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第42話 ルーシーの攻撃魔法
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「それでは、試合開始!」
いきなり始まった!
かと思ったら、私たちを除く七組全てがこっちを向いている気がするんだけど。
気のせいよね? ……うん、違うね。思いっきり、私たちに向かって来ているね。
「ローランドさん。もしかして、嫌われてます?」
「マジか。それは悲しいな」
「違うわよっ! ローランドが強いから、皆で最初に倒そうって考えただけで、す……好きとか嫌いだなんて、一度も言って無いじゃない!」
突然、生徒会の副会長メリッサさんが叫びだしたけど……よく、私の声が聞こえたわね。
そんな大きな声で話した訳じゃないのに。
「待った。君たちはそう考えたのかもしれないが、僕も同じと思わないで欲しい」
「ケヴィン王子の言う通りです。我々は正々堂々と最強と言われる生徒会長殿に挑もうとしているだけですから」
「いや、アナタ達こそ卑怯でしょうが! 二人ペアっていうルールなのに、実質四人チームじゃない!」
うん。私もメリッサさんの意見に同感かな。
近衛騎士でしょ? 別チームって言っても、ケヴィン王子に従うに決まっているもんね。
「ふっ……それならば、お前たちもそうだろう? よく分からないクラブに名前を変えて偽装しているが、同じ生徒会ではないか」
「それは、ローランドが私の誘いを断ったりしたから……」
断ったの!? それなのに、ローランドさんは私と出ているの!?
それは怒られるというか、完全なとばっちりだけど、睨まれる理由が分かった気がする。……気がするんだけど、何だかなぁ。
って、そんな事を考えているうちに、攻撃魔法が飛んで来たっ!
「≪ウインド・シールド≫」
「ローランドさん! ありがとうございます」
「どういたしまして。じゃた、防御は俺がやるから、ルーシーは攻撃を頼むよ」
「えっ!? わ、私魔法は……」
「さぁ、俺の防御魔法が突破されないうちに、頼むよ」
「えぇぇぇっ!?」
ローランドさんは本当に防御へ徹するつもりで、攻撃する気配が無い。
元々、負けても良いとは言われていたけど、実はローランドさんは生徒の中で最強の存在らしくて……わ、私のせいで負けちゃったりしたらマズいよね!?
でも、私が使える攻撃魔法は木魔法だから、こんな皆が見ている前で使う訳にはいかない。
となると、攻撃に向いた火魔法を使うしかなくて……
「よし、ルーシー。頑張れ」
「ちょ、ちょっとローランド! その一年生に近過ぎよっ! あ、頭をポンポンだなんて……この、バカローランド! 私には、そんなの一度もした事ないくせにーっ!」
「ほら、ルーシー。メリッサが火魔法で攻撃してきたぞ。相殺してくれ」
ローランドさんが、俺は手を出さないぞ……と言いたげに、声を掛けてきた。
相殺って事は、同じ火魔法をぶつけろって事だろうけど、そもそも火魔法が使えない上に、よく考えたら火の攻撃魔法を知らないのよ!
……って、ローランドさん!? どうして防御魔法を解除したの!?
しかも、そんな状態で、メリッサさんの火魔法には目も向けず、私を見つめてくる。
うぅ……私がやるしかないのね?
世界樹の杖を手にしながら意識を集中させ、火の魔法を……
「いや、やっぱり無理っ! ≪クリエイト・ウォーター≫」
全く火魔法が出来る気がしないし、目の前にメリッサさんの火の攻撃魔法も迫ってきているので、とりあえずその攻撃魔法を打ち消そうと、全力で水を作り出す。
滝のような水が生み出され、狙い通りメリッサさんの火魔法を消す事は出来たんだけど、
「はっはっは。いやー、まさかこうなるとはな。流石はルーシーだ。予想外だったよ」
前にケヴィン王子の騎士たちに落とした水よりも、遥かに凄い勢いの水を生み出してしまい、私たち以外の全員をあっという間に場外へ押し流してしまった。
いきなり始まった!
かと思ったら、私たちを除く七組全てがこっちを向いている気がするんだけど。
気のせいよね? ……うん、違うね。思いっきり、私たちに向かって来ているね。
「ローランドさん。もしかして、嫌われてます?」
「マジか。それは悲しいな」
「違うわよっ! ローランドが強いから、皆で最初に倒そうって考えただけで、す……好きとか嫌いだなんて、一度も言って無いじゃない!」
突然、生徒会の副会長メリッサさんが叫びだしたけど……よく、私の声が聞こえたわね。
そんな大きな声で話した訳じゃないのに。
「待った。君たちはそう考えたのかもしれないが、僕も同じと思わないで欲しい」
「ケヴィン王子の言う通りです。我々は正々堂々と最強と言われる生徒会長殿に挑もうとしているだけですから」
「いや、アナタ達こそ卑怯でしょうが! 二人ペアっていうルールなのに、実質四人チームじゃない!」
うん。私もメリッサさんの意見に同感かな。
近衛騎士でしょ? 別チームって言っても、ケヴィン王子に従うに決まっているもんね。
「ふっ……それならば、お前たちもそうだろう? よく分からないクラブに名前を変えて偽装しているが、同じ生徒会ではないか」
「それは、ローランドが私の誘いを断ったりしたから……」
断ったの!? それなのに、ローランドさんは私と出ているの!?
それは怒られるというか、完全なとばっちりだけど、睨まれる理由が分かった気がする。……気がするんだけど、何だかなぁ。
って、そんな事を考えているうちに、攻撃魔法が飛んで来たっ!
「≪ウインド・シールド≫」
「ローランドさん! ありがとうございます」
「どういたしまして。じゃた、防御は俺がやるから、ルーシーは攻撃を頼むよ」
「えっ!? わ、私魔法は……」
「さぁ、俺の防御魔法が突破されないうちに、頼むよ」
「えぇぇぇっ!?」
ローランドさんは本当に防御へ徹するつもりで、攻撃する気配が無い。
元々、負けても良いとは言われていたけど、実はローランドさんは生徒の中で最強の存在らしくて……わ、私のせいで負けちゃったりしたらマズいよね!?
でも、私が使える攻撃魔法は木魔法だから、こんな皆が見ている前で使う訳にはいかない。
となると、攻撃に向いた火魔法を使うしかなくて……
「よし、ルーシー。頑張れ」
「ちょ、ちょっとローランド! その一年生に近過ぎよっ! あ、頭をポンポンだなんて……この、バカローランド! 私には、そんなの一度もした事ないくせにーっ!」
「ほら、ルーシー。メリッサが火魔法で攻撃してきたぞ。相殺してくれ」
ローランドさんが、俺は手を出さないぞ……と言いたげに、声を掛けてきた。
相殺って事は、同じ火魔法をぶつけろって事だろうけど、そもそも火魔法が使えない上に、よく考えたら火の攻撃魔法を知らないのよ!
……って、ローランドさん!? どうして防御魔法を解除したの!?
しかも、そんな状態で、メリッサさんの火魔法には目も向けず、私を見つめてくる。
うぅ……私がやるしかないのね?
世界樹の杖を手にしながら意識を集中させ、火の魔法を……
「いや、やっぱり無理っ! ≪クリエイト・ウォーター≫」
全く火魔法が出来る気がしないし、目の前にメリッサさんの火の攻撃魔法も迫ってきているので、とりあえずその攻撃魔法を打ち消そうと、全力で水を作り出す。
滝のような水が生み出され、狙い通りメリッサさんの火魔法を消す事は出来たんだけど、
「はっはっは。いやー、まさかこうなるとはな。流石はルーシーだ。予想外だったよ」
前にケヴィン王子の騎士たちに落とした水よりも、遥かに凄い勢いの水を生み出してしまい、私たち以外の全員をあっという間に場外へ押し流してしまった。
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