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妖精との出会い
221話 白狼一家は力技で今日も爆走する①
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ドゴン!!
大きな音と共に土煙が舞い上がる。土煙で辺り一面の視界が遮られる中から大きな声が森の中に響く。
「終わったぞぉ!!」
土煙の中から姿を現したのは2mを超える巨体の白狼の獣人。大剣片手にこちらにやってくる。堂々としたその姿に目を細める。
私はエルフゆえなのか、鍛えても鍛えてもまったく筋力が付かず…ギリギリとした思いで魔法師をしている。その私の傍で奴は堂々として憎らしい―――
そんな奴に、私は大きく息を吸って、精一杯の大声で声を掛ける。
「駄狼!! 素材がダメにならないようにって、あれほど言ったのに!
また肉ダメにしただろ!? 魔石は砕いてないだろうな!」
私の言葉に耳をへにょりとした情けない顔の白狼がやってくる。近くに着いた途端私の肩を掴み引き寄せてスリッと身体をすり寄せ、話し出す。
「ササよ…伴侶を気遣う気は無いのか…」
駄狼は半分苦笑いしながら、尻尾を揺らして見上げてくる。
「駄狼は殺しても死なないから良い」
「俺は不老不死ではないから、殺されたら普通に死ぬからな。俺を何だと思ってるんだ」
大きなため息とばかりにこぼした言葉に、私たちに挟まれていた小さな少女が震える声で質問してきた。
「…旦那さん?狼?」
「あぁ、こいつは乱暴者だけど気のいい男だよ。ところでお嬢さんお怪我は?」
「大丈夫…です…」
先ほど魔獣に襲われそうなこの子を助けるための行動だったが、一般の小さな少女には恐ろしかったのだろう。早く親元に連れ帰ってあげなくては。
駄狼は少女を怖がらせないため横ではなく少し後ろを警戒しながら歩く。肩にはカナメの育てていたにんじんがくっついている。少女は抱き上げている私の肩から後ろに居るにんじんを見て、不思議そうにつぶやく。
「にんじん?」
その声と視線を感じた駄狼がニカっと笑い返事をした。
「ははは、可愛いだろ。こいつが孫に会いたくて旅をしてる所だったんだ。こいつのわがままも役に立つときがあるな嬢ちゃん」
駄狼の言葉にコクコクと縦に頭を揺らす少女に微笑みながら、私たちは近くの村まで歩いて行く。
今回カナメたちの住む辺境に進むべくドラゴンのセルジュの背に乗って移動中――
魔獣に襲われている小隊や、村、冒険者を助けながらここまで来た。
―――この少女の救出で8回目…これはほんとに何かおかしなことが起こっているのではないのか?
私の横をフヨフヨと浮かびながら辺りを見回す契約精霊のヴィーチェはずっと西の方を気にしていた。その姿を駄狼も見ながら、
「それにしてもなんだろうな…辺境に向かう途中にこう何度も魔物を見るのは…どこかで異変が起きているのかもな…」
その言葉に反応したのは、ヴィーチェ。先ほどからずっと気にしていた西の方角を見ながら考えながら話す。
『西の国だよ。地脈が乱れて大気中の魔素がおかしくなっている。小さき者達も落ち着きがない…あそこは火竜の眠る山脈があるはずだが…何かあったのかもしれないな』
「西の国…か…」
ヴィーチェの言葉に反応した私を見ながら少女は不思議そうに首を傾げた。
「お姉さん?西がどうしたの?」
契約精霊と言えど、見える人間は少ない。この少女も見えない人間なんだな…そう思いながら笑いかけた。
「あぁ…何でもないよ。独り言だ。それと―――
お嬢さん、私はお姉さんじゃなくて、お兄さんなんだよ」
少女はにんじんを見た時よりも驚いた顔をして固まった。解せぬ。
そんな私の気持ちなど知らない駄狼は飄々とおせっかいな事を言い始めた。
「ササ―ここいら辺の魔物なら普通の冒険者で対応可能だ。ちと魔物の出る森側を調べてみた方が良いかもしれんぞ」
戦いの後とは思えないほど、駄狼はいつも通りの調子だった。
まったく、この調子で聖女様に良いように使われるんだから―――
「はいはい。ただ働きはしないから。しっかり聖女様に連絡して報酬決めてから動くよ」
「はいはい。で希望は?」
ニヤニヤと私の顔を覗きながら話す駄狼にイラっとしながら要望をきっちり伝える。
「羊羹20本と新茶2kgは欲しい。あとエドから最近聖女様が作ったお芋のお菓子もおいしかったって」
「ほいほい。交渉してくるわ」
私の頭に大きな手をポンと乗っけてワシワシと優しくなでると、通信の魔道具を用意して離れながら嬉しそうに笑う。
「ほんとうちの奥さんは甘いものが好きだな。俺にもお礼とかくれるんだよな?」
「うっせ!―――交渉成功したら、夜に駄狼も甘やかしてやる…から…
――――気合い入れろよ」
「任せておけ!!楽しみだな」
「交渉成功してからぬかせ!バカ狼」
私は顔を真っ赤にして離れていく駄狼を見る。そして気づく…
少女を抱っこしたままだったことに…
おそるおそる少女に視線を向けると、私と同じように真っ赤になっていた…
意味わかったの君…
恥ずかしいぃ――――――
そんな私たちを呆れた顔でヴィーチェは見てた。超見てた!凄くあきれた残念なものを見る目で―――
『主らも変わらんの…まぁほどほどにな』
ヴィーチェはそう言うと西の森の方向を見た。
森は先ほどの戦闘が嘘のような静けさに包まれ、木々が風に揺れる。
その静けさの中、私は赤い顔のまま少女を抱き直した。
大きな音と共に土煙が舞い上がる。土煙で辺り一面の視界が遮られる中から大きな声が森の中に響く。
「終わったぞぉ!!」
土煙の中から姿を現したのは2mを超える巨体の白狼の獣人。大剣片手にこちらにやってくる。堂々としたその姿に目を細める。
私はエルフゆえなのか、鍛えても鍛えてもまったく筋力が付かず…ギリギリとした思いで魔法師をしている。その私の傍で奴は堂々として憎らしい―――
そんな奴に、私は大きく息を吸って、精一杯の大声で声を掛ける。
「駄狼!! 素材がダメにならないようにって、あれほど言ったのに!
また肉ダメにしただろ!? 魔石は砕いてないだろうな!」
私の言葉に耳をへにょりとした情けない顔の白狼がやってくる。近くに着いた途端私の肩を掴み引き寄せてスリッと身体をすり寄せ、話し出す。
「ササよ…伴侶を気遣う気は無いのか…」
駄狼は半分苦笑いしながら、尻尾を揺らして見上げてくる。
「駄狼は殺しても死なないから良い」
「俺は不老不死ではないから、殺されたら普通に死ぬからな。俺を何だと思ってるんだ」
大きなため息とばかりにこぼした言葉に、私たちに挟まれていた小さな少女が震える声で質問してきた。
「…旦那さん?狼?」
「あぁ、こいつは乱暴者だけど気のいい男だよ。ところでお嬢さんお怪我は?」
「大丈夫…です…」
先ほど魔獣に襲われそうなこの子を助けるための行動だったが、一般の小さな少女には恐ろしかったのだろう。早く親元に連れ帰ってあげなくては。
駄狼は少女を怖がらせないため横ではなく少し後ろを警戒しながら歩く。肩にはカナメの育てていたにんじんがくっついている。少女は抱き上げている私の肩から後ろに居るにんじんを見て、不思議そうにつぶやく。
「にんじん?」
その声と視線を感じた駄狼がニカっと笑い返事をした。
「ははは、可愛いだろ。こいつが孫に会いたくて旅をしてる所だったんだ。こいつのわがままも役に立つときがあるな嬢ちゃん」
駄狼の言葉にコクコクと縦に頭を揺らす少女に微笑みながら、私たちは近くの村まで歩いて行く。
今回カナメたちの住む辺境に進むべくドラゴンのセルジュの背に乗って移動中――
魔獣に襲われている小隊や、村、冒険者を助けながらここまで来た。
―――この少女の救出で8回目…これはほんとに何かおかしなことが起こっているのではないのか?
私の横をフヨフヨと浮かびながら辺りを見回す契約精霊のヴィーチェはずっと西の方を気にしていた。その姿を駄狼も見ながら、
「それにしてもなんだろうな…辺境に向かう途中にこう何度も魔物を見るのは…どこかで異変が起きているのかもな…」
その言葉に反応したのは、ヴィーチェ。先ほどからずっと気にしていた西の方角を見ながら考えながら話す。
『西の国だよ。地脈が乱れて大気中の魔素がおかしくなっている。小さき者達も落ち着きがない…あそこは火竜の眠る山脈があるはずだが…何かあったのかもしれないな』
「西の国…か…」
ヴィーチェの言葉に反応した私を見ながら少女は不思議そうに首を傾げた。
「お姉さん?西がどうしたの?」
契約精霊と言えど、見える人間は少ない。この少女も見えない人間なんだな…そう思いながら笑いかけた。
「あぁ…何でもないよ。独り言だ。それと―――
お嬢さん、私はお姉さんじゃなくて、お兄さんなんだよ」
少女はにんじんを見た時よりも驚いた顔をして固まった。解せぬ。
そんな私の気持ちなど知らない駄狼は飄々とおせっかいな事を言い始めた。
「ササ―ここいら辺の魔物なら普通の冒険者で対応可能だ。ちと魔物の出る森側を調べてみた方が良いかもしれんぞ」
戦いの後とは思えないほど、駄狼はいつも通りの調子だった。
まったく、この調子で聖女様に良いように使われるんだから―――
「はいはい。ただ働きはしないから。しっかり聖女様に連絡して報酬決めてから動くよ」
「はいはい。で希望は?」
ニヤニヤと私の顔を覗きながら話す駄狼にイラっとしながら要望をきっちり伝える。
「羊羹20本と新茶2kgは欲しい。あとエドから最近聖女様が作ったお芋のお菓子もおいしかったって」
「ほいほい。交渉してくるわ」
私の頭に大きな手をポンと乗っけてワシワシと優しくなでると、通信の魔道具を用意して離れながら嬉しそうに笑う。
「ほんとうちの奥さんは甘いものが好きだな。俺にもお礼とかくれるんだよな?」
「うっせ!―――交渉成功したら、夜に駄狼も甘やかしてやる…から…
――――気合い入れろよ」
「任せておけ!!楽しみだな」
「交渉成功してからぬかせ!バカ狼」
私は顔を真っ赤にして離れていく駄狼を見る。そして気づく…
少女を抱っこしたままだったことに…
おそるおそる少女に視線を向けると、私と同じように真っ赤になっていた…
意味わかったの君…
恥ずかしいぃ――――――
そんな私たちを呆れた顔でヴィーチェは見てた。超見てた!凄くあきれた残念なものを見る目で―――
『主らも変わらんの…まぁほどほどにな』
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