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21の扉 原初
日常
しおりを挟む「………で、さあ?」
「えっ、そうなの?」
「でも、ここの生地はもうちょっと濃くないと。流石にまだ早いかもしれないわ。」
「まあ、ガリアが言うならそこだけ変えようかな。」
今日は レナの店に お呼ばれして。
「なんだろう」と 出向いて来たけど
どうやそれは「楽し気な衣裳選び」、いや
「ガリアが新しく開くお店の準備」だったらしく
既にかなり話が纏まっている みんなの間で。
私は 目を パチクリとさせながら
その成り行きを見守っている次第で ある。
そして「白の自由区画で」
「若者たちが始めた 小さな店街」
その正体は 「これだったのか」とも思っていて。
「新しい 風」
その若草の様ないろに ひとり ニヤリとしていた。
「で?結局、お父さんだっけ?そっちの、方は片付いたの?」
「うん、片付いたと言うか。結構、他の色からの店も多いし、そもそも銀から許可を貰ってるから。………言いたい事はあるんだろうけど、まあ様子見って感じなのかも。うちは煩くないけど、他の子で家と揉めてる子もいるけどね。」
「そういう点では、服は良かったのかもね?」
「う~ん、でも。多分殆ど専属で作ってたでしょう?そこは、いい顔しないでしょうけどね。」
「どうしたって、そうなるわよね。」
「うん、でも結局なんでもそうだけど。「奪いたくて」、やってる訳じゃないし。」
「そこよね。みんなで、楽しみたいだけだもの。」
「それよね。」
ガリアは 念願の「ファッション」、それをデヴァイへ持ち込む為に。
エローラに相談をして、デザインを提供し
どうやら自分好みのドレスや気軽な服を仕立てて貰うことにした様だ。
実際 エローラの店は 貴石に卸すことにしてから
お針子さんも雇っていて。
今や ラピス一番の服飾店でもあるし
女性店主としても 有名らしい。
「マデイラ洋裁店」だった頃は 「変わった店」としてひっそりラピスに存在していた、あの水色の場所も。
時が 流れ 世相も変わり
今や「色を齎す新しい場所」として ラピスの人気スポットとして賑わっている。
なるほど ねぇ 。
そうやって
「最近 いつ行っても忙しそうな店内」、それを 思い浮かべながら。
エローラ レナ ガリア
「その繋がり」が 「どこから どうなった」
そう観ている自分が 面白くて。
ひとりでクスクスと笑いながら、サンプルの生地を すべすべと触っていたんだ。
なるほど
ざっくり 「そう」ね ?
そう、
エローラ
レナ
ガリア
その「出会った場所」は それぞれ違っているが
だが 「接点は ある」、
その「繋がり」と「私の感覚の曖昧さ」
それは不思議と「みんなが自然と繋がる感覚」を齎していて
「私が繋ぎ目」それを現しても いる。
実際 これまでは「扉の行き来」
それ自体が隠されてもいて、そして「身分」「存在する場所から派生する絶対感」
そんなものが邪魔を していて。
私達は「分断されていた」
そう言って差し支えないだろう。
だけど そこへ「私というクッション」「繋ぎ目」「干渉剤」が 入ることで。
「自然と」
「それは繋がり」、
「必要が必要へ」
「齎されることになったのだ」。
そして それは「私が私であったから 成ったこと」でも あり
先日「針穴を通ってきた自分が ここにいること」
それもまた 関連して。
とても興味深い 現実を映し出していて
「なるほどね」と 「思っている自分」が
面白いのだ。
「で、これなんだけど。」
「あー、ガリア好きそう。」
「うん、でもこれだと似た様な感じにならない?」
「そう思う?………やっぱりか。」
そして 「この繰り広げられている 検討会」
そこに「いるだけの私」が 「果たす役割」とは
やはり「そういうこと」で
みんなは私に何かやって欲しくて呼んだ訳でもないし
言ってみれば「ただ この景色を見せる為だけに呼んだ」
それが正解だろう。
私が「この光景を観て 喜ぶこと」
そして「みんなは私を呼べば 「すべて繋がる」と思っていること」
その「感覚」が、面白いのだ。
そしてみんなは それを無意識でやっているに違いなくて
確かにそれは「そう」だし、「それで成立して」
「物事は上手く廻っていく」からして
世界はほんとうに 面白い。
いや 「それもこれもぜんぶ」。
「私が そうしてきたから 面白い世界が展開する」のであって
「せかいの采配」だから なんだ。
「ふふ、はい、どうぞ。」
「 ありがとう。」
なんにも 言わずに。
わちゃわちゃと広げられた生地を前に ニヤニヤしている私を 見て
楽しそうにレナはクッキーを差し出してくるし
ガリアは二色の生地を持ち上げ「どっち?」と目配せしている。
だから「その空気ごと」、ぜんぶを 感謝と共に 虚空に放り込んで。
相変わらず
だけど
変化している日常に ニッコリとして。
「断然 こっち」、と
ガリアに「青空の色」を 指で 指したので ある。
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