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5の扉 ラピスグラウンド
ラピスの朝とルシアの事
しおりを挟むあら。目が覚めちゃった。
寒い、冬の朝。
ぬくぬくと気焔の隣で暖まりながら、ゆっくりしようと思っていたのにスッキリと目が覚めた。
これは…………。久々にあれやるか…………。
徐ろに起き出した私は「やっぱりヤカンさん欲しいな…」と呟きながら、お茶の支度を始める。
紅茶は、やはりキンキンに沸かした熱いお湯で入れた方が美味しいからだ。シャットに行って、改めて感じた事の一つだ。
「藍、藍がダメな訳じゃないから。」
「フフッ。分かってますわ?」
そんな事を言いつつ「セーさん、おはよう。」ときっとまだ寝ているセーさんにも挨拶する。
そう、私は浮かれているのだ。
久しぶりの自分の部屋で楽しむ、朝の特別な、時間。
浮かれないわけがないよね…………。
お茶の支度だけすると、火箱を付けてお風呂の支度もする。お湯を張って、また部屋に戻ると「あ。」と気が付いてレナの部屋にも火箱を付けてきた。
火事にはならないから、まじないって便利だよね~。
やっぱり疲れているのだろう、まだ寝ているレナを起こさないようにそーっと出て「言うてもまだ黄の時間の前よ。」と一人ツッコミも、出る。
さ、さ、お風呂入ろっと。
お茶セットとロランのカップまでセットすると「覗くなよ?」といつものセリフをちゃんと言って洗面室へ入った。
「ただいま~。」
なんとなく、洗面室の鏡にも挨拶する。
ラピスを出た時とはまた、変化した姿。白水色の髪を映して、「うーん。」と呟くとササっと洗って湯船に入る。
「あっぁ~~~。」
いかん。………気焔に聞こえたかな?
まぁ今更だけど。
そんな事を考えつつ、ゆったりと湯船に浸かる。
広いお風呂もいいけど、自宅のお風呂のリラックス感と言ったら、ないよねー!
レナも朝風呂入るかな…………。今日はルシアさんの所行って…イスファは連れ出すとして…レナも居るから…リールも連れてくし…どこだ?森かな?
気焔がいるから、いいよね?
そこまで考えると、ザバッと立ち上がって上がる支度をする。
ウィールで作ってきた服を着て「やっぱり行って良かった」と呟く。今日は綸子の余り生地で作ったオーロラのスカートと染めていないブラウス。刺繍は無いけど、あのオーロラ生地のスカートだ。ブラウスは合わせやすいように染める前の白地のまま、作ってある。汚れたら、後で染めてもいいしね。もしかして、大きい鍋があればウィールじゃなくてもまじないを込めれば染められるのかな?試す価値はあるね…………。
「…おはよう?」
きっと起きてるだろう気焔と朝にそう言いながら、洗面室を出た。
ん?二人ともまだ寝てる。いや、一人は寝たフリだけど。
無理に起こす必要も無いので、そのままお茶の支度をして朝の時間を楽しむ。
「寒いね~。だって一番寒くなる時帰ってきたもんねぇ?」
レナは大丈夫かな?そう思いながら、曇ったガラスを端切れで拭いた。
うーん。白い。
白んだ空はそろそろ黄の時間になろうというのにまだ少し暗く、白い。
冬だなぁ、と感じる景色を見ながら、やはり早くから灯る黄色の灯に冬の祭りが近い事を知らされる。
やだ…テンション上がる…まだ朝なのに!
ウキウキしながらお茶道具を片付け、きちんと黄の時間まで待ってからレナの部屋をノックした。
偉くない?ちゃんと待ったよ?
「おはよう…………。」
火箱で少し暖かくなった部屋に入る。まだ、こっちの部屋も窓が曇ってるな…………。
打って変わって眠そうなレナ。
「よく眠れた?寒くなかった?」
「いや…………寒いとか感じる暇なく寝てたわよ…………まだ早くない?」
んん?
充分待ってからノックしたつもりの私は「そんな事ないよ」とか誤魔化しながら、今日の予定を共有する。
「レナ、朝風呂入る?お湯あるよ??あと、今日はシュツットガルトさんを隣に案内してちょっと様子を見たら、みんなで森へ行かない??」
「…………ん?隣…………?森…………。」
どうやらまだ頭が働いていないようだ。
とりあえず支度をするのに洗面室を借りると言うので、「お風呂はご自由に」と言って送り出した。レナはお化粧しないと気合が入らないようだ。
そこら辺は元の世界の女子っぽいよね。いや、結構うちの世界でもレナならやってけるだろうな…………。
待っているのもアレだから、「支度出来たら降りてきてね。」と声を掛けて、追い出した気焔を探しに階下に降りる。
ついでに朝食の支度をしようかな?久しぶりに。
階下に降りると気焔は居なかった。どこかに出掛けたのだろうか。
久しぶりのラピス、何か確認したい事でもあるのかな?それともウイントフークさんのところかもね…。
そろそろ早ければティラナが起きて来るかもしれない。先にお茶と朝食の支度を進めよう。
そうして私は冬の野菜保管庫を探り出した。
「おはよう……久しぶりね。元気だった?」
「ルシアさ~ん…。おはようございまず…。」
ハーシェルの時ほどでは無いが、やはり涙が出ている私をそろそろ呆れ顔で見ている、レナ。
今日は私達が帰ってきたので、朝食を一緒にしようとハーシェルが前もって呼んでいたようだ。
何それ………お父さん、素敵。
「お姉ちゃん!」
ティラナも起きてきた。「昨日、楽しみで寝たのが遅かったんだよ」とハーシェルが言っていたので、起こさず待っていたのだ。
「ただいま!」「………お帰りなさい。」
抱きついたまま泣きながら、ティラナは「字を書けるようになった」とか「クッキーが」とか言っているけど、イマイチよく聞き取れない。
「私がいない間も頑張ってたんだね…………」
ティラナをギュッと抱きしめながらルシアを見ると、頷きながらリールの背中を押している。
これはもしかして、久しぶりだから照れているのだろうか。
初めて会った時はまだ小さくて、「恥ずかしい」など無く「お姉ちゃん!」って言ってたのに…………。
リールの変化にも成長を感じて、それなら今日森へ行くのは丁度いいな、と思った。きっと、ただ挨拶するよりもイスファと仲良くなれる筈だから。
そうして再会の挨拶を果たすと、私はレナをみんなに紹介してそのまま朝食の運びとなった。
「どうぞ。」
「あ、ありがとうございます。」
ふふ。戸惑ってる戸惑ってる。
私はレナの食事の様子を見て「最初の頃の私もこんな風でした?」とハーシェルに聞きながら、久しぶりに自分で作った朝食とルシアが持って来てくれたパイに舌鼓を打っていた。
「この実は何の実ですか?」
「これはリプの実を漬けたものよ。ほら、ヨルがドレッシングに使ってたでしょう?」
「確かに。酸っぱいと思った。」
ルシアが作ってきてくれたのは上に青紫の実が乗っている、味はレモンのような爽やかな味のパイだ。一通りパンとスープを食べ終わった私は既にモグモグパイを食べていたのだが、隣のレナがパイを前に悩んでいる。
パンとスープは冬なので奇抜な色の野菜も無く、ある意味見慣れた物なので普通に食べられたようだ。
でも今そのパイをルシアに取り分けてもらい、固まっている。
でも青い実なんて、そこまで戸惑うものかな?蛍光ピンクとかグリーンとかより、全然マシだよね??
グロッシュラーの食事事情は分からないが、あまり食事にも色が無いのだろうか。ある程度、美味しそうな色だといいな…。
レナが頑張って一口目を入れて、目を輝かせたのを見ると気に入った様だ。
良かった良かった。そう言えばお風呂にもビックリしてたしなぁ…。
私は朝、「お風呂はご自由に」と言って下に降りてきたのだけど、レナは身体を洗おうとして湯船にお湯が張ってあるのを見てビックリしたらしい。
それってさ、10階のお風呂に行ってないって事だよね………なんて事!!!
とりあえず、私はお風呂にカーテンを付け、洗い場になるよう少し改良してあるので、なんとな~く洗って、出て来たらしい。
「何アレ?どうするわけ??」
と降りて来たレナに問い詰められて、戸惑ったのは私の方だ。気持ちいいのに、どうしてお風呂文化が普及しないのかしら??
この調子で行くと、グロッシュラーにも湯船は無いのだろう。ウイントフークに頼んで湯船にできる石を用意してもらわなければ…。
「で?ヨル?今日は森に行くの?」
私が恒例のぐるぐるをしている間に、なんだか仲良くなっているルシアとレナが今日の予定を話していたようだ。
「あの人が来るのが水の時間だから…。ねぇ、あの…………。」
珍しくルシアが言い澱む。
多分…イスファの事だよね…。確かに、一応「養子を取った」とサラッとは伝えたらしいが…シュツットガルトさんのサラッとだからね…何も言ってないよね。
「私も初めびっくりしましたよ。まさか、聞いてなかったですから。しかもリールよりだいぶ大きかったので、最初シュツットガルトさんの事、「どういう事?」って睨んじゃいましたよ!」
私がキャラキャラ笑いながら言ったので、少し緊張が解れたようだ。やはり、いろんな意味で心配なのだろう。そのままイスファの事をレナと一緒に説明した。
でも「明るい」「優しい」「フワッとしてる」とか私が言ってたら、レナに突っ込まれたけど。
「僕は今日教会だけど大丈夫かい?」
「気焔もいるし、イスファとレナもいるから大丈夫じゃないですかね?」
一応、隅にハーシェルを手招きして人攫いの方がどうなってるのかだけ、訊いた。それがなければ、基本的に森に危険はない筈だ。
「あれから一応、そのような報告は無いよ。フェアバンクスもまだ今の所は誤魔化せてると言っていた。後はウイントフークが何か調べて来てる筈だから、それを聞いてどうして行くか…」
「そうなんですね………良かった。」
人攫いが人を送らなくなって、何か不都合が起きていないか心配だったのだが今の所は大丈夫のようだ。でも、それもいつまで持つか…。その辺もレシフェとウイントフークと相談してから行かなければならないだろう。
悶々としている間に、レナがパイを食べ終わりみんな片付けを始めていた。
あれ?もう、そんな時間?
時計を見るともうすぐ水の時間だ。
私も自分の皿を片付け、これからどうするのかルシアに訊ねる。
うちに来るのかな?ルシアさんち?
トントン
そう、考えているとノックの音がする。
やば。もう来ちゃったかな?
バタバタと片付けを終わらせテーブルを拭く。ハーシェルが入り口へ出迎えに行って、扉を開けた。
「…………なかったからな。こっちへ来てみたんだが。久しぶりだな。色々世話になってるようで、一度お礼を言おうと思っていた。」
「ああ。本当、会うのは久しぶりだな?まあ後でゆっくり話そう。今、丁度終わった所だ。ちょっと待ってくれ。」
何やらハーシェルとシュツットガルトが挨拶している間、ソワソワしているルシア。
珍しい。大丈夫かな?
とりあえず戻ってきたハーシェルに「私、ちょっと…」と言いかけると「ああ。その、リールと息子くんだけ連れて戻っておいで。」と、ハーシェルは私の行動を予測していたようだった。
それなら話が早いと、レナに目配せしてリールの手を取りルシアの背中を押す。
そうして私達は隣のルシアの家に、向かった。
何これ。ちょっともう、面白いけど。
ルシアの家に入り、お茶の支度も整って、さあ話そうかと言うところ。
なんだか全員、モジモジしている。うん、モジモジしてるよね、これ。
シュツットガルトは辺りを見回し、たまにチラチラルシアを見てはすぐ目を逸らして、また周りを見る。家の内装はほとんど変えてない、とルシアが言っていたので懐かしいのだろうか。ソワソワしてはいるが、瞳は懐かしそうな色を映していた。
イスファは見るからに緊張していて、顔が忙しそうだ。でも、リールがイスファをチラチラ気にしているのでそれに笑顔で応えてからは、二人は少しずつ近づいてリールの質問にイスファが答え出す。
シュツットガルトとルシアが何も喋らないので、二人の会話だけが居間に響いていた。
「お兄ちゃんは誰?」
「………うーん。」
「遊びに来たの?」
「そう…………だね?」
「おじいちゃんは?誰?」
ちょっと。ちょっと、ちょっと。
ゴホン
私がわざとらしい咳払いをする。
「ハッ」とシュツットガルトが気が付いたようで、それを見て逆にこの状況で何を考えてたのか気になるけど、それよりもイスファを助けてもらわないと困る。
流石に可哀想だよ………。
私は元々、挨拶が終わったら二人を連れて森へ行く予定だった。
だが、その挨拶が一向に始まらないのだ。流石にこの場でお見合いのおばさん?みたいに私が仕切っていいものか。
いやしかし、シュツットガルトさんだからなぁ…………。
しかし、私の生暖かい目に流石に気が付いたのか、シュツットガルトはやっと口を開いた。
「この子はわしの後継ぎに引き取ったイスファだ。なに、わしには勿体無いくらいの気遣いも出来るし、やる気もある。…………いい子だ。」
「イスファね。初めまして。私はルシアよ。そしてこの子がリール。リール、イスファはお兄ちゃんよ。」
「え?お兄ちゃんって、僕の?」
「そう。実はね、内緒にしてたけど。今迄はちょっと会えなかったけど、たまには遊びに来てくれるかもね?まだお勉強が沢山あるのでしょう?」
イスファにも問い掛けながら、ルシアがそう、リールに紹介してくれた。
…………ルシアさんは。
イスファがルシアと話しているのを確認すると、様子を見ながら私はお茶を飲んでいた。とりあえず、リールにシュツットガルトが父親だという所まで話さないと、家を出られない。
でもさっき「おじいちゃん」って言ってたからなぁ…本人からは言い出し辛いよな…。
ルシアも流石にそれは分かっているのだろう、少しイスファとリールと話すと、きちんとリールに向き直って話す準備を、した。
ん?これ私居ていい?でも今更出られないしな…。
「リール。このおじさんはね………あなたのお父さんよ。」
「お父、さん…………?」
リールの瞳がシュツットガルトに釘付けになった。
こうして見ると、似てるな………。
多分、本人達以外の三人はそう思っていたに違いない。
イスファが私を見て、少し腰を浮かせた。
でも私は首を振る。「大丈夫。居た方がいい」そう、目で言うとシュツットガルトの正面に立ったリールを見た。
リールはきちんとシュツットガルトの正面に向かって立ち、父親だと言われた彼の顔をじっと、見ていた。
「目が………僕とおんなじだね?」
そう、振り返ってルシアに言う。
シュツットガルトの濃いブルーの瞳から涙が溢れた。また彼を見たリールが心配そうにしている。
ルシアがハンカチを差し出し、シュツットガルトが目を抑える頃、勿論、私も目を抑えていた。
いや、調子に乗って同席したのはいいけど私が泣いてる場合じゃ無いんだってば。でも…………無理だよね。
元々涙脆い私がここに同席すると決めた時点で、予想出来た筈。でもシュツットガルトに任せておいたら心配過ぎるので、しゃしゃり出て来ただけでここまで想像力が追いついていなかった。
失敗。
全然シュツットガルトより泣いていた私は、ルシアにちょっと慰められ、逆に迷惑をかけたかもしれない。が、とりあえず後は二人の話にした方がいいだろう。
チラリとイスファを見ると、分かってくれたようでリールを誘ってくれる。さすが、場の空気を読むのが上手い。
「リール、僕らと森に行かないかい?初めてだから、どんな所か教えてよ?」
そうリールを誘ったイスファは小さい子に対しても好感度が高いな?なんて思っている私を他所に二人で盛り上がり始める。
ルシアとシュツットガルトに少し頷いて確認すると、私は二人を連れて家を出た。
はーーーっ
とりあえず、無事顔合わせ、終了!
後は大人達がなんとかするでしょう。
私達は森で、遊ぶぞ~!
なんだか私も必要以上に緊張した親子顔合わせミッションを終え、大きく伸びをすると、レナと気焔を迎えに行った。
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