透明の「扉」を開けて

美黎

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5の扉 再びのラピス 森へ

チカラを 持っていること

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 「♫    」

 人間ひととの 間で調和を取らなくとも いい

 それに気が付いてから。

私はすこぶる 調子が 良かった。


「♪   」

森の木々の中を泳ぎながら、自然と出てくる鼻歌のトーンを感じ そう思う。


  「ひとの 輪の中で やっていたこと」

 「エネルギーの ゲーム」

   「奪い合い」 「渡し合い」

 「バランス」   「誰が どこを どう 持つか」

  大きな 「円」の 中で
  どの位置で どのくらい「チカラ」を使い
  どう 「バランスを取る」か
  その「場」を 「調整」するのか。



多分 私がやっていたことは そんな様な、ことで。

「ふむ?」

でも 「持たなくとも いい」
   「せかい」との「調和」
   「世界」を 赦す
   「手を放す」
それに 気付いてから。


これまでは
 その 「大きな円」の「内」にいた 私

 しかしその「大きな円」を 抜け出し

  「手を離して」「パカン」と 「開いて」。

 
 今 外に出て その円の下で「見ている」のだ。


「せかい」には 「在る」。

その「肉体」は 放棄していないけれど
「干渉」は しなく
ただ「支え」「見守り」「光って」。

「せかい」と「調和して 在る」のだ。

イメージで言うと「地下に潜っている」に、近い。


 私の「なか」の 「かたち」では
 「円を開いて 外側に出て」「その下の地面になる」
 そんな感じ だけど。



「ふーむ。てか、めっちゃ 楽。」

やはり、分かっている様で 解っていなかったのだろう。

 私はやはり「掴んで」いたのだ。

 「世界」を 「世界のエネルギー」を。

 「私が 持たなければならない」と 「思い込んで」。

 「みんな」は 「大丈夫」なのに。

 「やりたい」から 「そこに居る」のに。


思い出すのは
そう いつも向けられていた「奇異の目」「恐れ」「取り繕った顔」。

それはいつも
私が「本当のこと」を話し、「そうだよね?」と
訊くと「目を逸らしていた」人達が私に向ける目だ。

 ふい とかわされる、目を逸らされる
 話を逸らされる
それは何故かと 思っていたけれど。


それは まだ、「世界」から 出たくなかったんだ。

 
 その「エネルギーゲーム」で 遊びたくて
 味わいたくて
 もっと もっと 「確かめたくて」。

だから 「それは それ」で いいんだ。



小さな頃から どうしても「深く 繋がる」事が少なかった できなかった
友人関係
勿論 恋人なんていなくて 好きな人すら できなくて。

 「みんなの 輪の中」「集まり」「騒ぎ」
 
それに「違和感」を感じていた 私。


「ひと」は 集団になると「違う空気」を 発する。

 「対 ひとり」ならば。

 本音で話せたり、「本当の匂い」を匂わせたり
 する人は、いた。

 だが 「集団」に なると。

 その、「エネルギー」に引っ張られて
 「その色」に 染まる。

 
なんだか、「楽しい」らしいんだ。
「その色」が。

 あれは なんなのだろう な?


「祭り」にも 似たそれは
 
「本質」が 「祭り」ならばそれは良く
「神に祈る」こと 「豊作」や 「平和」「祝い」
古来そういうものだった筈である。

 「みんな」「全体の調和」「平和」「和」

それを願って人は「生き」、連綿と繋いできたこの「いのち」、それが何処かでズレて。


 「集まること」「みんな」「全体」

その意味と 違う側面に当てられた光

 「ひとり」は 「寂しい」「可哀想」
 「ずっと「一人」なんて 問題があるんじゃないか」
  「助け合う」
 「助けたい」「助けなければ 

 そんな「偏見」から生まれた 「集団じゃないと いけない」病
 「集まらないと」落ち着かない病

 私も 罹っていた
 「助けないと いけない」病。
 


どこからか 「コントロール」され始めた 心理

「そうでなければ」
「恥ずかしい」
「ダサい」
「みっともない」
「モテない」
「おかしい」
「寂しい」
「人は 一人じゃ 生きていけない」。


その 影から忍び寄る「鮮やかな中毒性のある 色」

その「事柄」は 多岐に渡り

 凡そ「ひと」の「欲」を よく、解った。

 人がそれを 「つくった」に 違いないんだ。


 「食欲」「睡眠欲」「性欲」

    「物欲」 

 「足りない」「足りてない」という 思い。



全ての「ひと」は 「満ちている」のに
「チカラ」「エネルギー」に満ち
「それそのもの」で 出来ている のに。

 私達は 「持っていない」という「幻想」を
 植え付けられてしまったのだ。



だが それも 「そうでないと 遊べない世界」
 「ドラマ」の中の ルールで。


「全部 ある」「持ってる」「満ちてる」
「なんでも できる」

その地点に立っていては 「遊べないゲーム」、
「終わり」なのだ。



そう 私達は「枠を設ける」ことで 遊んでいて
「 ~だから できない」が 無いと。

 もう「無限」に 出てしまうのだ。





今 「パッカリと」、その「世界」を開け
「エネルギーを持つ」「バランスを取らなければいけない」ゲームを抜け出した、私は。


 その「終わりの始まり」「狭間」に 立っている。


その
降って来た「狭間」という 「ことば」すら。


 ピタリと 嵌る 「私の道」の上

  拾い集めている 「私のカケラ」で

 きっと「かたち」の 一部なのだろう。


そうして その ルートを 辿り

 どこまでも 真っ直ぐに進んだならば


 前には 誰もいない
 誰も見えない

 何も無い けど 「せかい」は ある。

それを 信じて

 「見えない みんな」と 進んだ ならば。



きっと。

また 「新しい扉」が
   見えてくるのだ ろう。



いつの間にか 波紋ひとつ無い湖面を眺めている事に気が付いた。

じっと、誰かが水面に模様を描くのを待ち
小さな魚が跳ねるのを 見ると。
ぐるりと森を一周して、本能なのか「家」へ辿り着いている
自分の脚を撫で 褒める。

そうしてとりあえず。

きっと待っているだろう、あの金の瞳が思い浮かんでくるりと踵を 返した。





午後の 落ち着いた光の中
何故だか予想通り、私を待っていた様な金の瞳に迎え入れられ ダイニングテーブルに。

 なんだか 「並んで」座っている  私達

「えっ?」

 なん で?

「たまには、いいであろう。」

「まあ、うん ? 確かに??」

その、意図は分からないけど 私に不都合は
全く ない。

 あの 瞳を されなければだけど。


この頃、絡め取られてすぐに転がされてしまう、私としては ここはなんて事ないフリをして。

 シレッと お茶でも 飲んで うん。

たまにはじっくり、眺めたいのも ある。

「ちょっと、駄目だからね?」

意味不明の念押しをして、至近距離の美しい色を
じっと眺め始める。

ここのところ。
この人はきっと「いけない色」の 使い所が上手くなって 私的には「今だけど 今じゃ ない」時に。

すぐにその色を 出してくるからだ。

 ああ
 やっぱり  綺麗だな

  なん で  なに が  そういえば?

 どう?  「変化」?

   「変容」なのかな

    また  「私が 変われば」。

 この人も  「変わる」の だろうか。


 まあ     なんだろうけど

 もっと「進めば」わかる かな
   それも そうなんだろう けど  

 でも もっと 「」?

 「わかる」そんなこと って。
  あるんだ ろうか。


いやいや しかし

   でも  なに  これ以上  「どう」なる

「どうも、ならんよ?」

いきなり私のぐるぐるに 返事が返ってきたものだから。

「えっ、なん で ??あっ 駄目だよ!駄目駄目。私は「ティータイム」を、するんだから。」

 えっ なに 「聴こえない」んじゃ
  なかった の ???

「わかりやすいのだ、お前は。」
「うっ 。」

そう、言われてしまえば ぐうの音も 出ない。

「いいもん、もうお風呂にするもん。」

そうして私は。
残っていたお茶を ぐっと飲み干し、「いーっ」という顔をして。

楽しそうな彼の顔を見ながら、お風呂の扉へ逃げ込む事に
したのである。





「 狭間 か  。」


  うん 。

森のお風呂に、難しい考え事は 合わない。

  「緑の 蒸気」
            「けぶる 木々」

   「いのちの チカラ」  「いろ」

  「瑞々しさ」   
           「息遣い」


沢山の「恩恵」を 胸いっぱいに吸い込みチャージをする。

ここではカケラ達は、木の葉の上でお休み中だ。
湿度が 高いからか。

 「舞う」というより「漂う」感が強い ここ

 考え事をしたとしても、カケラの速度は遅く
 ゆったりと葉の上で光っている事も 多いのである。


しかし。

「ピシャリ」と 頭上に落ちてきた カケラが
 ひとつ。


「あ 」


 えっ ?    でも。


  



 私が 次に 開けるのは


  「10の扉」 

  それ即ち 「未知」


  「腕輪物質」の 預かり知らぬ ところ。



 「石達」も ない  いない

 きっと そこには「もの」は 無い。



「ふむ?」


 絶対的な 「見えない なにか」

 圧倒的な きっと「美しいもの」。


きっと、そう。

見てないけど。

でも 私がずっと求めてきた

 「まだ 見たことのない 美しいもの」
 「とんでもなく 美しい なにか」
 「言葉にはできない程の 美しいもの」

そんな様な ことなんだ きっと。



「それって どんな。「せかい」、なんだろうか 。」

 ひかり かな?

   見えるの かな??


  でも。 なんか。


 
「絶対、楽しい。」

なんとなく それはわかる。



「フフフ」


パシャリと掬った お湯
私の動きに合わせて「森の緑」がカチリと切り替わり
緑の景色が動き始めたのが わかる。


 また 違う緑   森の匂い 

   むせる みどり  流れる いろ


    瑞々しい エネルギーが 廻り始め

   木々の 深い呼吸  葉の 軽い声

  水音 に    
       
        サラサラと 流れる風 。


より深く自分に「入ってくる」みんな自然のエネルギー

今まではきっと。
私が「許可していなかった」から みんなはじっとただそこに在ってくれたのだろう。

しかし私が「動き活動し始めて」から、「さあ」「どうぞ」「受け取って」と。

 みんなが どんどん流れ込んできているのが わかるんだ。

   
この 「なにで出来ているのかよく分からない」バスタブも、「生きているなにか」であることは
解って。

 その エネルギー 呼吸を感じ 撫でる肌
そうして「もの」とも「調和できる」私

その「質感」「固さ」「滑らかさ」「持つ温度」「性質」
「どう 使うのが適切か」「これバスタブが 喜ぶのか」。

なんでか それが わかるんだ。

「せかい」と調和していると。


 「なにを」「どのくらい」「チカラ加減」

 「手入れ」「管理」「エネルギーの質」

 「こうすれば こうなる」「こうも できる」


「すべて」において 言えるこの「調和」

「もの」でも「自然」でも
「生き物」でも「現象」でも。


それに「調和」していれば 「なる」こと。


「ふむ?」


 むせかえる みどり

   そのただただ 美しく発せられている
  「生きるチカラ」、それを 目一杯 吸い込んで。



「  は  ぁ 」


   ありがたい な。


そう じっくりと
感謝と共に 緩りと自分を甘やかすのだ。

 思う 存分  「満ちる」 まで。


そうして 今日も。

私の ひとり「吸収」は ひっそりと続いてゆくので、ある。



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