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8の扉 デヴァイ 再
黄金の ひかり
しおりを挟む「これまでの すべてを 受け取りに行く」
何故か。
始めに浮かんでいたのは この言葉
「消化」 「浄化」
「全てを 」 「洗い流す」
「解きほぐし」 「また 紡ぎ直す」
「羽衣」
「新しい なにか」 「合わさる」
「ふたり」
「やっと 逢える」
「金と 銀」
「太陽 月」
「俺の 金の月」
「銀糸 」
「あの ひかり 」
「いつでも」
「どこ でも」
「何度 でも」
「同じ いろ」
どこから どう 繋がって。
なにが どうなのかも わからないけど。
でも きっと。
私達の 「求めている もの」は 「同じ」で。
それは 「いつか」も 思った ことで。
やはり だから。
それは 私達にとっての 「真実」なのだろう
その くるくると回る「カケラ」
全て それぞれが。
「本当」なのだ。
「寂しさ」は ある。
でも。
よく 考えれば いや 思えば。
ずっとずっと 続いてきた 「私達」を
「繋げる」役目をした あの子
ずっとずっと 待っていた それは
「私」だった
それが 解って
「もう 軸は 要らない」
それも 解った 今。
あの二人が 逢えない 理由は 無いし
「何故」「どうして」
「私達は」
痛いほど そう 感じていた その 「想い」は。
私の中で 未だ 鮮やかな いろを 放って
そこに ある から。
覚悟を決めて 歩き出すんだ
大丈夫 きっと。
なにか また 新しい 「なにか」が
私を待っている。
それは 知っているから。
フワリと着地した厚い絨毯、目を開けると暗い部屋。
静けさの中、黒い彼がカーテンの前に佇んでいるのが、分かる。
シンも、一緒に行くのだろうか。
「 」
しかし、少しだけ開いた唇からは何の音も発せられず、上げられたカーテンからは薄い光が漏れ出している。
行けと いうことか。
チラリと振り返った私にしっかりと頷く金の瞳、それを見て安心した私は少しだけ黒い彼に微笑むと。
その、背の高い彼が上げているカーテンの向こうへと、先ずは一歩を踏み出したんだ。
うん 白い
白い な?
金色 の 河 は?
水流 は どこ
私が先に 行かなければならない
それだけは知っていた私は、金色の手を引きながら白い道を歩いていた。
いや、道と言うか。
なんにも、無いんだけど。
でも、とりあえずこのまま進むしか、ない。
それにシンが「ここ」を示したのだから、きっと「繋がって」いる筈なんだ。
もしかしたら、あの部屋に着いちゃうかも知れないけれど。
それなら、それで。
…………いや、出直しとかになったら挫けそうだな………。
そんなくだらない事を考えていると、辺りが変化してきたのが、分かる。
いつの、間にか。
周りは薄ぼんやりとした、青灰の木立に囲まれていたし。
なんなら、行手には「黒いなにか」大切なものも、見えていた。
多分、あれは長の側にいるシンだ。
あの、夢なのかなんなのか。
「黒いなにか」に守られていると思った、「長」。
そう、その「本体」は。
どこに、あるのだろうか。
少しずつ足場が悪くなってきて、あの岩場に入ったのが分かる。
大きな薄灰色の岩、向こうのシンがいる方は金色の流れが入った岩になっているのが、見える。
とりあえず向こうまで、行かなければならないだろう。
きっと、行けば。
見える?
わからないけど、行くしかない。
しかし、結局足下のおぼつかない私は、サッと背後の金色に抱えられて。
ポンポンと飛んで、身軽にシンの所へ到着した。
黄金の流れ、それは水が金色なのか、それとも。
この、岩の中の金の糸の所為か。
じっくり確かめたい所だが、目の前には侵し難い雰囲気の「黒いもの」が立っている。
「…………シン?」
さっきまでと、違う。
「なにが」違うのかは、分からなかったけれど。
真っ黒な髪、真っ白な肌。
黒のスーツの様な姿に、変わらない真っ赤な瞳。
しかし纏う雰囲気が、全く違っているのが、分かる。
凡そ、人間ぽくなくなったそのシンは、何処かで見た様な雰囲気で。
無言で、足下の水流を指している。
見た目と言うか、「なかみ」が違うんだ。
そう一人解釈して納得し、とりあえず示されたその水流に視線を移した。
やはりその美しい「流れ」が。
気になっていたからだ。
うん? やっぱり でも。
岩の中が 金色 なんだろうか
これは?
遠くからだと 「糸」かと 思ったけど
「針」のが 近い? かな ??
ここは大きな、河だ。
ここ、青灰の木立はこの空間全体が不思議な灰色のドームの中で、閉ざされている様な気配がする。
しかし、何処までも続く幻想的な木立に、閉塞感は全く無いし、なにしろこの木が大きい。
上は、空なのかなんなのか。
とりあえず木が何処までも続いていて、そのまま見えなくなっているのだ。
「登ってみたい」とは、思わなくもないが遠くの上方に少し枝が見える程度でそもそも足場も無い。
その、一本一本がとてつもなく高い木々の間に土の代わりに横たわる、大きな岩。
それも大人三人程度、余裕で寝られそうな大きな岩である。
その中に。
金の針が、水流の様に流れているのだ。
いや「止まって」は、いるのだけれど。
「流れて」いる様に、見えるのである。
「えっ?…………なにも?無い?………けど 」
示された割に、そこに「なに」がある訳でも、ない。
それに、長は??
どこ???
キョロキョロと辺りを見渡し始めた私に、ぐっと力の入った腕が再びシンを見る様促す。
その、示された目線の先を追って黒い彼を見ると。
「え?ここで、いい………って事だよね………。あ。」
もしかして。
「入れ」って。 いうこと?
確かに。
私はここに、「自分を流しに」来たんだ。
だから、入れば。
なにか、変化が起こるのかも知れない。
金の瞳を確認して頷くと、下ろして貰いそっと流れに手を入れる。
「うん、大丈夫。多分。」
怪しげな「多分」に、背後の雰囲気がぐらつかないでもなかったが、とりあえず少し、足を入れてみる。
冷た くない な?
うん 大丈夫そう 流れも 緩い
見た目は結構 流れてるんだけど?
意外と 気持ちいい な
でも 考えてみれば。
気持ち良くない、訳がないのだ。
私はここで「自分を流せる」と、知って来たのだから。
ふむ なかなか いい かんじ
大丈夫 心配 しないで?
流されないとは 思う よ
金色に目で合図しながら、背中を下に浮いてみる。
これは………。
物凄く きもち いい かも。
緩々と流れる黄金の水流は優しく私を包み、
その柔らかな金の針で撫でられている様な気がする
そう 針なんだけど 柔らかい んだ
なんで どう して なんだろうか
微細な粒子が身体に纏わり付く様な、炭酸の中に入っている様な。
そんな感覚があり、自分の「なかみ」がシュワシュワと解かされて流れてゆくのが分かる。
ああ 気持ちいい な
これなら きっと。
でも 多分。
ここ って きっと
この 「世界」の。
「源」だよ ね ??
確信がある この 感覚
「自分が 真ん中 に ある」 という
全体の場を 把握する時に感じる あれ
そうと 知れれば 際限なくチャージ出来そうな
大きな 流れ 豊富な チカラ
誰の なんの チカラなのか
何処から 誰かから 奪った?もの?なの?
でも。
「チカラ」は「チカラ」で。
「いい」も 「悪い」も ない
でも。 願わくば。
みんなの 「ひかり」「希望」「願い」
そんな。 「チカラ」が いいの だけど。
そんな事を思いながら、つらつらと流される私の「そとみ」と「なかみ」、自分の「なか」が少しずつ解れてきているのが、わかる。
うん
いいかんじ よ なかなか
これで うん
ああ 気持ち いい な
サラサラと 流れる 金色の針が触れている様な水音
目を瞑っても 知れる その 私を緩やかに包む 流れ
この、心地良さに身を任せていたら。
危うく、このまま寝てしまいそうである。
ん?
でも ところで??
長は?
どこ? どこなんだろう
ねえ 知ってるよね ?
いいよ もう いいんだ
連れて 行っても 二人で 行っても
いいんだ よ
私が 「代わり」じゃ ないけれど
もう ここに それは
要らないから。
二人で 行って。
いいんだ よ
「解かされ」
「流され」
「洗い 清められ」 「もう 汚れていない」
「穢れて いない」
「大丈夫」 「もう 充分 」
「いいんだ」
「そう やっと やっと」
「合わ さる」
「融け 込む」 「融合 する」
高く広く、伸びる青灰
どこまでもゆけそうな 白灰の頭上
その なか を キラキラと舞う
ひかりの カケラ
「あるべき場所」を 探して くるり
くるりと 舞う カケラ たち
私達 だけの 「場」に展開する
幻想的な 景色
目の前を 過る
幾つもの光
「カケラ」
様々な 色が。
ヒラリ ヒラリと 舞い散る様を
ただ 目に 映して いた。
そうして どのくらい 経ったか。
目の前に 煌めく 幻想的な 光景
くるくると 舞う カケラ達
そのうちの 一つが。
「ピカリ」と 閃光を 発した 瞬間
全てのカケラが静止し
そのまま その 光達が。
滑らかに同じ速度で動き
それぞれが 「あるべき 場所」に
ピタリ と 嵌った。
それを 見て。
『そう 「もう いいんだ」』
それが 心底わかった
その、瞬間。
自分の手からブワリと光が出たのがわかる
その 大きな眩い ひかり は。
そのまま拡大し、この空間を思い切り明るく 照らして。
微細な 白銀の粒子が 飛び散り
空間を 覆い尽くして ゆく
目に見えない程細かい粒子は
しかし「自分の 一部」が混じっている事で
その光景を 私の「なか」に見せている
「真っ白に 飲み込まれる せかい」
ひかりは。
あの黒い彼の前に ある 「その姿」を。
顕に したんだ。
その もう既に 半分 金の岩と
同化している その 姿 を。
「グワリ」と瞬間 心臓が捩れた
何故だか突然、滝の様に流れる涙、しかしそれを止める術は持たない私。
必死でその姿を目に映そうとするけれど、なにかの力が、働いているのか。
それとも「長」が、私に「見せないように」しているのか。
わからなかった けれど。
ただ、自分の指輪から光が出ているのだけは、解って。
光を真っ直ぐに「その姿」の方へ、向けていた。
ただ そうするべきだと。
知っていた からだ。
そして半分、無意識だった私の目の前で、その「こと」は行われていた。
指輪から出た 虹色の光が人型を取り
その岩と同化した あの人の元へ
走るのが 見える
そのまま二つの ひかり は。
「太陽」 「月」
美しく大きな 円 を 創り
右に 金 左に 白銀
そして煌々と 堂々と。
しっかりと 見せつけるように 光ると。
白銀がユラリと虹色に揺らいで 拡がり
虹が 金を包む
そうして溶け込んだ 眩い 黄金の 光が。
一気に膨らみ 目の前で巨大な 光の球を
創ると。
ブワリ と光が満ち もう一段階
場が 変化したのが分かる
「揺れる」 「なかみ」 「融かす」
「チカラ」 「エネルギー」 「愛」
「振動」 「波 」 「伝 」 「繋」
"「全て」の詰まった 場が 調う"
そうして
「震 」 「伝 」
"空間 全体が 揺らぎ 震え
私の「真ん中」も 共振 共鳴 し"
「固まっていた すべて」 が
溶け出したのを 感じると。
そのまま それ は 一瞬にして 弾け飛び
「ひかり」になり 私達に 降り注ぎ
そうして 私 金色 黒 それぞれに 沁み込んで。
キラキラと 発光し始めた。
「 染み込む 黄金の ひかり 」
真っ白だった場が 黄金に染まり
塗り替えられた青灰の木立が
金色に光り輝いているのが わかる
私達 三人が それぞれに それぞれの「在り方」で 更新されて。
「全て」が 塗り替えられたことを 知る
そして 「ひかり」が沁み込んでくると同時に
「ああ これが これこそ が
「慈悲」と いうものか 」
それが 嫌と言うほど わかった 私は。
ただそのまま さめざめと 泣くしか なかった
悲しかった 訳じゃない
「満ちて」いる胸の中は いっぱいで
「これでもか」という程 「満ち満ちて」いて。
足りなく なんか ないのだけれど。
でも。
寂しい は 少しあるかも しれない。
だけど。
やっと ようやっと 二人が逢えた こと
「二つが一つに」なって 「ひかり」に
「慈悲」になって 沁み込んだ
それを 見られた こと
「ああやっぱり 私達は。 「愛」で「慈悲」で
「ひかり」は 「チカラ」で 「エネルギー」で。
「二つが 合わさり 成る」それは
「特別な チカラ」を 齎すんだ
私達は みんな やっぱり。
「繋がって」いるんだ 」
それを 目の当たりにしたこと は。
私にとって なによりも 有り難い ことだったのだ。
証明なんて 要らない
証拠も 根拠も
私の 「智慧」それだけで いいのだけれど。
やはり
「目の前で 起こる」
それは
特別な こと だったから。
「ありがとう」
「ありがとう」
それだけがただ 頭の中を 回って いて。
止まらない涙と温かい腕、「なにか」が変化したのは分かるのだけど。
勿論、「変化」を確かめるのは。
まだまだ、無理だったのである。
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