【完結】ハーレムルートには重要な手掛かりが隠されています

天冨 七緒

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二章 ハーレムルート

ご挨拶ちっぱい

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いつまでも外にはいられず屋敷の中へと案内された。
移動中僕は挨拶が上手くいかなかった事に落ち込み、アレックスが優しく頭をポンポンして慰めてくれる。

談話室に着いて再び挨拶のリベンジを試みた。

「以前お会いしたが、私がギノフォード侯爵家当主アルフレッド ギノフォードであり、アレッサンドロの父だ。」

「初めまして、私はアレッサンドロの兄のアレクサンダー ギノフォードです。」

「私はアレクサンダーの妻の、ルパートです、よろしく」

「よよよろしくお願い致します。僕はシャルマン フィンコックです。」

先ほど失敗してしまい今度こそはと気合い入れ、緊張したがなんとかセーフ…でしょ。

「私は少し席を外すがフィンコック様は寛いでいてくれ。アレクサンダー頼むぞ。」

「はい」

僕達はお義父様を見送った。

「アレッサンドロが婚約するとは驚いたよ。お相手にもね…。」

お義父様の姿がなくなり、お義兄様がこの場を仕切り口を開いた。
お義兄様は笑みを浮かべてくれるもどこか意味深で、本能から僕はあまり受け入れられてないだろうと知った。

侯爵という地位であれば、本人同士が親しく会話を交わすことはなくとも互いの存在は知っているはず。フィンコック家は貴族の中で数少ない公爵でありお父様とお兄様は優秀な方だ。シャルマンは…きっと王子と年齢が一緒ということもあり婚約者に一番近い存在と思われている。もしかしたら、学園だけでなく貴族の間にもシャルマンが王子を追いかけているという噂が広まっているのかもしれない…噂ではなく事実だったんだけど…今の僕はそんなことしてません。王子にも興味がありませんとハッキリ言いたいが…弱虫の僕には出来なかった。

「兄さんっ」

怒った顔のアレックスに怖じ気づき弱虫の僕が現れ存在を消しに掛かっていた。

「父もよく許したものだね、私には少々理解し難いよ。」

「この婚約は私が望んだものです。」

アレックスが何を言おうと、お義兄様の中にあるシャルマンの印象は悪すぎるのだろう…そういう場合、僕はどうするのが正解なの?誰か教えてください。

「ふぅん。フィンコック様ご存じだと思いますが我が家は侯爵家であり、家督を継いでいるのは私ですよ?」

「…はぃ、存じております。」

侯爵家だからアレックスを選んだって思われてる…。
違うのに…違いますと言えない程恐怖を感じていた。
アレックスに似ているはずのお義兄様の瞳は全くの別人だった。

「そうですか。アレッサンドロのどこが王子より魅力的でしたか?」

「へっ…ぁの…ぼ…ぼ…」

王子様のこと良く知らないからアレックスの全部が魅力的としか答えられない。混乱しながらもなにか言わないとと思うと言葉が出てこない…。

なっ…何か答えないと。

「それともハーレムでもお作りになるつもりですか?」

ハーレム?
ハーレムって、沢山の恋人を作るっていうアレ?
僕って周囲にそう思われてるの…。

「兄さん゛っいい加減にしてください。」

「…まさか、王族に押し付けられたのか?」

押し付ける…本人の意思など関係なく無理矢理受け取らせる事…。
僕との婚約ってそこまで嫌がられる事なんだ…。

公爵家という権力を持ちながらそんな風に言われるなんて、僕という存在は相当曰く付き物件と思われてる…。

「人の話を聞いてください、この婚約は私の意思です。王族は関係ない、今後も立ち入らせない。」

「…本気なのか?」

「本気です。」

アレックスの言葉受けてもお義兄様まだ納得していない様子だった。

「…フィンコック様は確か王子の婚約者をご希望だったはずでは?」

やっぱり、お義兄様は僕が王子を追いかけ回していたの見聞きしたんだ…。いや、大抵の貴族であれば知っていることか…。

僕はお義兄様の誤解を解けるだろうか…。

「今の僕は王子との婚約を望んでいません。アレックスの側にいたいです。」

簡潔に僕の思いを告げたつもり…です。

「…アレックス…」

「ぁっ…」

しまった…。
ついご家族の前で愛称で呼んでしまった。

「良いんですよ、いつものように呼んでください。ルゥ」

「…ぅっ…ぅん」

僕達の会話にお義兄様は訝しげな表情を向ける。

「兄さんに認めて貰う為に来たんじゃありません。今後起こるであろう事態に備え伝えなければならないことがあるんです。」

「事態?面倒事か。」

僕の問題に巻き込まれる事を宣言され更にお義兄様の表情が険しいものになり、更に僕を見る目力が強くなった。
簡潔に言うなら「怖い」だった。

「はい」

「それが分かっていて婚約したのか?」

「はい」

「………言ってみろ。」

「見ていていただく方が分かりやすいかと…ルゥ?」

名前を呼ばれ頬に手を添えられ、ゆっくりと唇が重なった。
なぜこの流れでキスなのか困惑し抵抗するも、耳を触られ同時にお尻も捕まれ気持ちいいキスに夢中になっていく。

「…にゃぁあん」

もっと続けて欲しいのに唇が離れていき、追いかけるも両肩を掴まれ止められ抗議の鳴き声をあげた。

だって…アレックスが先に僕を…。

「…続きはまた後で。」

アレックスの残酷な言葉に「にゃぁあん…にゃぁん」と鳴いて抗議した。

「…まさか…本物か?」

「…にゃ゛っ」

突然尻尾を握られ、力が抜けアレックスに倒れた。

「兄さん、尻尾は急所でもあるんで強く握らないでください。」

「あっあぁ、すまん…」

その後は優しくニギニギしてくれた。

感触を確かめるように、たまにぴんぴんと引っ張られ僕の身体にくっついているのか、僕の身体の一部なのかを検査していた。
お義兄様は調査に夢中で服を捲られているような…あっあの…ズボンは…。

「にゃっにゃぁん」

お義兄様への抗議とアレックに助けてという意味を込めて鳴いた。

「兄さん、何するつもりですか?」

「なんだ?」

「まさかとは思いますが、私の婚約者を脱がそうとなんて思ってないですよね?」

「んあ?ダメか?」

当然のように聞いてきた。

ダメですだめっ。
あなたには奥様居るじゃないですかっ。

「ダメです。」

アレックスがきっぱりと断ってくれた。

「これは、本物なのか?」

「本物です。」

です。

「彼は…フィンコック様は獣人なのか?」

「えぇ。始業式の検査で発覚しました。」

しました。

「…あの検査、意味があったんだな。」

あぁ、百年ぶりってことは百年間検査をし続けたってことか…。
それでも発見できなかったら意味ないって思っちゃいますよね。
お義兄様は尻尾から獣耳に移動し確認し始めた。
耳の付け根などかなり入念に診察されていく。

その触り方が何だか皆と違い擽ったくも癖になる。

ゴロゴロ

喉か震えて勝手に音が鳴ってる。
耳だけじゃなくて他の所も触って欲しくて、僕自ら顔を動かして喉や首に手が来るように位置を変えた。

ゴロゴロゴロゴロ

気持ちいい。

「ルゥ゛?」

「んにゃぁ」

アレックスの手、気持ちいいなぁ。
もっともっとしてぇ。

「本物のようだな。」

漸く僕が獣人であることを納得してくれたお義兄様の声を聞いた。

「もう良いでしょっ、ルゥ」

「ふにゃぁ…にゃっ?」

顎を掴まれ顔を背けさせられた。
もっと撫でて欲しいのに、アレックスの手が離れていった。
見上げると顎を掴んでいるのはアレックス、僕の背に手を回しているのもアレックス。

あれ…手が多い?

なら、ゴロゴロしてくれたのは?

僕の喉を撫でてくれていた手を探すとすぐに見つけることが出来た。

「あにゃっ…にゃ?」

もしかして…アレックスだと思っていた手はお義兄様だったの?

「婚約した理由はこれか?」

「そうです。生徒の婚約者に横恋慕するつもりはありませんでしたが、状況が状況なので婚約者を立候補しました。」

「ふぅん、そうか…。フィンコック様は王子に興味ないのか?」

「ふぇっ?はい。」

今の僕は王子と婚約したいなんて思ってません。

「百年ぶりの獣人だと報告すれば、あちらから声が掛かるだろう。それでもアレッサンドロを選ぶのか?」

「はいっ、僕はアレックスが良いです。」

「そうか…今までの失礼な発言を謝罪致します。申し訳なかった。」

「いえ、そんなっ。ご家族の方がアレックスを心配するのは当然です。相手が僕なら尚更…。」

ポンポンと頭を撫でられた。
意外かもしれないが、お義兄様の撫で方好きかもしれにゃい。
動物好きの人の手?
アレックスやライ達とは違い、欲情とかしない撫で方。

でも…気持ちいい…撫でるの上手い。

「そういう事情で私の所に来たのか…。」

「はい。」

「父は魔法省では責任のある立場であり、当主の私も魔法省に在籍しているから何かと協力出来るであろう。」

「よろしくお願い致します。」

「お前は魔法省に来ないのか?アレッサンドロ程の実力があればいつでも歓迎する。」

「いえ、まだ学園にいるつもりです。側で守りたいですから。」

「そうだな、今はまだ教師を続けるべきだな。魔法省に勤めたいと思ったらいつでも言えよ。」

「ありがとうございます。」

兄弟二人の会話に入っていけず僕は言葉を発する方の人を、目線だけでなく顔ごと振って追っていた。

「本当に猫みたいっ。」
 
突然新たな人物が会話に加わった。

ゴロゴロゴロゴロ

この人も撫でるの上手、好きかも…。
猫の姿になりたくなる触り方…我慢がみゃん出来にゃい。

ポン

「うわぁ」

目の前の人に驚かれてしまったが僕はそれよりも優先したいことがあった。

「にゃぁんにゃぁん」

もっと撫でてぇ。

「おいでぇ」

僕は初めて会った人になんの疑いもなく、招かれるように彼の腕の中に収まり、ソファへ移動した。
膝の上で寛ぎながら撫でられるという極上の時間を呑気にも堪能した。
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