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八度目の接触、対等な恋人
29、清々しい朝、だったけれど
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翌朝、きよみが歯を磨いているときに、彼は起きてきた。ぼーっとしながらおはようと言い、腰に腕を回してくる。挨拶を返して歯磨きを終えると、寝ぼけ眼の彼の頬にキスをする。
「んー、俺も歯磨きたい。買い置きとかある?」
「元カレ用のなら」
覚醒しきっていない様子だったが、彼は複雑そうな顔をした。
「ふふ、冗談ですよ。目覚めました?」
「覚めた」
棚から自分のと同系色の新品の歯ブラシを取り出し、手渡した。
「一回五百円です」
「一回? 高額だね」
「ちなみにひと磨き五百円」
「ひと磨き? ってなに、一回腕を動かしたら五百円ってこと?」
高らかに笑うと、彼も更に乗ってくる。
「わかった。じゃあ身体で払う」
「足ります?」
「俺をいくらだと思ってんの」
「五百円?」
「安っ。そんな安くないよ。五百円ならワンピストンだよ」
「ワンピストンって何」
くだらない話に朝から二人で笑い合う。恋人として迎えた初めての朝は、穏やかで清々しいものだった。
遅めの朝食を終えた二人は、リビングでまったりしていた。昨夜と同じように、カーペットの上で、彼に背をあずけてもたれている。温もりを共有しながら、取り留めもない会話をするという行為が、今の二人には新鮮だった。
「今日は何時までいるの?」
「あー、夜には帰らないとね。終電までには」
きよみは彼を振り返ってキスをする。無邪気な親愛のキスが、徐々に熱を孕んだものへと変わる。
「ねえ、何もしないってのは、昨日だけのことだよね」
前に回した腕で、服の上から優しく彼女の胸を包み込みながら、彼が問う。
「先輩はケダモノじゃないんでしょう」
「もちろん」
「しなくてもいいって言ってましたよね。このままでもいいって」
「昨日はね」
「今は違うんですか?」
彼がキャミソールの上からわき腹を撫でてくる。
「うーん、しなくてもいいけど」
「けど?」
「きよみちゃんはしたいかなーって」
彼の指先が、服の上から彼女の胸の先端の周囲をくるくると撫でた。
「私がしてほしいだろうって? 先輩はしたくないの?」
「俺はいつでも大歓迎だよ」
耳元で囁いた彼が、後ろから首すじを食んでくる。きよみは膝を動かして、彼のふとももを擦った。
「私の方がケダモノだって?」
「そうは思ってないけど、性欲は強い方かもね」
ブラを付けていないので、胸の先端が尖ってきたのがわかりやすい。彼が指の腹で、優しくそこを押しつぶすと、彼女は身じろいだ。
「私もその自覚はありますけど、でも先輩ほどじゃないですよ」
「それはどうだろう」
「んっ」
きゅっと胸の先端をつままれて、きよみは軽く仰け反った。
「感度はきよみちゃんの方がいいよね」
彼は手の平全体で胸を包み込み、そっと優しく揉みながら、時おり先端に悪戯する。きよみは腰をくねらせながら、左右にあるむき出しの彼の脚を強く掴んだ。彼はシャツを着ていたが、下半身は下着だけでズボンを穿いていない。その素肌に軽く爪を立ててやる。
「直接触っていい?」
布越しのじれったい感触に、彼も不満があるらしい。答えないでいると、手が勝手にキャミソールの中に侵入してきた。けれどその手は胸には触れず、すぐ下のお腹やわき腹を撫でていく。きよみは吐息を漏らして、彼にもたれた。熱い手が素肌を滑るのが気持ち良い。
「やっぱり直接の方が気持ちいいよね」
心を読んだように彼が言う。
無遠慮な男の手が、今度はハーフパンツの中に伸びた。下着の上から脚の間の丘をひと撫でしたあと、内ももを撫でてお腹に戻ってくる。
「次はどこがいい? きよみちゃん」
男の両手が何度も思わせぶりに、お腹とわき腹、内ももと丘を行き来する。息が上がってきたきよみは、潤んだ瞳で彼を見上げた。
怪しく微笑む彼に唇を寄せると、興奮した舌と唇に呼吸を奪われる。酸素を求めて顔を前に向けると、後ろから耳を甘噛みされる。続けて首に舌を這わされると、ぞくぞくした快楽の波に身体が震えた。
「次はやっぱり、この辺?」
彼は下から胸の谷間に手を入れた。キャミソールに覆われた胸は、まだ直接触れられていない。もどかしさに身体が揺れる。
きよみは彼の手を掴むと、服の下の自らの胸に誘導した。布越しではない体温を感じて、性感が高まるより先に安堵感が湧いた。
彼の手に自分の手を重ね、自分で愛撫する。暫くは相手もされるがままで、柔らかい胸の感触を楽しんでいたようだったが、次第にその指が自らの意思で動き出す。
「ぁっ」
彼女はシンプルに彼の大きな手の平で胸を揉ませていたのだが、相手は突然指で先端を挟んできた。彼女がびくりと跳ねて前かがみになると、彼はその背中にぴたりと身体を密着させてきた。彼女を後ろから抱きしめる体勢で、その胸に指を沈ませた彼は、緩急をつけて揉み始める。
「ん、はぁ……ぁあっ……」
きよみは重ねていた手を離し、彼を自由にさせた。自分の予想とは違う動きをする指に翻弄され、ただただ喘いで身をよじる。もたらされる刺激に耐えかねて、時おり仰け反ったり身体を離そうと試みるが、背中に当たる壁のような男の胸板のせいで、逃れることが出来なかった。
悶える彼女の耳に、熱い吐息と裏腹な涼しげな声が言った。
「ホント胸弱いね、きよみちゃん」
「んー、俺も歯磨きたい。買い置きとかある?」
「元カレ用のなら」
覚醒しきっていない様子だったが、彼は複雑そうな顔をした。
「ふふ、冗談ですよ。目覚めました?」
「覚めた」
棚から自分のと同系色の新品の歯ブラシを取り出し、手渡した。
「一回五百円です」
「一回? 高額だね」
「ちなみにひと磨き五百円」
「ひと磨き? ってなに、一回腕を動かしたら五百円ってこと?」
高らかに笑うと、彼も更に乗ってくる。
「わかった。じゃあ身体で払う」
「足ります?」
「俺をいくらだと思ってんの」
「五百円?」
「安っ。そんな安くないよ。五百円ならワンピストンだよ」
「ワンピストンって何」
くだらない話に朝から二人で笑い合う。恋人として迎えた初めての朝は、穏やかで清々しいものだった。
遅めの朝食を終えた二人は、リビングでまったりしていた。昨夜と同じように、カーペットの上で、彼に背をあずけてもたれている。温もりを共有しながら、取り留めもない会話をするという行為が、今の二人には新鮮だった。
「今日は何時までいるの?」
「あー、夜には帰らないとね。終電までには」
きよみは彼を振り返ってキスをする。無邪気な親愛のキスが、徐々に熱を孕んだものへと変わる。
「ねえ、何もしないってのは、昨日だけのことだよね」
前に回した腕で、服の上から優しく彼女の胸を包み込みながら、彼が問う。
「先輩はケダモノじゃないんでしょう」
「もちろん」
「しなくてもいいって言ってましたよね。このままでもいいって」
「昨日はね」
「今は違うんですか?」
彼がキャミソールの上からわき腹を撫でてくる。
「うーん、しなくてもいいけど」
「けど?」
「きよみちゃんはしたいかなーって」
彼の指先が、服の上から彼女の胸の先端の周囲をくるくると撫でた。
「私がしてほしいだろうって? 先輩はしたくないの?」
「俺はいつでも大歓迎だよ」
耳元で囁いた彼が、後ろから首すじを食んでくる。きよみは膝を動かして、彼のふとももを擦った。
「私の方がケダモノだって?」
「そうは思ってないけど、性欲は強い方かもね」
ブラを付けていないので、胸の先端が尖ってきたのがわかりやすい。彼が指の腹で、優しくそこを押しつぶすと、彼女は身じろいだ。
「私もその自覚はありますけど、でも先輩ほどじゃないですよ」
「それはどうだろう」
「んっ」
きゅっと胸の先端をつままれて、きよみは軽く仰け反った。
「感度はきよみちゃんの方がいいよね」
彼は手の平全体で胸を包み込み、そっと優しく揉みながら、時おり先端に悪戯する。きよみは腰をくねらせながら、左右にあるむき出しの彼の脚を強く掴んだ。彼はシャツを着ていたが、下半身は下着だけでズボンを穿いていない。その素肌に軽く爪を立ててやる。
「直接触っていい?」
布越しのじれったい感触に、彼も不満があるらしい。答えないでいると、手が勝手にキャミソールの中に侵入してきた。けれどその手は胸には触れず、すぐ下のお腹やわき腹を撫でていく。きよみは吐息を漏らして、彼にもたれた。熱い手が素肌を滑るのが気持ち良い。
「やっぱり直接の方が気持ちいいよね」
心を読んだように彼が言う。
無遠慮な男の手が、今度はハーフパンツの中に伸びた。下着の上から脚の間の丘をひと撫でしたあと、内ももを撫でてお腹に戻ってくる。
「次はどこがいい? きよみちゃん」
男の両手が何度も思わせぶりに、お腹とわき腹、内ももと丘を行き来する。息が上がってきたきよみは、潤んだ瞳で彼を見上げた。
怪しく微笑む彼に唇を寄せると、興奮した舌と唇に呼吸を奪われる。酸素を求めて顔を前に向けると、後ろから耳を甘噛みされる。続けて首に舌を這わされると、ぞくぞくした快楽の波に身体が震えた。
「次はやっぱり、この辺?」
彼は下から胸の谷間に手を入れた。キャミソールに覆われた胸は、まだ直接触れられていない。もどかしさに身体が揺れる。
きよみは彼の手を掴むと、服の下の自らの胸に誘導した。布越しではない体温を感じて、性感が高まるより先に安堵感が湧いた。
彼の手に自分の手を重ね、自分で愛撫する。暫くは相手もされるがままで、柔らかい胸の感触を楽しんでいたようだったが、次第にその指が自らの意思で動き出す。
「ぁっ」
彼女はシンプルに彼の大きな手の平で胸を揉ませていたのだが、相手は突然指で先端を挟んできた。彼女がびくりと跳ねて前かがみになると、彼はその背中にぴたりと身体を密着させてきた。彼女を後ろから抱きしめる体勢で、その胸に指を沈ませた彼は、緩急をつけて揉み始める。
「ん、はぁ……ぁあっ……」
きよみは重ねていた手を離し、彼を自由にさせた。自分の予想とは違う動きをする指に翻弄され、ただただ喘いで身をよじる。もたらされる刺激に耐えかねて、時おり仰け反ったり身体を離そうと試みるが、背中に当たる壁のような男の胸板のせいで、逃れることが出来なかった。
悶える彼女の耳に、熱い吐息と裏腹な涼しげな声が言った。
「ホント胸弱いね、きよみちゃん」
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