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24の扉 クリスタル
質
しおりを挟むそう、実際 「何を得たとしても」
日常は続いてゆくし。
「めでたしめでたし」、と終わりにならない所が
「現実」という「生きるを伴う世界の理」であるし
「物語」として存在する「ストーリー」とは異なる点である。
「 だから、それもまた 「主人公が 何処で物語を終わらせるか」、そういう問題で。 ひとつひとつの「物語」は 終わった様に見えるけど やっぱり「世界」は続いてるんだ。 そう思えば、無数の物語が あるよねぇ 」
誰かが 「生み出した物語」は終われど
「その創り出したものは永遠」
そんな風に「ずっと続く「その後」」へ想像を巡らせながら。
主は 今日も今日とてせっせと浄めに勤しんでいる状態であり、
順調に独り言を呟きながら 壁を白く磨き上げている最中だ。
引き続き、ぐるりと各区画を周っている「礼拝堂の浄め」は順調で
今は最後の場所、「青の礼拝堂」に取り掛かったところである。
「 よっ こいしょ と、 あれ?新しい布、どこ行った? 」
あれから
「銀」→「茶」→「赤」→「黄」→「白」→「青」の順で周ってきて、ようやく最後のひとつへ辿り着くことができた。
そう大きくはないが、「ひとつの礼拝堂」を自分の満足感いくまで浄めるには やはりある程度の日数は必要で
休み休み手を掛けつつも一月以上を費やしてきたことになる。
「 そう 思えば。 やっぱり愛着も湧くってものよね。」
「実際に手を掛ける箇所」、それも大事だけど。
こうしてすべての場所が愛おしく繋がるから、やはり「本来の目的」はそこなのだなぁと思いつつ
一旦ぐっと腰を伸ばして 大きく息を吐く。
「 ま、今日からは楽な筈よ? 筈、なんだけど 」
手強い所から手を付けて来たから、勿論ここが「一番マシ」な礼拝堂である。
だがしかし 全体的にそう大きく汚れていない礼拝堂は
逆に「壁の煤」が目立って見え
「祈りが多い」=「煤ける」という構図を証明している様でちょっと面白いのだが
これを綺麗にするのは些か難解そうだ。
「 実は。 これが、一番大変かも。」
そう、今 綺麗にしたい「白い壁」は土壁に近い造りで
「磨く」には限界があり、「取れない汚れは削ってしまおうか」と思案し始めたところだ。
"最終的に 「どうなればいいか」"
大切なのはそこで
私の手法は「やり方を限定せずに完成形へ持っていくこと」である。
だからして「拭くだけでどこまで落ちるか」、先ずはその実験をしてみているのだけど。
手が 大分疲れてきたから
「自分が拭いている意味」へ立ち返りながらも
丁寧な仕事を指して 続けていく。
「 ぅうむ。 」
しかし
こうやって 無心で手を動かしていると
自然と「観るべきところ」が整理されてくるから 嬉しい。
"ここまで 得て来たものの正体"
それが
すっきりとした視界にはっきりとようく視えてきて、
「やっぱりな」と納得しながらも
「自分に適したその作業」を続け、沁み込んでくる「いろ」を受け取っていく。
少しずつ
少しずつ 綺麗になってゆく壁
「白く」はならないが
「汚れ」は落ちて
だが「これ」を「結果として良し」とするか
「リセット状態の白へ持っていくか」、
その決断をするのが「私の役割」。
「 まあ。 でも 「今」は。 真っ白 に、するべきだろうな。」
あまり考えずにキッパリとそう言って。
「これからの祈りの場」を描き、しっくりくる空気を観て納得する。
「 しょうがない。 ここは腹を括ってやるか。 ヤスリ? ヤスリだよね? 本部長持ってるかな?」
そんな ものが あるのか ないのか
想像を巡らせながらも「その自分の判断」に満足して、
白く 美しくなった壁を投影し「ここの完成図」を自分の中に 描く。
そうね
勿論「また 祈れば汚れる」けれど。
これも また「そういう話」じゃ なくて
「今 真ん中として何を選択するか」で
それにより
「次の可能性に手が届き」
「然るべき光は降りて」
「より高くへ 手が 届く」
そういう話 なんだな。
ここで 大事なのは。
「どうせ また汚れるからこれでいいや」を選択するのではなく、「きちんとリセットして 新しい道を選ぶ」ということで
違う未来を視て
そう行動すること
即ち「新しい創造をすること」であり、大切なのは「その質」である。
もし「どうせ」や「まあいいや」を選べば
「次の選択肢は一段低くなり」、
その次も順次それに倣ってゆき
最終的には「どんどん落ちてゆく」、そういう結果に なる。
そして
もしここで「リセット」「まっさら」を選んだならば。
「次の選択肢もまた まっさら」になり
「より高きを選べるからして」、
どんどん上がってゆくことができるし
最終的には「望む結果が創れるのだ」。
そして
そのポイントは「質」にあると言えて
「その選択するもの」「対象」「事柄」の良い悪いではなく
「選択している自分の質」、
それが結果を左右すると言える。
きちんと「自分」を 俯瞰してみて、
「どちらが自分を丁寧に扱っているか」
それを観ればこたえは明白だ。
「しっかりと 「瞬間」を吟味して進む」
それは私達「主」へ課されている責任であり
「自分で選んで生まれてきた在り方である」。
どんな「状況」「環境」でも
「その時 できうる限りの選択肢を採ること」
これはなにも難しいことじゃないし。
ようく 観ながら世界を歩いていれば「必ず身につくスキル」でもある。
「 よし、なら 今日はここで終わりにして。 ヤスリだな、ヤスリ 」
だからスッパリと「現状」に 見切りをつけて。
一旦、片付けをして帰ることにして
「本部長のごちゃごちゃ小部屋」へ
思いを馳せていたので ある。
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