27 / 38
八度目の接触、対等な恋人
27、何もしない?
しおりを挟む
「送ってくれてありがとうございました」
「うん」
「もう手を離してくれません? 鍵が出せないんですけど」
「うーん」
今日のデートでは、きよみは待ち合わせた駅で別れるつもりだった。だが彼が家まで送ると言い、繋いだ手を離さなかった。
「もうデートは終わりましたよ」
「でもまだ俺たちは付き合ってるよね」
「そうですね。明日にはわかりませんけど」
「そんなこと言われたら帰れないじゃん」
「冗談ですよ。別れるときはちゃんと言いますから。自然消滅はしない派なんで」
「怖くて電話も取れないよ」
彼はすがるようにきゅっと抱き着いてきた。緩んでしまう頬を引き締め直し、きよみは彼の肩を優しく押して引き離す。
「とりあえず明日はまだ大丈夫ですよ。だからもう帰っていいです」
「明日もまだ休みじゃん。このまま泊まってっちゃダメ?」
「今日は泊まる予定じゃなかったでしょ」
「そうだけど、きよみちゃんが脅すからじゃん」
むすっと拗ねた顔を向けられる。
「部屋に上がっても何もしないって約束できます?」
「今更? さんざんあれこれやってきたのに?」
「それじゃセフレと変わらないでしょ。別れて前の関係に戻ります? セフレでも恋人でもない、中途半端な関係に」
「やだ」
即答だった。
「何もしなければ恋人でいられるの?」
「どうでしょうね」
「ホントは手を出せって意味?」
「それは違うでしょ」
「女心って難しい」
彼の手が、するりと甘えるように腰に回される。
「とにかく、今日はもう帰ったらどうですか?」
「帰らなきゃダメ?」
「大人しくしてるなら別にいてもいいですけど?」
口を閉ざした彼が、じっと見つめて真意を探ろうとしてくる。きよみも静かに見つめ返した。
「じゃあ、もし私がいま生理だったらどうします?」
「え、そうなの?」
きよみは答えず、彼の返答を待った。
「いや帰、らなくてもいいのか……。傍にいてもいいんだっけ」
「私は寄り添ってほしい派なんで」
「なら傍にいたい」
彼はきっぱりと言った。
「気持ち良くなれなくても?」
問うてみると、彼は肩をすくめた。
「いざとなったら、自分でどうとでも処理出来るし」
軽く言ってのける彼の瞳をまじまじと見つめ、嘘はないと判断する。きよみは彼の手を腰から外し、鍵を開けた。
「どうぞ」
「うん」
「もう手を離してくれません? 鍵が出せないんですけど」
「うーん」
今日のデートでは、きよみは待ち合わせた駅で別れるつもりだった。だが彼が家まで送ると言い、繋いだ手を離さなかった。
「もうデートは終わりましたよ」
「でもまだ俺たちは付き合ってるよね」
「そうですね。明日にはわかりませんけど」
「そんなこと言われたら帰れないじゃん」
「冗談ですよ。別れるときはちゃんと言いますから。自然消滅はしない派なんで」
「怖くて電話も取れないよ」
彼はすがるようにきゅっと抱き着いてきた。緩んでしまう頬を引き締め直し、きよみは彼の肩を優しく押して引き離す。
「とりあえず明日はまだ大丈夫ですよ。だからもう帰っていいです」
「明日もまだ休みじゃん。このまま泊まってっちゃダメ?」
「今日は泊まる予定じゃなかったでしょ」
「そうだけど、きよみちゃんが脅すからじゃん」
むすっと拗ねた顔を向けられる。
「部屋に上がっても何もしないって約束できます?」
「今更? さんざんあれこれやってきたのに?」
「それじゃセフレと変わらないでしょ。別れて前の関係に戻ります? セフレでも恋人でもない、中途半端な関係に」
「やだ」
即答だった。
「何もしなければ恋人でいられるの?」
「どうでしょうね」
「ホントは手を出せって意味?」
「それは違うでしょ」
「女心って難しい」
彼の手が、するりと甘えるように腰に回される。
「とにかく、今日はもう帰ったらどうですか?」
「帰らなきゃダメ?」
「大人しくしてるなら別にいてもいいですけど?」
口を閉ざした彼が、じっと見つめて真意を探ろうとしてくる。きよみも静かに見つめ返した。
「じゃあ、もし私がいま生理だったらどうします?」
「え、そうなの?」
きよみは答えず、彼の返答を待った。
「いや帰、らなくてもいいのか……。傍にいてもいいんだっけ」
「私は寄り添ってほしい派なんで」
「なら傍にいたい」
彼はきっぱりと言った。
「気持ち良くなれなくても?」
問うてみると、彼は肩をすくめた。
「いざとなったら、自分でどうとでも処理出来るし」
軽く言ってのける彼の瞳をまじまじと見つめ、嘘はないと判断する。きよみは彼の手を腰から外し、鍵を開けた。
「どうぞ」
0
あなたにおすすめの小説
17歳男子高生と32歳主婦の境界線
MisakiNonagase
恋愛
32歳主婦のカレンはインスタグラムで20歳大学生の晴人と知り合う。親密な関係となった3度目のデートのときに、晴人が実は17歳の高校2年生だと知る。
カレンと晴人はその後、どうなる?
熟女愛好家ユウスケの青春(熟女漁り)
MisakiNonagase
恋愛
高校まで勉強一筋で大学デビューをしたユウスケは家庭教師の教え子の母親と不倫交際するが、彼にとって彼女とが初の男女交際。そこでユウスケは自分が熟女好きだと自覚する。それからユウスケは戦略と実戦を重ねて、清潔感と聞き上手を武器にたくさんの熟女と付き合うことになるストーリーです。
俺様上司に今宵も激しく求められる。
美凪ましろ
恋愛
鉄面皮。無表情。一ミリも笑わない男。
蒔田一臣、あたしのひとつうえの上司。
ことあるごとに厳しくあたしを指導する、目の上のたんこぶみたいな男――だったはずが。
「おまえの顔、えっろい」
神様仏様どうしてあたしはこの男に今宵も激しく愛しこまれているのでしょう。
――2000年代初頭、IT系企業で懸命に働く新卒女子×厳しめの俺様男子との恋物語。
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
黒瀬部長は部下を溺愛したい
桐生桜
恋愛
イケメン上司の黒瀬部長は営業部のエース。
人にも自分にも厳しくちょっぴり怖い……けど!
好きな人にはとことん尽くして甘やかしたい、愛でたい……の溺愛体質。
部下である白石莉央はその溺愛を一心に受け、とことん愛される。
スパダリ鬼上司×新人OLのイチャラブストーリーを一話ショートに。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる