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監禁型⑥
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「は、怪我!?」
「うん。ごめん、一緒に帰れなくなっちゃって……」
教室につき、生徒たちの声で賑わってきた頃。クラスを訪れた怜央くんに、俺は頭を下げていた。
絶対に帰れると豪語し約束までしてしまったのに、足がこれでは歩くこともままならない。治るまで登下校は家族の送り迎えになるだろう。
どんな反応が返ってくるだろう。納得はしてくれないだろう──と身構えていた。
「……お前が怪我してることのほうが大変だろ。そんなん、治ってからでいい」
しかし。返ってきたのは、予想していたよりもずっと優しい言葉だった。
「……おお」
拍子抜け、というか。杞憂だったらしい。なんだ。可愛いところもあるじゃないか。身構えていた自分がバカみたいで、笑いが込み上げた。
「っふは、ありがとう。やりたいことあったら付き合うから」
「ああ。……早く治せよ」
頭を搔き撫でられる。うん、と笑いながら頷こうとしたとき。登校してきたらしい四方田くんが、俺の机の元へ駆けてきた。
「直くん、足大丈夫!?」
「うん。伍代先輩が処置してくれたし、痛みは昨日より無いから。……ごめんね、しょうもない怪我しちゃって。邪魔しちゃった」
「何言ってんの、邪魔なんかじゃねーって!」
少しだけ怒りを浮かべて、眉をつり上げる。しかし、へにゃりと頼りなさげに眉を今度は下げて。
「……あんなことあってあれだけどさ、また見に来てくれる?」
「何言ってんの、もちろんだよ」
あんなこともなにも、今回は俺が勝手に怪我をしただけだ。優しい彼のことだから自分が誘ったせいだ思ってしまっているのかもしれないが、とんだお門違いだ。見学自体はかなり楽しかった。また見に行きたいと思っていたくらいなのだから。
笑えば、くいと肩を掴まれて。前に参宮くんが押し出た。
「そんときはついてく」
「……少しくらいバスケ見るならね? マジお願い」
いつにない切実な声に笑ってしまったのは、仕方がないことだと思う。
翔や文月くん、それに二階堂くんに怪我について根掘り葉掘り聞かれたのはまた別の話である。
それから、しばらくして。伍代先輩はことあるごとに俺の手伝いをしてくれた。部長としての責任を何度も主張したけれど、それ以上に手を焼いてくれている気がする。
「遠慮なんかするな。前も言っただろ、兄貴みたいに思えって。好きに甘えていいからな」
そう、快活な笑顔とともに言われれば。俺は返す言葉を見失って、お言葉に甘えてしまったのだ。
その甲斐もあり──すっかり痛みは引いていた。たまに部活を見に行くようになり、伍代先輩ともすれ違えば立ち止まって話し合う仲にもなった。
ある日、放課後。いつもは部活があるだろうときに、制服に身を包んだままの伍代先輩と廊下で会った。お互い顔を合わせて、笑う。普段ならば練習が始まっている時間のはずだ。急遽部活が休みにでもなったのだろうか。四方田くんは教室を早々に出ていたが、あれは帰っていたのか?
ふと気になって、聞いてみる。
「今日、部活無いんですか?」
「ああ──いや、あるんだけどな。今日は休むことにしたんだ」
「へー……そうだったんですね。なんか用事ですか」
何気なく、問いを投げた。投げて、しまったのだ。
「まあ、そうだな──今日は、両親の命日だから」
「うん。ごめん、一緒に帰れなくなっちゃって……」
教室につき、生徒たちの声で賑わってきた頃。クラスを訪れた怜央くんに、俺は頭を下げていた。
絶対に帰れると豪語し約束までしてしまったのに、足がこれでは歩くこともままならない。治るまで登下校は家族の送り迎えになるだろう。
どんな反応が返ってくるだろう。納得はしてくれないだろう──と身構えていた。
「……お前が怪我してることのほうが大変だろ。そんなん、治ってからでいい」
しかし。返ってきたのは、予想していたよりもずっと優しい言葉だった。
「……おお」
拍子抜け、というか。杞憂だったらしい。なんだ。可愛いところもあるじゃないか。身構えていた自分がバカみたいで、笑いが込み上げた。
「っふは、ありがとう。やりたいことあったら付き合うから」
「ああ。……早く治せよ」
頭を搔き撫でられる。うん、と笑いながら頷こうとしたとき。登校してきたらしい四方田くんが、俺の机の元へ駆けてきた。
「直くん、足大丈夫!?」
「うん。伍代先輩が処置してくれたし、痛みは昨日より無いから。……ごめんね、しょうもない怪我しちゃって。邪魔しちゃった」
「何言ってんの、邪魔なんかじゃねーって!」
少しだけ怒りを浮かべて、眉をつり上げる。しかし、へにゃりと頼りなさげに眉を今度は下げて。
「……あんなことあってあれだけどさ、また見に来てくれる?」
「何言ってんの、もちろんだよ」
あんなこともなにも、今回は俺が勝手に怪我をしただけだ。優しい彼のことだから自分が誘ったせいだ思ってしまっているのかもしれないが、とんだお門違いだ。見学自体はかなり楽しかった。また見に行きたいと思っていたくらいなのだから。
笑えば、くいと肩を掴まれて。前に参宮くんが押し出た。
「そんときはついてく」
「……少しくらいバスケ見るならね? マジお願い」
いつにない切実な声に笑ってしまったのは、仕方がないことだと思う。
翔や文月くん、それに二階堂くんに怪我について根掘り葉掘り聞かれたのはまた別の話である。
それから、しばらくして。伍代先輩はことあるごとに俺の手伝いをしてくれた。部長としての責任を何度も主張したけれど、それ以上に手を焼いてくれている気がする。
「遠慮なんかするな。前も言っただろ、兄貴みたいに思えって。好きに甘えていいからな」
そう、快活な笑顔とともに言われれば。俺は返す言葉を見失って、お言葉に甘えてしまったのだ。
その甲斐もあり──すっかり痛みは引いていた。たまに部活を見に行くようになり、伍代先輩ともすれ違えば立ち止まって話し合う仲にもなった。
ある日、放課後。いつもは部活があるだろうときに、制服に身を包んだままの伍代先輩と廊下で会った。お互い顔を合わせて、笑う。普段ならば練習が始まっている時間のはずだ。急遽部活が休みにでもなったのだろうか。四方田くんは教室を早々に出ていたが、あれは帰っていたのか?
ふと気になって、聞いてみる。
「今日、部活無いんですか?」
「ああ──いや、あるんだけどな。今日は休むことにしたんだ」
「へー……そうだったんですね。なんか用事ですか」
何気なく、問いを投げた。投げて、しまったのだ。
「まあ、そうだな──今日は、両親の命日だから」
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