安全第一異世界生活

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番外編・召喚された者達

169話 番外編④ 山田との出会いと・紬木との別れ

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みんなーーアタシ召喚されて良かったって初めて思えたよ!!だってだって!!!
山田が居たんだよ!!山田!!!ナイジェル山田=山田だったんだよ!!何コレ夢落ちなら冷めないで!!と言うわけで、友人には早速紹介!!

「紬木ーこれアタシの彼ぴ♡」

「彼氏?ミホ騙されてない?だってこの国に来て、まだ一カ月よ?」

私の横には背丈は私より少し低く茶髪で前髪がもさっとしていて、さらに瓶底メガネをかけたおどおどした男性。紬木が目を見開いて困惑して、アタシを心配して声を掛けたが、私はチッチッチっと彼女の前で指を立てて横に軽く振る。

「フフフこの山田。転生者だよ 」

「……え?」

紬木は硬直した。ゆっくり5秒たってもう一度「え?」っと返事をした。

「僕…えっと曽根さんに告白して…て、でも返事貰えないまま死んじゃって…気づいたら、ナイジェル家の3男に産まれてました。はい今21歳です」

紬木の方を見ながら顔を真っ赤にして、しどろもどろと話す山田を見て、両頬を包み自分に顔を向けさせる。

「山田の彼ぴはアタシ!なーにその真っ赤な顔。やきもち焼かせたいの?意地悪しちゃうぞ!!」

そう言ってそのまま口にちゅっとキスをした。山田の顔がゆでだこの様に真っ赤になった。かわいい~~この反応いい。これぞ山田。大好き。そう言って山田の頭を抱え込みすりすりしてるアタシに紬木は顔を真っ赤にして

「ミホが幸せなら良いの。山田さんミホの事お願いします」

そう言って笑った紬木の顔は女神さまの様に美しかった。

「で、紬木は王子様落とせた?」

「ウィル様は私にはもったいない方よ」

先ほどまでの女神のお顔がしょげしょげの小動物並みに庇護欲をそそる表情に…くそぉこれが天然凄いな!!紬木マジ天使。でもそんな天使を守るのにあの王子様は大変有用だもの。紬木の彼ぴにするのが一番いいけど、まだまだ手も繋げないらしいから、気長にいかなきゃね。

さてさて紬木には王太子のウィルフレッド殿下が後見についた事できちんと魔法特性を調べたら防御。争いごとが怖い紬木の心からの安堵になった。実はそれ以外も結構使えるけど隠ぺいが出来るらしく魔道具の鑑定ではわからないらしい。グッジョブ紬木。あの王様信用ならんから、そうするのが一番いいと思う。

そんで、アタシ今すっごい噂が広まってるの。
『聖女の癖に、浄化が出来ない上に、毎晩騎士を寝所に誘う淫乱聖女』
酷い言われようでしょう。でもコレで良い。下手な貴族はこんな女とは縁を繋ぎたくないだろうし、男さえあてがっていれば良いと思っててくれるのが最上。
なんせ私の後見が騎士団長様だからね。折を見て逃げ出すと言うのも言ってあるので問題ない。なんせ私が助けた騎士様の婚約者が、騎士団長様の娘だったんだって。いつでも自由になっていいとお墨付きを頂いている。山田も付いて来てくれるって言うし、紬木が王子様とくっつけばいつでも逃走するぞ!!って思っていたんだけど…

「は?隣国に行く?」

紬木はアタシの手を掴み静かに頷いた。顔を上げた彼女の目には凛とした意志が感じられて、アタシは言葉に詰まった。

「陛下が何をしようとしているのか、分かったの。このままでは隣国の人たちの命が……私、転移も使える様になったから、ウィル様と一緒に隣国にこの危機をお知らせしに行ってきます」

争いが苦手な紬木は、あまり自分から積極的にもめごとには入らないけれど、王子様が関わると頑張ろうとする。王子様の事思っているのが丸わかり。実は紬木が王子様の横に居る事を周りの令嬢たちがうるさく言っていたけれど、妃陛下がそんな令嬢たちを黙らせて、紬木の擁護をした事で、妃陛下公認となって、王子様も積極的に紬木を口説いて居るのが傍から見ててわかる。まあ優しいし、紳士的だし、アタシもあの王子様なら紬木の彼ぴとして認めようって思う。

「紬木、強くなったね。女は度胸よ!王子様守ってやんなよ!」

「はい!行ってきますミホ」

そう言って、元気に旅立って行った。この世界に来てアタシが守ってあげなきゃって思っていた彼女は、好きな人が出来て、アタシの手元から飛び立って行った。寂しいな…そう思ってると、そっと頭を撫でられた。

「曽根さんには…僕が付いてるから。それじゃダメかな?」

自信なさげだけど、顔真っ赤だけど、この優しさが山田の良い所。そんな山田と異世界二人旅…良いな。うん良い。
アタシもそろそろここを旅立つ準備をしようとニンマリ口角を上げた。

紬木と王子様が旅立って2日で戻って来た。王子様は急ぎ、妃殿下に報告に行き、紬木は私の所にやって来た。その時ようやく王様たちが何しようかって全貌を聞かされて、隣国にけが人が大量に出るかもと相談された。

「じゃあ、ひとまずアタシと山田そろそろ国を出ようと思っているから、隣国行ってみるわ。騎士団長に挨拶しようと思って残ってるだけなんだよね」

後見の騎士団長が、ドラゴンがどうとか言って、王様の命令でちょっと首都を離れている。戻ってきたら挨拶だけして消えようと思ってたんだけど…隣国に行くのも良いか。

「そう、隣国で日本人に出会ったの。とてもかわいい少女だったわ」

「日本人。へー私達以外にも召喚された人が居るんだ」

「どうかな?見た目のわりにかなりしっかりしたお子様だったし、お父様が居たし。突然消えるし。とても変わった方だった。でもお母さんみたいに優しい人だったわ」

「それは、会ってみたいな。隣国の隣国。オーラシアンの冒険者だって」

「冒険者!それって異世界職業の定番じゃん。旅をするには良い職業じゃん!」

アタシのテンションに紬木はクスクス笑いながら、オーラシアン王国には20年前召喚された聖女様が居て、同郷だと思うと教えてくれた。同じ聖女だし、力の使い方を教えてもらえるかもと。そして紬木は王子様の元に帰って行った。

騎士団長が帰って来て、一緒に行っていた騎士達もボロボロで、ビックリしたけど全員癒したよ。そしてアタシたちが国を出ることを言うと、騎士団長は優しく笑って「無理やりにこの世界に連れてきて申し訳なかった」と頭を下げてくれた。

「定期的に紬木には会いに来るから、その時はよろしくね」

そう言って、山田と一緒に本当に出発の挨拶に紬木に会いに王子様の離宮に忍び込んで目撃したのは、頭から血をながしながら王子様を支え、杖を構える紬木だった。
アタシがその光景に硬直している間に紬木は王子様を抱きしめて一緒に消えた。転移だ。

「なぁ!転移だと。あの娘!!力を隠していたのか!!」

そう叫んだのは王様の腰ぎんちゃくのドルマン卿…嫌味な男。その手には血の付いた短剣…それを見たアタシは、山田に身体を預け寄りかかりながら、自分でも何を思ったのか分からない、悪役令嬢のごとく高笑いを披露していた。
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