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8の扉 デヴァイ
満ちている私
しおりを挟むふと、「今の私」をよく、見てみることにした。
この小さな落ち着く部屋で、二人に囲まれ座っている、私。
安心のこの場所で、今、私は非常にリラックスしている。
これから考え事をしようかという、「さあやるか」という準備段階の様な、状況で。
自分の事を、冷静に見つめ始めた「自分の変化」にふと気付き、それをまた静かに観察しているのだ。
「私の周りにいる 色んな段階の 私」
そんな不思議な空間で。
静かに満ちている自分を観察して、いたのである。
さて。
とりあえず「満ち満ちている」自分の身体を、ぐるりと浚ってみる。
隅々まで「満ちた」状態の「なにか」が、身体いっぱいにあるのが分かる。
チカラだろう、その「なにか」はそれ自体がまた「満ちた」状態で私の中に充満していて。
「満タン」感が強い今なら、なんでもできそうで、ある。
うん?
でも?
これ じゃ ない???
「ああ、そうか…………」
まあ、そうだよね…………。
そう、「源」とは。
「万物の根源」であり、「なんでも ある」ものだ。
少なくとも、私は「そう思っている」。
だから。
この、「満ちている私」が、考える「これから」は、きっと良いものだろう事が、解る。
「うん。」
そう、確かに。
この状況で、考えるにはとてもいい、内容だ。
ふむ。
して?
それならば??
「なんでもできる 私」が、考える。
最善の、未来は。
なんだ?
ぶっちゃけ、「不老不死」はあっても無くても、いい。
それ自体は、そう大きな問題では、ないのだ。
本部長は「行かせて終えばいい」と言って、いたけれど。
「それは「臭いものには蓋をしろ」系の、話だし?」
どんな色も、含みたい私としては、素直に頷けない案でも、ある。
「変わる」「変わらない」
「変えられは しない」 「自由」
私は、あの人達に。
私が帰ったら、「自由に思うこと」を要求したけれど。
そう、実は「不老不死」が無ければ創ればいい、と思っているのは自分自身でも、ある。
本部長も、そう言っていたけれど。
やり方、結果は再考するが「可能不可能」で言えば。
きっと、できる。
ただ、それを「やるかどうか」だけなのだ。
だから。
私が「自由」を望むのなら。
あの人達が「不老不死」を、望む権利だってあるんだ。
「ふむ。」
じゃあ、どうする?
全部、やっちゃう??
そう、すれば。
どう、なる??
長老達はきっと、それを手に入れ必要なものを乗せ、箱舟を飛ばすだろう。
デヴァイが、保たないならば。
それは「そうなる」、という事だ。
「ん?」
待てよ?
そう、すると…………。
いや まずい な???
そう、今さっき思った「動力源」、それは。
デヴァイを 保たせる
箱舟を 飛ばす
そう、どちらも。
私、なのだ。
「あ、れ…………??」
しかし、そうなってくるとある意味話は早い。
「箱舟で逃げる」案は、却下だからだ。
あの人達が自分達だけで。
それを、やるとは思えない。
結局「便利」な、私を連れて行こうとするのは、容易に予測できるのだ。
えーー。
じゃあ?
不老不死は、………お預け?
でもさ。
帰って来たら、みんなが「自由に 思う」ことを、許すならば。
あの人達が「自由に」、「どう したいのか」。
訊けば、いいかな?
元々、そんな苦労をして取って戻るなら、理由くらいは聞く権利はあると思っている。
彼等が「自由に 思う」ことも。
私は、受け入れたいし、なんならそれを聞けば。
その上で、「不老不死」が欲しいのかどうか、訊けば。
反応は、違うのかも知れない。
もしかして、死にたくないだけなのかも知れないし。
朝の言っていた様に、ずっとずっと、贅沢をしたいだけなら。
同じ毎日が永遠に続く、その意味が解っていないという事だろう。
なにしろとりあえず。
「不老不死」については、帰ってから、かな??
で?
結局?
「どうにか なる」の?
行って、帰って、きて。
何か変化は、するのだろうか。
でも。
「私」は。
変わるん だろう けど。
「……………えっ。そこ?それ??」
しかし多分、いやきっと、絶対。
「ああ、そうなんだ。」
えーーーー。
満ち満ちている、自分の中だからこそ。
在る、「そうだ」「それ」「正解」「それが 私の答えだ」という、実感。
だから、結局。
「私が 変わる ために」行くんだ。
チラリと過ぎる、あの銀灰青の瞳、白いローブ。
「風景に 取り込まれたく無ければ 行け」
そう言っていた彼の言葉に、思わずチラリと隣を見た。
「答えは、出たかい?」
そう、優しく尋ねる薄茶の瞳に一抹の懐かしさを感じて、少し首を振る。
旅を、していたのだろうか。
自分の「なか」を。
いや、でもきっと、いつもそうなんだろう。
私は 私の なか で 自由に 跳べて
何処へでも 行き来 できる
それは確実だ。
ずっとずっと、そうだったんだから。
この、まじないの世界へ来る前から。
小さな頃から、ずっと、ずっと。
「はい。とりあえず、行ってきます。なんか、行って帰って来たら。また、変わるってるから今ぐるぐる考えても。しょうがないかなぁって。」
「ハハッ、確かに。まあなにしろ、君ならば。その方が、いいだろうね。…そうだろう?」
反対側に投げかけられた視線を、追う。
渋い顔をしつつも、ウイントフークに反対の色は見えない。
まあ、この人も。
実際、そう思っていたのだろう。
チラリと向かいに投げた視線で、それが解る。
でもさ、実際。
仲、いいよね?
「ウフフ」
「なんだ。」
私のその気配を察したのだろう、すぐに文句を付けてくるその姿がなんだか可愛らしく見えるのは、気の所為だろうか。
「やっぱり…………」
「お母さんの前では、子供なんですねウフフ」と
いう言葉を飲み込み、「コホン」と咳払いをする。
「とりあえず。何が必要か、どう、するのか何時なのかはまだ分かんないですけど。行ってきますね?」
「ああ。」
「少しでも情報を集めるよ。しかし、殆ど無いだろうがな…。ウェストファリア辺りに、当たってみるか。」
「じゃあ俺はアリスからまず話を聞く。あいつがどこまで、どうなのかは判らんが。まあ………」
「そうだね。とりあえずは、いいんじゃないか。」
二人の会話をニヤニヤしない様に、気を付けながら聞いていた。
とりあえず、まだ気になる細かい部分はあるけれど。
なにしろ単純な私の道が、示されたのは大きい。
「よし!」
そう、一人呟く私にチラリと。
「仕方の無い目」が投げられたのは、見なかった事にしておこう。
うむ。
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