透明の「扉」を開けて

美黎

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5の扉 再びのラピス 森へ

夜中

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 夜明け前が 一番暗い

 そう言っていたのは 誰だったか。


 「混乱」「困惑」 「迷い」 「行き場の無い 思い」。

どうやらデヴァイから先に、「世界」が行き詰まって きて。

「昼と夜の差」が 激しくなり

 「上を見て 光が見えている人」
 「下ばかり見て 現状を嘆いている人」

その差がいよいよはっきりと してきた様だ。


力が溜まり 有り余っても「発散」する方法が 分からなくて。
問題が 起きてきている 、そんな話をよく聞く様になった。


 それはきっと あの ラエティアが言っていた

 「それ以外の方法を 知らない」
 「力の使い道」
 そんな様な 話だ。


私だって。

チカラがあふれると 「こぼれる」し

 「謳う」し「舞う」し   「跳んだり」

  「創造」したり

  「みどり」になったり する。


しかし、それが 出来なかったならば
        方法を 知らなかったならば。

確かに 爆発 してしまうのだろう。

正面に座り考え込んでいる、真剣な緑の瞳を見ながら
そんな事を考えて いた。


ある日の教会
相談室から帰ってきたハーシェルの表情が 芳しくなくて。

「どうしたんですか?」と訊いた私に、曖昧な笑みを浮かべた緑の瞳。
しかし、少しだけ逡巡したその色は。

小さな溜息を吐いて、その「各所で起きている問題」を話し始めたのである。


「ふむ?」

「ウイントフークにも、相談してるんだが。しかしやはり、向こうでも同じ様な状況らしいんだ。奴が言うには、グロッシュラーやシャット…は自由人が多いからな…。まあ、シャットは置いておくとしても。ここ、グロッシュラー、デヴァイ。三つの扉がその状態だ。しかしいつも君にばかり頼るわけにも…………」

一人でモゴモゴ言い出したハーシェル、それを見ながら 私は。

 でも 私

  今「女神」  

 しかし 「女神」、「下界」「外」のことに。

 「手を出して 」「干渉して」いい ものか ??

そう、考え始めて いた。


 でもな。

 ここラピスに 来た  いる 「意味」

 それ即ち 私的には

 「実在する 女神」だしな?


 「それぞれの 選択」
 「みんなの 女神
その二つの間で、私の思考は 行ったり 来たり


無意識にチラリと、金の瞳を確認する。

「お前の、思う様に。」


 です よね  はい

   そういいます よね 。

予想通りの返事が 返ってきて。

 なら。 どう する?


 みんなの 視線が 「上」を向く こと

 チカラの発散  エネルギーの 方向

  「すべて」にとって 「最善」の。

    方法 は。  なんだ ?


「でも。「いろ」は、一つ一つ違うから、やっぱり「最善」も違うってことだよね………。」

 そんな時って?

  どう すれば ??


       『迷うな。』

 えっ

その時。

突然直接、私の「なか」に 聴こえてきその声

 それはきっと この人金色の「粒子」か
 「成分」か なにしろ「私の 「なか」にある なにか」で。


  えっ   「なか」から 喋って るの ???


混乱する頭の中  しかしその色が示す「内容」は。

 わかり過ぎる 程  わかって 知って るんだ。


「ただ、そこに、そうあること?」

「そうだろうな。」
「ああ、ヨルは。それでいいんだよ。」

直ぐに、そう二人から返事が きて。

 ああ やっぱり

   成る程 な。 って。

 どう なってるのかは わからないけど
 なにしろ私の「なか」には。

 沢山の「あの色」が あって いつでも
 私を 「見て」「支え」「導いて」も。
 
 くれている んだ。


くるくると内側で回る 光 カケラ達の登場

  「いるよ」 「私達も」「いる」と
 アピールする様に ひかる  みんな

「ありがとう。」

そう、言いながらも。

 やっぱり ここラピスだから?

 「からだ」の方が 伝えてくる の かな??

なんとなくだけど、そう 思っていた。




「でも、実際。どうしようも、ないもんなぁ………。」

教会から森に帰って来て、一息吐いてまた そう思う。

帰り道 色々 私なりに「最善」を考えてみたけれど。

 「それぞれの 選択」「その時」
 「発露は自分から」
 「ことは できない」

その、よく知っているカケラ達が私の周りをくるくると 「ほら」「見て」と回っていて。

「うーーん。確かに、手出しは、しないよ。でもさぁ…なんだろうね、この。まあ。光りは、するんだけど。」

「悩むこと」じゃ ない。
それは わかる。

でも 「考える」のは アリだ。

 なんで どうして  私達は。


「ん?いや?でも、そのドラマが「楽しいから」、やってるんだよね………?」

そう それもそうなのである。

しかし きっと。
 その「仕組み」自体が。

 「ドラマへと導く」「敷かれたレール」なのだろう。


「まあ、だよね  あの、アラルみたいな状況って 事だもんなぁ。」

結局「枠の中」に いると
 「エネルギー」の発散方向が決められているのだ。

 「仕事」か 「研究」か 「貴石」か
 女達なら 「噂話」か。

一時は良くなっていた噂話も、私の「魔女説」が広まるくらいはまた活性化しているらしい。

私としては 私の「魔女話」くらいでみんなのストレス発散に、なるのならば。
いくらでも話してもらって、構わないけれど。


「てか。どこ?なにが、問題なんだろうか。いや、捌け口が無い、というか「それ以外の方法を見つけられない」のが、問題なのか…。」

仕事の問題も そうだけど。

 結局 「自分の色を生かす」仕事 趣味 ことが
 分からないから。

 「弱い方」に皺寄せが行ったり
 「貴石」で発散したり。


「だから、循環、してないからだよね………。」

「流れ」を堰き止めれば、それは澱む。

実は ハーシェルは言葉を濁していたけれど。

 いや でも エルバが散々 言ってたから なぁ


そう、きっと吹き溜まって いるのは
   最大のエネルギー源
   持て余されて いる のは
生物が持つ 基本的なチカラ
   「生きる」為の 欲求

  「性的エネルギー」「生み出す こと」

それが、体の中で 詰まって。 溜まって。

世界が歪に、なってきているのだ。


勿論、それ以外にも違うエネルギーやストレスなんかも多いだろう。

しかし あの口籠もり方
    ハーシェルから 漏れている色

   そもそも私達「生き物」が 持つ

  「生きる」「創造」「成長」「喜び」

  この 森に来て私がひしひしと感じている

 「生きる 喜び」
 「生命エネルギー そのもの」が コントロールさ
れているのだ。


それは歪になっても 仕方が無い。


 でも それも  「誰が」「何の為に?」


つい思考の方向が 「原因探しそちら」の方へ
 向かってしまう けれど。


しかし
 その「仕組み」も また「超えねばならぬ山」なのだろう。
    

そう 私達は。

 「どうして」「何故」 「もう 駄目だ」

 「死ぬかも知れない」 「こんなのはもう 嫌だ」

そう思って 感じて、初めて。

「抜け出さなければ」と、思うからだ。


じっと部屋の隅に佇む 金髪の後ろ姿を眺める。

段々と暗くなってきた窓の外
影が忍び寄る 森の気配

 少しずつ暗くなるこの時間帯の 美しいグラデーション
 日々私達に齎されている 自然の美しさというギフト。


結局
どんなに外で 何が起こっていても
例え 人が死んでいたとしても 
私の大事な人が 大変な事になっていたとしても

 私が 消えたとしても。


こうして「せかい」は 回ってゆくし
「自然」の中には 「流れ」の中には。

「影響」は 無いのだ。

ただ私達 人間が。

 自分達のドラマの中でジタバタしている だけで。


実際、森の住人達の間に 問題は起きていない。

「摩擦」が 極端に少ないのだ。あそこは。
無い、とは言わないけれど 
一人一人が自分のことを きちんとやっているあの村では。

この危機は 訪れないだろう。


「なにしろ、見守るしか無いって ことか………。」

私のカケラが終われ始めたのが、分かるのだろう。

くるりと振り向いた金の瞳は、何故だか優しい色を灯している。

「?」

「いいや。大分、安心して見ていられる様に。なったと、思ってな。」

「えっ、嬉しい。」

「まあ、まだ目が離せなくもあるが。」
「うっ」

しかし、彼の言う事もわかる。

結局私のぐるぐるが「それぞれの その時」に
落ち着く様になってきたのは、最近だから。
 
これまでいつも、直ぐに走り出していた身としては
きっと「放っておいても大丈夫」とは自分でも言えないので ある。


「お前は、自分の事を。」

「うん、そうだね?でも、そうすれば。結局、「満ちて」「溢れる」、もんね?」

「そうだ。それが全てにとっての、「最善」。」

そう、しっかりと私を見て言う金の瞳を 見たら。

なんだか酷く安心した、自分が いた。


 ああ やっぱり
 「手を出さない」とは 言っても。

 心配 は 心配  だもん なぁ。


そうして。
きっとそれも解って、差し出されている 手を。

素直に受け、引き寄せられた胸に吸い込まれて行ったのだ。










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