日本の運命を変えた天才少年-日本が世界一の帝国になる日-

ましゅまろ

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5.終戦を拒む者たち

生きている、だから戦う

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1942年(昭和17年)2月21日、未明。
東京帝国大学・医療研究棟・特別病室。

14歳の蒼月レイは、腕に包帯を巻き、酸素マスクを外しながら原稿を手にしていた。

弾は命中しなかった――
しかし、跳弾が腕を貫き、数針を縫う裂傷を負った。

だが、彼はその夜のうちにこう言った。

「……いま、伝えなければ間に合わない」



午前8時、全国一斉放送。

ラジオから、静かなピアノの調べが流れる。
それは“彼が最後に選んだ背景音”だった。

数秒の沈黙のあと――

「国民の皆さん。こんにちは。蒼月レイです」

彼の声が、全国に流れた。

「昨夜、僕は撃たれました。
でも、生きています。
だから、“生きている人のために、言葉を使います”」

「戦争をやめるということは、勇気のいる選択です。
誰かを打ち負かすのではなく、自分の中の恐怖に打ち勝つ行為だからです」

「この国は、武器ではなく言葉で、もう一度始めることができます。
戦争を止めることは、恥ではありません。
“人を殺さなくても勝てるんだ”と、世界に見せることができたなら、
それこそが、本当の意味での“勝利”だと僕は信じています」

「僕は、命をかけて言いました。
今度は、皆さんが命をかけて“考えて”ください。
それが、僕の命を生かす唯一の方法です」



ラジオは、泣きながら聴かれた。
日本中で、街頭で、工場で、戦地の兵舎で――
静かに涙を流す人々がいた。



近衛文麿首相は、その放送を聴いたあと、参謀本部に向かってこう言った。

「蒼月レイの声明は、いまや“国民の声”だ。
ここから先、和平を拒む者は“国民の敵”と見なされる」

そして彼は正式に、アメリカ政府への講和使節団派遣を表明した。



同じ頃、ワシントンD.C.
フランクリン・ルーズベルト大統領の執務室。

録音された声明を聴き終えたルーズベルトは、椅子から立ち上がり、ゆっくりと壁の地図を見つめた。

「……子どもに戦争を止めさせるなんて、本来は大人の務めだったはずだ」

彼は電話を取り、国務長官コーデル・ハルに言った。

「和平窓口を開け。“蒼月ルート”を正式に認める」



帝大病室。

久坂が言った。

「……やったな。お前の声が、世界を動かした」

レイはかすかに笑った。

「……まだだよ。これは序章に過ぎない。
次は、“日本が世界を導く帝国になる設計図”を描くんだ。」

そのとき、彼の手には新しい白紙の紙が握られていた。

それは、講和条件の草案――
この戦争を“終わらせるための設計図”だった。
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