1,230 / 2,079
8の扉 デヴァイ 再々
必要
しおりを挟む「君を、見てると思うのだけど。それは、それぞれに「必要な道筋」なのではないかな。与えられ、且つそれを持って君の様に自分で感じ取りながら学べる者はそれでいいのだろうが、与えるだけでは。それに満足してしまって、堕落する者もあるだろう。それは勿論、与える方、与えられる方、両方ともそうで。きっとそれぞれの道に沿った、学びがありその時に対価が双方にとって必要であらば払う方が身になるのだろうし、その必要がなければ。きちんと自ら、学び、進めるのだろうよ。」
「なる ほど 。」
「払う必要性」確かに それは ある。
先日の自分の気付きをホロリと漏らした所。
イストリアが齎してくれたヒントは やはり中々に素敵なカケラである。
「「お互いがお互いを尊重し、補い合う」。皆が、そこまで基盤が出来上がっていれば。世界でも、上手く回るのだろうが今はまだ世界は重い。その「対価の意味」も、君と他の人間は違うだろうしね。もう少し重石を下ろして、みんなが成長して。そうなれば、とても良いとは私も思うよ。なにしろ時間は多少、必要だがね。何事も一足飛びには、いかない。」
「 はい。」
その 優しい色を 受け取って。
わかっている 様でいて
やはりまだ 浅はかな自分
しかしそれに落ち込むことはもう なくて。
新しく手に入れたそのカケラが自分の中をくるくると回るのを 見つめていた。
まわる まわる
新しい いろ
気付いていなかった カケラ
優しい 薄茶の まあるい カケラ
それがピンクと紫の 美しいグラデーションと
相まって。
「ああ 美しいな」と過ぎる
いつものセリフ
しかし姫様の銀色と入り口の木肌がスッと重なり
私の中で 光達が。
「ここは店だよ」、と はっきり色を知らせてくれるから 気を取り直して二度 瞬きをした。
今日は久しぶりに イストリアと魔女の店にお出掛けしている。
朝 目が合った時に「一緒に行くかい?」と。
優しい薄茶の瞳が細まったものだから、少しだけぐるぐるしていた私は直ぐに頷いて ウキウキしながらサラダを頬張っていた。
そうして朝食後
早速出掛けるという白衣の後ろをテクテクと付いてきた 今。
ポツポツと 道中漏らしていた私の独り言に、絶妙な相槌を打っていた彼女の返事が スッポリと私の真ん中に 嵌ったのである。
「しかしきっと。そのポイントは君の言う「等価交換」で、その「等価」とは何を指すのか。それが君の場合はより細かく、精度が高いんだ。まだ粗く物質的なものを求めるのならば、それはお金や物になるのだろうね。先ずはみんなが。自分で自分の面倒を見れて、自分の中で力を循環させる事が必要だ。それには分かり易い、対価も。必要だという事だろう。」
「成る程。 それわかりやすいです。 ふむ。その、時々 それぞれのその、場に 位置に合った「対価」。なるほど。」
「そうだよね。君はだからものは、要らないんだろう。全ての幸せを願い、祈る君が求めるものとは。やはり、なんだ?「世界平和」とか、なのかな。」
「 ふふ まあ、みんなが踊り楽しく暮らせれば、一番いいですよね 。」
「そうだよね。………ま、なにしろ。君はあまり考えずに好きにやるといいんだ。さて、私は先に行くよ?」
「あ、はぁい。じゃあ 私は少しブラブラしてから帰ります。」
「ああ、ゆっくりしてくるといい。」
そう言って、「カラン」と。
入り口の鈴が鳴り 水色髪が見えなくなったところで大きく息を吐いた。
リラックスできる この空間で。
緊張していた 訳じゃないけれど
やはり「気付かなかった自分に気付いた」私は少し 反省もしていたのだろう。
「なんで」「わからない」、そう 思いながら。
少しだけ、自分の中に 責める様な気持ちがあったことに 気が付いたからだ。
「 まあ。 そう、認めて。わかれば、また 進めるのよ。 」
そう呟きながら 中二階の階段を降り今し方水色髪が消えて行った 入り口付近のハーブ達を見上げる。
ここも 大分変わって。
モッサリとしたハーブが 程良いドライになって
「出荷時です」そんな顔をしてフサフサと下がる、みんなの顔が面白い。
なんだか 「愛でられる為に 誰かの家に行く」のを
喜んでいる様で。
「いや、それは そうなんだ。」
そう 思いながらも乾いたハーブの匂いを胸いっぱいに 吸い込んだ。
静寂に包まれた 薄暗い店内
いつもこの店は 「人で賑わう」ことは ないけれど。
私は その雰囲気が好きで
寧ろ誰もいない方が良くて
「確実に誰も来ない」、この店主不在の 店を。
独占してある、この瞬間が堪らなくて
イストリアに感謝しながらくるり 空気を動かしながら回って みる。
「ひとり ひとり」
「それぞれの 必要」
「必然」
「道筋」 「道のり」
「最善 最適な 各自の最高の光」
それは確実に個々の「すべての人」の 上に 光って 在り。
気付いて見上げれば、その「必要が示される」
その最善の光の 筈だ。
「 そう、そう なのよね。」
だから 一人一人 違うし
違っていいし 違って当たり前だし
だからこそ 面白く 楽しいし
勿論「私の最善」も そうであるからして
私はこの気付きから 「なにを得るのか」
「どう 拡がるのか」。
「そうなの。転んでも、ただでは起きない いや、転んでないけど うん。」
しかし私のこの性質が幸いして、自分がここまで来たことは もう重々承知で ある。
からして ?
私の 「最高の光」は。
なに を
どれ を
私に 言いたかった
伝えたかった
「みんがみんな 自分の最善を 辿る」
「望めば」 「決めれば」
「スタート すれば」
「まあ。 それは そうか。」
そう、その道は「自分が始めなければ」見えぬし
開かぬし 示されぬし わかりも しない。
「対価。 等価交換。 わかる、こと。何処までわかって いるのか わかりたいのか。見えているのか、いないのか 。」
きっと 私が引っ掛かっていたのは
「見えている様で 見えていないこと」
世界を見ているとそれが沢山あって、「え?そうなの?」と 自分がいちいち。
そこに躓いているから 戸惑うのである。
「でも。 なんか。お陰で、はっきり わかったかも。」
そうなんだ
「何処まで行きたいか」「今 何処なのか」
「なにを目指しているのか」
「その人の真実は 今 なんなのか」
それは「今の色」を見れば すぐにわかる。
「それに、いちいち。「え?ほんとに?」って やってるからいけないんだわ。 そうよ。」
自分が「子供だ」とか
「知らない」とか 「ちょっと?阿保だ」とか。
私は自分を 未だにそう思っている時があって、「みんな凄いな」って。
世界を 見ながら素直に思っているから
なにかそれが少しズレた時に。
「あれ??」って ヒュンと移動してしまうのだろう。
そう
ちょっとジャンプした時に
風が強くてそのままスライドする 様に。
飛ばされ流される 様に。
「私は、私の 位置を。」
ちゃんと 見つめ直して。
「すべてがまるっと 自分の中」
「せかいは ひとつ」
「世界は せかいの なかに ある」
それを適用している私の中に、「すべてがそれぞれに含むもの」について「対価を貰う」と いう。
「選択肢」が ないのだ きっと。
「そうなんだ、私の場合は。そう、なんか。「辻褄が 合わない」の。なんでかは、わかんないけど。まあ 「等価交換じゃないから」なんだろうけど。 ただそれが「自分のなかの等価交換」に ならないから貰わない、それだけなんだ。」
自分の創ったもの
それに対しては、受け取るけれど。
「みんなが本来 持ってるもの」
「だけど まだ見えないもの」
それについて私が対価を貰うのは、私の中では何かが違うのだ。
「開ける手伝いをする」「ヒントをあげる」
それはとても素敵だけれど
その役目は「今の私」の「やりたいこと」じゃ ないんだ。
私は 私の 自由に
どこまでも 拡大してゆく
多分 今回は そうなんだ。
あの 深海で思った様に。
「今の私」は 本当に自由で良くて
瞬間瞬間でいろも違って やりたい事も変わるし
なにしろ縛られるのが 苦手だ。
そう
手を 出したら離せないから。
きちんと「そうなるまで 懐に入れておく」、その性質を持つ私がそれを今 やるとすれば
大きな大きな袋を持って 沢山の光を持ち歩かねばならない。
「そうじゃ、ないのよ それじゃないの 。うん。」
そう、それに。
今 それが必要な人には それが渡り
それを払う事でまた 重みが出て学ぶ意欲が上がるならば
それもまた よし
それぞれの最善へ流れが加速する中
それは勿論 私にも適用されている筈だから。
「そうなの。だから、きっと 私の問いの答えも。 遠からず、現れる? わかる、と いうこと。」
そうなんだ。
だから私は ズレてもまた 直ぐに戻って。
自分の本当を 探しに出掛けてゆくのだ。
「よし。 然らば。いざ。」
そう言って、ポンと膝を叩いて。
少し名残惜しいが 空が見たくなって入り口へ向かいながらもくるりと回り
静かに見送ってくれる商品達に手を振り「またね」と 言う。
そうして 勢いよく「カラン」と鈴を響かせ
大きく扉を開け放って。
「ポン」と元気よく 入り口を飛び出し
桟橋を 走り出したんだ ずーっと。
0
あなたにおすすめの小説
【完結】離縁ですか…では、私が出掛けている間に出ていって下さいね♪
山葵
恋愛
突然、カイルから離縁して欲しいと言われ、戸惑いながらも理由を聞いた。
「俺は真実の愛に目覚めたのだ。マリアこそ俺の運命の相手!」
そうですか…。
私は離婚届にサインをする。
私は、直ぐに役所に届ける様に使用人に渡した。
使用人が出掛けるのを確認してから
「私とアスベスが旅行に行っている間に荷物を纏めて出ていって下さいね♪」
私に姉など居ませんが?
山葵
恋愛
「ごめんよ、クリス。僕は君よりお姉さんの方が好きになってしまったんだ。だから婚約を解消して欲しい」
「婚約破棄という事で宜しいですか?では、構いませんよ」
「ありがとう」
私は婚約者スティーブと結婚破棄した。
書類にサインをし、慰謝料も請求した。
「ところでスティーブ様、私には姉はおりませんが、一体誰と婚約をするのですか?」
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
無能なので辞めさせていただきます!
サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。
マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。
えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって?
残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、
無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって?
はいはいわかりました。
辞めますよ。
退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。
自分無能なんで、なんにもわかりませんから。
カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。
初夜に大暴言を吐かれた伯爵夫人は、微笑みと共に我が道を行く ―旦那様、今更擦り寄られても困ります―
望月 或
恋愛
「お前の噂を聞いたぞ。毎夜町に出て男を求め、毎回違う男と朝までふしだらな行為に明け暮れているそうだな? その上糸目を付けず服や装飾品を買い漁り、多大な借金を背負っているとか……。そんな醜悪な女が俺の妻だとは非常に不愉快極まりない! 今後俺に話し掛けるな! 俺に一切関与するな! 同じ空気を吸ってるだけでとんでもなく不快だ……!!」
【王命】で決められた婚姻をし、ハイド・ランジニカ伯爵とオリービア・フレイグラント子爵令嬢の初夜は、彼のその暴言で始まった。
そして、それに返したオリービアの一言は、
「あらあら、まぁ」
の六文字だった。
屋敷に住まわせている、ハイドの愛人と噂されるユーカリや、その取巻きの使用人達の嫌がらせも何のその、オリービアは微笑みを絶やさず自分の道を突き進んでいく。
ユーカリだけを信じ心酔していたハイドだったが、オリービアが屋敷に来てから徐々に変化が表れ始めて……
※作者独自の世界観満載です。違和感を感じたら、「あぁ、こういう世界なんだな」と思って頂けたら有難いです……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる