216 / 244
妖精との出会い
215話 異世界の世直しとはかくも難しいものだ②
しおりを挟む
村長のこぢんまりとした平屋の家の居間で、アタシと山田、村長さんとアタシたちを連れてきた門の兵士さんはテーブルを囲んで椅子に座っていた。
聖女様からの手紙を読んだ、白髭がもっさりとたっぷりあるのに頭はつるつるの小柄な村長は悲壮な顔で私たちの前で頭を下げた。
「あなた様達が神殿から派遣された方と言う事ですね!お願いします村を助けてください!!このままでは残った果樹たちも収穫出来ず終わってしまいます」
村長の言葉に、状況は切迫していると判断し、いまだに解決できるのか甚だ不安でいっぱいではあるが、私と山田はここまで来たらどうにか解決の糸口をつかみたくて、意を決して山田がノートとペンを取り出し質問をした。
「えぇ。とりあえず詳しく現状をお聞きしても良いですか?かなり土地が荒れているみたいですが」
村長さんは悲しそうに俯いて語りだした。
「あれはまだ日差しが強く、朝夕に果樹に水を上げるのが日課になっている者達から突如違和感があるとの報告が来ましてな、ただそれは村の者で狩りなどをするような、気配に敏感な者たちが気づく程度の違和感だったのです。
しかし次第に違和感は霧に変わり、わしらの目にもはっきり視認できるようになった頃には、発生した霧に近い木から果物が取れなくなってきました。
隣村の神官様にも来ていただいて、浄化をしてもらったが、霧は全然晴れず、村の果樹の半分がすでに果物が実らなくなりました。
村長は目の前のコップを両手で強く握り、後悔の言葉を吐いた。
「―――そして今では、村人たちが衰弱していっている、わしがもっと早く教会に相談していれば…」
兵士のお兄さんが痛まし気に村長の背をさすり、「村長が悪いわけじゃない」と励ました。それを聞きながら山田はノートに村長の言葉を書いていく。アタシも村長の言葉を反芻するようにつぶやいた。
「違和感…」
普通の人が違和感があるからって何をどうしようもないよね…本当に”違和感”だけだったのかな?そう思い村長たちに問いかけた。
「霧に触れたらどうなりますか?」
「そうですな…さほどの違和感はないかと――あぁ、でも翌日寝込むものが数名居りましたな」
霧が謎過ぎる…なんだそれ…違和感、違和感―――
アタシが頭をひねっていると、横から山田が質問を投げかけた。
「魔獣などはこちらの村には出ますか?」
「魔獣除けを設置してから10年、村の中で魔獣被害はありませんな。」
その返答に、アタシと山田の中で瘴気という選択肢が消えた。では瘴気でなければ黒い霧とは何だろう…。
「現場を見せてください」
山田は村長にそう言うと席を立った。村長は霧のせいで体調を崩しているため、私たちは兵士のお兄さんに連れられて最初に違和感を感じた場所に連れて行ってもらう事にした。現場に行きながら兵士のお兄さんと山田は軽く話している。
「お聞きしたいのですが、この村に鑑定が出来る人は居ますか?」
「いや、そんないいスキルがあればこんな田舎に居らず都会に出て行くよ」
「そう…ですか」
そんな話をしながら到着した果樹園では、果樹が葉を落とし実がついてない状態で空気が重く淀んでいた。その空気を感じてアタシは身震いする。
「なんかあれだね心霊スポットに来た時の空気のヤバさだね」
「ミホは昔からそう言うの苦手だったもんね」
結婚してから山田がアタシの事を”ミホ”て読んでくれるようになった。ウフフ最高!幸せ!!心の中で叫びながら、愛しの旦那様からプイっと顔を背け悪態をつく。
「悪い!苦手なものは苦手なのよ」
「そう言う所もミホは可愛いよね」
なんてデロ甘な言葉をアタシに向けてくれる旦那様最高!そんな旦那様な山田はいそいそと魔道具を出して装着した。あぁ…あれだ簡易鑑定の魔道具だ。簡単な名称が分かるやつだ。そういう魔道具がこの世界にあったせいで、アタシは聖女なんて呼ばれて、最悪だったけど、便利だよね。山田も元仕事場で使っていたのが便利で、冒険者登録する時、絶対いると高かったけど、簡易鑑定のメガネ型魔道具を買ったんだよね。婿入り道具とか笑ってたな。絶対アタシが嫁に入るんだって言い合いしたの、懐かしいなぁ―――。
山田は簡易鑑定のメガネを付けて辺りを見回しながら、「静かだな」そうポツリとこぼした言葉にアタシは周りを見回した。
確かに、鳥や虫の声すらしない―――風の音すらも…そう感じているとガサガサと草と土を踏みしめる音が耳に入り、音の方向を見ると山田が果樹園の奥に進んで行く所だった。アタシも兵士のお兄さんもその後を追いかける。
山田が果樹園の端だろう場所で立ち止まり辺りを見回していた。アタシも山田の隣に立つと、慎重に辺りを観察した。そこは丘になっており、そこから見る景色はより濃い黒い霧が覆っていた。山田は慎重に姿勢を低くして、丘から真下を見下ろす。するとその丘の真下辺りにここよりも濃い黒い霧が滞留しているのが分かった。兵士のお兄さんは初めて気づいたみたいで息をのむ。山田はその滞留している場所をじっと観察している。
「ミホは風魔法って使えた?」
アタシに話しかけてきた山田の声が思うよりもずっと遠くで話しているような聞こえ方で、先ほどの空気の気味悪さを感じながら少し声を張って返事をした。
「初級のそよ風程度なら」
アタシ達のやり取りを聞いた兵士のお兄さんが会話に割って入った。
「俺が使えます」
「じゃあここからあそこに向けて風で空気が停滞するのを散らしてほしい。ちょっと下に降りてみるね」
「え?大丈夫?ガスとかヤバイやつじゃないの?」
「いや、あれは魔素みたいだね。毒素は無い。ひとまずあそこ、人が2人位は立てそうだから行ってくる」
そう言って立ち上がった山田
ドクン――怖い
ダメ!山田が一人で行ってしまう――ダメ!!
心霊現象とかそう言う怖さより、よっぽど山田を一人で危険な場所に行かせる方が怖い!!
アタシは反射的に立ち上がって、山田のローブを両手でぎゅっとつかんだ。
絶対置いていくな、と言う目で山田を見上げて宣言する。
「アタシも絶対一緒に行く!!」
聖女様からの手紙を読んだ、白髭がもっさりとたっぷりあるのに頭はつるつるの小柄な村長は悲壮な顔で私たちの前で頭を下げた。
「あなた様達が神殿から派遣された方と言う事ですね!お願いします村を助けてください!!このままでは残った果樹たちも収穫出来ず終わってしまいます」
村長の言葉に、状況は切迫していると判断し、いまだに解決できるのか甚だ不安でいっぱいではあるが、私と山田はここまで来たらどうにか解決の糸口をつかみたくて、意を決して山田がノートとペンを取り出し質問をした。
「えぇ。とりあえず詳しく現状をお聞きしても良いですか?かなり土地が荒れているみたいですが」
村長さんは悲しそうに俯いて語りだした。
「あれはまだ日差しが強く、朝夕に果樹に水を上げるのが日課になっている者達から突如違和感があるとの報告が来ましてな、ただそれは村の者で狩りなどをするような、気配に敏感な者たちが気づく程度の違和感だったのです。
しかし次第に違和感は霧に変わり、わしらの目にもはっきり視認できるようになった頃には、発生した霧に近い木から果物が取れなくなってきました。
隣村の神官様にも来ていただいて、浄化をしてもらったが、霧は全然晴れず、村の果樹の半分がすでに果物が実らなくなりました。
村長は目の前のコップを両手で強く握り、後悔の言葉を吐いた。
「―――そして今では、村人たちが衰弱していっている、わしがもっと早く教会に相談していれば…」
兵士のお兄さんが痛まし気に村長の背をさすり、「村長が悪いわけじゃない」と励ました。それを聞きながら山田はノートに村長の言葉を書いていく。アタシも村長の言葉を反芻するようにつぶやいた。
「違和感…」
普通の人が違和感があるからって何をどうしようもないよね…本当に”違和感”だけだったのかな?そう思い村長たちに問いかけた。
「霧に触れたらどうなりますか?」
「そうですな…さほどの違和感はないかと――あぁ、でも翌日寝込むものが数名居りましたな」
霧が謎過ぎる…なんだそれ…違和感、違和感―――
アタシが頭をひねっていると、横から山田が質問を投げかけた。
「魔獣などはこちらの村には出ますか?」
「魔獣除けを設置してから10年、村の中で魔獣被害はありませんな。」
その返答に、アタシと山田の中で瘴気という選択肢が消えた。では瘴気でなければ黒い霧とは何だろう…。
「現場を見せてください」
山田は村長にそう言うと席を立った。村長は霧のせいで体調を崩しているため、私たちは兵士のお兄さんに連れられて最初に違和感を感じた場所に連れて行ってもらう事にした。現場に行きながら兵士のお兄さんと山田は軽く話している。
「お聞きしたいのですが、この村に鑑定が出来る人は居ますか?」
「いや、そんないいスキルがあればこんな田舎に居らず都会に出て行くよ」
「そう…ですか」
そんな話をしながら到着した果樹園では、果樹が葉を落とし実がついてない状態で空気が重く淀んでいた。その空気を感じてアタシは身震いする。
「なんかあれだね心霊スポットに来た時の空気のヤバさだね」
「ミホは昔からそう言うの苦手だったもんね」
結婚してから山田がアタシの事を”ミホ”て読んでくれるようになった。ウフフ最高!幸せ!!心の中で叫びながら、愛しの旦那様からプイっと顔を背け悪態をつく。
「悪い!苦手なものは苦手なのよ」
「そう言う所もミホは可愛いよね」
なんてデロ甘な言葉をアタシに向けてくれる旦那様最高!そんな旦那様な山田はいそいそと魔道具を出して装着した。あぁ…あれだ簡易鑑定の魔道具だ。簡単な名称が分かるやつだ。そういう魔道具がこの世界にあったせいで、アタシは聖女なんて呼ばれて、最悪だったけど、便利だよね。山田も元仕事場で使っていたのが便利で、冒険者登録する時、絶対いると高かったけど、簡易鑑定のメガネ型魔道具を買ったんだよね。婿入り道具とか笑ってたな。絶対アタシが嫁に入るんだって言い合いしたの、懐かしいなぁ―――。
山田は簡易鑑定のメガネを付けて辺りを見回しながら、「静かだな」そうポツリとこぼした言葉にアタシは周りを見回した。
確かに、鳥や虫の声すらしない―――風の音すらも…そう感じているとガサガサと草と土を踏みしめる音が耳に入り、音の方向を見ると山田が果樹園の奥に進んで行く所だった。アタシも兵士のお兄さんもその後を追いかける。
山田が果樹園の端だろう場所で立ち止まり辺りを見回していた。アタシも山田の隣に立つと、慎重に辺りを観察した。そこは丘になっており、そこから見る景色はより濃い黒い霧が覆っていた。山田は慎重に姿勢を低くして、丘から真下を見下ろす。するとその丘の真下辺りにここよりも濃い黒い霧が滞留しているのが分かった。兵士のお兄さんは初めて気づいたみたいで息をのむ。山田はその滞留している場所をじっと観察している。
「ミホは風魔法って使えた?」
アタシに話しかけてきた山田の声が思うよりもずっと遠くで話しているような聞こえ方で、先ほどの空気の気味悪さを感じながら少し声を張って返事をした。
「初級のそよ風程度なら」
アタシ達のやり取りを聞いた兵士のお兄さんが会話に割って入った。
「俺が使えます」
「じゃあここからあそこに向けて風で空気が停滞するのを散らしてほしい。ちょっと下に降りてみるね」
「え?大丈夫?ガスとかヤバイやつじゃないの?」
「いや、あれは魔素みたいだね。毒素は無い。ひとまずあそこ、人が2人位は立てそうだから行ってくる」
そう言って立ち上がった山田
ドクン――怖い
ダメ!山田が一人で行ってしまう――ダメ!!
心霊現象とかそう言う怖さより、よっぽど山田を一人で危険な場所に行かせる方が怖い!!
アタシは反射的に立ち上がって、山田のローブを両手でぎゅっとつかんだ。
絶対置いていくな、と言う目で山田を見上げて宣言する。
「アタシも絶対一緒に行く!!」
125
あなたにおすすめの小説
できない子に転生しましたが、家族と食卓があれば十分です ―人間不信だった私が、ゆっくり育つ異世界生活―
愛朱ひいろ
ファンタジー
人の顔色ばかり伺い、心を壊した26歳の会社員女性。
彼女は死後、異世界で「できない子」として転生する。
魔法は使えない。
体は不器用で、成長も人より遅い。
前世の記憶のせいで、人と関わることが少し怖い。
けれどこの世界には、
見守り支えてくれる両親と、
あたたかい食卓があった。
泣いて、つまずいて、できないことに落ち込みながら、
彼女は少しずつ「できないままでも、生きていていい」と知っていく。
これは、
最強でもチートでもない主人公が、
家族と食事に支えられながら、ゆっくり育ち直す
生活密着型・異世界転生×成長×グルメファンタジー。
……の、予定です。
毎日更新できるように執筆がんばります!
異世界で目覚めたら、もふもふ騎士団に保護されてました ~ちびっ子だけど、獣人たちの平穏のためお世話係がんばります!!~
ありぽん
ファンタジー
神のミスで命を落とした芽依は、お詫びとして大好きな異世界へ転生させてもらえることに。だが転生の際、またしても神のミスで、森の奥地に幼女の姿で送られてしまい。転生の反動で眠っていた瞳は、気づかないうちに魔獣たちに囲まれてしまう。
しかしそんな危機的状況の中、森を巡回していた、獣人だけで構成された獣騎士団が駆け付けてくれ、芽依はどうにかこの窮地を切り抜けることができたのだった。
やがて目を覚ました芽依は、初めは混乱したものの、すぐに現状を受け入れ。またその後、同じ種族の人間側で保護する案も出たが、ある事情により、芽依はそのまま獣騎士団の宿舎で暮らすことに。
そこで芽依は、助けてくれた獣騎士たちに恩を返すため、そして日々厳しい任務に向かう獣人たちが少しでも平穏に過ごせるようにと、お世話係を買って出る。
そんな芽依に、当初は不安だった獣人たちだったが、元気で明るい瞳の存在は、次第に獣人たちの力となっていくのだった。
これはちびっ子転生者の芽依が、獣人や魔獣たちのために奮闘し、癒しとなっていく。そんな、ほっこりまったり? な物語。
三歩先行くサンタさん ~トレジャーハンターは幼女にごまをする~
杵築しゅん
ファンタジー
戦争で父を亡くしたサンタナリア2歳は、母や兄と一緒に父の家から追い出され、母の実家であるファイト子爵家に身を寄せる。でも、そこも安住の地ではなかった。
3歳の職業選別で【過去】という奇怪な職業を授かったサンタナリアは、失われた超古代高度文明紀に生きた守護霊である魔法使いの能力を受け継ぐ。
家族には内緒で魔法の練習をし、古代遺跡でトレジャーハンターとして活躍することを夢見る。
そして、新たな家門を興し母と兄を養うと決心し奮闘する。
こっそり古代遺跡に潜っては、ピンチになったトレジャーハンターを助けるサンタさん。
身分差も授かった能力の偏見も投げ飛ばし、今日も元気に三歩先を行く。
腹違いの妹にすべてを奪われた薄幸の令嬢が、義理の母に殴られた瞬間、前世のインテリヤクザなおっさんがぶちギレた場合。
灯乃
ファンタジー
十二歳のときに母が病で亡くなった途端、父は後妻と一歳年下の妹を新たな『家族』として迎え入れた。
彼らの築く『家族』の輪から弾き出されたアニエスは、ある日義母の私室に呼び出され――。
タイトル通りのおっさんコメディーです。
幻獣保護センター廃棄処理係の私、ボロ雑巾のような「ゴミ幻獣」をこっそり洗ってモフっていたら、実は世界を喰らう「終焉の獣」だった件について
いぬがみとうま🐾
ファンタジー
「魔力なしの穀潰し」――そう蔑まれ、幻獣保護センターの地下で廃棄幻獣の掃除に明け暮れる少女・ミヤコ。
実のところ、その施設は「価値のない命」を無慈悲に殺処分する地獄だった。
ある日、ミヤコの前に運ばれてきたのは、泥と油にまみれた「ボロ雑巾」のような正体不明の幻獣。
誰の目にもゴミとしか映らないその塊を、ミヤコは放っておけなかった。
「こんなに汚れたままなんて、かわいそう」
彼女が生活魔法を込めたブラシで丹念に汚れを落とした瞬間、世界を縛る最凶の封印が汚れと一緒に「流されてしまう。
現れたのは、月光を纏ったような美しい銀狼。
それは世界を喰らうと恐れられる伝説の災厄級幻獣『フェンリル・ヴォイド』だった……。
『外見しか見なかったあなたへ。私はもう、選ぶ側です』
鷹 綾
恋愛
「お前のようなガキは嫌いだ」
幼く見える容姿を理由に、婚約者ライオネルから一方的に婚約を破棄された
公爵令嬢シルフィーネ・エルフィンベルク。
その夜、嫉妬に狂った伯爵令嬢に突き落とされ、
彼女は一年もの間、意識不明の重体に陥る――。
目を覚ました彼女は、大人びた美貌を手に入れていた。
だが、中身は何ひとつ変わっていない。
にもかかわらず、
かつて彼女を「幼すぎる」と切り捨てた元婚約者は態度を一変させ、
「やり直したい」とすり寄ってくる。
「見かけが変わっても、中身は同じです。
それでもあなたは、私の外見しか見ていなかったのですね?」
静かにそう告げ、シルフィーネは過去を見限る。
やがて彼女に興味を示したのは、
隣国ノルディアの王太子エドワルド。
彼が見ていたのは、美貌ではなく――
対話し、考え、異論を述べる彼女の“在り方”だった。
これは、
外見で価値を決められた令嬢が、
「選ばれる人生」をやめ、
自分の意思で未来を選び直す物語。
静かなざまぁと、
対等な関係から始まる大人の恋。
そして――
自分の人生を、自分の言葉で生きるための物語。
---
勇者召喚に失敗したと捨てられましたが、魔王の家政婦になりました。
藤 ゆみ子
ファンタジー
家政婦として働いていた百合はある日、会社の倒産により仕事を失った。
気が沈んだまま家に帰り、おばあちゃんの仏壇に手を合わせていると突然知らない場所にいた。
訳がわからないまま、目の前にいる神官に勇者の召喚に失敗したと魔王の棲む森へと捨てられてしまう。
そして魔物に襲われかけたとき、小汚い男性に助けられた。けれどその男性が魔王だった。
魔王は百合を敵だと認識し、拘束して魔王城へと連れていく。
連れて行かれた魔王城はボロボロで出されたご飯も不味く魔王の生活はひどいありさまだった。
それから百合は美味しいご飯を作り、城を綺麗にし、魔王と生活を共にすることに。
一方、神官たちは本物の勇者を召喚できずに焦っていた。それもそう、百合が勇者だったのだから。
本人も気づかないうちに勇者としての力を使い、魔王を、世界を、変えていく。
追放された荷物持ちですが、実は滅んだ竜族の末裔でした。今さら戻れと言われても、もうスローライフ始めちゃったんで
ソラリアル
ファンタジー
目が覚めたら、俺は孤児だった。
家族も、家も、居場所もない。
そんな俺を拾ってくれたのは、
優しいSランク冒険者のパーティだった。
「荷物持ちでもいい、仲間になれ」
その言葉を信じて、
俺は必死に、置いていかれないようについていった。
自分には何もできないと思っていた。
それでも、少しでも役に立ちたくて、
誰にも迷惑をかけないようにと、
夜な夜な一人でダンジョンに潜り、力を磨いた。
仲間を護れるなら…
そう思って使った支援魔法や探知魔法も、
気づかれないよう、そっと重ねていただけだった。
だけどある日、告げられた。
『ここからは危険だ。荷物持ちは、もう必要ない』
それは、優しさからの判断だった。
俺も分かっていた。だから、何も言えなかった。
こうして俺は、静かにパーティを離れた。
これからは一人で、穏やかに生きていこう。
そう思っていたし、そのはずだった。
…だけど、ダンジョンの地下で古代竜の魂と出会って、
また少し、世界が騒がしくなってきたようです。
◇小説家になろう・カクヨムでも同時連載中です◇
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる