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第43話 優勝賞品
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「な、なんと! 一撃で全員場外負け! まさかの秒殺! 優勝は菜園クラブペアです! しかもこの状況は、生徒最強のローランドではなく、一年生のルーシーによって作り出されましたーっ!」
司会の人の声が、会場内に響き渡り……あれ? 誰か来た。
「では、優勝した菜園クラブペアにインタビューをしたいと思います。先ずは、一撃で全員を倒すという、前代未聞の勝ち方をされたルーシーさん。一言お願い致します」
「……え? えぇっ!?」
「あ、何でも良いですよ? ルーシーさんとローランドさんの関係とかでも」
「はいっ!? わ、私たちはただの先輩と後輩ですけどっ!?」
何故、私が全生徒の前で喋っているんだろうと思いつつ、何とかインタビューが終わる。
あ……後半、何を喋っていたか、殆ど覚えてないんだけど。
そこから、優勝賞品を貰って……って、腕輪?
何だろうと思いつつ、一先ず受け取っておく。
ときメイの一年生の時は、魔法大会に参加出来ないから、このアイテムが何か分からないや。
二年生や三年生での優勝賞品は、もちろん知っているんだけどね。
「いやー。しかし、あそこで水魔法とは思わなかったな」
「え? だってローランドさんがメリッサさんの魔法を何とかしろって言うから……」
「俺としては、あれでルーシーが火魔法が使える様になれば……って思ったんだよ」
「でも、火魔法にチャレンジして、使えなかったら負けちゃってましたよ?」
「それはそれで構わないさ。何度か伝えたけど、俺としては本当に負けても構わなかったからね」
なるほど。それで、防御魔法を解いてまで私にプレッシャーを掛けていたんだ。
「でも、それで負けちゃったら、最強の名が泣きますよ?」
「それも興味ないよ。そもそも魔法大会に出た事ないのも本当だし、単に俺が使えるスキルの数が多い事と、実技試験の成績が良いから、勝手に最強って周りが呼んでいるだけさ。俺自身は、そんな事思ってないからね」
そういうものなんだ。
まぁ価値観なんて人それぞれだし、私も最強の称号なんていらないし。
それより、カッコ良い男性と仲睦まじくなって、イチャイチャしたいかな。
……まぁこの学園にいる間は無理だけど。
バッドエンド確定の悪役令嬢は辛いわね。
「そういえば、ローランドさん。これって何かご存知ですか?」
「これ? 守りの腕輪っていうアイテムだよ。デザインとかが嫌いじゃなければ、身に付けておくと良いよ」
「ま、守りの腕輪っ!?」
それって、クリア後の隠しダンジョンで手に入れられる、主人公の最強防具の一つじゃない!
それが、こんなにあっさり手に入っちゃったの!?
とりあえず、すぐに身につけると、魔法防御力がグンと上がる。
一年生の時の低ステータスだけど、世界樹の杖と守りの腕輪のおかげで、後衛としてならダンジョンにだって行けるくらいの魔力と、魔法防御力になってしまった。
そんな事を考えていると、びしょ濡れになったメリッサさんが近付いてきて、口を開く。
「ま、待ちなさいよっ! くっ……優勝賞品の腕輪は……」
「メリッサ副会長! だ、ダメですよ! 私たちは負けたんです!」
「そんな事、分かっているわよ! だけど……あぁっ! 既に身につけてるっ! ローランドとお揃いの腕輪……う、羨ましくなんかないんだからぁぁぁっ!」
あ、そういう理由?
メリッサさんはローランドさんの事が好きなんだろうなーと察してしまったが、これは最強装備の一つなので、申し訳ないんだけど、簡単にはあげられない。
でも、凄い勢いでメリッサさんが腕輪を見つめていて……
「なんだ、メリッサはこの腕輪が欲しかったのか。俺は腕輪を身につけるつもりは無いから、あげるよ」
「え? ろ、ローランドからのプレゼント……え、えへへ」
ローランドさんがメリッサさんに守りの腕輪をプレゼントし、物凄く喜んでいた。
しかし、最強防具をあっさりと……でも、ローランドさんが良いなら、まぁいっか。
司会の人の声が、会場内に響き渡り……あれ? 誰か来た。
「では、優勝した菜園クラブペアにインタビューをしたいと思います。先ずは、一撃で全員を倒すという、前代未聞の勝ち方をされたルーシーさん。一言お願い致します」
「……え? えぇっ!?」
「あ、何でも良いですよ? ルーシーさんとローランドさんの関係とかでも」
「はいっ!? わ、私たちはただの先輩と後輩ですけどっ!?」
何故、私が全生徒の前で喋っているんだろうと思いつつ、何とかインタビューが終わる。
あ……後半、何を喋っていたか、殆ど覚えてないんだけど。
そこから、優勝賞品を貰って……って、腕輪?
何だろうと思いつつ、一先ず受け取っておく。
ときメイの一年生の時は、魔法大会に参加出来ないから、このアイテムが何か分からないや。
二年生や三年生での優勝賞品は、もちろん知っているんだけどね。
「いやー。しかし、あそこで水魔法とは思わなかったな」
「え? だってローランドさんがメリッサさんの魔法を何とかしろって言うから……」
「俺としては、あれでルーシーが火魔法が使える様になれば……って思ったんだよ」
「でも、火魔法にチャレンジして、使えなかったら負けちゃってましたよ?」
「それはそれで構わないさ。何度か伝えたけど、俺としては本当に負けても構わなかったからね」
なるほど。それで、防御魔法を解いてまで私にプレッシャーを掛けていたんだ。
「でも、それで負けちゃったら、最強の名が泣きますよ?」
「それも興味ないよ。そもそも魔法大会に出た事ないのも本当だし、単に俺が使えるスキルの数が多い事と、実技試験の成績が良いから、勝手に最強って周りが呼んでいるだけさ。俺自身は、そんな事思ってないからね」
そういうものなんだ。
まぁ価値観なんて人それぞれだし、私も最強の称号なんていらないし。
それより、カッコ良い男性と仲睦まじくなって、イチャイチャしたいかな。
……まぁこの学園にいる間は無理だけど。
バッドエンド確定の悪役令嬢は辛いわね。
「そういえば、ローランドさん。これって何かご存知ですか?」
「これ? 守りの腕輪っていうアイテムだよ。デザインとかが嫌いじゃなければ、身に付けておくと良いよ」
「ま、守りの腕輪っ!?」
それって、クリア後の隠しダンジョンで手に入れられる、主人公の最強防具の一つじゃない!
それが、こんなにあっさり手に入っちゃったの!?
とりあえず、すぐに身につけると、魔法防御力がグンと上がる。
一年生の時の低ステータスだけど、世界樹の杖と守りの腕輪のおかげで、後衛としてならダンジョンにだって行けるくらいの魔力と、魔法防御力になってしまった。
そんな事を考えていると、びしょ濡れになったメリッサさんが近付いてきて、口を開く。
「ま、待ちなさいよっ! くっ……優勝賞品の腕輪は……」
「メリッサ副会長! だ、ダメですよ! 私たちは負けたんです!」
「そんな事、分かっているわよ! だけど……あぁっ! 既に身につけてるっ! ローランドとお揃いの腕輪……う、羨ましくなんかないんだからぁぁぁっ!」
あ、そういう理由?
メリッサさんはローランドさんの事が好きなんだろうなーと察してしまったが、これは最強装備の一つなので、申し訳ないんだけど、簡単にはあげられない。
でも、凄い勢いでメリッサさんが腕輪を見つめていて……
「なんだ、メリッサはこの腕輪が欲しかったのか。俺は腕輪を身につけるつもりは無いから、あげるよ」
「え? ろ、ローランドからのプレゼント……え、えへへ」
ローランドさんがメリッサさんに守りの腕輪をプレゼントし、物凄く喜んでいた。
しかし、最強防具をあっさりと……でも、ローランドさんが良いなら、まぁいっか。
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