【完結】能力が無くても聖女ですか?

天冨 七緒

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反応

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 大聖堂を見渡せば、全員と視線があってしまう程皆が私を見ている。
 挨拶を終えるも静寂に包まれ、誰一人として反応を見せない。

「……おぉー」
「……聖女様ぁ」

 一人が声を上げると、次から次へと歓声が上がり拍手を受ける。
 私は……受け入れられた?
 教皇が締めの挨拶を終えると私は再びマドリゲスのエスコートで壇上を去る。
 
「聖女様、これから四階へ移動し外に集まった国民に顔を見せます」

「はい」

 教皇に先導され三階へと向かう。
 その間もマドリゲスがエスコートをしてくれている。
 彼は私の護衛ではないのに……
 王宮のように迷路ではないが、大聖堂もかなり広い。
 階段を登り聖女が登場するというバルコニーまで教皇や王子が語り掛け、マドリゲスは私の様子を窺っているのが分かる。 
 私が緊張していると思われているのかな?
 私は今、緊張しているの?
 それすらも分からない。
 修道士が待ち構えている扉の部屋が目的地なのだろう。
 教皇の合図で扉が開かれる。

「聖女様。あちらのバルコニーを出れば国民が貴方を待っています」

 マドリゲスの手を放し私は一人バルコニーへと向かう。
 教皇と王子を通り過ぎ、まず私だけが顔を見せる。
 
「おぉー」
「聖女だー」
「聖女様ぁ」

 私の姿が僅かに見えただけで、歓声が始まる。
 
「聖女様。手を」

 歓声に圧倒されていると、横に教皇が現れていた。
 教皇の言葉通り手を振るとより一層大きな歓声へと変わる。
 
「すごいな」
 
 王子が登場した瞬間、女性の歓声が増えた。
  
「王子様の人気もすごいですね」

「ありがとう」

 私の知っている王子とは違い、ジェイコブ王子はどんな時でも笑顔で対応している。
 
「その笑顔に騙される令嬢が可哀想ですよ」

 ジェイコブの護衛であるマドリゲスは王子の護衛と言うより、よき友人なのだろう。
 国民に笑顔で手を振る王子と彼の護衛という立場でいながら周囲に気付かれないよう言い争いしている二人が何だか微笑ましくて、自然と私も笑顔になっていた。
 国民への顔見せも終え、一度待機室に戻る。
 
「聖女様、神具を失礼します」

「はい」

 聖女の証とされる神具を返す。
 まずは光の輪の王冠は司祭によって外され、指輪は自ら引き抜き修道士が手にしている台座へと置く。
 
「聖女様、本日のお披露目素晴らしかったです」

 教皇が礼を告げると修道士全員が頭を下げる。

「教皇様の補佐があり、私も安心して遂げることが出来ました」

 そして私は本日二つ目の目的でもある、王宮での聖女お披露目パーティーの準備に向かう。 
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