【完結】ハーレムルートには重要な手掛かりが隠されています

天冨 七緒

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一章 純愛…ルート

試験勉強ちゃんとしないと

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お昼に一人で食堂に向かう中、すれ違う人、皆が見てくる。
昨日のペアの授業が原因で噂が学年中に広まり見られてるのかな?
普段から見られることはあるけど、なんだが今日は凝視って感じがして観察?確認されているみたいだった。

昨日の事を思い出すと恥ずかしい。
キスに夢中で授業中って事を忘れるなんて…。
…もしかして、ライアン様にも迷惑を掛けちゃってるかも…。

早く伝えないと。

食堂にいると思い急いで向かった。
全ての学生が使う食堂でライアン様達を見付けるのは困難だった。
噂の事もあるけど、ただライアン様に会いたかったの。
クラスの違うライアン様と会えるのはお昼だけ…。

「あれ?フィンコック様?」

声をかけられ振り返ればトレイを持ったフレデリック様がいた。

「あっ」

「俺達あっちで食べてるけど一緒に来ます?ライアンも居ますよ。」

「うん、行く。」

フレデリック様と一緒に席に向かって歩きだした。
向かう途中、フレデリック様にもすごく見られている気がする…。
フレデリック様は僕達のペアの事は以前から知ってるのに、どうしてそんなに僕をみるの?
なんだろう…もしかして僕チャック開いてるとか?何か付けちゃってるとか?

「フレデリック様っ」

「あっ、フィンコックも来たのか?こっち、まだ席空いてんぞ。」

フレデリック様に尋ねようとした時にエドバルト様に声をかけられてしまった。
席にはエドバルト様だけでライアン様は居なかった。

「シャルも来たのか?」

後ろから日替わりランチを2つ持ったライアン様がいた。

「うん、あっ僕も…。」

「あぁ、座れよ…ってまだ持って来てないのか。」

「うん、取りに行ってくる。」

「あぁ」

僕は急いで自分の分を取りに行った、こっそりチャックが開いてないかは確認した。

うん、開いてなかった。

戻ってくると、ライアン様の隣が空いていて二人が気を使ってくれていた。

「良好みたいだな。」

エドバルト様がライアン様と僕を交互に見ていた。

「あ?何がだよ?」

「二人とも一時、避けてただろ?」

「んー、もう問題ねぇよ。」

「だな、見せつけてんだろ?」

見せつけてる?
何を?

「ふっ」

ライアン様僕を見て含み笑いをした。
何を見せつけているんだろうか?

「結構凄いね。」

フレデリック様も何か気付いているみたい。
僕だけが分からず三人を見た。
皆と目があっても、誰も何も教えてくれなかった。

「気にすんな。」

ライアン様は僕の頬に軽くキスをした。
誤魔化された気がしないでもないキス。
賑わう食堂で、しかも友人に見られながらされたキス。
口でなくても嬉しいし恥ずかしい。
キスされた頬を押さえながらライアン様を見つめると、ライアン様の唇が近くにある。
引き寄せられるように、今度は僕からライアン様の唇に触れた。

「…あのぉ、俺達もいんだけど…。」

声がしたっ…。

一気に頭が現実を受け入れ始めここが食堂で、目の前の席にはエドバルト様とフレデリック様がいた事を思い出した。

「ご、ごめんなさいっ。」

恥ずかしくて顔を伏せ更に両手で覆い、それでも隠しきれていない両耳は真っ赤になっていた。
その後は目の前の食事に集中し、たまに三人の会話に相槌するだけの状況ではあったが楽しい昼食だった。
昼食を終えれば残念だが自分のクラスに戻る。
ライアン様の側にいると、同じ事をしてしまいそうだったから。

どうしてライアン様の側にいるとあんな風になってしまうんだろう?
僕の頭はずっとライアン様とのエッチなことばかり考えているのかな?
ライアン様にエッチな奴って思われちゃう…それだけはイヤなのに…。

真面目になんないと、その為にも試験頑張らないといけない。
午後の授業を真面目に受けて、今までも放課後は復習などしているけど特別に試験勉強なんてしてなかった。

どうしよう…。

最近は授業内容が分かるようになってきたとは言え僕にとって初めての試験。
不安で一杯だった。
過去問などもシャルマンの部屋には見当たらず、どんな問題が出るのかも予想が出来なかった。

ライアン様が部屋に来るまで勉強していた。
部屋に訪れ机の上が普段と違うのを目撃するとライアン様が勉強を見てくれることになった。
その日からエッチは無くなり、ライアン先生による家庭教師の時間になった。
エッチが無くなるのは寂しく思ったけど、側にライアン様が居てくれるだけで幸せだった。
禁欲生活が始まると近くで勉強を教えてくれているだけなのに、エッチな気分になっちゃうのは困った。
真面目に教えてくれてるのに、横顔に見とれちゃうとか指先が綺麗とか勉強に集中出来なくさせる要素が沢山出てきた。
触れてないのにライアン様の温もりを感じ、僕と同じ石鹸やシャンプーなのに違う香りに思える。

「こらっ、ちゃんと聞けっ。」

集中出来てない僕にライアン様が気付き嗜めるも、僕の身体は勝手に唇に引き寄せられる。

「…んっ…ぁむっんん…」 

ライアン様に触れれば触れる程離れられなくなってくる。

「勉強するんじゃないのか?」

「する…でも…。」

「…でも、なんだよ?」

声が…冷たい。

「…したく…なっちゃうの…。」

「…何を?」

「ラ、ライアン様と…もっと…。」

こんな事を言ったら怒っちゃう?

「もっと、なんだよっ。」

「…もっと一緒に居たい、もっと…ぼくに触って…。」

「………試験終わるまで我慢しろ。」

ライアン様が迫って来るので瞼を閉じて、唇を待った。

「ぁっ」

唇ではなく歯が僕の首筋に噛みついた。
噛みつくと言っても軽くなので痛くない…気持ち良い。
なんだか凄く、ゾクゾクする。
僕は変態だ。

「試験終わったら…な。」

「…ぅん。」

終わったら…するんだよね?
その日が来るのが待ち遠しい。

「そんな目で見てもダメだ。」

そんな目?
どんな風に僕はライアン様を見てるの?

「勉強、真面目にやれよ。」

「…うん、がんばる。」

「良い結果だったら、一つだけ願いを叶えてやるよ。」

「ホントっ?」

「あぁ」

「ご褒美だねっ。」

「…ふっそうだな、ご褒美だ。」

「…何でも良いの?」

「…まぁ、出来る範囲でな。」

「んふふっ、んー。」

瞼を閉じて唇をライアン様に向けた。

「こらっ何をしようとした?」

「あっ」

無意識にライアン様のキスを強請っている自分がいた。
いつもの癖?
僕ってこんなにも頻繁にキスを強請ってたんだ…知らなかった。
雑念を捨てて勉強を頑張らないと…ご褒美絶対もらうんだから。

ライアン様は家庭教師をしに来て泊まることはなく、僕は一人でお風呂に入ることになった。
湯を浴びるとなんだか身体中が少しヒリヒリと沁みた。

「うわぁっ」

全身を確認すると噛まれた痕が沢山有った。
昨日、ライアン様に怖いほど噛まれたとは思ったけどこんなになんて思いもしなかった。
急いでお風呂場を出て鏡で身体を確認すれば本当に全身にあった。
だけど、一番驚いたのが首に有る噛み痕。

これって制服着て隠れ…ないよね?

まさか、今日感じた皆の視線ってこれの事だったの?

うわぁー、皆に見られたぁ。

なんで今朝は気付かなかったんだろう?
これだけ色濃くあれば絶対に気付いたはずなのに。
どうして今日は気付かなかったのかな?
毎朝鏡で確認して…ぁっ、今日は確か…ライアン様に制服の乱れを直してもらって鏡をみなかったんだ。

ライアン様も気付かなかったのかな?

エドバルト様にフレデリック様も教えてくれたら良いのに。
僕だけ知らずに普段通りで、なんだか態と見せびらかせてるみたいで思い出すだけで恥ずかしいよぉ。
淫乱とか思われちゃったかな?
明日からどう隠そう。
制服の襟を立てて…は変だ、それこそ余計に目立っちゃう。
この世界の化粧品みたいな物も僕は持ってない…。
ガーゼとか?…ダメだ僕の部屋に無い。
やっぱり制服で隠すしかないのかな?
襟を立ててだらしなさを取るか、破廉恥な姿をさらすか…どっちかだ。 
最悪ずっと手で隠していようかな?
魔法で明日までに髪が十センチくらい伸びないかなぁ。
って、回復魔法とかで回復しないかな?
回復魔法…僕知らない。
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