【完結】王子の婚約者をやめて厄介者同士で婚約するんで、そっちはそっちでやってくれ

天冨 七緒

文字の大きさ
167 / 177

卒業

しおりを挟む
あっという間に時間は過ぎ俺達は卒業することになった。

よくある卒業パーティーでの断罪など起こることもなく、滞りなく進んでいく。
パーティーでは当然俺はエストレヤをエスコートした。

あれから金髪は学園ではなく王宮で課題をこなし卒業資格を得たようだった。
卒業式くらい登校するかと思ったが、存在を確認することはなかった。
一曲目のダンスは再び俺とエストレヤが勤めることになった。
二度目でもあるがエストレヤは緊張しているようだ。
無事にダンスが終わっても拍手を受けることがなかった。
少々疑問が残りつつもエストレヤを引き寄せキスをした瞬間、盛大な拍手が鳴り響いた。

手を繋ぎダンスフロアを次の婚約者達に譲ると、前回の学園パーティーの時よりダンスをする人数がかなり増えていた。
恋人関係だった者達は婚約者となり、婚約者のいなかった者達も卒業パーティーに合わせてなのか婚約者を引き連れ参加していた。

金髪が欠席だとすると、あのピンク頭がどうしているのか疑問になった。

見渡すとちょこまかと動き回るピンク頭がいた。
だが、声をかけられている生徒達は明らかに距離を置いていた。

「なに見てるんだ?」

俺の視線に気付いたガウディぺディオに声をかけられた。

「いや、金髪に引っ付いてたピンク頭がちょこまかと動き回ってんなぁってさ…」

「金髪って…アフェーレ王子の事?」

「んあ?あぁ」

「…そう…えっと…ピンク頭はきっと…フレルトの事だよね?彼が王子に付きまとっていたのは学園中が知っていた事だから。それでも黙認していたが、グラキアス様が記憶喪失になり色々問題が明るみになったのはフレルトが貧乏神なんじゃないか?って噂が出始めてね。実際王子は今現在学園を去り王宮で謹慎中、グラキアス様は記憶喪失。王家と公爵家に目をつけられてるわけで、そんな奴と親しくしたら道連れにされる。フレルトは今では孤立無援、誰も手を貸したりはしないよ。」

「ほぉお」

同情などしないし、自業自得だろう。

「彼は顔は良いから貴族との婚約も可能性はあったと思うよ、平民だけど。
だけど狙う相手には限度ってものがある。婚約者のいる相手や王族を狙うなんて図々しいにも程がある。彼は王子に近付けたことや婚約者のグラキアス様が放置していた事で勝ったと勘違いしていたが、実際貴族は誰も彼を認めていなかった。あの当時のグラキアス様も相手にする価値もないと思っていたんじゃないかな。」

こいつ結構言うな。

「表に出ないことや遊びであれば、愛人や妾で問題ないしね。グラキアス様もそんな風に思ってたんじゃないかな?」

ふぅん。
だから、二年も放置してたんだな。

「あれは…子爵…ぇっと…」

「リヴァル ヴィシャス?」

「そうそう」

「彼もほら、あそこで次の貴族を開拓中。それでも、最近は婚約が決まるのが多くて下手に手を出すとどうなるか分からないからね…」

「へぇ」

「…グラキアス様が関係してるからね。」

「ぇつそうなのか?」

「そっ、だからグラキアス様とイグニス様の交遊関係に変にちょっかいかける奴は居ないよ。」

「俺なんかした?」

「さぁ?」

「…もしかして、ガウディぺディオは今俺を利用しようとか考えてないよな?」

「………ふふっ分かっちゃった?」

「本当かよ…」

「俺の相手は教師だからね、グラキアス様のご利益に預かろうかと。」

「ご利益って、俺にそんなもんはねぇよ。」

「いやいやご謙遜を。グラキアス様は中庭の伝説に、個別室のイベント、学園パーティーでキスが出来ればその二人は幸せになれるというのをつくられた恋愛のエキスパート。グラキアス様と同じことをすれば必ず幸せになれる~って噂だぜ。」

「…そんな噂出来てんのかよ。」

「以前のグラキアス様は堅物で目をつけられるのが怖くて、皆我慢してたんだよ。それを本人がぶち壊してくれたからな、今のグラキアス様の様に愛されたいって押さえつけられていた欲望が溢れだしたんだよ。責任とれよ。」

「責任って…」

「これからも伝説をよろしく。」

「…楽しんでんだろ?」

「あぁはぁん?」

「うわっ良い性格してるな。」

「どういたしましてぇ…って、俺はそろそろ行くわ。恋人兼婚約者の元へ。」

「おぅ」

ガウディぺディオが離れるとタイミングよくエストレヤが現れた。
きっとエストレヤが来るのが分かり立ち去ったのだろう。
状況把握や情報収集に長けた奴。
しおりを挟む
感想 61

あなたにおすすめの小説

あなたと過ごせた日々は幸せでした

蒸しケーキ
BL
結婚から五年後、幸せな日々を過ごしていたシューン・トアは、突然義父に「息子と別れてやってくれ」と冷酷に告げられる。そんな言葉にシューンは、何一つ言い返せず、飲み込むしかなかった。そして、夫であるアインス・キールに離婚を切り出すが、アインスがそう簡単にシューンを手離す訳もなく......。

僕を惑わせるのは素直な君

秋元智也
BL
父と妹、そして兄の家族3人で暮らして来た。 なんの不自由もない。 5年前に病気で母親を亡くしてから家事一切は兄の歩夢が 全てやって居た。 そこへいきなり父親からも唐突なカミングアウト。 「俺、再婚しようと思うんだけど……」 この言葉に驚きと迷い、そして一縷の不安が過ぎる。 だが、好きになってしまったになら仕方がない。 反対する事なく母親になる人と会う事に……。 そこには兄になる青年がついていて…。 いきなりの兄の存在に戸惑いながらも興味もあった。 だが、兄の心の声がどうにもおかしくて。 自然と聞こえて来てしまう本音に戸惑うながら惹かれて いってしまうが……。 それは兄弟で、そして家族で……同性な訳で……。 何もかも不幸にする恋愛などお互い苦しみしかなく……。

ネグレクトされていた四歳の末娘は、前世の経理知識で実家の横領を見抜き追放されました。これからはもふもふ聖獣と美食巡りの旅に出ます。

旅する書斎(☆ほしい)
ファンタジー
アークライト子爵家の四歳の末娘リリアは、家族から存在しないものとして扱われていた。食事は厨房の残飯、衣服は兄姉のお下がりを更に継ぎ接ぎしたもの。冷たい床で眠る日々の中、彼女は高熱を出したことをきっかけに前世の記憶を取り戻す。 前世の彼女は、ブラック企業で過労死した経理担当のOLだった。 ある日、父の書斎に忍び込んだリリアは、ずさんな管理の家計簿を発見する。前世の知識でそれを読み解くと、父による悪質な横領と、家の財産がすでに破綻寸前であることが判明した。 「この家は、もうすぐ潰れます」 家族会議の場で、リリアはたった四歳とは思えぬ明瞭な口調で破産の事実を突きつける。激昂した父に「疫病神め!」と罵られ家を追い出されたリリアだったが、それは彼女の望むところだった。 手切れ金代わりの銅貨数枚を握りしめ、自由を手に入れたリリア。これからは誰にも縛られず、前世で夢見た美味しいものをたくさん食べる生活を目指す。

結婚初夜に相手が舌打ちして寝室出て行こうとした

BL
十数年間続いた王国と帝国の戦争の終結と和平の形として、元敵国の皇帝と結婚することになったカイル。 実家にはもう帰ってくるなと言われるし、結婚相手は心底嫌そうに舌打ちしてくるし、マジ最悪ってところから始まる話。 オメガバースでオメガの立場が低い世界 こんなあらすじとタイトルですが、主人公が可哀そうって感じは全然ないです 強くたくましくメンタルがオリハルコンな主人公です 主人公は耐える我慢する許す許容するということがあんまり出来ない人間です 倫理観もちょっと薄いです というか、他人の事を自分と同じ人間だと思ってない部分があります ※この主人公は受けです

婚約者の王子様に愛人がいるらしいが、ペットを探すのに忙しいので放っておいてくれ。

フジミサヤ
BL
「君を愛することはできない」  可愛らしい平民の愛人を膝の上に抱え上げたこの国の第二王子サミュエルに宣言され、王子の婚約者だった公爵令息ノア・オルコットは、傷心のあまり学園を飛び出してしまった……というのが学園の生徒たちの認識である。  だがノアの本当の目的は、行方不明の自分のペット(魔王の側近だったらしい)の捜索だった。通りすがりの魔族に道を尋ねて目的地へ向かう途中、ノアは完璧な変装をしていたにも関わらず、何故かノアを追ってきたらしい王子サミュエルに捕まってしまう。 ◇拙作「僕が勇者に殺された件。」に出てきたノアの話ですが、一応単体でも読めます。 ◇テキトー設定。細かいツッコミはご容赦ください。見切り発車なので不定期更新となります。

【WEB版】監視が厳しすぎた嫁入り生活から解放されました~冷徹無慈悲と呼ばれた隻眼の伯爵様と呪いの首輪~【BL・オメガバース】

古森きり
BL
【書籍化決定しました!】 詳細が決まりましたら改めてお知らせにあがります! たくさんの閲覧、お気に入り、しおり、感想ありがとうございました! アルファポリス様の規約に従い発売日にURL登録に変更、こちらは引き下げ削除させていただきます。 政略結婚で嫁いだ先は、女狂いの伯爵家。 男のΩである僕には一切興味を示さず、しかし不貞をさせまいと常に監視される生活。 自分ではどうすることもできない生活に疲れ果てて諦めた時、夫の不正が暴かれて失脚した。 行く当てがなくなった僕を保護してくれたのは、元夫が口を開けば罵っていた政敵ヘルムート・カウフマン。 冷徹無慈悲と呼び声高い彼だが、共に食事を摂ってくれたりやりたいことを応援してくれたり、決して冷たいだけの人ではなさそうで――。 カクヨムに書き溜め。 小説家になろう、アルファポリス、BLoveにそのうち掲載します。

婚約破棄の代償

nanahi
恋愛
「あの子を放って置けないんだ。ごめん。婚約はなかったことにしてほしい」 ある日突然、侯爵令嬢エバンジェリンは婚約者アダムスに一方的に婚約破棄される。破局に追い込んだのは婚約者の幼馴染メアリという平民の儚げな娘だった。 エバンジェリンを差し置いてアダムスとメアリはひと時の幸せに酔うが、婚約破棄の代償は想像以上に大きかった。

【本編完結済】神子は二度、姿を現す

江多之折(エタノール)
BL
1/7外伝含め完結 ファンタジー世界で成人し、就職しに王城を訪れたところ異世界に転移した少年が転移先の世界で神子となり、壮絶な日々の末、自ら命を絶った前世を思い出した主人公。 死んでも戻りたかった元の世界には戻ることなく異世界で生まれ変わっていた事に絶望したが 神子が亡くなった後に取り残された王子の苦しみを知り、向き合う事を決めた。 戻れなかった事を恨み、死んだことを後悔し、傷付いた王子を助けたいと願う少年の葛藤。 王子様×元神子が転生した侍従の過去の苦しみに向き合い、悩みながら乗り越えるための物語。 ※小説家になろうに掲載していた作品を改修して投稿しています。 描写はキスまでの全年齢BL

処理中です...