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8の扉 デヴァイ 再
私のモヤモヤ
しおりを挟むて、言うか。
「ねぇ、どうだと、思う?」
しっとりとした質感
白い肌
滑らかな曲線と ほんのり温かい 幹と葉っぱ。
きっとこの大木には。
「血が通っている」様な 気がする。
「あ、でもそうなんだ。」
そう、だってこれは私の「源」でも あって。
きっと私の チカラが 通っているのだから。
「ふむ?ならば、知っているだろう、キミは。」
案の定、一人で独り言を言っているのは私の神域
あの生命の木を抱き締めながら、ペチペチと。
肌を叩いて、問い掛けているので ある。
あれから、何度も注ぎ込まれて
「とりあえず 大丈夫」になった 私。
暫く様子を見たり、また注ぎ込まれたり
「調整」を繰り返して、今は。
「実験」と称し、一旦出て行った金色を出迎えるという手筈である。
前より少し間を開けて、「大丈夫」だったら。
外に出られる、という訳だ。
しかし。
神域で一人、ポツンと残った私は。
なんだか別の、「新しい疑問」に襲われて
再び頭を悩ませていたのである。
「やっぱり。結局なんだかんだ、ぐるぐるしてるんだよなぁ………成長、してるのかな、私。」
ヒラリと舞う蝶達を眺めながら、その中に黎がいるのを見つけて嬉しくなる。
この頃、神達はなんだか忙しいみたいで。
私はずっとここにいるのだけれど、あまり姿は見えないのだ。
金色、曰く。
「お前が拡大しているから、場を調整するのに忙しいのだろうよ。」
そう、言っていたけれど。
「成る程、納得。確かに、そうだわ。」
自分でも、彼の色を肉体で直接取り込んでから「範囲」が変わったのが、わかる。
確かに私は「半分」だったのだろう。
これまで「意識上」でしかなかったことも、「実感」を伴うものが増え
それに連なり増えた「場」
扱える「意識」
高くなった「視点」。
なにしろ「かたち」が拡大したのだ。
きっと神達は、それを上手く調整する為
奔走してくれているのだろう。
なんとなく、それが解る。
「 して ?
どう したのだ ? 」
その気配を察したのか、フワリと黎がやって来た。
なんとなくだけど、多分黎は元々「外の神」だったから。
状況把握や調整が、上手いのじゃないかと思う。
後は なんか 「色が多かった」しね………
時折チラチラと慶の姿も見えるけれど、慶は全体を調整してくれている筈だ。
くるくると多胞体の周りを周り、自在に動く千手観音。
それはやはり「範囲が広い」のだろう。
みんなの様子を見に、あちこち動いているのが感覚で分かる。
「うーーーん。」
しかし、この気持ちをなんと言って、いいものか。
自分でも「なんで」「なにが」と、「要点」がよく分からない疑問
しかしある意味黎に、訊くのが一番いいのかも
知れない。
なんとなく、そう思って。
とりあえず、その疑問を口にしてみることにした。
「いやさ、私。なんか、「一人で立つ」、って思ってたんだけど。これって、一人じゃなくない?って、思うん、だけど…………???」
その、疑問を言い終わる 前に。
フワリと炎の鳥の姿に変化した黎、その意味が分からなくて。
ただ、その美しさに見惚れて いた。
「 ふん 」
ん?
その、黎の「いろ」から。
「何を言っている」という、さも「当然」の様な「いろ」を嗅ぎ分けて。
私の頭はくるくると動き始めたけれど、答えが弾き出されてくることは、ない。
うん? まだ 「かたち」が 安定して ないのか
いや そんなことは ないな ??
私の「新しく美しいかたち」は、ある意味「完璧」で、ある。
「現時点」では。
そう、今ある私の「真ん中」、それが「多胞体」、だから
今、そこから弾き出されてこない、という事 は?
「知らない」こと ??
ぐっと首を傾げる私に、上からふわりと
火の粉と共に。
鮮やかな色が、降ってくる。
「 いや 「知らぬ」と いう よりは
未だ 「気付いて」いない のだろう な
おまえの 澱は 深く 濃い
もっと 「あのいろ」が 必要 なのだろう よ 」
「えっ。」
「 もっと もっと 受け入れるが よい
受け取って よい のだ。
そもそも。
それは また 別の次元の もの だ 」
「 それ は 別の? 次元 ??」
「 本来 ふたつでひとつ
それは 「自然」 「両極」を 「合わせる」
「合う」ものなのだ
「それでひとつ」 だから な。
「知っている筈」だ ぞ?
しかし まだ。 受け入れ足りぬ
のだろう な 」
えっ
これ以上 です か ???
思わず、固まるけれど。
でも。
わからない、訳じゃない
まだ 確かに。
心当たりは、あるんだ。
「恥じらい」「慣習」「思い込み」
「縛り」「癖」「ルール」
「視点が多いからこその 迷いの多さ」
「混じり 絡み合う あちらと こちら」
「次元の 混在」
まだ 「抜けきれていない」のだろう。
「解けきれて」いないのだろう。
「あの いろ」に。
「私の いろ」に。
「もしかしたら。まだ、私の中で「自分を認めきれてない」のかもね………。」
「 」
「ん?なぁに?」
フワリと再び蝶になった、黎の小さな声が
微かに届いた。
「 しかし それこそ 私は
好ましい と 思う けれどね。
溺れる 自惚れる ものを
幾度も 見て きた
それは それで 「おいしい」けれど。
依る は 依るの まま で。 」
「 うん。ありがとう。」
そう だよね 自分の、ペースで。
それも「私」だ。
無理矢理、どうこうするものでもないし、このまま澱を 流して 行ければ。
「 ふむ?」
「どう した? 大丈夫だったか?」
「 え ぁ いや」
いやいやいや ???
そうして再び。
「カチリ」と 開いた「鍵」
結局 漏れ出す 私
私の中に、溜まった澱を 流す 為なのか
それとも
どうなのか。
なにしろ心地良い、腕の中へ収納されたので ある。
☆5
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