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8の扉 デヴァイ
星の祭祀 ある意味 準備
しおりを挟む気になることは、沢山あった。
「長のこと」
「繋がった 光」
「ディディエライト 」
「女性の参加」
「ガラスの 範囲」
「 」
でも、それもどれも、みんな。
きっとこの「祈り」が届けば、満ちれば、行き届いたならば。
「変化」して、なにかが繋がり新しい扉が開かれる事が何故だか分かっていた。
そう、多分、祭祀が終われば「なにか」が「見える」事だけは。
知っていたのだ。
「なんか、この面子って珍しいですね。フフッ」
「フフッ、じゃないだろう。」
そんなやり取りをしながら、旧い神殿脇を歩くのは私とウイントフークだ。
今回、こちらには二人、のみ。
勿論、色々言われたし、散々心配もされたんだけど。
アリススプリングスはアラルの側にと、私が提案した。
勿論、今回も一緒に祈って貰い、なんならアラルが星を降らせた事にして貰おうと思っている。
知ってる人は、知ってるけれど「私が」こっちで祈っている事は、基本的には内緒である。
秘密の作戦ぽくて、いい。
ラガシュは本部長に却下されて、ハーゼルも同じく。
レシフェだけは迷ったけど、圧倒的に向こうにいてもらっ方が安心だ。
最後まで粘ったのが意外にもブラッドフォードだったけど。
「集中できない」という、私の一言で本部長に速攻却下されていた。
なんだか可哀想なくらいだったけど、仕方が無いとも、思う。
この頃あの人は意味深な瞳で、見つめてくる事が多いから。
あれを止めてくれれば、いいんだけど。
そうして本命の金色は、迷ったけれど向こうに居てもらう事にした。
今回、シンはいない。
でも、あの黒の廊下を走った時から私はなんだか「あそこ」と繋がった気がしていたし。
ぶっちゃけ、今回の祭祀について「気になること」はなくもないが「不安」は、全く無かったのだ。
なんでか、分かんないけど。
そうして私と離れる事が決まっている金色は、昨晩タップリと栄養を補充しに来ていた。
部屋に入るとすぐに私を懐に入れた、金色。
私は、と言えば。
この頃解った、ぐるぐるのなかみをその、腕の中で。
ポツリ、ポツリと漏らしていた。
「あの、ね?この頃ずっと、ぐるぐる、ぐるぐるしてたでしょう?それでね………」
「結局。なんか色んな事が複雑で、訳わかんなくなって、でも全部が全部、大事でも、あって。自分でもなにに悩んでるのか、悩んでいるのかどうかすら、分かんなくなってたんだけど。」
「でも。なんか、「生きる」って。「生きてる」って結局、そういうことなのかなっても、思って。複雑で、訳が分かんなくて、面倒くさくて、厚みがあって。でも、だから楽しい。」
「でもさ…………やっぱり、もう揉めるのが嫌で。人が傷付け合うのが嫌で。この、繰り返しを止めたいと、思ったら。「気付く」には。………結局もう、このぐるぐるを全部纏めて、ポイして、「祈れば」。いいんだろうなって。」
「そうすれば、きっと。「わかる」のかも、って思ったの。黒の廊下を、「そのまんまの私」で、走って。」
腕からの温もりが、熱くなってきて気持ちいい。
それが、返事な気もして、そのまま漏らし続ける。
「これまでずっと、やってきた色々なこと、重たいこと、悲しいこと、楽しいこと、どれもこれも、一枚一枚、全部。剥いて、剥がして、捲っていって。」
「結局、「真っ新な私」に、ならないとすっきり祈れないし、謳えないし、きっと次にも、進めないんだって。解った、の。面倒くさいけど、大変だけど。「必要なこと」なんだ、って。」
チラリと見上げる、金の瞳はただ優しい焔を湛え揺れている。
それを見て。
明日の為に、自分の為に、「言っておきたいこと」がないか、と再びなかみを浚う。
「真っ新な 私」に なること
「本当の こと」「本当の 私」
きっとそれって。
同じ、だよね?
無言で見つめて、みたけれど。
じっと無言で見つめ返す金の瞳が、やけに美しく見えるから、いけない。
…………あれ?
急に、青を纏い始めた彼の焔、「あの時」の溢れて止まらない様子が思い出されてワタワタと一人、焦る。
「どう、した?」
えっ
やめて 今 それ?
少し首を傾げ、節目がちに問い掛けてくるその様子は、わざとやっているのかと思う程私のツボにはまってくる。
「うっ 」
堪え切れずに「ブワリ」と漏れ出す星屑、勢いよく溢れ出すそれに何故だか楽し気な金色。
何故だ。
あなたの、所為なのにっ。
「ねえ 」
「補充しに来てくれたんじゃ、ないの?」そんな目を向けて、睨んでみるがそれもまた楽しそうに眺める金色。
その、色を見てまたボロボロと溢れ出す星屑、ウエッジウッドブルーの部屋は早くも金と青の光で埋まりそうで、ある。
えっ ねえ
これ もしかしなくても スピリット
くる よね?
え? そこ で?
チャージ?? 注ぎ込まれちゃう わけ???
それはちょっと、勘弁して欲しい…………。
そんな私の顔を読んだのか、抱き寄せる腕、口を塞がれる前に見えたのは瞳に揺れる強い、焔。
ああ そう だよね
彼だって心配してない、訳じゃない。
私だって、寂しくない訳じゃ、ないけど。
でも「繋がっている」からこそ頼める、自分の見えない範囲、きっと「望む様にしてくれる」事が分かる、有り難さ。
注ぎ込まれる強い金色に、全身が気持ち良く痺れたところで。
一度、身体を離された。
なんで、分かったんだ、ろうか。
「ありがとう。」
「なんの。」
私に言わせてくれたのだろう、再び近づいて来る金の瞳に抗いようはなくて、また目を閉じる。
少し笑った、その笑顔が目に焼き付いて。
自分の「なか」にポッと灯った炎は彼を刺激して、また熱い色が流れ込んでくる。
なんだ、ろうな この感覚………
もっと探ってみたい、気はしたけれど。
明日は祭祀だ。
なんか。
とりあえず、後にしよう。
もし疲れて?祈れないと困るし?
イチャイチャし過ぎて、離れたくなくなったら…………困る し
キャーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!
「五月蝿い。もう、寝ろ。明日がある。」
「…………分かってます、よ。」
この、勝手に乙女の思考を読むのは如何なものだろうか。
でも。
繋がってると、伝わっちゃうんだろうけど。
え 繋がって
キャーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!
「阿呆。」
失礼な。
しかし、金色が言うのも尤もである。
とりあえず、明日はゆっくりでいい筈だけど。
まあ、色々、準備…………って
なんか あったっけ な…
しかし、やはりなんだかんだ、疲れていたのか私の頭はそれ以降、働くことなく。
そうして、いつもの様にいつの間にか。
眠りこけて、いたのであった。
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