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8の扉 デヴァイ 再々
世界の 層
しおりを挟む外へ出てみて 改めて わかったけれど。
「世界」には 幾重も層が ある。
森から ここ デヴァイへ移動して。
アリスの色の変化
私と周りの位置の 差異
みんなから聞いた話
一人で気軽に出掛けられる 屋根裏散策
黒の廊下の流れる 気配。
あの 重い粒子と 時折流れる心地良い風
「変化」は「どちら側」にも 作用している。
「重き」は 下の方へ
「高き」は 上の方へ。
粒子の層
エネルギーの色
密度の高低
混じり合っている場と完全に別れている 場所。
それはどちらも存在するのだけれど、銀の区画は割と層がハッキリしていたと 思う。
黒の廊下は。
位置 場所 扉の色によって
混じり合っていたり、きっちりと別れていたり。
その、量の差もあるけれど やはりまだ「重い」方が多い ここデヴァイ
それはある意味仕方の無い事なのかもしれない。
でも。
下がったならば 上がれる 筈だから。
なにしろ私はそれを知って、ただ ここに 「あるのみ」なのである。
「でも。なんか、やっぱり歩くと疲れる。」
折角だからと、勉強も兼ねて 練習も兼ねて。
出掛けるのだが、やはりまだまだ澱に引きずられがちな自分
その都度「癖だから」と、今の浄化の核「キラルとアンカー」に送るのだが自分の細かさセンサーは仕事が好きなのだ。
そう 頼んでないのに
しよっちゅう 澱を 探して来て
「ほら」「まだ」
「ここにも」 「あ、あれは?」って。
「持ってきて、くれるんだよなぁ 。まあ、有り難いんだけど。あるから、出てくるんだけど。」
そう わかっちゃいるけど やはり
疲れない訳ではないのだ。
「何事も。バランス、よね。自分が出来る範囲で やらなきゃ。」
「そうだね。君はやはり真面目すぎるきらいがあるよ。」
「あっ、ジュガ!」
そう、私が今日 自分のぐるぐる整理に選んだ場所は、久しぶりの礼拝室
あの 白で。
自分の中の 何もかもを 浄め
また 歩き出せる様に。
四方から照らされて、なにしろ「清浄感」に包まれていたかったからだ。
外の雑多な「色の混線」は、私のどこか
きっとエネルギー、光の部分なのだろうけど
そこを疲弊させていて。
「うん、やっぱり 疲れるんだけど。 えっ、てか いつの間に?? ジュガ大人になったの???」
いつもは 棚の陰から出てくる小さなジュガ
しかし今のジュガはきっと私と同じくらいの身長では ないだろうか。
もう 大きいから棚の裏からは
出て こないのかな ?
そんな事を考えながらも、背後から歩いてきた彼を振り返って じっと見る。
くりくりの茶髪、キラキラと輝く瞳はやはり ジュガだ。
変わらぬその芯のある色を見て、嬉しくなって「ピョン」と 座り直した。
「多分、これ以上は大きくならないとは思うけどね。」
「うーん、そう なのか。」
確かに「大人なのか」という質問は、適切ではないのだろう。
だって ジュガは。
ここで 誰よりも長く 存在している
スピリット なのだから。
私の 後ろの列に座った透明感のある 彼
「子供」とはもう言えない 色の厚みと重み
こうして見ると 今の目で 見ると。
「なんか。 ジュガって、凄いね。」
「フフ、僕からしたらヨルの方が。とんでもなく、凄いよ。」
「 えっ ?」
なんだか ジュガを じっと見ているからか
前後左右 上下の白が。
フワリ フワリ 揺ら揺らと ゆれて
私を照らし始め
真っ白な
真っ新な ここに来て溜めた澱が
全て 流される様な。
「ひかり」が 部屋全体を包み鼓動を打ち始め
「ここ」に歓迎されているのが わかる。
わたし の 空間
フェアバンクス 青
チカラ 途切れた 場
エネルギー 残滓
種
芽吹き
成長 再生
循環
わたしが ここへ来て
旅立ち 成長して
戻ってきたこと
それが 「輪」になって いること
世界が 光の糸で繋がり 廻り始めていること
「強く」 「太く」
筆圧の 様に 繰り返される事で。
また 「強固」に なったこと。
この、「ひかり」が。
鼓動と共に私に伝えてきていること
それは ここも 「生きている」ということ
私が動く事で 循環になり チカラが回ること
繋がること それが強くなれること
そして。
それも どれもこれも ぜんぶが
「まるっとひとつ」で 「せかいの縮図」だと いうこと。
その、言葉ではない 直接伝わってくる チカラ
エネルギー イメージ
それはきっと 目の前の彼から齎されていて。
ああ やっぱり。
ジュガは ここの 主 なんだ
スピリットの?
場の?
「なんの」主 かは 分からないけど
それは問題じゃなくて 多分 彼は。
ここの 「見えないものたち」の 主なんだろう。
そう、それに。
ただ 目の前で微笑む茶色の瞳
その醸し出す雰囲気から、私の思っている事が「本当」なのも 知れる。
「ことば」は 無いのだけど。
わかるのだ。
「勘」とも 少し違う
「聴こえる」訳でもなくて
「見え」も しないけれど
「わかる」。
「なんなのだろうな、これは。」
ポツリと。
呟いた私の声に、優しい返事が くる。
「それはね、魂の声だから。本当の声だから。だから、伝わるんだよ。それは覆われていては聴こえないし、見えない、触れられない。今、君は沢山の色を見ると疲れるだろう?それは、覆いを外したからだ。でも、その疲れを転換する方法も知っているだろうし、だからこそ外して大丈夫なんだ。」
「 うん。」
やっぱり そうなんだ。
「今が一番、混濁する時だ。まだ、それも暫く続くだろう。より詳細が見える様になったからこそ辛いし、けれどもだからこそ抜ける事も、できる。だから君は、ここに居ていいし、解ったからこそ離れる事ができるんだ。」
「 うん。」
それも わかる。
短い返事、けれども一々自分の中で それを落とし反芻している私をジュガは解っているのだろう。
優しくキラキラと輝く瞳が、その安心感をくれる。
「だから気の済むまでここにいるといいんだ。君の事だから、出たくなったら出るだろうし、それこそ止めても出るだろう?フフ、そこは大丈夫なんだ。だから、ただ静かに君が君である事、「その時」が来るまで。自分を浄め極めて、そうあること。言わなくとも解るだろうけど、それでいいんだ。」
「 うん。ありがとう。」
ありがとう。
フワリと優しく微笑む彼に、「何故 今 ジュガが来てくれたのか」わかって。
ジワリと 涙が滲む。
いや 泣かないけど 泣いても いいのだけど。
私は やはり「重かった」のだろう。
いつの間にか 持ってしまう「荷物」
古い「澱」
蔓延る「異色」「違和感」
まだ抜け出せない「ジレンマ」と「憤り」
「葛藤」「争い」「焦燥感」
ありとあらゆる「浮いているもの」、それが
気になって。
気にしない様にしても
より はっきりと「見える」それに
「見せつけてくる」 自分の目に。
気を取られて 勝手に消耗しているのだ。
でも。 それももう 終わりにして。
「きちんと見る」こと
それを しに来たんだ。
「そう、変わったのは君で。世界はまだ、少ししか進んでいない。その人々との差異と自分の感覚のズレ、それに慣れる事、一緒に味わわなくともいい事。ただ見ているだけ、という事。」
「すぐにできなくともいいのは、解るね?君だって、僕と同じくらい?どうかな?古いものだ。取ってるかたちは違えど、同じもの。だが「人間」を選んだからには付随してくるそれを、丁寧に外していくしか、ない。」
「 うん。」
「簡単だけど、難しい。でも、君だからそうなんだ。」
それも解るね?
そう言っている 茶色の瞳
それに頷いて。
サッと、滲んでいた涙を拭った。
「さあ、笑って。君は一人じゃない。溜まってしまったら、いつでもおいで?君を浄める方法は、ひとつじゃない。」
「ありがとう。」
今度は しっかり はっきりと目を見て。
自分を切り替えて言えた、私に微笑むジュガ。
そうして私達は そのまま黙って 二人で。
暫くずっと 白の中
四方から降り注ぐ 光を浴び
目を閉じても見える、その「白」を感じながら。
黙って 心地良くそこへ 浸りきって いたんだ。
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