瓦解する甘い盾

流音あい

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三度目の接触、侵食

7、抗えない快楽

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 今日も流されてしまうのだろうか。

 のろのろと彼に続いて部屋に入る。バッグをおくと、ちらりとソファに目をやった。先日のことが思い起こされ、快楽を思い出した神経が、体内で急き立てるように暴れ始める。

 彼に主導権を握られたくない。けれど本気で拒絶したいのか、出来るのか。きよみは自らに問いかけた。本当は望んでしまっているのではないか。その答えが出るのを、彼は待ってくれなかった。

「瞳が潤んでる。やっぱり嫌がってないよね。俺が来るの期待してた?」
「してません」

 いつのまにか壁に追いやられていたきよみは、吐息がかかるほど近くに顔を寄せられても、手で押しのけることをしなかった。つまり最初の拒絶を見せるチャンスを、自ら逃してしまったのだ。
 面白そうに笑った彼が、ティシャツの上からきよみのわき腹を撫でてくる。上に羽織っていたジャケットは、何の抵抗もなく脱がされ、足元にパサリと落ちた。

 既に呑まれている。それをまざまざと見せつけられ、頭に警鐘が鳴り響く。それなのに、身体は彼に抗うことを躊躇している。

 ティシャツの上から腕を撫で、背中を撫でると、そろりと裾から手を入れてくる。指先で腰をくすぐられ、背中を熱い手で撫で上げられると、熱のこもった吐息がもれた。
 彼が首を傾げ、唇を合わせてくる。啄まれる感触に、うっとりと目を閉じてしまう。あっさり受け入れている自分が情けない。そう思うのに、身体はちっとも彼を押しのけようとしてくれない。

「今日は素直だね。嫌がるふり続けるの、疲れちゃった?」

 彼が耳元で囁いた。吐息が耳をなぶる感覚に身を震わせる。首筋に濡れた感触を感じて、きよみは縋るように彼の腕にしがみつく。

 彼はティシャツを脱ぎ捨てると、きよみのティシャツも取り去った。露になった首筋や鎖骨を啄むと、下着で隠れていない胸の上部に優しくキスをする。

 かがみこんだ彼が、彼女のジーンズを引き下ろす。足首を持ち上げて完全に取り去ると、自らはチャックを下ろして下半身を緩めただけで、再び立ち上がった。

 彼女のお尻をぎゅっと掴み、下着の上から硬くなった自身を押し当てる。瞳の中に欲望の炎が揺らめいているのを見てしまい、きよみの身体にも飛び火する。身体の奥が疼き、足の間が潤っていく。
 背中を撫でていた手がブラのホックを外し、豊満な二つの膨らみを彼の眼前に晒される。包み込むように持ち上げた胸の谷間にキスを落とすと、中心に触れないようにゆっくりと周囲に唇で触れていく。

 この焦らされる感覚がたまらない。きよみは顎をあげて感じ入る。

 濡れた舌が乳輪を這う。きよみは吐息とともに身体をくねらせた。先端にはまだ触れない。身体は早くと求めているのに、彼はまだ与えてくれない。抗議するようにその肩に爪を立てる。

 男の大きな手が、両胸を掴んで上下に揺らした。弱い振動に身をよじり、つい焦がれる眼差しを向けてしまう。彼が妖艶に笑った。その表情にも身体の奥が疼いてしまって、どうしようもない。
 唇を重ねられ、舌がからみついてくる。口内がとろけてきたとき、胸の先端に刺激が走った。

「ふぁ……っ」
 指の腹で尖った先端を押しつぶされた。目視で確認すると余計に身体の芯が熱くなる。指先でくりくりとこねられたかと思うと、指の股に乗せられて全体と一緒に持ち上げられる。指の間に挟まれて揺さぶられると、快楽の連続にきよみは何度も嬌声を響かせた。

 息も絶え絶えに彼を見ると、そこには支配欲を満たして満足そうに笑う男がいた。心の中で、この態度が気に入らないのだと呟いた。対等ではないと感じるのは、この瞬間。
 だからきよみは、彼から距離を取ろうとした。けれど強烈な快楽を知ってしまった女の肉体は、それを与えてくれる男をどうしようもなく求めてしまっている。

 反骨精神が頭をもたげ、敵わないと知りながらも抵抗しようとした刹那、彼は尖った先端を口に含んだ。甘美な濡れた感触に、きよみの身体が内側に折れ曲がる。腰が引けて彼の肩を掴み、押し返そうとするが、相手の身体はびくともしない。

 両方の先端を交互に口に含まれ、唇と舌で容赦なく絶頂へと追い立てられる。軽く吸われ、強く吸われ、舌先で何度も刺激されると、きよみの奥は応えるようにぎゅうっと締まった。全身に甘い痺れが駆け抜ける。
 達してしまったきよみは、彼にもたれるように脱力した。
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