瓦解する甘い盾

流音あい

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六度目の接触、やり直し

20、お互い様

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「お互い手でイっちゃったね」
「先輩は、ホントにもう……」

 解放感の余韻に、うまく頭が回らない。

「大丈夫だよ。次はホントに入れるから」
 彼はぴらぴらと避妊具を顔の横で振って見せる。

「きよみちゃんが上でいいよ。あ、でも疲れて動けないなら、俺が上の方がいいかな?」

 勝ち誇った男の顔を力なく睨む。先ほど達した彼の分身は、すっかり元気を取り戻していた。

「さっさとゴム付けてください」
 にやにやしながら彼は避妊具を装着した。呼吸が整ってくると、きよみはよろりと身体を起こし、ソファにゆったりと座る彼の上に跨った。

「大丈夫? もうちょっと休んでていいよ。俺が動いてあげるから」
「いいの! 先輩は黙ってて」

 きよみがゆっくり腰を落としていくと、硬い彼が容赦なく突き刺さる。彼は動いていないというのに、絶頂を迎えた余韻が残るそこには、それだけでも刺激が強かった。
「んっ、はぁ……」
 とろけているそこは、そのまま腰を下ろせばすんなりと入ってしまいそう。きよみは彼を半分ほど呑み込んだ状態で、動きを止める。

「手伝ってあげようか」

 彼をひと睨みして、無言の返答をする。
 彼の肩に手を置くと、またゆっくりと腰を落としていく。官能的な圧迫感に息がつまりそうになりながら、なんとか最後まで呑み込んだ。

 中がじんじんと疼き、今にも腰を揺らしそうになる。だがそんなことをすれば、また自分だけが達してしまう気がして、きよみは暫しじっとしていた。
 愉悦を滲ませた瞳が見てくるのを視界の端に捉えると、反発心が力を増した。
 快感に流されそうになるのをぐっとこらえ、彼の胸に手を這わす。尖った先端を刺激してやると、彼は眉を寄せて唇を舐める。彼の手が腰を掴んでくるのを許し、きよみは彼に口付けた。

 濃厚な口付けは、自らの体内にも影響した。口内で感じる刺激は、まるで連動しているかのように、彼を締め付ける場所にも伝わっていく。口付けの角度を変える度に、無意識に腰も揺れてしまい、相手を責めているはずのきよみ自身も、追い詰められていく。
「ぅんっ……はぁ……っ」
 キスを止め、目を伏せ、一度快感をやり過ごす方に集中する。

 不意に彼に抱き締められた。身体が密着し、互いの胸が擦れて甘い痺れが走る。後頭部に手を添えられ、性急な口付けをされた。彼も我慢できなくなっているらしい。
 お尻を掴まれ、彼に持ち上げられると、きよみは慌てて膝に力を入れて自らの身体を支えた。持ち上げられて勢いよく落とされでもしたら、硬い彼が突き刺さってしまう。

「勝手に動いちゃ……あぁっ!」

 彼が胸にむしゃぶりついてきた。がっちりと背中に腕を回され、ソファの上で膝たちになった彼女の胸を、獰猛な愛撫が襲ってくる。腕を引き剥がすこともできず、きよみは嬌声を響かせた。
 身体を起こした彼が、彼女をソファへ押し倒す。彼女の脚を持ち上げ、彼は今度こそ自身をきよみの中へ挿入した。
「はぁあんっ!」

 力強い侵入に、きよみの背が弓なりにしなった。そんな彼女の腰を掴み、彼は何度も彼女を貫いた。

「ごめんね、きよみちゃん。やっぱり俺、あんま我慢強くないんだよね」

 我慢強いのかどうなのか、きよみにはわからなかった。ただ今の彼に余裕がないのはわかった。激しく揺さぶってくる振動が、それを雄弁に物語っている。

「はぁ……んん……ぁっ……ぁ、ん……」
 繰り返される挿入に、頭も身体もとろけそうになってくる。
 両手に指を絡められて見上げると、切なげで真っ直ぐな瞳とぶつかった。降ってきた口付けに呼応するようにきよみの中が強く収縮し、きつく彼を締め上げる。

「……くっ……」
 彼の呻く姿は扇情的で、見ているだけでイきそうだと言っていた彼の言葉を思い出す。やがて強烈な快楽が全身を駆け巡り、二人は同時に絶頂を迎えた。
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