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5の扉 再びのラピス 森へ
見えない空気
しおりを挟むあれからずっと 考えている
ハーシェルが 言っていた
「森の住人にしか 見えないとか」という 言葉。
多分 ハーシェルさんは解ってるんだ。
「具体的に どう」とか 言葉ではないかも知れないけど
「街の人」と「森の人」の 違い
何故 森の住人が 街へ戻らないのか。
それは「戻れない」のも勿論、あるだろうけど。
「でも、きっとそこじゃない よねぇ………。」
時折 フワリと浮いてきて 私に光り始める
その「街と森」のカケラ
私がそもそも。
ここへ来た 目的でもある「違い」を知り
また更に「自分を深める」ことへの 手掛かりを掴み
「次のステップ」へ 「上昇」へ
変化していく為の なにか。
きっと「それ」には 大きなヒントが
隠れていて。
それをよく見て、解ればきっと「なにか」が降ってくるに違いないのだ。
これまでの経験から、それは わかる。
「ふーーむ?はて さて しかし。」
その 「違い」 とは。
なんぞや ?
街で暮らせるのか
森へ出てくるのか
それは「選択」でしか ないのだけれど
しかしきっと それは。
「枠の中で暮らせるのか」
それを「できる」「できない」
「我慢」「耐える」「自分を殺す」「見ないふり」「合わせる」「生活のためなら」
「仕方がないと 思えるのか 思えないのか」
そんな様な ことだ。
結局 「濁った水」だと 生きられない私と同じで。
ここの人達は、苦労したとしても「自分の道」を生きる事を選んだ、人達なんだろう。
そりゃ 街にいた方が便利だ。
これまで暮らしていた環境 家族、仲間、友人
仕事、食べ物、店、なんでも揃ってる。
でも。
その為に 飲む水の不味さ
ある程度強いられる空気の重さ、濁り
同じ「色」を 掛けられるヴェール。
その、濁りの程度はあれど それを我慢できるのか
できないのか。
結局、そこじゃ ない?
森で暮らすリスク その「未知」の領域と
「恐れ」との戦い
しかしそれは「自分との戦い」で「他者」との
「摩擦」や「軋轢」ではない。
「独りなんじゃ ないか」
「食べ物は 住むところは 寝る場所は」
「どうやって」「生きれるのか?」
「死んでしまうのでは?」
しかし 微かに見える「希望」と「可能性」
「畑は 確か ある」
「木々を集めれば」
「なんとかするしかない」
「やれば できるかも」
「戻るよりは 自由がいい」
結局 最後は。
「自分を信じる能力」と「決断」「行動力」、それに尽きる。
まだ見えぬ 「行き先」を信じられるのか
「自分」を 信じられるのか。
どこまで。
「自分の道」を 通せるのか。
「自分の この人生」で。
きっとまだ「魂」など 知らぬ段階
「死んだら終わり」と思っている時点で、どこまで我を 通せるか
自分を保つことが できるのか。
自分の、光を。
見失わず走ることが、できるのか。
その、「経験」を幾度か積み
沢山の色を回収しながら積み重ねてきた結果が
「今」なんじゃ ないのかな………。
ぐるりと見渡しながら漠然と思う、森の皆の瞳の違い
「生きる」という事の意味
毎日吸う 「空気の違い」。
それはきっと「見えないなにか」の一つで
しかし微細に私達に影響を与えている「なにか」
「澄んでいる」のか
「濁っている」のか
沢山の色がある そのヴェールは 「見えない」から
気付きにくいけれど。
微量な その「積み重なり」が。
その「存在の重さ」を「濁り」を 出してゆくなにか。
それに気付いて抜け出すか、抜け出さないのかは完全に自由だ。
ただ「その時」が 訪れたなら。
いても立っても、いられないけれど。
「成る程 そうなのかもなぁ…………。」
私達を隔てる見えないヴェール、掛かる物事は違えど、枚数も違えども。
きっとそれはこの「空気の違い」を見えなくしている、なにかで。
「お金とか、物とか、環境?仕事??それに執着してると、「こうでなきゃ」って思ってると。確かに、「やろう」とは思わないもんなぁ………。」
確かにいきなり森に出てきて暮らすなんて、無謀に見える。
食べ物だってきちんとあるかは分からないし、そもそも寒いし暗いし、寂しい。
「ま、私は独りが好きだけど。みんなそうじゃないもんなぁ…」
「孤独」に耐えられるのかも、大きいだろう。
「人は 一人じゃ生きていけない」って
よく 言うけど。
その「ひとり」の定義が 違うんだ、きっと。
ただ 依存し合っている 仲間は要らないし
なんとなく 「みんなで居れば安心」
そんなのも 要らない。
簡単に 手に入れられるエネルギーの低い食物
合わせていれば 楽しい仲間
ルールの中での 安全
そうじゃ ないんだ。
私が求めているものは。
きっと ここにいる人達が、求めたものは。
「一人で 立つ」 ただそれだけのこと なんだ。
「自由」に、 でも「責任」はある。
しかしその課せられた責任は「自分」に対してのもの
「他者」の荷物を負うそれじゃない。
なんとなく みんなで負債を分け合う安全じゃなくて
完全に自分で地に足付け歩む責任
しかしそれは「ひと」として 当たり前の事だとも 思うけど。
でも これまで作り上げられてきた「世界」では
はみ出すと叩かれ 叱られ 修正されて。
戻されて、いたんだ。
最悪、殺されも した。
でも きっと。 もう。
いいんだ。
生きて。 自由で。
みんなが みんな 自分の道を 歩いて。
「いいんだ…………それって、幸せ、だよね………。」
遠く見つめる、炎の灯り
揺れる橙の灯火を見ながら 深く そう感じる。
これまで 「できなかった」「許されなかった」
それを持つからこそ
「今 自分の道を生きる」ことの、大切さが
改めて わかる。
その 「想い」はもう私の後ろ髪を引くことは無いけれど
しかし、それもきちんと私の「かたち」に「記憶」してあるから。
「想い」は 置いて
「経験」「記憶」だけは 持って。
それを光に変え 進むこと。
「なるほど、なぁ…………。」
一人しみじみと踊る炎を見つめ思うこと
また新しく「わかった」違い、その「範囲」が上がったのが わかる。
こうして ふと降りてくる閃き インスピレーションも
きっとここでは見えないみんなの導きなのだろう。
そう思って、頭上を見上げ手を振ると フワリと温もりの風が返事をくれる。
「ふむ?これは慶の風か、それとも「見えないなにか」、精霊の協力なのか。どうなのか、分かんないけど。それをまた探求するのが、楽しいってことなんだよね………。」
未知への 旅 決まった「こたえ」など無い
その道
しかし とてつもなく楽しい 道のり
自分の「生きる」を 選択するということ。
「ふむ。「その時」は、またそれぞれ、ってことなんだよね…。」
教会での相談、そこで生きている人達の色々
沢山の色の違いや濃さの違い
段階の差を 思い出しながら、世界を見る。
「 ふむ。」
なるほど なぁ
しかし私は 私の道を。
そう、何度も繰り返してきた事だから首は突っ込まないのだ。
うむ。
「そうよ、私は「見えぬなにか」を探求するのが、次の楽しみなんだから。」
それに、そうしていれば きっと。
自ずと なる ものなのだ
それも、解った 知った から。
「よっしゃ、そうと決まれば。」
「何処へ行く?」
「いや、ちょっと泉、?」
「もう暗い。明日にしろ。」
「 はぁい。」
でも。 今度は 夜の探検も したい、なぁ?
その、色を読んでか どうなのか。
私の腕を引き寄せ、しっかりと抱きかかえた彼は
チラリと一瞬 炎を振り返って。
その瞳に懐かしい色を移すと、そのまま私を抱え小屋へ飛んだのであった。
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