42 / 414
一章 純愛…ルート
ライアン視点
しおりを挟む
これでシャルマンはいつでも俺の部屋に来ることが出来る。
いつ来るのか楽しみで仕方がなく、廊下を歩いているだけでシャルマンの姿を探すようになってしまった。
「シャルマン」
食堂で見つければ自然と声をかけていた。
シャルマンも笑顔で駆け寄ってくる。
「今…フィンコック様の事シャルマンって呼んだよな?」
「うん、僕にもそう聞こえた。」
「あの二人って…。」
俺の後ろにいたエドバルドとフレデリックがヒソヒソと会話するも聞こえていた。
急に俺がフィンコックをシャルマンと呼んだ事に驚いている様子だった。
二人だけでなく、俺の声を聞いた数人の生徒も振り返っている。
「一緒に食うか?」
俺の誘いで更に周囲がザワついた。
シャルマンは嬉しそうな表情をするも頷くことは無かった。
「…お邪魔しちゃ悪いから、僕は…。」
シャルマンは俺の後ろにいる二人に遠慮していた。
「誰?」
「本当にあのフィンコック様?」
二人も噂と違いすぎるシャルマンに混乱し、いつもなら大体の事は受け入れるエトバルドもなにも言ってこなかった。
俺は徐々に受け入れたが、突然本当のシャルマンを受け入れろと言うのは難しい事だ。
「シャルマン、こっちがエドバルド、んでこっちがフレデリック。」
このままではシャルマンがいつまでも二人に遠慮し、俺と一緒に食事を取る事はないと予測出来たので俺が紹介した。
「一緒でいいな?」
半ば強引に食事する事を了承させた。
「ペアでここまで変わるんだな。」
俺が変えた訳じゃない。
シャルマンが無理に演じていたのを辞めただけで、その時俺が側に居たに過ぎない。
それでも俺は側に居ることが出来て良かった。
俺はここにいるすべての人間に見せつけるようシャルマンの肩を抱き寄せ歩いた。
恥ずかしそうにしながらもシャルマンも素直に従う。
「「マジ?」」
二人の反応は分かりやすくていい。
その後は四人で食事を取った。
エドバルドが祭りの話をした時、シャルマンは分かりやすく表情を変えたのを俺は見逃さなかった。
「お祭り?」
行きたいのが伝わる。
また、新たなシャルマンだな。
「…ぃ、行って…みたぃ…。」
遠慮しがちに言う姿は、ここが食堂でなければキスしていただろう。
エドバルドとフレデリックは素直なシャルマンに驚いている様子で、きっと噂が一人歩きした為に、シャルマンは素直になれず一人我慢し苦しんでいたに違いない。
新たなシャルマンを他の奴らに教えたくはないが、不名誉な噂や辛さからは解消されてほしい。
「あぁなら、一緒に行くか?」
「ぅん」
たかが祭りに行けるくらいでそんな笑顔をするのか?
これからは噂なんて気にせず好きなことをしたらいい。
俺がさせてやる。
「ライアン様。」
食事を終え教室に戻る時に小声で名を呼ばれた。
「「ライアン…様?」」
二人はそこに驚いたようだ。
名前を呼んだだけだ…シャルマンには俺が知らないだけで他にも色んな噂がありそうだな。
「ライアン様、今日は…」
「あぁ、…来るか?」
「んん、来て。」
「わかった。」
自らの意思で部屋に来てほしいと望まれた。
あんな可愛く「来て」なんて言われたら何がなんでも行くしかない。
今すぐにでも行きたくなる。
あんな上目遣いで不安気な顔をされては、どんな願いも叶え抱きしめたくなる。
その後俺たちのやり取りを目の当たりにしたエドバルドとフレデリックからは質問攻めにされたが全く聞こえなかった。
今すぐにでもシャルマンと二人きりになりたい…それだけだ。
早くシャルマンの部屋に向かいたいというのに、今日に限って教師に呼び出された。
「昨日の薬の効果についてペアの君に尋ねたい。君から見てフィンコックはどう見えた?」
昨日のシャルマンの様子を報告をしろと言うことか。
「どうとは?」
「先に言っておくが、私はシャルマン フィンコックを疑っているわけではない。以前、薬服用後にある理由から媚薬の反応が出たように装った者がいた。それ以後は、媚薬や自白の反応が出た者は確認しなければならなくなった。ペアの君から見てフィンコックの反応は本物か演技、どちらだと思う?」
媚薬?あれは媚薬と呼ばれていたのか…。
催淫じゃなかったのか?
どちらも似たようなもんか…?
「俺には、演技しているようには感じませんでした。」
「………そうか。因みにどのくらいの時間、薬の効果があった?大体で構わん。」
「翌日には抜けていました。」
「………わかった。」
「はい」
いち早くシャルマンの部屋に向かいたかったのだが、少々時間が取られた。
焦る気持ちを押さえ、走らずに早足でシャルマンの部屋まで向かった。
すれ違う人間は俺の様子に驚き、振り返る者はいたが声をかけてくる者は居なかった。
シャルマン以外の他人など気にせず、シャルマンの部屋を目指すことで頭が一杯でシャルマンの部屋の前に付けば、走ってきたことを隠すた為に大きく深呼吸をした。
コンコンコン
扉を開ける前に確認したのか?と疑問に思う程、間髪をいれずに扉が開いた。
愛くるしい笑顔に頬が緩みそだったのでシャルマンの前を歩いていたが、いつの間にかシャルマンに導かれ操作盤の前にいた。
「ライアン様の登録して。」
意味をちゃんとわかっているのか?
「俺のしたら、自由に入れんだぞ。良いのか?」
嬉しくない訳じゃない。
ただ俺に丸め込まれる形ではなく、シャルマンの意思で俺を受け入れて欲しい。
「ライアン様なら、いつでも来て欲しい。」
恥ずかしげに俯きながら言う姿…。
なぁ、俺の事どう思ってるんだ?
まだ…王子とペアになりたいとか考えてるか?
「…そうか。なら、まずシャルマンの…」
少しずつシャルマンとの距離が近づいているはずなのに、不安が明確になってきている気がする。
シャルマンが離れていくかもしれない恐怖から目を逸らし、目の前の現実を噛み締めた。
「ライアン様、いっぱい来てね?」
俺は弱い人間だ。
シャルマンの気持ちを聞くのを躊躇いキスで誤魔化した。
真実を聞くよりも、今は俺を受け入れて欲しかった。
いつ来るのか楽しみで仕方がなく、廊下を歩いているだけでシャルマンの姿を探すようになってしまった。
「シャルマン」
食堂で見つければ自然と声をかけていた。
シャルマンも笑顔で駆け寄ってくる。
「今…フィンコック様の事シャルマンって呼んだよな?」
「うん、僕にもそう聞こえた。」
「あの二人って…。」
俺の後ろにいたエドバルドとフレデリックがヒソヒソと会話するも聞こえていた。
急に俺がフィンコックをシャルマンと呼んだ事に驚いている様子だった。
二人だけでなく、俺の声を聞いた数人の生徒も振り返っている。
「一緒に食うか?」
俺の誘いで更に周囲がザワついた。
シャルマンは嬉しそうな表情をするも頷くことは無かった。
「…お邪魔しちゃ悪いから、僕は…。」
シャルマンは俺の後ろにいる二人に遠慮していた。
「誰?」
「本当にあのフィンコック様?」
二人も噂と違いすぎるシャルマンに混乱し、いつもなら大体の事は受け入れるエトバルドもなにも言ってこなかった。
俺は徐々に受け入れたが、突然本当のシャルマンを受け入れろと言うのは難しい事だ。
「シャルマン、こっちがエドバルド、んでこっちがフレデリック。」
このままではシャルマンがいつまでも二人に遠慮し、俺と一緒に食事を取る事はないと予測出来たので俺が紹介した。
「一緒でいいな?」
半ば強引に食事する事を了承させた。
「ペアでここまで変わるんだな。」
俺が変えた訳じゃない。
シャルマンが無理に演じていたのを辞めただけで、その時俺が側に居たに過ぎない。
それでも俺は側に居ることが出来て良かった。
俺はここにいるすべての人間に見せつけるようシャルマンの肩を抱き寄せ歩いた。
恥ずかしそうにしながらもシャルマンも素直に従う。
「「マジ?」」
二人の反応は分かりやすくていい。
その後は四人で食事を取った。
エドバルドが祭りの話をした時、シャルマンは分かりやすく表情を変えたのを俺は見逃さなかった。
「お祭り?」
行きたいのが伝わる。
また、新たなシャルマンだな。
「…ぃ、行って…みたぃ…。」
遠慮しがちに言う姿は、ここが食堂でなければキスしていただろう。
エドバルドとフレデリックは素直なシャルマンに驚いている様子で、きっと噂が一人歩きした為に、シャルマンは素直になれず一人我慢し苦しんでいたに違いない。
新たなシャルマンを他の奴らに教えたくはないが、不名誉な噂や辛さからは解消されてほしい。
「あぁなら、一緒に行くか?」
「ぅん」
たかが祭りに行けるくらいでそんな笑顔をするのか?
これからは噂なんて気にせず好きなことをしたらいい。
俺がさせてやる。
「ライアン様。」
食事を終え教室に戻る時に小声で名を呼ばれた。
「「ライアン…様?」」
二人はそこに驚いたようだ。
名前を呼んだだけだ…シャルマンには俺が知らないだけで他にも色んな噂がありそうだな。
「ライアン様、今日は…」
「あぁ、…来るか?」
「んん、来て。」
「わかった。」
自らの意思で部屋に来てほしいと望まれた。
あんな可愛く「来て」なんて言われたら何がなんでも行くしかない。
今すぐにでも行きたくなる。
あんな上目遣いで不安気な顔をされては、どんな願いも叶え抱きしめたくなる。
その後俺たちのやり取りを目の当たりにしたエドバルドとフレデリックからは質問攻めにされたが全く聞こえなかった。
今すぐにでもシャルマンと二人きりになりたい…それだけだ。
早くシャルマンの部屋に向かいたいというのに、今日に限って教師に呼び出された。
「昨日の薬の効果についてペアの君に尋ねたい。君から見てフィンコックはどう見えた?」
昨日のシャルマンの様子を報告をしろと言うことか。
「どうとは?」
「先に言っておくが、私はシャルマン フィンコックを疑っているわけではない。以前、薬服用後にある理由から媚薬の反応が出たように装った者がいた。それ以後は、媚薬や自白の反応が出た者は確認しなければならなくなった。ペアの君から見てフィンコックの反応は本物か演技、どちらだと思う?」
媚薬?あれは媚薬と呼ばれていたのか…。
催淫じゃなかったのか?
どちらも似たようなもんか…?
「俺には、演技しているようには感じませんでした。」
「………そうか。因みにどのくらいの時間、薬の効果があった?大体で構わん。」
「翌日には抜けていました。」
「………わかった。」
「はい」
いち早くシャルマンの部屋に向かいたかったのだが、少々時間が取られた。
焦る気持ちを押さえ、走らずに早足でシャルマンの部屋まで向かった。
すれ違う人間は俺の様子に驚き、振り返る者はいたが声をかけてくる者は居なかった。
シャルマン以外の他人など気にせず、シャルマンの部屋を目指すことで頭が一杯でシャルマンの部屋の前に付けば、走ってきたことを隠すた為に大きく深呼吸をした。
コンコンコン
扉を開ける前に確認したのか?と疑問に思う程、間髪をいれずに扉が開いた。
愛くるしい笑顔に頬が緩みそだったのでシャルマンの前を歩いていたが、いつの間にかシャルマンに導かれ操作盤の前にいた。
「ライアン様の登録して。」
意味をちゃんとわかっているのか?
「俺のしたら、自由に入れんだぞ。良いのか?」
嬉しくない訳じゃない。
ただ俺に丸め込まれる形ではなく、シャルマンの意思で俺を受け入れて欲しい。
「ライアン様なら、いつでも来て欲しい。」
恥ずかしげに俯きながら言う姿…。
なぁ、俺の事どう思ってるんだ?
まだ…王子とペアになりたいとか考えてるか?
「…そうか。なら、まずシャルマンの…」
少しずつシャルマンとの距離が近づいているはずなのに、不安が明確になってきている気がする。
シャルマンが離れていくかもしれない恐怖から目を逸らし、目の前の現実を噛み締めた。
「ライアン様、いっぱい来てね?」
俺は弱い人間だ。
シャルマンの気持ちを聞くのを躊躇いキスで誤魔化した。
真実を聞くよりも、今は俺を受け入れて欲しかった。
82
あなたにおすすめの小説
義理の家族に虐げられている伯爵令息ですが、気にしてないので平気です。王子にも興味はありません。
竜鳴躍
BL
性格の悪い傲慢な王太子のどこが素敵なのか分かりません。王妃なんて一番めんどくさいポジションだと思います。僕は一応伯爵令息ですが、子どもの頃に両親が亡くなって叔父家族が伯爵家を相続したので、居候のようなものです。
あれこれめんどくさいです。
学校も身づくろいも適当でいいんです。僕は、僕の才能を使いたい人のために使います。
冴えない取り柄もないと思っていた主人公が、実は…。
主人公は虐げる人の知らないところで輝いています。
全てを知って後悔するのは…。
☆2022年6月29日 BL 1位ありがとうございます!一瞬でも嬉しいです!
☆2,022年7月7日 実は子どもが主人公の話を始めてます。
囚われの親指王子が瀕死の騎士を助けたら、王子さまでした。https://www.alphapolis.co.jp/novel/355043923/237646317
転生したら同性の婚約者に毛嫌いされていた俺の話
鳴海
BL
前世を思い出した俺には、驚くことに同性の婚約者がいた。
この世界では同性同士での恋愛や結婚は普通に認められていて、なんと出産だってできるという。
俺は婚約者に毛嫌いされているけれど、それは前世を思い出す前の俺の性格が最悪だったからだ。
我儘で傲慢な俺は、学園でも嫌われ者。
そんな主人公が前世を思い出したことで自分の行動を反省し、行動を改め、友達を作り、婚約者とも仲直りして愛されて幸せになるまでの話。
【完結】国に売られた僕は変態皇帝に育てられ寵妃になった
cyan
BL
陛下が町娘に手を出して生まれたのが僕。後宮で虐げられて生活していた僕は、とうとう他国に売られることになった。
一途なシオンと、皇帝のお話。
※どんどん変態度が増すので苦手な方はお気を付けください。
政略結婚のはずが恋して拗れて離縁を申し出る話
藍
BL
聞いたことのない侯爵家から釣書が届いた。僕のことを求めてくれるなら政略結婚でもいいかな。そう考えた伯爵家四男のフィリベルトは『お受けします』と父へ答える。
ところがなかなか侯爵閣下とお会いすることができない。婚姻式の準備は着々と進み、数カ月後ようやく対面してみれば金髪碧眼の美丈夫。徐々に二人の距離は近づいて…いたはずなのに。『え、僕ってばやっぱり政略結婚の代用品!?』政略結婚でもいいと思っていたがいつの間にか恋してしまいやっぱり無理だから離縁しよ!とするフィリベルトの話。
悪役令嬢の兄、閨の講義をする。
猫宮乾
BL
ある日前世の記憶がよみがえり、自分が悪役令嬢の兄だと気づいた僕(フェルナ)。断罪してくる王太子にはなるべく近づかないで過ごすと決め、万が一に備えて語学の勉強に励んでいたら、ある日閨の講義を頼まれる。
氷の騎士団長様の悪妻とかイヤなので離婚しようと思います
黄金
BL
目が覚めたら、ここは読んでたBL漫画の世界。冷静冷淡な氷の騎士団長様の妻になっていた。しかもその役は名前も出ない悪妻!
だったら離婚したい!
ユンネの野望は離婚、漫画の主人公を見たい、という二つの事。
お供に老侍従ソマルデを伴って、主人公がいる王宮に向かうのだった。
本編61話まで
番外編 なんか長くなってます。お付き合い下されば幸いです。
※細目キャラが好きなので書いてます。
多くの方に読んでいただき嬉しいです。
コメント、お気に入り、しおり、イイねを沢山有難うございます。
婚約破棄させた愛し合う2人にザマァされた俺。とその後
結人
BL
王太子妃になるために頑張ってた公爵家の三男アランが愛する2人の愛でザマァされ…溺愛される話。
※男しかいない世界で男同士でも結婚できます。子供はなんかしたら作ることができます。きっと…。
全5話完結。予約更新します。
嫌われた暴虐な僕と喧嘩をしに来たはずの王子は、僕を甘くみているようだ。手を握って迫ってくるし、聞いてることもやってることもおかしいだろ!
迷路を跳ぶ狐
BL
悪逆の限りを尽くした公爵令息を断罪しろ! そんな貴族たちの声が高まった頃、僕の元に、冷酷と恐れられる王子がやって来た。
その男は、かつて貴族たちに疎まれ、王城から遠ざけられた王子だ。昔はよく城の雑用を言いつけられては、魔法使いの僕の元を度々訪れていた。
ひどく無愛想な王子で、僕が挨拶した時も最初は睨むだけだったのに、今は優しく微笑んで、まるで別人だ。
出会ったばかりの頃は、僕の従者まで怯えるような残酷ぶりで、鞭を振り回したこともあったじゃないか。それでも度々僕のところを訪れるたびに、少しずつ、打ち解けたような気がしていた。彼が民を思い、この国を守ろうとしていることは分かっていたし、応援したいと思ったこともある。
しかし、あいつはすでに王位を継がないことが決まっていて、次第に僕の元に来るのはあいつの従者になった。
あいつが僕のもとを訪れなくなってから、貴族たちの噂で聞いた。殿下は、王城で兄たちと協力し、立派に治世に携わっていると。
嬉しかったが、王都の貴族は僕を遠ざけたクズばかり。無事にやっているのかと、少し心配だった。
そんなある日、知らせが来た。僕の屋敷はすでに取り壊されることが決まっていて、僕がしていた結界の魔法の管理は、他の貴族が受け継ぐのだと。
は? 一方的にも程がある。
その直後、あの王子は僕の前に現れた。何と思えば、僕を王城に連れて行くと言う。王族の会議で決まったらしい。
舐めるな。そんな話、勝手に進めるな。
貴族たちの間では、みくびられたら終わりだ。
腕を組んでその男を睨みつける僕は、近づいてくる王子のことが憎らしい反面、見違えるほど楽しそうで、従者からも敬われていて、こんな時だと言うのに、嬉しかった。
だが、それとこれとは話が別だ! 僕を甘く見るなよ。僕にはこれから、やりたいことがたくさんある。
僕は、屋敷で働いてくれていたみんなを知り合いの魔法使いに預け、王族と、それに纏わり付いて甘い汁を吸う貴族たちと戦うことを決意した。
手始めに……
王族など、僕が追い返してやろう!
そう思って対峙したはずなのに、僕を連れ出した王子は、なんだか様子がおかしい。「この馬車は気に入ってもらえなかったか?」だの、「酒は何が好きだ?」だの……それは今、関係ないだろう……それに、少し距離が近すぎるぞ。そうか、喧嘩がしたいのか。おい、待て。なぜ手を握るんだ? あまり近づくな!! 僕は距離を詰められるのがどうしようもなく嫌いなんだぞ!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる