透明の「扉」を開けて

美黎

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17の扉 こたえしかない ところ

出現 2

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「………いや、しかし実際。意外にも、はっきりと言い切ったね?いや、意外ではないのか。あの頃から考えると、やはり随分と成長しているのだね…なんだか感慨深いよ。」

「   うふふ」

 あれから
  「あの部屋の空気を纏めてから」

 少し経って。


  「実際 どういう風に出るのか」

その「出方」を詰める為に、数日ぶりの書斎に呼ばれた私は
 あの二人が前に立っていた本棚に「新しい本が増えている」のが気になって。

 まだ 奥の小部屋から出てこない本部長をいいことに、ソファーの水色髪に相槌を打ちながらも ひとり
ウロウロとしていた。


 そう
 なんだ かんだ

 「出方を詰める」と言っても
 「私が実際 どう出るのかを」で
この水色髪の二人は何か指示をしたい訳じゃない。

 ただ 私の動きを把握しておかないと。

「本部長的に 面倒くさいこと」が 起こる可能性が あるからで ある。


「   ぅう~ん。  実際、そんなに。 何も ある意味、起きないのかも。」

  自分が「自分の区画を彷徨く姿」

 それを 想像してみて。

実際 「白いお茶会の部屋で たまにしれっと座っている私」
 「屋根裏から ピョイと飛び降りる私」
 「黒の廊下で しれっとすれ違う私」

 その「様々な普段の様子」が重なってきて
「なんも変わんなくない?」と囁くみんな光達と その光景を展開しながらクスクスと笑う。

しかし
 次の瞬間 イストリアが「当たり前の質問」をしてきて。

 「それ質問」を「受けると同時に」
 「こたえは私の中に用意されていたことに感心して」、
 「それをそのまま 口に出したんだ」。



「しかし、君は。その、沢山の人を見て判断する事がプレッシャー?負担、ではないかい?こちらから頼んでおいて、何だけれど。」

 その質問と 同時に。

奥の小部屋から出てきた本部長が いつもの位置へ座り、私もそれを受けて 本を持ったまま
イストリアの隣に座る。

 そして
「私がやるのが当然と思っている 眼鏡の奥の揺らがぬ瞳」を 観て
 「だよね」と 受け取って。

くるりと横を向いて、薄茶の瞳をじっと 見つめたんだ。


「   う~ん。 いや、実際。 全然全く、「大変」では ないんですよ。 し。」

「それに  本来ならば。 当然の様に人は 一人一人違うんだから、だから一人一人に対応するのが普通で  なんだ? その、「一緒くたにする」のに、無理がありますから。 だからレナなんかは「個人のメニュー」を考えてくれてるし、そっちの方が時間はかかるだろうし。 私なんて「視るだけ」ですからね。 その大変さはないかもなぁ。 」

「…………成る程?伝え方はどうする?」

「  うーん、それも、個人による、かな。 一番いい方法を取るから、また ぜんぶ違うと思うし。 ある意味オーダーメイド  。 」

「フフッ、なんだかそう聞くと楽しそうだね?」

「 かも知れないですね。 なんか、普通だと深刻な場面になりそうですけど。 実際、それ移動は新たなる祝福の門出だし、 それもまた自分の選択ですからね。 ただ、「留まることができないだけ」で。」

「…………まあ、自然の摂理、かな。」

「  はい。 そこは。」

 ちょっとだけ
  しんみりとした 部屋の空気

 しかし「カリカリとメモを取る」、本部長の筆音が
 いつもの書斎の空気に瞬時に戻すから 面白い。


「でも。実際、君が見るポイントって、どこなんだい?君が管理者としての役目を果たすことの是非は、この子から聞いたけれど。確かに自分の領域は自分で管理したいものだし、それは私もよく、解る。しかし今回は中々に難しい「こと」だ。でも、最近の迷いなき君はすんなりと決めてしまった。……なにか秘訣でもあるのなら、聞きたい所だね。」

「  う~ん? 実際 でも ? 確かに。「今 どちらを向いているか」、それは「せかい」でも「世界」でも そこはポイントじゃなくて。 「最終目的地は同じ」なのだから、「今はどうあれ」。 「本筋」に乗っているから、枯渇までしてるし 探求の「道」は 開いてるんですよね。 だからその「道」の、より良い方向性? 「そっちじゃないと回収できない色」があるから、 それを示唆する、のかな。 うん。」

  ふむ

    なるほど ?

 自分で そう 「言ってみて」。

 「本人が まだ 」、
 それを私が「見せる」のは違うし
 「今見ている先が 近道ではないとわかっていても」
 「その方向を 案内する」
   それが自分の役目なのが わかる。


  それは「必要な寄り道」で
  「無駄などひとつもない」
 それが 心底わかるからだ。
 

そして。

 確かに
 私が
 実際
 そこに出て
 出会って
 観て
 視て
 「その」、それは
 「自分の道を地でやる」
 「自ら歩く」
 「表に出る」ことで

 ふむ 

   「実際 なに」って 訳でも 

        ないん  だけ ど。



「   ん ?  あれ ?  えっ。     確かに。」


   そう 言えば。

 随分 前に
 いや
 少し前 くらい?に。


「予言の話」を みんなとこねくり回していた時に
 「出現するのは私」、みたいな話

   して  なかったっけ  ? ? ?


 くるくると
  「自動的に 捜索願が出される スペース」

そうして明晰君がきちんと引っ張ってきたのは
 「その時の光」で
それは「
 その「事実伏線回収」で。


「     確かに。」

  自分で  自分に 呟きながらも

「その 思ってたんと違う内容」が スペースでくるくると展開し始める。


 それは。

「各所で 出会っていた人達が」それで
 いろんなところで「私を認識していた人」は いるんだ
 確かに。

 だけど
  「その どれも」は「様々な形であるがしかし」
 「管理者見透すもの」だとは 想像もしていなくて

  その「思ってたんと 違う感」が。

 自分の「予想していた想像通りの出方」であって
 「その展開」に 深く 息を吐く。


「   ってか せかい。 いい仕事、するな。」

「で?どこから始めるんだ、お前は。」


そして
 そんな
  「せかいの見事さ」を味わおうとしていた私に
 間髪入れずに そう質問してくる本部長に 笑いながら。


  なにしろ 

    その「すべて」に対して

  「最大級の 感謝」を 送っていたので ある。








 
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