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正しい婚約者とは
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「ごほん」
「ぴゃぁ」
存在をアピールするようにティエンダが咳をすると、二人きりでない事を思いだし驚いたエストレヤから面白い悲鳴が聞こえた。
「あっすみません…。」
ティエンダの咳は偶然だったのか、俺達を邪魔してしまったことに謝罪された。
俺としてはもうちょっとしていたかったが、まぁ良いタイミングではあった。
「ぁっぁっぁっ」
エストレヤは見られていたことにパニックになっていた。
「あぁ、俺達の事は気にしなくていい。婚約者同士このくらいは普通だろ?」
挑発ではないが、この程度でとやかく言うなよとアピールしてみた。
「普通…なのか?」
「……わかんない。」
ティエンダが普通なのかフロイントに尋ねるも、彼も婚約者初心者なので困惑していた。
「普通だよなエストレヤ?」
この場にいる最後の一人に意見を求めると、視線が集中した。
「ふぇっ?」
突然自分に話を振られ、皆に見られてあたふたしていた。
「部屋ではいつもこんな感じだよな?」
「…ぇっぁっそのっ。」
エストレヤは恥ずかしくて本当の事が言えずにいた。
いつの間にか落ち着いていたエストレヤの顔が再び真っ赤に染まっていた。
「嘘ついたら俺が悲しいなぁ。」
そんな風に言えば正直に言うしかないのを分かっていて「悲しい」という言葉を選んだ。
「ぁっ…ぅん…いつも…こんな感じです。」
エストレヤは恥ずかしがりながら本当の事を口にした。
「いつも?」
ティエンダの質問は好奇心ではなく、純粋に婚約者というものが知りたかったのだろう。
「エストレヤ答えて。」
俺ではなくエストレヤに答えさせた。
「…はぃ、いつも…です。」
「どのくらいの頻度ですか?」
「…毎日です。」
まるで尋問のように尋ねてくる。
ティエンダにとっては真剣なんだろうが、真剣すぎて刑事のようだった。
「毎日…毎日…毎日…。」
ティエンダは壊れたように「毎日」という言葉を繰り返していた。
「エストレヤは俺の部屋にずっといるもんな?」
助け船のように俺が答えた。
全く助け船ではないが。
「ぁっ……ぅん。」
「エスト…イグニス様はグラキエスの所に?」
ティエンダは自身の許容範囲を越え始めたのか、俺がエストレヤと呼んでいるのに引っ張られエストレヤと呼びそうになっていた。
だが、最後までは呼ばなかった…良い判断だ。
「ぁっはい…。」
「………。」
ティエンダは言葉を失いフロイントと見つめ合っていた。
次第に二人の顔が赤くなった。
婚約者初心者の二人は何を想像してんのか考えるとニヤついてしまう。
「婚約者だったら、許されることだよな?」
エストレヤの喉元にかぶり付いた。
二人に確りと見えるように。
「ゃっん…だめぇ…んぁっ…」
先程とは違い二人の存在を覚えていたので、エストレヤから軽く抵抗されるも続けた。
唇を離し視線を合わせると「だめって言ったのに」と抗議の言葉を聞いたが口を塞いだ。
俺の胸を押し返す手には大して力が入っていない…いつもそうだよな?
婚約者初心者へのサービスタイムもそろそろ終え、二人きりの時間が欲しくなってきた。
「部屋で二人きりで続きする?」
「…んっ。」
囁くように尋ねると小さな声で同意された。
エストレヤは続きがしたいのもあるが、人前では恥ずかしいんだろう…教室や廊下、中庭とは違う状況に耐えられない様子だった。
「んじゃ俺達そろそろ行くわ。」
「あっあぁ。」
「はァい。」
不意に声をかけられティエンダはなんとか返事をするが、フロイントの声は裏返っていた。
そんなに激しいもん見せたつもりはないんだけどな。
そういえば初めて至近距離で知り合いのキスを目撃してしまった時は気まずかったな…。
悪ぃ、そんな経験あったのに同じ事しちまった。
「二人はもう少し婚約者らしくしてみたら?じゃあなっ」
「あっぁ…お先に失礼します。」
エストレヤの腰にイヤらしく手を回し、去り際に課題を残しておいた。
二人がこの後どうするのか多少は気になるものの、俺は部屋に向かって二人きりでするエストレヤとのことを妄想していた。
婚約者の事を知りたいと思うのは当然で一度知ってしまえば離れられないだろう。
きっとティエンダも俺と同じになるはず。
フロイントはエストレヤよりも辛いかもしれない。
ティエンダは俺よりも体格が良く体力ありそうで、フロイントはエストレヤと同じような体格だ。
尚且つティエンダはいう迄もなく童貞。
初めては相手を思って手加減するとは思うが、四回目・五回目には多分暴走するんだろうな。
その時フロイントが無事であることを祈るしかない。
学園休むだろうな…。
そん時のために、俺よりもエストレヤと仲良くなっておくべきだろ。
あっちも俺じゃなくて同じ立場のエストレヤに相談したいこととか出てくんだろうな。
仲間意識じゃないが仲は深めておいた方がいい。
エストレヤも俺以外にも信用できる奴はいた方がいいし。
ティエンダとフロイントは色んな意味で変な気を起こすようには見えないから信頼できる。
それよりもアイツだよな。
今後もちょこまかしてきそうだ。
一応情報収集しておくか。
聞ける相手は今のところ二人しかいないが、一応聞いておくべきだろう。
あの二人キスぐらいしてっかな?
何年も婚約者やって、手を繋いで終わりって…。
この世界の奴はそれが当たり前なのか?
んな分けねぇよな…。
「ぴゃぁ」
存在をアピールするようにティエンダが咳をすると、二人きりでない事を思いだし驚いたエストレヤから面白い悲鳴が聞こえた。
「あっすみません…。」
ティエンダの咳は偶然だったのか、俺達を邪魔してしまったことに謝罪された。
俺としてはもうちょっとしていたかったが、まぁ良いタイミングではあった。
「ぁっぁっぁっ」
エストレヤは見られていたことにパニックになっていた。
「あぁ、俺達の事は気にしなくていい。婚約者同士このくらいは普通だろ?」
挑発ではないが、この程度でとやかく言うなよとアピールしてみた。
「普通…なのか?」
「……わかんない。」
ティエンダが普通なのかフロイントに尋ねるも、彼も婚約者初心者なので困惑していた。
「普通だよなエストレヤ?」
この場にいる最後の一人に意見を求めると、視線が集中した。
「ふぇっ?」
突然自分に話を振られ、皆に見られてあたふたしていた。
「部屋ではいつもこんな感じだよな?」
「…ぇっぁっそのっ。」
エストレヤは恥ずかしくて本当の事が言えずにいた。
いつの間にか落ち着いていたエストレヤの顔が再び真っ赤に染まっていた。
「嘘ついたら俺が悲しいなぁ。」
そんな風に言えば正直に言うしかないのを分かっていて「悲しい」という言葉を選んだ。
「ぁっ…ぅん…いつも…こんな感じです。」
エストレヤは恥ずかしがりながら本当の事を口にした。
「いつも?」
ティエンダの質問は好奇心ではなく、純粋に婚約者というものが知りたかったのだろう。
「エストレヤ答えて。」
俺ではなくエストレヤに答えさせた。
「…はぃ、いつも…です。」
「どのくらいの頻度ですか?」
「…毎日です。」
まるで尋問のように尋ねてくる。
ティエンダにとっては真剣なんだろうが、真剣すぎて刑事のようだった。
「毎日…毎日…毎日…。」
ティエンダは壊れたように「毎日」という言葉を繰り返していた。
「エストレヤは俺の部屋にずっといるもんな?」
助け船のように俺が答えた。
全く助け船ではないが。
「ぁっ……ぅん。」
「エスト…イグニス様はグラキエスの所に?」
ティエンダは自身の許容範囲を越え始めたのか、俺がエストレヤと呼んでいるのに引っ張られエストレヤと呼びそうになっていた。
だが、最後までは呼ばなかった…良い判断だ。
「ぁっはい…。」
「………。」
ティエンダは言葉を失いフロイントと見つめ合っていた。
次第に二人の顔が赤くなった。
婚約者初心者の二人は何を想像してんのか考えるとニヤついてしまう。
「婚約者だったら、許されることだよな?」
エストレヤの喉元にかぶり付いた。
二人に確りと見えるように。
「ゃっん…だめぇ…んぁっ…」
先程とは違い二人の存在を覚えていたので、エストレヤから軽く抵抗されるも続けた。
唇を離し視線を合わせると「だめって言ったのに」と抗議の言葉を聞いたが口を塞いだ。
俺の胸を押し返す手には大して力が入っていない…いつもそうだよな?
婚約者初心者へのサービスタイムもそろそろ終え、二人きりの時間が欲しくなってきた。
「部屋で二人きりで続きする?」
「…んっ。」
囁くように尋ねると小さな声で同意された。
エストレヤは続きがしたいのもあるが、人前では恥ずかしいんだろう…教室や廊下、中庭とは違う状況に耐えられない様子だった。
「んじゃ俺達そろそろ行くわ。」
「あっあぁ。」
「はァい。」
不意に声をかけられティエンダはなんとか返事をするが、フロイントの声は裏返っていた。
そんなに激しいもん見せたつもりはないんだけどな。
そういえば初めて至近距離で知り合いのキスを目撃してしまった時は気まずかったな…。
悪ぃ、そんな経験あったのに同じ事しちまった。
「二人はもう少し婚約者らしくしてみたら?じゃあなっ」
「あっぁ…お先に失礼します。」
エストレヤの腰にイヤらしく手を回し、去り際に課題を残しておいた。
二人がこの後どうするのか多少は気になるものの、俺は部屋に向かって二人きりでするエストレヤとのことを妄想していた。
婚約者の事を知りたいと思うのは当然で一度知ってしまえば離れられないだろう。
きっとティエンダも俺と同じになるはず。
フロイントはエストレヤよりも辛いかもしれない。
ティエンダは俺よりも体格が良く体力ありそうで、フロイントはエストレヤと同じような体格だ。
尚且つティエンダはいう迄もなく童貞。
初めては相手を思って手加減するとは思うが、四回目・五回目には多分暴走するんだろうな。
その時フロイントが無事であることを祈るしかない。
学園休むだろうな…。
そん時のために、俺よりもエストレヤと仲良くなっておくべきだろ。
あっちも俺じゃなくて同じ立場のエストレヤに相談したいこととか出てくんだろうな。
仲間意識じゃないが仲は深めておいた方がいい。
エストレヤも俺以外にも信用できる奴はいた方がいいし。
ティエンダとフロイントは色んな意味で変な気を起こすようには見えないから信頼できる。
それよりもアイツだよな。
今後もちょこまかしてきそうだ。
一応情報収集しておくか。
聞ける相手は今のところ二人しかいないが、一応聞いておくべきだろう。
あの二人キスぐらいしてっかな?
何年も婚約者やって、手を繋いで終わりって…。
この世界の奴はそれが当たり前なのか?
んな分けねぇよな…。
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