透明の「扉」を開けて

美黎

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17の扉 こたえしかない ところ

空間移動

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「…………実際、大丈夫だったんでしょう?何がそんなに心配されていたの?」

「うん、それも「私だから」なのか、その辺りはまた調べなければいけないけど。ほら、レナは普通に行き来できるじゃない?それが、グロッシュラーからシャットに行って、ラピスだったからなのかも知れないし。それも、最初はヨルが同行してたのよね?………まあ、だから色々含めての調査なんだけど。」

「成る程ね。私は当たり前にこの子がホイホイ移動してるから。そういうものだと思ってたわ。」
「なんか、先生が「その辺り」が濃厚だって…」
「えっ?………ああ、ヨルね。まあそれはある。」

  うん?

   「その辺り」? とは。


「なにか、ヨルは。私達と「設定が違う」から、その境界を超えやすいんじゃないかって。ほら、人体の構成だけだと分からなかった部分が、イストリアとフリジアが参加してくれてるから「心の部分」「内側」?も、大分進んできて。ほら、ヨルって「大体がそっち」でしょう?数字とか形にするものじゃないって言うか、だから先生には解り辛かったらしいの。でも、あの二人が入ってくれたからその間がやっと繋がった感じね。」

「………へぇ~。なんか、全然分かんないけどその二人が入ったから進んだって言うならまじない成分が近いのかもね。」
「そうそう!そんな感じよ。」

「でも、先生が言うには「ヨルはしるしだから」、それを持ってれば渡れるって。実際、そうだったけど。」

「じゃあヨル無しでも実験するっていうこと?」
「いずれはそうなるわよね。でも、その前にもっと良い物が出来そうなのよ。だから試しに来たんだけど。」

「えっ、なあに?それは。「違う移動手段」ってこと?」

「ううん、性能を上げる感じね。まあ、それもヨルの石があったから、出来るんだけど。ほら、以前もらったザックザクのやつ。」
「…あぁ~、あの「なんも考えてない袋」ね。あれは酷いわよね。」

「………まあ、表には出せないけど。でもそういう風に言うもんじゃないわ?」
「はい。ごめんなさいお姉様。」

「それでね  」
「えっ、そうなの?  」


  二杯目の お茶を美味しく頂き

 レナの手作りおやつも 食して。


 なかなかに「お腹も膨れ」「心もいっぱい」

 とても満たされた状態の私は
その「二人の移動話」を ボーッとしたまま 聴いていて。

 エローラは 表の方で お客さんの対応をしているし
 奥に陣取る私達の 最奥にいる私は
 「この光の空間で展開している景色を」
 「ただ 愉しく 眼に映していて」。

そしてまた
 「その自分と別のところにある 高い視点」を
 なんとな~く 不思議に思いながらも
  その「すべてを見渡す自然な状態」に 心地良さを感じ
 「せかいったら 私になにを見せたいのかしら」
  そんなことを 思っていて。


   「移動」「私の石」「運石」


 そのキーワードが ふわりと
      ひとりでにスペースを踊り

明晰君は「あの時のピエロ」を 私の前に持ってくる。


    うん ?  あのピエロ ?

  あれが ?


   ああ  うん 、 いや
    「それ」じゃなくて

 そう「ぐるぐるで気持ち悪かった」、
  その「」の 方ね。

 わかった 。

   して?


 「それ感覚」が  なんなの

   だっけ ? ?  ?


そう
 「明晰君が 言うには」。

 「今回の移動が気持ち悪くなかったこと」
 「私が一人で移動する時は 運石を使わないこと」
 「今回は 新しい運石の試運転で」
 「ピエロの時は 古い物だったこと」

 その「図」を表して いる。

そして「それ」を じっと捉えて。

  「その時の」、それが
  「何故違うのか」それを
  くるくると 検索の網に 掛けると。


    ふむ ?


  「位置」

        「高さ」
              「粒子」

    「精度」


  私の「なか」には
 所謂「せかい成分」その「違い」が表れているのだけど
 その「精度」は
  「出来」ではなく
  「粒子の美しさの違い」
  「一粒一粒のの違い」を表して いる。

そして それに紐付いて出てきたのは
 本部長が出掛けに言っていた「お前の石は空間の「差」を繋ぐ緩衝材だ」という言葉で
その「なかみ意味」は。

 明晰君のことばを借りれば
 「それぞれの空間を構成する粒子成分の「質の違い」を埋める繋ぐことができる」、それだ。

    ああ 勿論
 「明晰君は喋る」訳じゃなくて
  私が「そのスッキリした光のいろを 読んだらそうなる」、
  その「結果の翻訳」だけれど。


「     成る程 ね。」

 そう
 そして
 「私の明晰君」もだけれど
 「すべての空間の粒子は
 「意味意図を持ち存在しているし」
 「私は」。


「    ああ  、か 。」

   
    その「繋げる可能な」、理由

 「そもそも
   「

  「誰か金色がやっているならば」
  「私もと いうこと」。


 なにか そうね
  色々 「想像」、してみたけれど。

「何故 それを自分ができるのか」、その「いろんな理由のパターン」を想像してみたけれど
 それはやはり「自由に空間を移動できる彼と一緒にいたから」
 「いつの間にか「それ」が当たり前で」
 「そうできる」それが ピタリと嵌る。


確かに本部長の言う様に「私は設定も違う」んだろう。

 だけど 一番の特徴は
 「見ればわかる」、それで
「その感覚」は「」、その「基本の感得」に 過ぎない。


 そう「他人ひとがやっているのを見て覚える」
  それと同じで
 「やってみて」「できる」、その
 私の中に「それが前提として適用されている」
  そういうことだ。


  「そもそも 「できない」と思うこと瞬間があまりないこと」
  「やってみてこと」。

 その 二つが合わさり
「私の中の設定」には「本気で思ったらできないことなんてない」、それが適用されている。

 確かに「できないこと」
それは 無くはないけれど
 「今ここの私」で視れば その理由ははっきりとわかり
「それは私のやることではないからできないだけ」で
「ぜんぶの中の部分なのだから すべてをできなくともいい」のだ。

 だから 私達は「すべての中の部分パーツ」として存在し
 「お互いは「全」を創る為の大切な構成成分である」。


 そう その「空間のの違い」

それもまた「あっちの部分」と「こっちの部分」の「成分の違い」だからして

どっちが良い悪い
    高い低いでなく
  「ある場所から ある場所へ」
 例えるなら
  「山の下から上へ」移動するだけのこと

 確かにそれは「空気の薄さ」が違い 体調を崩す者もいる。

だけどそれは「前提感覚」と「体のつくり構成成分」が 違うから。

 
     成る程?

 確かに「ここに来たばかりの頃の私」は
 まだ「浅くて」、運石に酔っていたけれど
今の私は「深く せかいに根差して いる」。

 だから 
 「その違い」を感覚で捉え
 「向こうからこちら」という「移動渡り」を「自然に行っているのだ」。


  それは もう「薄い膜を超える」様に。

 表面では意識していなかったけれど
 表裏一体の私だから「そう」なので ある。


「    成る程、  なるほど ね。」

「ちょっと、ヨル?ほら、これも食べてみて?」

「おやつを目の前に置いても気付かないなんて、今度はどんな事を考えてたのやら。」
「食べ物のことじゃない?」
「それなら気付くわよね?」

「   えっと   いただきます。 」


 接客の終わったエローラが 持って来てくれた
  新しいおやつ
 それを目の当たりにして。

「 確かに。 美味しい。 見た目もまた可愛いね。」

「でしょう?この前屋台で見たやつをアレンジしてみたんだけど。見た目が違うと、味も変わる気がするわよね。」
「えっ、でもアレも入れたんでしょう?」
「そうそう、あのハーブがいい味出してて  」

  その「美味しいハーブ」が
 なんなのかはわからないけど。

  イストリアの畑の 匂いがして
 「ああ ここでも繋がったんだな」
  その感覚が胸を占め 
鼻と喉から落ちて来た「焼き菓子の味」と合わさり 
 私のなかへ 沁み込んでゆく。


そうして その「感覚」を 
  また落としながら。

 「お菓子って ホント別腹」

 そんなことを思いながら 膨れたお腹を

  さすって いたのである。










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