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挿話1 攻略対象:ケヴィン王子
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「面白い女だな」
ホール裏でいつもの訓練を行っていると、変な女が乱入してきて……近衛騎士たちを無力化し、俺の誘いを断って去って行った。
「ケヴィン様。宜しいのですか? あれ程の魔力の持ち主です。逃してしまうのは、いささか勿体無いかと」
「そうだな。だが、魔法大会に出ると言っていただろう。俺様の誘いを断ったんだ。全生徒の前で潰してやろうではないか」
「なるほど、そういう事ですか。先程は不意打ちでやられましたが、正面から戦えば我らが負ける理由はありませんからな」
そう言って、近衛騎士のリーダーが大声で笑いだす。
俺としては、近衛騎士なのだから、不意打ちだろうと何だろうと、俺を守れなければ価値が無いのだが……まぁまだ正規の騎士ではないからな。
騎士見習いが、親の七光りで直接俺様の側に居られるだけだ。
まぁこの魔法学園に居る三年間に、せいぜい俺様の覚えを良くしておくんだな。
それより、生徒会長のローランドか。あの、入学式で在校生代表として挨拶をしていた奴か。
ローランドをあっさり倒し、先程の女を俺様の部下にするのと、学園最強の名を両方得るチャンスだな。
それまで、コイツらをしっかり鍛えなけれぱ。
……
魔法大会決勝戦の当日。
何故かローランドが防御魔法を解いた所で、
「クリエイト・ウォーター」
司会からルーシーと呼ばれていた、あの女が水を生み出す。
ふっ……それを見越して、耐水魔法効果のある靴を騎士たちに履かせているからな。
俺様たちに水魔法は効かな……な、なんだ!? この水の量はっ!?
滝のような……いや、津波と言うべきか!?
恐ろしい量の水が迫ってきて、押し流されるっ!
み、水耐性の装備を用意しておいたのに!
……耐性を無視する類の魔法なのか? しかし、どう見てもただの水を生み出すだけの魔法だ。
やはり、ルーシーの魔力が桁違いに多いだけか。
「だが、俺様は負けぬっ! お前たち! 水を止めろっ!」
「はっ! アース・ウォール! ……だ、駄目ですっ! 水の勢いが凄すぎます!」
「くっ! ならば、俺がやる! ウインド・シールド!」
火、水、土、風の四元素には、それぞれ相関……相性の良し悪しがある。
水は火に強いが、風には弱い。
つまり、水魔法で風の盾を突破する事は出来ないのだ!
「おぉ、流石ケヴィン様! 我らの前から水を……え?」
「次はこちらからの反撃……って、おい! 風魔法だぞ!? どうして水魔法で……というか、一体どれだけの量の水が出せるんだっ!?」
「ケヴィン様……お許しを。もう、無理で……」
「おぉぃっ! その巨体で転がってくるなっ! 俺様まで巻き添えに……ぐほぁっ!」
気付いた時には、見事に全員流されたらしく、司会がルーシーたちの優勝を告げていた。
しかも、意味不明なローランドとの馴れ初めを語って……よく、そんな話を人前で話せるな。
先程の様子を見る限りでは、ローランドに気がありそうな副会長が激怒しそうだが……まぁ俺の知った事ではない。
「ケヴィン様。申し訳ありません」
「いや、仕方がない。だが、あのルーシーとやらは、俺の思っていた以上だったようだ。……おい、あの女生徒の事を調べ上げろ。生まれや家族はもちろん、交友関係や放課後や休日の過ごし方に、趣味や好きな食べ物、貰うと嬉しいプレゼントなど、とにかくあらゆる事をだ」
「か、畏まりました」
「ふふ……ルーシー。面白い女だ。何としても、俺のモノにしてやるぞ」
ホール裏でいつもの訓練を行っていると、変な女が乱入してきて……近衛騎士たちを無力化し、俺の誘いを断って去って行った。
「ケヴィン様。宜しいのですか? あれ程の魔力の持ち主です。逃してしまうのは、いささか勿体無いかと」
「そうだな。だが、魔法大会に出ると言っていただろう。俺様の誘いを断ったんだ。全生徒の前で潰してやろうではないか」
「なるほど、そういう事ですか。先程は不意打ちでやられましたが、正面から戦えば我らが負ける理由はありませんからな」
そう言って、近衛騎士のリーダーが大声で笑いだす。
俺としては、近衛騎士なのだから、不意打ちだろうと何だろうと、俺を守れなければ価値が無いのだが……まぁまだ正規の騎士ではないからな。
騎士見習いが、親の七光りで直接俺様の側に居られるだけだ。
まぁこの魔法学園に居る三年間に、せいぜい俺様の覚えを良くしておくんだな。
それより、生徒会長のローランドか。あの、入学式で在校生代表として挨拶をしていた奴か。
ローランドをあっさり倒し、先程の女を俺様の部下にするのと、学園最強の名を両方得るチャンスだな。
それまで、コイツらをしっかり鍛えなけれぱ。
……
魔法大会決勝戦の当日。
何故かローランドが防御魔法を解いた所で、
「クリエイト・ウォーター」
司会からルーシーと呼ばれていた、あの女が水を生み出す。
ふっ……それを見越して、耐水魔法効果のある靴を騎士たちに履かせているからな。
俺様たちに水魔法は効かな……な、なんだ!? この水の量はっ!?
滝のような……いや、津波と言うべきか!?
恐ろしい量の水が迫ってきて、押し流されるっ!
み、水耐性の装備を用意しておいたのに!
……耐性を無視する類の魔法なのか? しかし、どう見てもただの水を生み出すだけの魔法だ。
やはり、ルーシーの魔力が桁違いに多いだけか。
「だが、俺様は負けぬっ! お前たち! 水を止めろっ!」
「はっ! アース・ウォール! ……だ、駄目ですっ! 水の勢いが凄すぎます!」
「くっ! ならば、俺がやる! ウインド・シールド!」
火、水、土、風の四元素には、それぞれ相関……相性の良し悪しがある。
水は火に強いが、風には弱い。
つまり、水魔法で風の盾を突破する事は出来ないのだ!
「おぉ、流石ケヴィン様! 我らの前から水を……え?」
「次はこちらからの反撃……って、おい! 風魔法だぞ!? どうして水魔法で……というか、一体どれだけの量の水が出せるんだっ!?」
「ケヴィン様……お許しを。もう、無理で……」
「おぉぃっ! その巨体で転がってくるなっ! 俺様まで巻き添えに……ぐほぁっ!」
気付いた時には、見事に全員流されたらしく、司会がルーシーたちの優勝を告げていた。
しかも、意味不明なローランドとの馴れ初めを語って……よく、そんな話を人前で話せるな。
先程の様子を見る限りでは、ローランドに気がありそうな副会長が激怒しそうだが……まぁ俺の知った事ではない。
「ケヴィン様。申し訳ありません」
「いや、仕方がない。だが、あのルーシーとやらは、俺の思っていた以上だったようだ。……おい、あの女生徒の事を調べ上げろ。生まれや家族はもちろん、交友関係や放課後や休日の過ごし方に、趣味や好きな食べ物、貰うと嬉しいプレゼントなど、とにかくあらゆる事をだ」
「か、畏まりました」
「ふふ……ルーシー。面白い女だ。何としても、俺のモノにしてやるぞ」
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