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8の扉 デヴァイ
繋がって いたもの
しおりを挟むえっ
うん? なに??
ここ ど こ??
真っ暗な闇、しかし辺りには自分が飛ぶ前に揺れていた光の残滓が「在る」のは、分かる。
見えないけれど。
多分、薄いんだ…。
キョロキョロと辺りを見渡してみるが、見えるものは眼下の地図の様な図形と、微かな靄のみである。
とりあえず他に手掛かりが無いかと探してみるが
はっきりと見えるものはやはり、その図形、のみだ。
うーーーん?
なんだろ、あれ…
でも?
見たこと、ある、よう な ??
何処かで見た様な、その「かたち」。
しかも、「色」が所々に着いているそれは、さながらこの世界を表す、図形の様で。
何故かと言うと、その「色」が銀、白、黄色、茶、赤、青と。
私達のローブの色と、同じだからなのである。
うーーーん?
どこだろう どっか で?
見たな…………?
「あ。」
そうか!
確かに、これは地図なんだ。
そう、始めの頃千里と一緒に作った、地図だ。
あれに、似ている。
ん?
て、言うか。
そう、じゃない??
その「色」は、其々の家の場所にきちんと、置かれて配置はほぼ、合っている。
真ん中辺りに怪しい黒い丸、その隣にはぼんやりとした灰色から白っぽい、丸。
あれは多分図書館と礼拝堂ではなかろうか。
ん?
だとすれば、礼拝堂が黒いって、こと??
祈りの場、なのに?
よく、分からないけれど。
配置からすれば、「そう」なっている。
うーーーん?
とりあえず、それはいいとしても。
私は?
なんで ここ に??
ふわふわと浮いている様な感覚、辺りの光の気配。
しかし他には何も、見えなくて。
多分、感覚的にはデヴァイを、上空から見ている様な、感じだ。
でも。
そうなのかも、ね?
「えっ、でもこれ。どうやって、戻るの??」
多分、あの光の靄が上に飛びそうになって。
捕まえようとして、私もついでにここへ出てきてしまった様な気がする。
てか、ここ。なに?
デヴァイとグロッシュラーの、間とか、かな??
えーー
そんなの あるのかな………
とは言っても。
このままでは、まずいだろう。
どうすればいいのかは分からないけれど、パミールはきっと心配しているに違いない。
きっとあの狐は。
「えっ。どっちだろうか。してやったり?それとも、またやらかした??………どっちにしてもアレだな………。」
だって元々は千里の、所為じゃ、ない??
まあ、仕方無いけどさ…。
一人でぶちぶち言いながらも、辺りの靄を確認してみる。
この靄が、光の残滓で祈りのチカラだったならば。
きっと私にとっては、味方の筈だ。
何かしら、協力してくれるかも知れない。
うん、とりあえず。
やってみて、考えようか。
「ねえ、あなた達……… 」
話し掛けて、みる。
しかし。
勿論、返事は無い。
それに。
なにしろその光も薄過ぎて、目を凝らしていないと見失いそうなくらいなのである。
うーーーん。
これは………どう、しようか。
「あっ!名案~♪」
ふと、思い付いて自分の中を、探る。
「これ」が、光ならば。
チカラの、残滓ならば。
祈りだった、ならば。
きっと。
「合わさる、と思うんだけどな……?」
目を閉じ意識を集中して、自分の中の蝶を出す。
祈り………祈りの、 色 白?
柔らかい いろ
優しい 色が いい な
ふんわりと、自分の中から幾つか蝶が出てきたのが分かる。
そのまま、光の残滓を追い、蝶で包んで探ってみた。
あの ここから どうやって
帰れば? いいかな
戻りたいんだ けど ??
「どこに 」
何やら訊いてくれる、声。
返事が来たのが嬉しくて、少し話し掛けてみる。
「あなた達は?あそこへ、帰るの?何処に行きたい?魂…では、ないよね、チカラなのかな… 」
そう、問い掛けた時に。
パッと頭に浮かんできたのは「空」の光景だった。
えっ?
空?
デヴァイは空無いんじゃ、ないの??
ああ でも。
だからか
それなら、「あそこ」だろうな…………
そう、私が思ったその瞬間。
パッと、場面は変わり自分が旧い神殿の裏手に立っているのが、分かった。
「送る」と、すれば。
ここが一番いいと、私が思ったからだ。
「ん?んん??」
パタパタと、自分の身体を確かめて生身である事を確認した。
「えっ。何これ、怒られるやつ??」
どうやって来たのか、何が、どう、なのか。
全く分からないけれど、自分の上にあの光の残滓が舞っているのは判る。
「うーーーん。とりあえず、送って、帰れば?いいよね………。」
見上げた空は、お誂え向きに、青空がチラリと見える。
きっと。
この人達の為に、見えているのだろう。
全部。
みんな。
連れてこれた かな?
赤の区画 他は?
また 行けばいい かな
うーーん どう? まあ 大丈夫かな
目を瞑ると、さっきまで見えていたあの図形が光で繋がっているのが分かる。
各家を繋ぐ廊下が光の筋となって、色を繋いでいるのが分かるのだ。
所々、薄い線と濃い、線がある。
多分、まじないとか力の分量?だと思うんだけど。
赤と黄の光が強いのは、私が行ったからなのかも知れない。
ハーゼルも「力が沢山貰えるようになった」って言ってたし?
まあ、それなら。
順にやって行くしか、ないよね…。
とりあえずは目を開け、空に舞う光達を手で誘導しながら。
口を、大きく開いた。
「 ありがとう 繋いで くれて
ありがとう 待っていて くれて
これからは また 私達が 繋ぐから
安心してね また 逢える
光が 繋がれば いつでも きっと
また 逢えるから
ありがとう ありがとう 」
いつもの、節で。
言葉を変えて、謳う、詩。
きっとあの光が残っていて、くれたから。
あの地図だって、繋がっていたし。
きっとギリギリ、保ってたんだ。
だから、きっと。
再び、光を、繋げば。
「できる。 うん。」
キラキラと煌めきながら昇ってゆく光、覗いていた青の中に吸い込まれて見えなく、なるまで。
ずっと、ずっと、その美しい光景を。
見守って、いたのだった。
「 私 は~ 小さな 星~ ♪」
ルンルンとスキップをしながらぐるりと神殿の周りを、歩く。
どう、しようかと思ったけれどイストリアの所に寄って、帰れば。
一石二鳥かと、いい事を思い付いてルンルンと歩いていた。
きっとあそこからなら連絡もして、貰えるだろうし。
なんならお茶の一杯でも飲みながら、話をしたいという思惑も、あったのだ。
「祭祀の相談もしたいしねぇ…ん?結局?でも、ブラッド待ちか…………??」
神殿の物置から移動しようと決め、壊れたアーチを潜り廊下を抜け、とりあえずは円窓のホールへ着いた。
祈らなくとも、もうあの入り口は使えるのだろうけど。
なんとなく、予行練習でもしようかと思い付いて礼拝堂へやって来たのだ。
うん、やっぱり。
ここ、好きだなぁ…………。
そうして光が差し込む美しい、光景を目に映して。
なにに
どうやって
どんな 思いで
祈ろうか と。
少し、頭を整理する事にしたのである。
うむ。
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