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8の扉 デヴァイ 再
通過儀礼 2
しおりを挟むだって。 そんな。
だってだって? きっと レナの言う「新しい風」は。
「あれ」の こと
私の中にも この頃 ある
「両面を持つ 光」が 光同士が。
「合わさって」「生まれる」「なにが」「どう なる」
「えっ。でも。なんか。ねえ?ちょ、待って??、?」
混乱して、ワタワタと動き始めた私を見て、更に笑うレナ。
しかし、私が不貞腐れ始めたのを見て、パッと切り替えると。
ストンと座り直し、いきなりお姉さんになってこう言った。
「勿論、今すぐ、じゃないわ。なんか今、いないらしいじゃない?…………ああ、それはいいんだけど。うん、大丈夫よ、解ってるんでしょ?ならいいわ。」
「それでね?………多分、だけど。あんたは、沢山の想いを持ってる。だから、「知ってる」し「解ってる」と思うけど。それは、なんら悪いものでもなく、それよりもあんた達二人なら。きっと「とてつもなく 良いもの」になる。それは、なんとなく分かるわよね?私もなんとなくだけど、分かるわ。」
私を気遣いながら、ゆっくりと話してくれる、レナ。
一つ一つを確認しながら言葉を紡ぐ唇、真っ直ぐ私を見ている茶の光。
フワフワと揺れるウェーブは、今日も柔らかく艶めいて彼女の「なか」を表している様だ。
その、レナの声と色と、温かい思いに胸がジワリと熱くなって私の「檻」が開かれてゆく。
「多分、だけど。店をやってて思うんだけど「心と体」のバランスが取れていないと、どうしたって前には進めない。あんたとは全然違う所を歩いている姉さん達だけど、でもやっぱり「そこ」は同じで、癒されないと先へは進めないのよ。」
「きっと、「気持ちの上では」?「精神的には」?解消?スッキリは、したのかも知れないけどそれは「ヨルの気持ち」じゃ、ない。あんたの中にこびり付いた「それ」は、あんたじゃないと癒せないのよ。ヨルの体と、心が癒される。それで一つよ。多分、そうする事で全てが終わって、また始まって、あんたはあんたの道を進めるんじゃないかなぁ…………。ま、分かんないけど。え?大丈夫?」
ああ そうか
そうだよね そう だ。
レナの言う事が分かりすぎる程、解って。
私の「なかみ」はパッカリとそれを広げ、涙腺君は何処かへ旅立っていた。
私がいつの間にか持っている沢山の「檻」、それは下ろしたと、流したと思っていてもまだまだ余りある檻で。
それはきっと、世の中に「あり過ぎる程 ある」ことと、「私のなか に ある」からなのだろう。
それに 決着をつける
きっと そうなのかも 知れない。
「そういう問題」じゃない のかも知れないし
「そう しても」変わらないかも 知れない。
いいや? でも。
チラチラとこの頃私の周りを回っていたカケラ
気付かないフリをしていたのは きっと。
紛れもない 私 自身
それも わかる。
怖くは ない。
きっとそれが 「本当」だと 解って 知っているから。
「必要」なのか 「それを して」どう なる する
いや。
そう 私は知っているんだ
「それ」が 「どんな意味」を持ち
どんな 「光」を齎し
どれだけ 甘く 幸せで 安心できて
心地良い 至福が 味わえる のか。
「まだ」だと。
自分を誤魔化していたのも わかる。
その「誤魔化したい気持ち」も わかる。
でも。
そう 「やってみたい」 その「好奇心」の気持ちも。
よく。 分かるんだ。
でも。 その「好奇心」で 数々の旅をしてきた 私は。
「躊躇するのは、分かるよ。でもね、やってみても、いいと思う。悪い様には、ならないのは解るでしょう?多分それをしてもヨルはブレないし、きっとまた新しい道も、見える。ただ………」
「……………ただ?」
いつの間にか両手で顔を覆っていた私、その指の隙間から言葉を切った茶の瞳を見る。
「解ってると、思うけど。」
「それをするなら、ヨルが「本当に納得」してないと意味が無いから。誤魔化しとか、一切要らないからね?まあ、あいつなら大丈夫なんだろうけど………無理はしない、嫌な事は嫌って言う、全部出す、そんなもんかしら?」
「………」
「なによ、大事なことだからね??あんたの心に1ミリたりともズレがあっちゃいけないのよ。まあ、姉さん達とは「意味」が違うからね。それはそれ、これはこれ。それは解るわよね?うん、ならいいの。別にどっちが良いとかじゃないけど、まず初めては「そう」じゃなきゃ駄目よ。」
「うっ」
「「うっ」じゃないのよ。真面目な話。」
「はい 」
「いい?解る?だから「準備」ができてからって事になるんだろうけど、これいつできるのかしらね…。まあいいわ。でも。知ってるわよ。だって、「興味」はあるわよね?あるわよね???」
「は、はい…………」
ヤバい。
レナがエローラ化している。
「うん、いいのよ。そうでなくちゃ。好きな人がいるなら即ちそれは当たり前の事よ。してもしなくてもいいけど、「したら」もしかしたら、もしかする。それならヨルは絶対やるでしょう?知ってるから。うん。」
「あとはあんたの中で、何をどう決着付けるかね。まあ、丁度良いじゃない、留守なんだし。ゆっくり、考えれば?もう、そうなんでしょう?」
「……………うん、多分。」
ニッコリと笑いお代わりの支度を始めたレナは、私に考える時間をくれるつもりなのだろう。
確かに私の頬は尋常じゃない程、熱くなっていたし。
挙動不審な動きでカップを割らない様、そのまま冷めたお茶は少し色が濃く変わっている。
確かに。
レナが言う 「もう そうなんでしょう?」の意味は わかる。
多分私の中ではとっくに、気付いているのだ。
「それ」が 「必要」なこと
「消化」すること 「浄化」すること
私達に とって。
「二つが一つ」は そういう意味を 持つこと。
単純に、チカラを補完し合っている私達にとってきっと「それ」は有効な方法なのだ。
自分が整ってきた今、それがよく、わかる。
しかし「それ」に
私の「心の準備」と 「受け入れ態勢」が
必要な ことも。
「受け入れ態勢」
「うっ。」
この、ワードだけで。
すぐにやって来るなんとも言えない気持ち、恥ずかしさと苦さ、複雑に絡み合う澱とキラキラしたカケラ。
なんとか なる の? これ
でも。 きちんと ちゃんと
「開いて」なければ。
「意味が ない」それも わかる。
あの、二人が 白い三角屋根の部屋で。
「解け合って」「混じり合った」「離れるのに 苦労した」
そのくらいの 「許し」が 必要なんだ。
そう 「ぜんぶ」で 「感じて」「解け合える」
それでなければ。
私が。
無理なのだろう。
「それ」に絡み付いた しつこい「檻」を 壊す
「その先」へ 進むのならば。
「想像を創造へ」「愛に 開いていること」
「心を 開く」「多角的に検証する」「受け入れる」
「絶対的に 安心 安全の 空間で
自分を開き 受け入れる こと 」
「開花して 初めて わかる その感覚
すべてを 「受け入れる」と いうこと」
「同じだけの 「愛」を 浴びること」
「やってみないと わからない」
未だ 想像だけで 怯え
震える私に あの人はきっと 温かい手を差し伸べ
包んでくれるだろう それは わかる。
その 一挙手一投足に 反応する 私に。
合わせられるのは あの色 だけ
そもそも あの色しか 欲しくないし
それ以外を 受け入れられる 気が しない
少しずつ
少しずつ
手を出して
少しずつ
少しずつ
触れていって 触れられていって。
やっと 許せる範囲が 増えて
この人は
この色は 大丈夫
その 確認が 終われば ?
う ーー ん
きっと人間とは 成し得ない 技
私達 「いろ」を 共有する者 だからこそ
お互いの 「範囲」が 「反応」が 解るから。
きっと 大丈夫な 筈だ。
でも。
そう
「大丈夫」
そんな事を言っているうちは まだまだなんだろう。
きっと あの そう あれ。
「そう なる」時が 来る んだ。
あの 色に 触れたくなって
触れられたくなって
それが 我慢できなくなる 時が。
「…………大丈夫かしら。」
完全に顔を塞いでいる私の正面で、そう呟きながらもお代わりを注ぐレナ。
あの色を思い出して
少し前から変化してきた 新しい彼の色を思い出して。
「そうなのか」と思う なかみ
「だからなのか?」と 納得する 心
「なんか。心配、要らなそうね?」
「いや。要るよ、いるいる。だって私、全然なんにも解ってないもん。多分。」
「まあ、その辺りの享受は必要なのかもね?それならさ………。」
そうして私達、女子の秘密トークはひっそりと行われたのである。
うむ。
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