神様に与えられたのは≪ゴミ≫スキル。家の恥だと勘当されたけど、ゴミなら何でも再生出来て自由に使えて……ゴミ扱いされてた古代兵器に懐かれました

向原 行人

文字の大きさ
34 / 90
第1章 ゴミスキルと古代兵器

第30話 嫉妬するジェームズ

しおりを挟む
 シャルロットに教えて貰った方角に向かって行くと、キョロキョロと何かを探す騎士を見つけた。
 その近くには、面倒臭そうにふて腐れるジェームズと、焦る様子のマリーさんが居る。
 よし。予想通り、騎士は僕をつけていた一人だけだ。
 以前、馬車を停められた時に、騎士たちはシャルロットを探していたけど、ジェームズの護衛は一切していなかった……その読みは正しかったようだ。
 一先ず、騎士に気付かない振りをして歩いて行くと、

「お、おい、お前……こんな所で何をしていたんだ!?」
「カーティス。やっぱりか」

 騎士とジェームズが僕の行手を阻む。

「昨日の騎士に、ジェームズか。何の真似? 僕は冒険者ギルドで請けた薬草採取の依頼の為、こうして薬草を集めていただけなんだけど」

 ギルドから渡された籠と、そこに入っている沢山の薬草を見せると、ジェームズが何か言いたげに騎士を見る。

「確かに、ギルドで薬草採取請けていたな」
「だが、こんな所へ来る奴なんて、他に居るか!?」
「何の話かは分からないけど、僕以外にもここで薬草を採っている人は居たよ。もっと奥に向かっていたけど」

 そう言うと、少し間を置いて、

「マリー。姉の位置は?」
「分からないわ。前みたいに位置が確認出来ない。もっと遠くへ行ったのか、ストレージスキルで収納されたのか」
「この者がストレージスキルを持っていないのは確認済みだ。私は森の奥へ行ったという者を追います」

 騎士が森の中へと入って行く。
 これで、騎士抜きでジェームズと……というか、マリーさんと話が出来る。

「ジェームズ。そちらの女性は?」
「うるさい! お前には関係ない!」
「さっきの話からすると、お姉さんを探しているんだろ?」
「ふっ、姉と言っても、本当の姉ではない。家を出たお前には関係ない話だ」

 なるほど。ジェームズがシャルロットを探しているのは、やっぱりルイス家に関わる話か。

「それより、ジェームズ。そちらの女性は誰なんだい? 僕に紹介してよ」
「しつこいぞ! まったく! とんだ無駄足だった!」
「……そうか。なら後で、シャルロットに聞いてみるか」

 ジェームズに聞こえないように、小さな声で呟くと、

「アンタっ! お姉様の事を知っているの!? 教えないさい! 教えないさいよっ!」

 血相を変えたマリーさんが僕に詰め寄り、肩を掴んでガクガクと揺らしてくる。
 その直後、

「貴様っ! マリーから離れろっ! 俺様でさえ、触れた事がないのに……離れろぉっ!」

 ジェームズが怒りだす……って、これは想定外なんどけどっ!

「騎士から報告を受けたが、お前は昨日、あの可愛い女の子とお楽しみだったんだろうがっ! その上、俺様のマリーまで誘惑しやがって!」
「すまん。何を言っているのか、訳がわからないんだが」
「うるせぇっ! お前は小さい頃から、屋敷のメイドたちにもチヤホヤされていたし、幼馴染のローザちゃんや、フィーナちゃんにも好かれていただろうがっ!」

 えっと……もしかして、ジェームズが昔から僕のことを目の敵みたいにして来たのって、そんな事が理由なの!?
 というか、幼馴染二人の話は初めて知ったけど、メイドさんについては、ジェームズの態度が悪いからだと思うんだけど。

「ちょっと、誰が俺様の……なのよ! 私はアンタがお姉様を捜してくれるって言うから手伝っているだけで、アンタが所有者ではないわっ!」
「ふんっ! お前の姉を捜す!? そんなの口実に決まっているだろっ! お前は俺様とずっと一緒に……あ!」
「へぇ、私に言ったあの言葉はウソなんだ」
「いやっ、違うんだ。ちょっとした間違いというか、言い間違い! 言い間違いなんだ!」
「そこのお姉様の事を知っている人。ちょっと、私の代わりにこの男を殺してくれない? 私、攻撃命令が出てないから、人間を攻撃出来ないの。殺してくれたら、良い事してあげる」

 ……って、俺!? というか、シャルロットはマリーさんが強力な魔法攻撃を仕掛けてくるって言っていたけど、そもそも攻撃出来ないんだ。

「クソっ! どうして、こう上手くいかないんだっ! お前は、ゴミスキルしか持っていないクズのくせに、ローザちゃんもフィーナちゃんも、メイドもマリーも……俺から奪うなぁぁぁっ!」

 ジェームズが意味不明な事を言いながら杖を取り出したけど……悪いね。
 もう、こっちの準備は既に整っているんだ。
 ストレージから取り出し、隠し持っていた魔銃には、会話中に魔法力を注ぎ終えている。
 その魔銃を構えてジェームズに向け、

「はんっ! 何だ、その変な杖は! お前は、俺様の魔法でくたばりやがれっ! ≪ファイア・ストー……」

 無言で取手を引く。
 ジェームズの周囲の空気が白く輝き……寒さで手が動かなくなったであろうジェームズが杖を落とし、その場に倒れ込む。
 氷の魔銃から出たのは、フリーズ・ガストという、相手を凍えさせて動けなくする魔法に近い。
 この魔銃は氷魔法限定だけど、僕が思った種類の魔法――行動不能にする魔法――が発動してくれるというのが、凄いと思う。

「な、何だこれはっ!? さ、寒い……中位の雷魔法しか使えないお前が、どうして氷魔法をっ!?」
「さぁね。とりあえず、喚き散らしていたら、さっきの騎士が助けてくれるだろ」

 とりあえず、ジェームズは慢心のせいか、無駄口が多過ぎるんだよ。
 あと、森の中で火魔法を使おうとするな。
 それだけ言おうとした所で、

「ふーん。よく、そんな古い銃なんて持っているのね。しかも、凄く状態が良いし。貴方と居た方が面白そうだし、お姉様の事も何か知っていそう。良い事してあげる約束だし、一緒に居させてもらうわね」
「ちょ、マリー!? 本気かっ!? おいっ……ちくしょうっ! また俺から奪いやがったなーっ!」

 マリーさんが俺の腕に抱きついてくる。
 とりあえず騎士が戻って来たら面倒だから、一旦この場を離れるけど……僕がまったく予想していなかった結果になってしまった。
しおりを挟む
感想 25

あなたにおすすめの小説

ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?

音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。 役に立たないから出ていけ? わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます! さようなら! 5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!

転落貴族〜千年に1人の逸材と言われた男が最底辺から成り上がる〜

ぽいづん
ファンタジー
ガレオン帝国の名門貴族ノーベル家の長男にして、容姿端麗、眉目秀麗、剣術は向かうところ敵なし。 アレクシア・ノーベル、人は彼のことを千年に1人の逸材と評し、第3皇女クレアとの婚約も決まり、順風満帆な日々だった 騎士学校の最後の剣術大会、彼は賭けに負け、1年間の期限付きで、辺境の国、ザナビル王国の最底辺ギルドのヘブンズワークスに入らざるおえなくなる。 今までの貴族の生活と正反対の日々を過ごし1年が経った。 しかし、この賭けは罠であった。 アレクシアは、生涯をこのギルドで過ごさなければいけないということを知る。 賭けが罠であり、仕組まれたものと知ったアレクシアは黒幕が誰か確信を得る。 アレクシアは最底辺からの成り上がりを決意し、復讐を誓うのであった。 小説家になろうにも投稿しています。 なろう版改稿中です。改稿終了後こちらも改稿します。

追放された最弱ハンター、最強を目指して本気出す〜実は【伝説の魔獣王】と魔法で【融合】してるので無双はじめたら、元仲間が落ちぶれていきました〜

里海慧
ファンタジー
「カイト、お前さぁ、もういらないわ」  魔力がほぼない最低ランクの最弱ハンターと罵られ、パーティーから追放されてしまったカイト。  実は、唯一使えた魔法で伝説の魔獣王リュカオンと融合していた。カイトの実力はSSSランクだったが、魔獣王と融合してると言っても信じてもらえなくて、サポートに徹していたのだ。  追放の際のあまりにもひどい仕打ちに吹っ切れたカイトは、これからは誰にも何も奪われないように、最強のハンターになると決意する。  魔獣を討伐しまくり、様々な人たちから認められていくカイト。  途中で追放されたり、裏切られたり、そんな同じ境遇の者が仲間になって、ハンターライフをより満喫していた。  一方、カイトを追放したミリオンたちは、Sランクパーティーの座からあっという間に転げ落ちていき、最後には盛大に自滅してゆくのだった。 ※ヒロインの登場は遅めです。

解呪の魔法しか使えないからとSランクパーティーから追放された俺は、呪いをかけられていた美少女ドラゴンを拾って最強へと至る

早見羽流
ファンタジー
「ロイ・クノール。お前はもう用無しだ」 解呪の魔法しか使えない初心者冒険者の俺は、呪いの宝箱を解呪した途端にSランクパーティーから追放され、ダンジョンの最深部へと蹴り落とされてしまう。 そこで出会ったのは封印された邪龍。解呪の能力を使って邪龍の封印を解くと、なんとそいつは美少女の姿になり、契約を結んで欲しいと頼んできた。 彼女は元は世界を守護する守護龍で、英雄や女神の陰謀によって邪龍に堕とされ封印されていたという。契約を結んだ俺は彼女を救うため、守護龍を封印し世界を牛耳っている女神や英雄の血を引く王家に立ち向かうことを誓ったのだった。 (1話2500字程度、1章まで完結保証です)

チートツール×フールライフ!~女神から貰った能力で勇者選抜されたので頑張ってラスダン前まで来たら勇者にパーティ追放されたので復讐します~

黒片大豆
ファンタジー
「お前、追放な。田舎に帰ってゆっくりしてろ」 女神の信託を受け、勇者のひとりとして迎えられた『アイサック=ベルキッド』。 この日、勇者リーダーにより追放が宣告され、そのゴシップニュースは箝口令解除を待って、世界中にバラまかれることとなった。 『勇者道化師ベルキッド、追放される』 『サック』は田舎への帰り道、野党に襲われる少女『二オーレ』を助け、お礼に施しを受ける。しかしその家族には大きな秘密があり、サックの今後の運命を左右することとなった。二オーレとの出会いにより、新たに『女神への復讐』の選択肢が生まれたサックは、女神へのコンタクト方法を探る旅に目的を変更し、その道中、ゴシップ記事を飛ばした記者や、暗殺者の少女、元勇者の同僚との出会いを重ね、魔王との決戦時に女神が現れることを知る。そして一度は追放された身でありながら、彼は元仲間たちの元へむかう。本気で女神を一発ぶん殴る──ただそれだけのために。

さんざん馬鹿にされてきた最弱精霊使いですが、剣一本で魔物を倒し続けたらパートナーが最強の『大精霊』に進化したので逆襲を始めます。

ヒツキノドカ
ファンタジー
 誰もがパートナーの精霊を持つウィスティリア王国。  そこでは精霊によって人生が決まり、また身分の高いものほど強い精霊を宿すといわれている。  しかし第二王子シグは最弱の精霊を宿して生まれたために王家を追放されてしまう。  身分を剥奪されたシグは冒険者になり、剣一本で魔物を倒して生計を立てるようになる。しかしそこでも精霊の弱さから見下された。ひどい時は他の冒険者に襲われこともあった。  そんな生活がしばらく続いたある日――今までの苦労が報われ精霊が進化。  姿は美しい白髪の少女に。  伝説の大精霊となり、『天候にまつわる全属性使用可』という規格外の能力を得たクゥは、「今まで育ててくれた恩返しがしたい!」と懐きまくってくる。  最強の相棒を手に入れたシグは、今まで自分を見下してきた人間たちを見返すことを決意するのだった。 ーーーーーー ーーー 閲覧、お気に入り登録、感想等いつもありがとうございます。とても励みになります! ※2020.6.8お陰様でHOTランキングに載ることができました。ご愛読感謝!

うっかり女神さまからもらった『レベル9999』は使い切れないので、『譲渡』スキルで仲間を強化して最強パーティーを作ることにしました

akairo
ファンタジー
「ごめんなさい!貴方が死んだのは私のクシャミのせいなんです!」 帰宅途中に工事現場の足台が直撃して死んだ、早良 悠月(さわら ゆずき)が目覚めた目の前には女神さまが土下座待機をして待っていた。 謝る女神さまの手によって『ユズキ』として転生することになったが、その直後またもや女神さまの手違いによって、『レベル9999』と職業『譲渡士』という謎の職業を付与されてしまう。 しかし、女神さまの世界の最大レベルは99。 勇者や魔王よりも強いレベルのまま転生することになったユズキの、使い切ることもできないレベルの使い道は仲間に譲渡することだった──!? 転生先で出会ったエルフと魔族の少女。スローライフを掲げるユズキだったが、二人と共に世界を回ることで国を巻き込む争いへと巻き込まれていく。 ※9月16日  タイトル変更致しました。 前タイトルは『レベル9999は転生した世界で使い切れないので、仲間にあげることにしました』になります。 仲間を強くして無双していく話です。 『小説家になろう』様でも公開しています。

『冒険者をやめて田舎で隠居します 〜気づいたら最強の村になってました〜』

チャチャ
ファンタジー
> 世界には4つの大陸がある。東に魔神族、西に人族、北に獣人とドワーフ、南にエルフと妖精族——種族ごとの国が、それぞれの文化と価値観で生きていた。 その世界で唯一のSSランク冒険者・ジーク。英雄と呼ばれ続けることに疲れた彼は、突如冒険者を引退し、田舎へと姿を消した。 「もう戦いたくない、静かに暮らしたいんだ」 そう願ったはずなのに、彼の周りにはドラゴンやフェンリル、魔神族にエルフ、ドワーフ……あらゆる種族が集まり、最強の村が出来上がっていく!? のんびりしたいだけの元英雄の周囲が、どんどんカオスになっていく異世界ほのぼの(?)ファンタジー。

処理中です...