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懐かしい、いい匂いがして自然と目が覚める。
ベッドからのそりと起き上がり、ダイニングに行くと、白ごはんと味噌汁と卵焼きが作られていた。
「あ、おはよう。よく眠れた?朝ごはん作ったから、よかったら食べて。」
「朝早くから俺の分まで作ってくれたの?本当ありがとう。めっちゃ美味そう。」
顔を洗い、口を濯ぐ。
空っぽの胃の中に味噌汁が沁み込む。
「うま…。」
「本当?よかった。」
おお、神よ。どうして彼はこんなに完璧なんですか。
「今日、大学休みだけど、どこか行く?」
「あ!ベッド!ベッド買いたいかな。」
俺がそう言うと海斗は少し悲しそうな顔をした。
「実はさ…、俺、ホームシックになっちゃって。ルームシェアしよって言ったのも人肌恋しかったからなんだ。恵が隣で寝てくれて、昨日は久しぶりに安眠できたんだ。
一緒に寝ちゃ迷惑かな。」
彼の目が真っ直ぐこちらを見つめる。
そんなことを言われて嫌だって言えるような酷い人間なんていない。
まぁ、あれは生理現象だし、毎日起こるとも限らないし、ルームシェアしてくれた恩返しだと思ってこれくらい我慢しよう。
しかし、その晩も、次の日も、次の次の日も、ずっと、海斗の息子は俺の尻に当たったままだった。
「ただいま~」
「海斗、おかえり。早かったね。サークルの飲み会じゃなかったの?」
海斗は日付が変わる前に帰ってきた。
「まだ、飲み会は続いてたけどね。先に抜けてきたんだ。家には恵もいるし。」
「もしかして俺のことペットか赤ちゃんかと思ってる?」
海斗のことをジト目で睨む。
「俺のことなんて気にしなくてくれていいからな。」
「ううん、俺が恵といたいだけだから。」
さらっと歯がゆいセリフを吐く海斗は根っからのイケメンだなとつくづく思う。
ルームシェアを始めて1週間以上が経つが、俺の生活は不満を感じるどころか、前の生活よりも快適になった。
夜のアレを除いて。
「寝る時、いつも海斗の息子勃起してるんだけど。抜いてないの?」
俺はとうとう、耐えきれなくなって思わず海斗に言ってしまった。
海斗は俺をしばらく見つめた。
「手伝おうか?」
彼の瞳に促されるように、思わずそんなセリフが口から出てしまった。
「あっ…ごめん、今の忘れて。」
こんなこと男の俺に言われても気持ち悪いに決まっている。
唐突に変なことを言ってしまった自分が恥ずかしくなる。
「お願いしようかな。」
思わず海斗の顔を見つめる。
「え…?」
「手伝ってくれるんでしょ?」
海斗はそう言って俺のパンツをずり落とした。
はじめはお互いのを合わせて抜いていたが、海斗は俺の太ももの間に割り込ませて抜くようになった。
「ね、ダメ?」
海斗が何を意味しているのかは分かった。
海斗には返し切れぬほどの恩を感じていた。
高校時代、物理を教えてくれたこと。途方に暮れて困っていた時、ルームシェアを持ち出してくれたこと。毎朝、朝の弱い自分を起こして朝ごはんを作ってくれること。休みの日には色んなところに連れて行ってくれること。
そのあまりにも大きな借りに負担を感じていたのかもしれない。
「いいよ。」
いつのまにか口からそうこぼれ出ていた。
腹の中が、熱いもので満たされた。
彼は何度も何度も俺の中に吐き出した。
優しい匂いがして、目を覚ます。
グルグルグルとお腹がなった。
匂いに釣られるようにダイニングに向かおうとする。
「うわっ!」
思うように足腰に力が入らず、思わずベッドの上で座り込んでしまった。
「おはよう。今起こしに来たところだったからちょうどよかった。」
元凶である彼は爽やかな笑みを浮かべている。
俺は昨晩のことを思い出して、恥ずかしくなって視線を逸らした。
あんなに何度もやったにも関わらず、俺の体は綺麗だった。もちろん、お尻も。
きっと海斗が処理してくれたに違いない。
また借りを作ってしまったな。
「今日は恵、3限目からでしょ?ゆっくりご飯食べよ。」
何で把握してんの?
そんな事も言えずに恥ずかしさで小さくコクっと頷いた。
ベッドからのそりと起き上がり、ダイニングに行くと、白ごはんと味噌汁と卵焼きが作られていた。
「あ、おはよう。よく眠れた?朝ごはん作ったから、よかったら食べて。」
「朝早くから俺の分まで作ってくれたの?本当ありがとう。めっちゃ美味そう。」
顔を洗い、口を濯ぐ。
空っぽの胃の中に味噌汁が沁み込む。
「うま…。」
「本当?よかった。」
おお、神よ。どうして彼はこんなに完璧なんですか。
「今日、大学休みだけど、どこか行く?」
「あ!ベッド!ベッド買いたいかな。」
俺がそう言うと海斗は少し悲しそうな顔をした。
「実はさ…、俺、ホームシックになっちゃって。ルームシェアしよって言ったのも人肌恋しかったからなんだ。恵が隣で寝てくれて、昨日は久しぶりに安眠できたんだ。
一緒に寝ちゃ迷惑かな。」
彼の目が真っ直ぐこちらを見つめる。
そんなことを言われて嫌だって言えるような酷い人間なんていない。
まぁ、あれは生理現象だし、毎日起こるとも限らないし、ルームシェアしてくれた恩返しだと思ってこれくらい我慢しよう。
しかし、その晩も、次の日も、次の次の日も、ずっと、海斗の息子は俺の尻に当たったままだった。
「ただいま~」
「海斗、おかえり。早かったね。サークルの飲み会じゃなかったの?」
海斗は日付が変わる前に帰ってきた。
「まだ、飲み会は続いてたけどね。先に抜けてきたんだ。家には恵もいるし。」
「もしかして俺のことペットか赤ちゃんかと思ってる?」
海斗のことをジト目で睨む。
「俺のことなんて気にしなくてくれていいからな。」
「ううん、俺が恵といたいだけだから。」
さらっと歯がゆいセリフを吐く海斗は根っからのイケメンだなとつくづく思う。
ルームシェアを始めて1週間以上が経つが、俺の生活は不満を感じるどころか、前の生活よりも快適になった。
夜のアレを除いて。
「寝る時、いつも海斗の息子勃起してるんだけど。抜いてないの?」
俺はとうとう、耐えきれなくなって思わず海斗に言ってしまった。
海斗は俺をしばらく見つめた。
「手伝おうか?」
彼の瞳に促されるように、思わずそんなセリフが口から出てしまった。
「あっ…ごめん、今の忘れて。」
こんなこと男の俺に言われても気持ち悪いに決まっている。
唐突に変なことを言ってしまった自分が恥ずかしくなる。
「お願いしようかな。」
思わず海斗の顔を見つめる。
「え…?」
「手伝ってくれるんでしょ?」
海斗はそう言って俺のパンツをずり落とした。
はじめはお互いのを合わせて抜いていたが、海斗は俺の太ももの間に割り込ませて抜くようになった。
「ね、ダメ?」
海斗が何を意味しているのかは分かった。
海斗には返し切れぬほどの恩を感じていた。
高校時代、物理を教えてくれたこと。途方に暮れて困っていた時、ルームシェアを持ち出してくれたこと。毎朝、朝の弱い自分を起こして朝ごはんを作ってくれること。休みの日には色んなところに連れて行ってくれること。
そのあまりにも大きな借りに負担を感じていたのかもしれない。
「いいよ。」
いつのまにか口からそうこぼれ出ていた。
腹の中が、熱いもので満たされた。
彼は何度も何度も俺の中に吐き出した。
優しい匂いがして、目を覚ます。
グルグルグルとお腹がなった。
匂いに釣られるようにダイニングに向かおうとする。
「うわっ!」
思うように足腰に力が入らず、思わずベッドの上で座り込んでしまった。
「おはよう。今起こしに来たところだったからちょうどよかった。」
元凶である彼は爽やかな笑みを浮かべている。
俺は昨晩のことを思い出して、恥ずかしくなって視線を逸らした。
あんなに何度もやったにも関わらず、俺の体は綺麗だった。もちろん、お尻も。
きっと海斗が処理してくれたに違いない。
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「今日は恵、3限目からでしょ?ゆっくりご飯食べよ。」
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