透明の「扉」を開けて

美黎

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24の扉 クリスタル

光の時間

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  今 「少しだけ「私」に 時間が必要だな」
    と思って。

  青の浄めを終えた
 「自然の吸える」、森の小屋へ出向いて来ている。


   別に「これ時間」は
   「なに」、ということ理由ではないのだけれど

  礼拝堂という「あそこデヴァイの要の」を浄め終えて
 「自分に区切りを付けたかった」のだ。


この「本来 何もない世界」において。

「自分で付ける区切り」とは
 「ゼロベースに線引き」「下書きをする行為」であり
 「楔を置き かたちを整えていく作業」で

ここをおざなりにしてしまうと「その上に大きなものが創れない」、"基盤部分のはなし"で ある。


「   そう、ね。 だからこれは 「必要な 時間」。」


 窓から差し込む午後の陽光で暖まりながら
  いつの間にか丸まっていた 背中をぐっと戻して。

  ほうっと 大きく息を吐くと、顔を上げ 
 首を回して遠くに観える薄雲が「照らされている様子」を愉しむ。


  それは 勿論「木々の隙間から観えるほんの少しの景色」だけれど
   光を受け 煌々とひかる金色の雲と
   その影になる厚い雲の灰色

 その「対比」を観ているだけで 満ちているから。

   "ああ 有り難いな"と思うと共に
  「ただ景色を味わえる様になった自分」にも 満足する。


 そう、こうして 思えば振り返れば
 「なにかしていないと手持ち無沙汰だった自分」が殆どだから
こうのんびりと「存在を愉しめること自体」がまだ、不思議で有り難いのだ。


 しかしこれも 今だけのいろで
  そのうち普通自然になるだろうから。


 存分に「今だけのいろ」を味わい、それを経てまた「変化してゆく自分」も 視る。



  "ただ 「自分である」こと"

   "すべてせかいの中に在る

    「私」と「世界」を
         ただ味わうこと"


  そして
  それを 真ん中クリスタルへ映し
  「その自分」も 愛おしく眺めたならば。


 その"光の時間"を通してわかる、自分自身と世界の関係性に
  ゆっくりと感謝して 「在ること」を

 

「   ふぅ む。 」
   
  そうしてしっかりと
 「次の流れ本部長の呼び出し」に応えられる様
  スペースを どーんと空けたならば。
 
 その心地良い「くう」に浸りつつ、
  緩りと 準備を進めていたのである。 







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