【完結】ハーレムルートには重要な手掛かりが隠されています

天冨 七緒

文字の大きさ
384 / 414
四章 物語は終盤へ

か…ぞ…く…

しおりを挟む
第二夫人。

平民から抜け出すために男爵の愛人になった…それが僕だ。

男爵を愛したことはない、ただ貴族になれるのであれば誰でも良かった。
僕はそれほどこの生活から逃げ出したかった…。

平民の生活は辛い。

やることは多いし、季節には抗えない。
凍えそうな日々が続いたと思えば水分を全て奪われるような暑さに襲われ、そんな中でも仕事は毎日ある。

見た目が良いと自負していたが、出会うのは平民ばかりで嫌気がさしていた。

貴族と関われるところはないか必死に探し、僕に引っ掛かるのを待った。
もう限界かと諦めかけた時、男爵が向こうから寄ってきた。

「私の愛人にならないか?」

口説くこともせず単刀直入からして僕が断れば他のに声をかけるのが分かり、飛び付いた。

聞けば、妻が子供が出来ないから愛人が必要になったと…。

目の前の貴族が僕にはなんの興味もないところが僕と似ていて楽だと感じた。
貴族は嫌いだがこの生活から抜け出すためには夫人のご機嫌は取らないといけないと思っていたが、男爵の態度を見てそんなことをしなくても良いんだと知った。

そして僕と男爵は相性が良かったのかすぐにランスロットが出来、夫人が顔を歪めるのを見て優越感に浸った。

だけどランスロットが出来て知った、男爵という爵位は夫人のもので当主は代理に過ぎないことを。
それでは、夫人が僕を追い出そうとすれば誰も反論は出来ないんだと。

なんて愚かな行動をしてしまったのか反省した。

夫人に追い出されれば再び平民生活…子供を抱えては厳しすぎる。
すぐに媚を売らないとと動き出すも当主に「そんな必要はない、あれは気にするな」と言われた。

こいつは分かってないのか?貴族の血筋は夫人のもので、世間ではあんたは単なる男爵家当主代理なんだと。

商人なのにその事も分からないなんて…僕は間違った人の愛人…第二夫人になってしまったと焦っていたが、僕達の関係は何も変わらなかった。
夫人は僕を追い出すこともないし、僕の今までの無礼を咎めることもなく調子にのってしまった。
そんな時夫人に子供…レノックが出来てしまった。

男爵家を継ぐ子供が…。

僕は男爵に泣き落としで居座った。
無様だったとしてもどんな手を使っても居座ってやると決めたから行動したが、男爵は僕も息子も追い出すことはないと話してくれた。

ランスロットにもあっちの子供には負けることは許さないと言い聞かせた。

それでも暴力は振るうなと伝えた。
暴力を振るってしまえば、追い出される。
それだけは避けなければならないことだった。
基本的に男爵代理は僕の味方になってくれているので、多少の事なら許されるだろうとは思っていた。
ただ、調子にのり過ぎて暴力となれば僕達が追い出されるのは目に見えていた。

それに認めたくないが、あっちの子供の方が優秀だったがランスロットの方が商人には向いていると周囲には伝えていた。

ランスロットも学園では沢山の貴族の人脈を作ったと楽しく話してくれた。
あまりにも自信満々だったので疑うことはなかった。
ランスロットによればお互い当主の座に着いたら助け合おうと約束したと話してくれ、卒業して四年が経った時成果を見せてくれた。

学園でうちの商品を教師や生徒にプレゼンして反応を見ていたのが、今漸く実になったと…。

うちの子はやはり、優秀だと毎日のように話していた。

あっちの子供が卒業後は帰らない、家を出るという手紙が届いた時「勝った」と思い嬉しくてたまらなかった。

たった二ヶ月で帰ってくると手紙が届いたときは、平民の生活を知らない貴族の坊っちゃんが泣きついてきたと思い笑いが止まらなかった。

多少の金を渡して追い返すつもりだった…だったのに、あいつは貴族と結婚すると言い出した。
ランスロットは男爵すら断られたのにあっちは現伯爵家、元公爵家の人間と…。

しかも子供までいた。

…だから、簡単に男爵家を捨てる発言が出来たんだ。

僕が欲しくて堪らなかった男爵を簡単に捨てられる…やっぱりこいつらは大嫌いだ。
しおりを挟む
感想 195

あなたにおすすめの小説

お荷物な俺、独り立ちしようとしたら押し倒されていた

やまくる実
BL
異世界ファンタジー、ゲーム内の様な世界観。 俺は幼なじみのロイの事が好きだった。だけど俺は能力が低く、アイツのお荷物にしかなっていない。 独り立ちしようとして執着激しい攻めにガッツリ押し倒されてしまう話。 好きな相手に冷たくしてしまう拗らせ執着攻め✖️自己肯定感の低い鈍感受け ムーンライトノベルズにも掲載しています。 挿絵をchat gptに作成してもらいました(*'▽'*)

身代わり召喚された俺は四人の支配者に溺愛される〜囲い込まれて逃げられません〜

たら昆布
BL
間違って異世界召喚された青年が4人の男に愛される話

姫ポジ幼馴染の貞操を全力で守っていたのに、いつの間にか立場が逆転して伸し掛かられた件

イセヤ レキ
BL
タイトル通りのお話しです。 ※全七話、完結済。

ドジで惨殺されそうな悪役の僕、平穏と領地を守ろうとしたら暴虐だったはずの領主様に迫られている気がする……僕がいらないなら詰め寄らないでくれ!

迷路を跳ぶ狐
BL
いつもドジで、今日もお仕えする領主様に怒鳴られていた僕。自分が、ゲームの世界に悪役として転生していることに気づいた。このままだと、この領地は惨事が起こる。けれど、選択肢を間違えば、領地は助かっても王国が潰れる。そんな未来が怖くて動き出した僕だけど、すでに領地も王城も策略だらけ。その上、冷酷だったはずの領主様は、やけに僕との距離が近くて……僕は平穏が欲しいだけなのに! 僕のこと、いらないんじゃなかったの!? 惨劇が怖いので先に城を守りましょう!

悪役令息に転生したらしいけど、何の悪役令息かわからないから好きにヤリチン生活ガンガンしよう!

ミクリ21 (新)
BL
ヤリチンの江住黒江は刺されて死んで、神を怒らせて悪役令息のクロエ・ユリアスに転生されてしまった………らしい。 らしいというのは、何の悪役令息かわからないからだ。 なので、クロエはヤリチン生活をガンガンいこうと決めたのだった。

「出来損ない」オメガと幼馴染の王弟アルファの、発情初夜

鳥羽ミワ
BL
ウィリアムは王族の傍系に当たる貴族の長男で、オメガ。発情期が二十歳を過ぎても来ないことから、家族からは「欠陥品」の烙印を押されている。 そんなウィリアムは、政略結婚の駒として国内の有力貴族へ嫁ぐことが決まっていた。しかしその予定が一転し、幼馴染で王弟であるセドリックとの結婚が決まる。 あれよあれよと結婚式当日になり、戸惑いながらも結婚を誓うウィリアムに、セドリックは優しいキスをして……。 そして迎えた初夜。わけもわからず悲しくなって泣くウィリアムを、セドリックはたくましい力で抱きしめる。 「お前がずっと、好きだ」 甘い言葉に、これまで熱を知らなかったウィリアムの身体が潤み、火照りはじめる。 ※ムーンライトノベルズ、アルファポリス、pixivへ掲載しています

姉が結婚式から逃げ出したので、身代わりにヤクザの嫁になりました

拓海のり
BL
芳原暖斗(はると)は学校の文化祭の都合で姉の結婚式に遅れた。会場に行ってみると姉も両親もいなくて相手の男が身代わりになれと言う。とても断れる雰囲気ではなくて結婚式を挙げた暖斗だったがそのまま男の家に引き摺られて──。 昔書いたお話です。殆んど直していません。やくざ、カップル続々がダメな方はブラウザバックお願いします。やおいファンタジーなので細かい事はお許しください。よろしくお願いします。 タイトルを変えてみました。

寄るな。触るな。近付くな。

きっせつ
BL
ある日、ハースト伯爵家の次男、であるシュネーは前世の記憶を取り戻した。 頭を打って? 病気で生死を彷徨って? いいえ、でもそれはある意味衝撃な出来事。人の情事を目撃して、衝撃のあまり思い出したのだ。しかも、男と男の情事で…。 見たくもないものを見せられて。その上、シュネーだった筈の今世の自身は情事を見た衝撃で何処かへ行ってしまったのだ。 シュネーは何処かに行ってしまった今世の自身の代わりにシュネーを変態から守りつつ、貴族や騎士がいるフェルメルン王国で生きていく。 しかし問題は山積みで、情事を目撃した事でエリアスという侯爵家嫡男にも目を付けられてしまう。シュネーは今世の自身が帰ってくるまで自身を守りきれるのか。 ーーーーーーーーーーー 初めての投稿です。 結構ノリに任せて書いているのでかなり読み辛いし、分かり辛いかもしれませんがよろしくお願いします。主人公がボーイズでラブするのはかなり先になる予定です。 ※ストックが切れ次第緩やかに投稿していきます。

処理中です...