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7の扉 グロッシュラー
焦燥とお出かけと
しおりを挟むどうして?
ああ
会いたい どこ どこだろう
あの人 あの子は
私の名を呼ぶ ただ一人の
あの人は
まだ 会えない
私達の 大切な あの子
一目 一目だけでも
私の あの 大切な
どうして?
どうして?
どう して?
何処なの? 私の 場所
還る 場所は
まだ 誰も 来ない
どうして
「何処なの?!どうして?どうして私の?!」
「待て。大丈夫、大丈夫だ……。」
ああ そうか
大丈夫なんだ あったかい
あの人?
金色だ あの 安心する色
あの
金色
私の
ん?
む?ぅう??
んっ ?
も、もう
いっぱい いっぱい で す
け ど??
「ちょ、っと!!」
ぐっと、胸を押して脱出する。
「ぷ、はぁ」
喉から金色が漏れそうになって、思わず飲み込んだ。
少し、落ち着くまでじっとしていた方がいいだろう。
それに、しても………。
そう、困った状況なのである。
謎の焦燥感に苛まれて目が覚める事が増えてきた、この頃。
原因は分かっている。
あの子の、手を取ったからだ。きっと。
しかし、あの手を取らない選択肢は無いし、私が逆の立場だとしても。
「こうなっている」状況が、痛い程よく、解るから何とも言い様が無いのである。
夢の中では落ち着いていたと、思っていた。
けれどもやはり、こうして現れる焦燥感に実は私は安心しても、いた。
だって、あんな事があって。
そのまま、黙っていられるだなんてそっちの方が心配だ。
モヤモヤして正解だし、許せなくってもそれが当然だと思う。
ただ、それを「どうするか」、なんだけど。
私が思い付く、有効な手段はただ、一つである。
そう、祭祀で、祈ること。
消化できるのかどうかは、分からない。
でも、どうしようもない、想いを、祈って、歌って、踊ってありとあらゆる方法で、発散して。
それを、何かに変えられたなら。
「きっと、いいんだよね…。」
私の言葉を聞いた金色に顔を確かめられる。
ああ、やはり、「違う」。
私の、あの金色は何処だろうか。
あの、唯一私が私を赦す、金色は、………。
じっと、燃える焔を見つめて、いた。
最上級の「嫌なものを見る目」をした金の瞳は、細められて、しかしぐっとチカラを再び流し込み始める。
うん、これもいい。
これもいいけど、もっと、欲しい。
もっと、もっと、私の深いところまで、届くもの。
何だろうか、知って、る?
ねぇ?
知っているの?
「プツリ」とチカラが途切れて、自分が離された事を知る。
「どう、して?」
金色は無言で私の頭をポンポンすると、布団を掛けて自分はベッドから出た。
「少し、飛んでくる。」
「え?なんで?」
「すぐ、帰るから寝ていろよ?」
「……………はぁい。」
まぁ、一人で飛びたい時も、あるのかな………?
でも、この頃多く、ない??
そうして私は、その後ろ姿を見送りながらウトウト、するのである。
「すぐ帰る」の「すぐ」がどのくらいか、確かめてやろうと思いつつも眠気に抗えず、結局、目を閉じるのであった。
「フフ、久しぶりの外出♪」
「気を、付けろよ?」
「浮かれて歌っちゃダメよ。」
朝からフンフン鼻歌を歌う私に小言を言うのは、いつもの二人。
ロココカップの住人は、未だ夢の中らしい。
キラリと光る、背中が見えているけれど夢は見るのだろうか。
ていうか、今更だけどそもそも、寝るのかな??
今日はなんと、みんなでイストリアの畑に行く予定で朝から浮かれて支度をしている。
それも歴史の勉強が大概終わってしまった優秀な二人の為に、大所帯で行く事になったのである。
私がまごまご祝詞の訳を調べ直している間に、ランペトゥーザとベオ様は歴史の学び直しを終えてしまったのだ。
ついでに教えてもらおうと思っていた私が落胆したのは、言うまでも無い。
しかし元々、銀の家男子の二人はそもそもの知識に肉付けするだけでよかったらしく、そう時間は掛からなかった。
「それにしても、中々の人数じゃない?大丈夫、かな?」
「本人がそう、言っているのだから大丈夫ではないか。」
真面目な返答が返ってきて、最もだと、思うのだけど。
今日、イストリアの畑に行く予定の面子が多くて、濃いのだ。
「だってさ、とりあえずイストリアさんでしょ、ウイントフークさん、ランペトゥーザ、ベオ様、お兄さん、レシフェ、レナも誘ったし………ん?でも後は朝とベイルートさんか。そうでもない、かな??」
どうやら猫と虫が人数に加わっていたらしい私の中では、想像の畑は人がいっぱいだった。
しかし畑は、広い。
二人が減ると(いるけど)、全然人数的には多くないだろう。
しかもレシフェは見張り役だと言ってたし?
要るのかな?見張り。
まぁ、誘えばいっか。
「ほら!とりあえずそろそろ出るわよ。いつもと違う面子だから、遅れる訳にはいかないでしょ?」
「確かに。」
私よりもよっぽどしっかりしている朝の言葉に、それを思い出してローブを手に取る。
そう、神殿からはランペトゥーザと出て、途中でベオ様達を拾って向かうのだ。
ベオ様はともかく、お兄さんを待たせるのは気まずい。うん。
そうしてバタバタと身支度、部屋のチェックをするとロココカップから玉虫色をむんずと掴んで部屋を出る。
鍵を閉めると、房と一緒に玉虫をポケットへポイと、入れた。
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