2,057 / 2,079
25の扉 発光
根幹
しおりを挟む家の庭は「なんでもない庭」だけれど
面積だけは中々、広くて。
美味しい梅干しになる梅の木や 姫林檎の木
雪の中で美しい椿や 木登りに不向きな百日紅など
沢山の庭木もあるが、小さな畑もあったりと
「なんでもあり感全開な庭」で ある。
だけど私は 「その雑多感」がなんだか好きで
いろんな植物の中を隠れながら「せかいに紛れ込んでいる」のが好きだったし
思えば朝はいつも、その景色の中にいた。
だから「そのぜんぶ」に意味があると思って
「その時の意識」に浸りながら
「その私が纏っていたいろ」を 具体的な「ことば」にしてゆく。
"できる"
"やれる"
"「知っている」感覚"
"呼び出して使える能力があること"
"跳べる" "成れる"
"本気で思えば 「不可能はない」ということ" 。
「 ことばにすれば。 「そう」、なんだよね。 「不可能はない」というか。なんだろ、謎の自信? 万能感、 思えば朝が喋った時もびっくりしたけど、それはそれで「当たり前」って言うか。 今観れば、なんであの時「私」、驚いたんだろ? 」
「………えっ、その時の話?…まあいいわ。あの時のあんたはまだ、覚醒してなかったものね?しょうがないわよ。」
「 「覚醒」。 」
「うん、そう、まあ。覚醒、でもなんでもいいんだけど、「あるとは思ったけど信じてなかった」?難しいわね、言葉にすると。でも、分かるでしょ?その感じは。」
「 うん、確かに。 なんだろうね、「そうは思ってたけど 信じてない」って。」
ある とは思っていたけど
信じていなかった
その、朝の言葉はとても的確で
確かに「その時の私」はまだ とてもちぐはぐで。
殆ど「自分のことをわかっていなかった」と 言える。
「………まあ、不思議な現象だけど。仕方ないんじゃないかしら。だって生まれてから、一度も。「知ってるけど見たことない景色」なんて、難しいわよ、どう使うかなんて。それに、怪異は遠ざけられて久しかったから、周りの空気も強固になっちゃってたからね。…特に「生死」絡みの本質から遠ざけられてからは、またその流れに拍車がかかったし、だから限界が来てるとも言える。結局人間は、それを受け入れなければおかしくなっていくしかないのよ。」
しみじみと そう語る「朝の声」は
「せかいの声」として聴こえ「私の道」をここでまた押印し
「歩んできた道」をまた 強く光らせている。
「 サイクルに。 逆らう、からね。」
「そうね。でもそれを超えてあれば、こうして自由に存在することができるし、あんたみたいに旅も出来るってワケよ。」
「 ん ?」
それって ?
「なに、鳩が豆鉄砲みたいな顔してんのよ。………だ~か~ら~、私初めっから言ってなかったっけ?依ると私は「おんなじ様なもの」だって。………ん?具体的には言ってなかったのかな?いや、でもそんな感じのこと、言ってるわよね?まあみんな、そもそも人間だって魂が入ってるだけの器で。それを「どう動かしていくか」、だけでしょう?」
「 う、うん。」
「だけどそれを知ってるか、知らないか、いや、覚えてるか覚えてないか。そういう事だと思うのよ。…それで、それって具体的な記憶じゃなくても「そうできるかどうか」、「そう考えて動くかどうか」、染み付いたもので行動は決まるし進む先も、違う。」
「 なる ほど ?」
「そう、だから、記憶があるとか無いとかじゃなくて。魂に刻まれていて、体に染み付いているものが根底にあるから、あんたは素直にここへ入って来たし、ここで自分の本当のことを探して見付けられたのよ。…だって、全然、初めっから興味もなくて、信じていなかったら。そもそもこんな扉の中入らないし、普通の、日常の、生活が続いていた筈だったのよ、多分だけどね。」
「 確かに ? そう、だよね。」
この 「朝の言っていること」は。
私が辿って来た道を 逆から見た話で
「そもそも私の中に「向こう側を信頼する芯」があるから」
「今 ここでこたえを得ている」、
そういう 話だ。
そう、
正にそれは「シンプル」「簡単」「そもそも論」の
「思ってたんと違う」、"成り立ちの話"で。
簡単に言えば
私がずっと持っていた、
「私達って そんなもんじゃないよね」という
「圧倒的自信」「万能感」
そこからすべてが始まっているということで
「それがあるから」「こう創られた」、そういう話なので ある。
「 ん? だよね? そういうこと? 」
「まあ、あんたがまた何を考え始めたのかは、分からないけど。結局、初めっから決まってたってことよ。あの扉に入って行った時から、ね。いや、「生まれた時から」か。」
「 この、こたえが。 」
「まあ、そうだわね。だってそれ以外、求めてたこと、あった?」
「 いいや、ない。」
勿論、「私の求めていたもの」
それはこの旅の中で沢山、あったけれど。
そもそも、それは「この芯の手前にあるもの」と言えて
やはり元を辿れば、「そういうこと」なのだ。
「フフフ。だからそういうことなのよ。なんだかんだ、色々やってきたし、あったけど。大事なのは、迷っても泣いても。進んできたのはあんたの中に、そのでっかい芯があるからで「自分の中にある絶対」を、なによりも信じてたから、ここまで来たってことなのよ。「疑い」、よりも「大きなもの」。言い換えれば「信仰」、みたいなものね。」
「 うん。 」
「一番、大きなものが。結局は、世界に反映されるのよ。」
確かに 。
「 ふ む 。」
つい、唸ってしまうけれど
今 せかいが 私に齎しているものは。
さっきまで考えていた、
「主に今 ピタリと嵌ることば」
それが「ことば」じゃなく「"この状態"であること」を指している。
そう、
私はここから
「標語を掲げて進む」のではなくて
「この器から漏れ出すせかいで世界を形創る」のであり、
「その一番強い光が顕現するということ」
そしてこの
「朝の言葉の総括」は 結局。
「その創り方を生まれた時からやっていたという気付きの視点」で
そもそも初めからそうしているのだから
いい加減、意識的にやり方を変え
「"初めに 光ありき"にすればいい」
そういう、ことだ。
「 うぅむ。 」
そして 気の済んだ顔をした朝は
そんな私の顔を見て会話の終わりを察すると
「ポン」と地面へ飛び降りて
「じゃあね」と言いながらも 水路脇をテクテクと歩いてゆく。
「 うん、ありがとう。 また、後でね。」
だから その後ろ姿にそう声をかけて。
結局
「そもそもの そもそも論」を浮かべながら
深く 頷き
ほうっと息を 吐いていたんだ。
0
あなたにおすすめの小説
愚かな側妃と言われたので、我慢することをやめます
天宮有
恋愛
私アリザは平民から側妃となり、国王ルグドに利用されていた。
王妃のシェムを愛しているルグドは、私を酷使する。
影で城の人達から「愚かな側妃」と蔑まれていることを知り、全てがどうでもよくなっていた。
私は我慢することをやめてルグドを助けず、愚かな側妃として生きます。
【完結】離縁ですか…では、私が出掛けている間に出ていって下さいね♪
山葵
恋愛
突然、カイルから離縁して欲しいと言われ、戸惑いながらも理由を聞いた。
「俺は真実の愛に目覚めたのだ。マリアこそ俺の運命の相手!」
そうですか…。
私は離婚届にサインをする。
私は、直ぐに役所に届ける様に使用人に渡した。
使用人が出掛けるのを確認してから
「私とアスベスが旅行に行っている間に荷物を纏めて出ていって下さいね♪」
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
魔道具は歌う~パーティ追放後に最高ランクになった俺を幼馴染は信じない。後で気づいてももう遅い、今まで支えてくれた人達がいるから~
喰寝丸太
ファンタジー
異世界転生者シナグルのスキルは傾聴。
音が良く聞こえるだけの取り柄のないものだった、
幼馴染と加入したパーティを追放され、魔道具に出会うまでは。
魔道具の秘密を解き明かしたシナグルは、魔道具職人と冒険者でSSSランクに登り詰めるのだった。
そして再び出会う幼馴染。
彼女は俺がSSSランクだとは信じなかった。
もういい。
密かにやってた支援も打ち切る。
俺以外にも魔道具職人はいるさ。
落ちぶれて行く追放したパーティ。
俺は客とほのぼのとした良い関係を築きながら、成長していくのだった。
無能なので辞めさせていただきます!
サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。
マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。
えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって?
残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、
無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって?
はいはいわかりました。
辞めますよ。
退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。
自分無能なんで、なんにもわかりませんから。
カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる