透明の「扉」を開けて

美黎

文字の大きさ
1,221 / 2,079
8の扉 デヴァイ 再々

どうして「ここ」にいるのか

しおりを挟む

「それにしても、どうして。ヨルはまだうちデヴァイにいるんだ?ラピスの方が過ごし易いだろう?」

 そんな 不思議色を浮かべた青い瞳

釣られてこちらを見ている、みんなも。
「そう言えば」
そんな風に 首を傾げながらこちらを見ている。


 少し 話が纏まったのか。
いつの間にか静かになっていた 移動部屋
まだカケラ達と戯れていた私は「?」と その静けさに気付いてピタリと回るのを止めた 所だった。

そこへ飛んできた この質問
それはある意味自分でも 把握していなかった「自分のこと」で。


「  うーん 。?」

とりあえずは「訊かれた事で自分でも興味が出てきた 自分のこと」、それに焦点を当て
じっくりと 腕を組み考えてみる。


  何故  なんで  どうして

 何処に。

   ラピス  シャット  グロッシュラー

 森   神殿   イストリアの空間

  その他の居心地のいい 場所を蹴って。

 何故 「デヴァイ悪の巣窟」 なのか。


「 フフフ」

みんなの、怪訝そうな顔を見ながら。

 「悪の巣窟」、その言葉を思い出してベオグラードの青い瞳を確認し また笑いが出る。


 でも。 実際。

 どうして なんだろうか 。


「 ふむ。」

そうして本格的に考え始めた私を、みんなは放っておいてくれる様だ。
リュディアに結婚後はどこに住みたいか とか
シェランにシュレジエンの後継になるのか とか。

私も気になる内容をワイワイと話している。


 うーん 。  でも   なんか 多分。


  私  きっと 「一番深いところ」に

   「いたい」のかも 知れない 。


「 場所で言えば、そう 先陣を切るのか 殿しんがりを務めるのか そんな感じよ。」

「え?」
「なに?」
「どうした?また何か変な事言い始めたか?」
「そうね、やっぱり意味が分からないわ。」
「そもそも話が違ってないか?」

 みんな。

 それは失礼ってものよ。 「話の内容」は
 ズレてないわ  
  多分  うん。


「コホン」

一つ咳払いをして みんなの顔をぐるりと見渡す。

それぞれがそれぞれの、表情いろを浮かべているけれど
そのベースにあるのはやはり 「ワクワク」と「期待」、「少しの呆れ」と「諦め」
でも「諦め」の色は 下降の色ではない。

「大丈夫、レナ。そっちに迷惑はかけないし。 てか、住む場所?「いるところ」の話でしょう? なんでそんな顔なワケ??」

勿論「諦め」と「呆れ」の色を出しているのは レナだ。
後のみんなは、大体 「期待」か「面白そう」、なんだか少し憂いが見えるエローラは きっとマデイラの話を思い出しているに違いない。

 そう セフィラはもう 会えない場所に。
 消えてしまったからだ。


「フフ、大丈夫だよ エローラ。レナも。私は今「夢の中に出てくる なにか」だし。」

「余計に意味が分からないけど。まあ、いいわ。」

「ヨルに「普通の答え」を求めるのが間違ってたんじゃないか。」
「そりゃそうね。」

些か不穏な空気が漂ってきた所で、再び咳払いをする。

「コホン。して、私が 何故?ん? なぜ、なのか。とりあえず今はデヴァイにいるんだけど。それで時々、いろんな場所に出掛けてるんだ。 それが、何故なのか。多分だけど  」

「「「「うん」」」」

みんなの、視線が熱いけれど。

依る語で話して いいだろうか。
 いや いいに違いない。

 だってここは。 
  
 「ありのままのわたし」を 
 受けれ入れてくれる場所 だからだ。


「あのね。 多分。って、最初悪の巣窟だと思ってたし、実際黒いし、まあ いろんな意味で でも、みんなやっぱり「生きて」て、「同じ」で。どこにいたって、「ひと」は。やっぱり みんな一生懸命なんだよ。自分の事に、周りの事に。まあ、それぞれの位置や立場は、あれど。」

「うん。」

何故だかエローラが深く頷いて返事をして、みんなが頷く所が 面白い。

「で、確かに。森に居た方が空気はいいし、爽やかだし 風は流れるし  まあ、良いところは数え切れない程あるんだけど。 でも、それもいいけど「私のある場所」は じゃないんだ、 多分。」

「一番、「始まり」の場所 か、一番「深いところ」。「最初」か「最後」で、の。なんか わかんないけど。それが一番、「」 「知れる」? から?かな。」

誰も 何も 言わないけれど。

なんとなく 私の言いたいことが 染みているのは、わかる。


「だから、居心地のいい場所にいたいのは勿論なんだけど、なんでかそれは 気分転換で良くて。 自分が「位置する場所」? は 「あそこ深部」じゃなきゃ駄目で 多分、それがなんだ。 外から何をしても、言っても 意味が無いとは言わないけれど 「弱い」し、やっぱり私は「当事者」でもあって。「見てるだけ」なんだけど、「関係なくはない」んだよ。  だから自分が「ある場所」としては、「内側」から融かしたくて それが一番早くて、効果的で、  から。 そうなの、かな。」


 案の定 こんがらがった 気はするけれど。
みんなが、納得の顔で頷いているのは わかる。

「確かに。別に姿を見せてなくても、ヨルが来てると分かる気はする。なんとなくだけど、廊下を歩くとふわふわする?浮足立つ、って言うのかな?私は久しぶりに帰ったのもあるけど、前とは全然違うと思う。」

「僕もそれは感じた。まあ、ヨルの所為なのか、自分なのか、兄上が変わったからなのかは分からないが、きっと全てだろうな。」

「成る程、ベオ様の家は そうか。」

「それに「夢に出る」って言うの、気になる。私達は体験出来ないけどね。」
「わかる。」

エローラとレナは残念そうにそう言っているけれど。
 お望みならば 出張すれば いいだろうか。
 ふむ。


「なにしろお前の言い分は最もだな。こうして聞いてみるとそれがよく、解るし何にも考えなてないのかと思ったけどそうでもないな?」

「 う うん。」

 いや 「なんにも考えてはいなかった」けれど。

 よ~く、考えたら 「そうだった」んだ
 きっと。


「まあ確かに部外者に口出しされるのはそもそもあそこには無理そうだしね。」
「それはある。」
「で、結局シェランはどうするの?」

みんなが自然に話を逸らし始めたのが わかって。

有り難くまた少し引っ込んだ私は 今し方自分の周りに出できた、なんだか新しいカケラ達を 見る。

そう 改めて「なんでだろう」と 考えたから。

 まだ 「気付いていなかった いろ」が
  フワリと現れたことにも気付いていて
 それをゆっくり検分してみたかった からだ。


「 ふむ 。」


  「場所」
       「空気」

    「違い」      「粒子」


  「構成」
       「含むもの」

  
  「性質」       「引き合うもの」


      「複雑さ」

   「微細なもの」

        「折り重なるもの」


    「絡まりきった すべて」


           「解し」

 「解き」

      「似た」   「同じ」


   
  「より 高く反応するもの」


               「浄め」
      「効果的なもの」

  「範囲」

  「大きさ」    「量」


    「触媒」
          「浸透」


  「波及」

      「風」
           「流れ」


 「チカラ」
    
    「核」    「エネルギー」


  「エンジン」

    「湧き出る」   「滲み出る」


  「そこにで 影響を齎すもの」。



「 なるほど ?」

 「そこ」に 「ある」方が
   「そこ」が わかるし
 読めるし 「同じ」で 「一緒に」動ける し

 「相手」も。

 「わたし」を その「一部」だと認識し
  まあ 「含まれてる」からそうなんだけど
 「共にゆける」、こと

それに
多分
きっと。


 この「世界扉の中」では デヴァイあそこが 殿しんがりだけど
 わたしは 「終わりと始まり」だから 。

 先頭をも 切れるけれど
 「今」は「あそこデヴァイ」がベストで
 わたしが「両方終わりと始まり」で あれば「繋がる」、

そう 私は「すべてを繋ぐ」ものでもあるから して。

「 私が、「光の網」として。 ぐるり、蔓延る って ことか 。」


それに。

 きっと この世界の最後は 「9の扉グレースクアッド」なのだろうけど
 あそこには 「生者」は無いし
 そもそも穴を塞いでいた姫様は私が持って来たし
 黎も私の光の一部だ。

 だから 自分が「浸透してある」にはあそこデヴァイが一番いい。


 そうして また 本当の最後の扉「10の扉」は。
 きっと 今 私の「この道」自体で
 一歩一歩 自分で創ってゆく道
 「創造の せかい」
 「わたしのせかい」だ。


「だから。 結局 ぐるり、繋がる と。」

そうして
みんなの様子を 遠目で見ながら。

 ひとり 静かに呟く 「私の ほんとう」、

そう 「私が動く事で透る」、それもきっと事実だ。

だから 今 暫くは拠点を「最後」に置いて
私自身は 光の点として 自分の網の中を自由自在に 動く。

「うん、いいね。」

そう、きっと全ては繋がる筈で
「誰かが」「なにかが」「やってくれる」、寧ろ「私がやる」のですらなくて
「自然に」。

 「そう なる」筈なんだ きっと。


「    ふ  む?」

この頃 自分のことを「現象にも近い」と感じ始めた私にとって この想像の着地点は中々 満点に近い。


 誰 も  
 なに も
 知らなく とも
 知っていなく とも
 「せかいの何処かで」 動いている光がある
 
 それは事実で みんなが で。


そうして それが「そういうもの」で あれば
 
 「そうなる」、それはせかいの自然な法則だ。


「 成る程  なるほど 。」

 だから それを やり
 そうで あること

 私はわたしの 思う様に。

 自然に動けば 「そうなる」「それでいい」ということ。


   フワフワ  ゆらりと

     ゆっくり流れ始めた  カケラ達

 これまであった 優しい色が 
   またオーロラに包まれ 一段上がった いろ

それがふわふわと並び始め
自分の中の カケラが「成ろう」と動いているのが 見えて。

 また ひとつ 「新しいかたち」が出来
 私の中の一部となり 共に働き始めたのが わかる。


その 「自分の中の 動き」を感じながら
同じ空間にある「親しみの温もり」に意識を向け そこからも色を貰って。

 この 「今」の

 「瞬間」 「空気」 「雰囲気」

   「人の 光」 「チカラエネルギー

   「すべてが相まって 創り出されている空間」

それを 胸いっぱいに 吸い込みながら。

 チラリと 目に入ったピエロに鼻腔が縮んだが
それもまた笑いながら 息を吐いて。

再び 大きく手を拡げ
 深呼吸を 続けていたので ある。




しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

側妃契約は満了しました。

夢草 蝶
恋愛
 婚約者である王太子から、別の女性を正妃にするから、側妃となって自分達の仕事をしろ。  そのような申し出を受け入れてから、五年の時が経ちました。

戦場の英雄、上官の陰謀により死亡扱いにされ、故郷に帰ると許嫁は結婚していた。絶望の中、偶然助けた許嫁の娘に何故か求婚されることに

千石
ファンタジー
「絶対生きて帰ってくる。その時は結婚しよう」 「はい。あなたの帰りをいつまでも待ってます」 許嫁と涙ながらに約束をした20年後、英雄と呼ばれるまでになったルークだったが生還してみると死亡扱いにされていた。 許嫁は既に結婚しており、ルークは絶望の只中に。 上官の陰謀だと知ったルークは激怒し、殴ってしまう。 言い訳をする気もなかったため、全ての功績を抹消され、貰えるはずだった年金もパー。 絶望の中、偶然助けた子が許嫁の娘で、 「ルーク、あなたに惚れたわ。今すぐあたしと結婚しなさい!」 何故か求婚されることに。 困りながらも巻き込まれる騒動を通じて ルークは失っていた日常を段々と取り戻していく。 こちらは他のウェブ小説にも投稿しております。

【完結】離縁ですか…では、私が出掛けている間に出ていって下さいね♪

山葵
恋愛
突然、カイルから離縁して欲しいと言われ、戸惑いながらも理由を聞いた。 「俺は真実の愛に目覚めたのだ。マリアこそ俺の運命の相手!」 そうですか…。 私は離婚届にサインをする。 私は、直ぐに役所に届ける様に使用人に渡した。 使用人が出掛けるのを確認してから 「私とアスベスが旅行に行っている間に荷物を纏めて出ていって下さいね♪」

笑う令嬢は毒の杯を傾ける

無色
恋愛
 その笑顔は、甘い毒の味がした。  父親に虐げられ、義妹によって婚約者を奪われた令嬢は復讐のために毒を喰む。

愚かな側妃と言われたので、我慢することをやめます

天宮有
恋愛
私アリザは平民から側妃となり、国王ルグドに利用されていた。 王妃のシェムを愛しているルグドは、私を酷使する。 影で城の人達から「愚かな側妃」と蔑まれていることを知り、全てがどうでもよくなっていた。 私は我慢することをやめてルグドを助けず、愚かな側妃として生きます。

初夜に大暴言を吐かれた伯爵夫人は、微笑みと共に我が道を行く ―旦那様、今更擦り寄られても困ります―

望月 或
恋愛
「お前の噂を聞いたぞ。毎夜町に出て男を求め、毎回違う男と朝までふしだらな行為に明け暮れているそうだな? その上糸目を付けず服や装飾品を買い漁り、多大な借金を背負っているとか……。そんな醜悪な女が俺の妻だとは非常に不愉快極まりない! 今後俺に話し掛けるな! 俺に一切関与するな! 同じ空気を吸ってるだけでとんでもなく不快だ……!!」 【王命】で決められた婚姻をし、ハイド・ランジニカ伯爵とオリービア・フレイグラント子爵令嬢の初夜は、彼のその暴言で始まった。 そして、それに返したオリービアの一言は、 「あらあら、まぁ」 の六文字だった。  屋敷に住まわせている、ハイドの愛人と噂されるユーカリや、その取巻きの使用人達の嫌がらせも何のその、オリービアは微笑みを絶やさず自分の道を突き進んでいく。 ユーカリだけを信じ心酔していたハイドだったが、オリービアが屋敷に来てから徐々に変化が表れ始めて…… ※作者独自の世界観満載です。違和感を感じたら、「あぁ、こういう世界なんだな」と思って頂けたら有難いです……。

友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。

石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。 だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった 何故なら、彼は『転生者』だから… 今度は違う切り口からのアプローチ。 追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。 こうご期待。

私に姉など居ませんが?

山葵
恋愛
「ごめんよ、クリス。僕は君よりお姉さんの方が好きになってしまったんだ。だから婚約を解消して欲しい」 「婚約破棄という事で宜しいですか?では、構いませんよ」 「ありがとう」 私は婚約者スティーブと結婚破棄した。 書類にサインをし、慰謝料も請求した。 「ところでスティーブ様、私には姉はおりませんが、一体誰と婚約をするのですか?」

処理中です...