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8の扉 デヴァイ 再々
その日の夜
しおりを挟む「うーーーーーーーん。」
「どう、した?」
「ううん、いいの。大丈夫 でも気が向いたら返事をして?」
「なんだそれは。」
少し笑いながらも頷いて、店内への階段を降りて行った金髪
今日はイストリアの魔女の店を借りて。
そう グロッシュラーお泊まり会よ。
なにしろ 私に帰っている暇は ない。
そんなカケラをくるくると回しながら、実際「泊まりたかっただけ」の私は。
いつもの中二階、居心地の良いドライハーブに囲まれながら夜のティータイムを楽しんで いた。
実際問題、この人が居れば移動なぞ一瞬である。
でも 今日はなんだか。
子供達の近くで、その「問題」を考えたくて
金色に許可を貰ってきてもらい、魔女の店を滞在場所にしたのだ。
そう
きっと 「近く」の方が
ここ グロッシュラーの空気を 感じられる 方が。
なんとなく だけど 解決方法が見つかると
思えたからだ。
「 ふむ。」
しかし、実際それは「問題」でもないのだろう。
デヴァイでも感じた「ハートが開いていない問題」、それときっと根本は同じ筈である。
そう 「字が読める」とか
「頭がいい」とか そんなのは全く関係 なくて
子供達それぞれの 個々が使っている「観念」
「意識」
「できる」という場に 立っているか
それだけなのだ。
「でも ぶっちゃけ、練習するしか、ないよね 。」
何度も 何度も繰り返して。
そう、私と同じ様にその癖を 取り除いていくしかないのだ。
「そう、確かに。悩む事じゃ ない。」
私がぐるぐるしたって始まらないんだ。
そう 私の立ち位置は
あの子達を信じて ただ あること
それだけ。
「よし。」
そう、呟いて立ち上がり 茶器を片付け金色の姿を探す。
流石に一人でのお泊まりは、許可が出る筈もなく 一緒に来たあの色は店へ降りて行ったまま、姿が見えない。
もしか して ?
久しぶりに私も、あのピンクの空が見たくなって。
「いや、夜だから 紫?なのか?」
そんな事を呟きながら、カランと鳴る扉を押して 外に出たんだ。
見上げる空は想像よりも変化していて、なんだか外の「雲の空」と 合いの子の様である。
「ふぅん ?」
まったりとした 燻みのある 色
夜の 色
紫 青 紺
遠くに霞む 橙
まるで沈んだ太陽が 向こうにあるかの様に
遠く明るい 桟橋の端は 見えない。
殆どの部分は燻んだ紫からピンク、青のグラデーションに彩られている空は 勿論私の大好物だ。
これまでには 無かった 燻み
その「灰色の空」を思わせる色と変化
地上の空には逆に 青が戻っていること
混じり合い きっと繋がり始めた 世界
子供達の増すチカラ 生き生きとした畑
微量に変化している大人達のこと。
「枠、ねぇ 枠 かぁ。」
うん まあ そう ね。
金色を、探すでもなくフラフラと桟橋を歩き
みんなの「ハート」のことを 思う。
それは 勿論 無理矢理こじ開けるわけにもいかず
「私が開けること」も できない もの
自らが 気付いて。
開けるしか、方法はない「独自の光」でも
ある。
「 また。光でも、降らせる かな 。」
なんとなく、胸がキュッとして。
ポツリと呟き、ぐっと顔を上げ 視界いっぱいに美しい色を 映す。
そう
今なら、わかる。
自分が あの時「光を降ろした」事が
自分にとっての「正解」だったこと
私が思う「最善」は 今も そうだということ。
そう みんな 自由 で。
「閉じている 自由」もあれば
「開く自由」も ある
それは わかって るんだ。
「なんだろう でも わかんないけど。やっぱり、美しいものは、いいよね。」
あの 光
光でなくとも「美しいもの」を見た時の 素直な感動
魂が震える 瞬間。
ワクワクで 満ちて
「なんでもできそう」で
「なんか よく分かんないけど 楽しい」。
そんな感じ。
それが 「常にあれば」 いいのに。
ぐっと 上がる自分の全体
押し上げられる ハート
一段上がった私の「なかみ」は 遠くに見える
橙すらも 鮮やかに 映して いて。
自分が 上がらないと 見えない いろ
「ああ、でも そうかも。」
ふと 湧き出てきた 思い出のカケラ
いつでもハートを暖めてくれる 夕陽
それは 私にとって「感動の瞬間」を表す 色でもある。
成る程 それを 創れれば ??
なんでものめり込むたちで、感動屋で
壮大な映画を見た後なんかは暫く抜け出せない自分
あの 感じを思い出すと。
そう いつも思っていた
「いいな」「こうしよう」「こうしたい」
「こうなりたい」って
その時は思う けど
いつもの日常に 戻っちゃう 感じ
あれを 普段にすれば?
「いいって、こと だよね ??」
「なんでみんなすぐ日常に戻るんだろう」
「自分も やればいい」
「憧れを 日常に」
「できる部分だけでも 真似してみる」
そう、思っていた過去
だから 私が。
「うん? やる? 何を どう? やるんだ??」
「こうなればいいな」って 「夢の世界」を。
「ワクワク」を。
「日常に する」
「 ふむ?」
それって。
どう やる
どういうこと だろうか 。
「うーん?でも、私が思う「夢の世界」とみんなが思う「夢の世界」、それに乖離がある可能性は 否定できない。」
自分の位置確認をしたばかりだ。
そう 私はちょっと 変わった位置に、いる。
「いや?しかし? 高い方 美しい方に、合わせるならば? それ即ち エブリシングオーケー的な はなし じゃ なくて???」
でも 飛び過ぎても 駄目だし な ??
「何を、言っている。」
「あっ。えっ、うんとね ?」
あまりにも自然に背後に居た金色に、そのまま 背を預けて。
フワリと馴染みながら私の思いを目と 口で伝える。
多分 聴こえてた だろうし
この空間なら きっと。
この方が いいよね うん
なんか 喋るとまたズレそうだし 。
半分照れながらもなんとなく、横着をした私の思惑は きちんと一緒に伝わったのだろう。
やや、薄い笑みを浮かべた美しい 色は。
ちょっとだけ 上げた眉
くっと上がる口の端に、傾げた首も付けて。
くっ これ絶対 わかって やってる よね??
ふるふると震え始めた私の心臓と、身体を楽しそうに眺めながら いつもの様にこう言ったんだ。
「お前の思う、様に。」
「 くっ。いいもんね!」
なにも していない 言っていないのに
なんだか丸め込まれた感があるのは 気の所為だろうか。
いいや きっとわざとだ。
しかし私に、この人と一緒に戻らぬ選択肢は 無い。
「もう、行くよ!明日も あるし?」
「ハハッ 」
そうして、何故だかとても楽しそうな彼の手を引き
顔は見ない様にして。
キラキラの木立に囲まれた、可愛らしい家を
目指したので ある。
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