。

 は 自分の持つ「スペースの深い部分」に
  どっぷりと浸りせかいを浚っているし
 だからこそ、「ずっと抱えていた焦燥感の分解」
  それが 起こっているのだ。


「   そう か。」

 だから その「大切な部分」を
  正確に 正しく今の位置で視る為に。

   静かに息を 吐いて 吸って

 一旦 自分を 
     ゆっくりと くうにしたんだ。




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