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第三章 共和国編
第128話 闇道具
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※注意※
本話には過激 (グロ)な表現が含まれます。苦手な方はご注意ください。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
リオン帝国、軍事区域北端。
切り立った崖の中腹の岩肌を抉り取ってできた場所がある。
世界最大の監獄・ザメイン。
そこへは飛行能力を有する魔法でしか行くことができず、出ることもできない。
大陸の北辺なだけあって、一年を通して非常に気温が低く、春から夏にかけてツララの雨が降るくらい過酷な寒さの場所である。
どこからか流れてくる極冷の海流も寒さの一因であり、激しい海流と極冷の海温の両方に対応できる魔導師などまずいない。すなわち、泳いで逃げることは不可能と言っていい。
崖を昇ろうにも絶壁な上に凍っていて、岩場を掴むこともできず登ることができない。
崖上の地上を少し内陸に行けばずいぶんと温かくなるが、ザメインのあるこの一帯だけは空気からして冷たいため、そこから脱獄しようと考える者もまずいない。
ただし、脱獄ではない方法でこのザメインを脱出しようと目論む者がいた。
キナイ組合長だ。
数人の飛行可能な精鋭魔導師が巡回していて脱獄は無理だし、仮に脱獄できたところで生き延びることはできない。だったら、正規に釈放されればいいというわけだ。
キナイ組合長は魔術師である。魔術師に対して看守の見まわり頻度は少ない。
魔導師に対してはその頻度が少し多くなり、飛行可能な魔導師は最も厳重な檻に収監され、看守の見まわり頻度も非常に高い。
魔術師にとって看守の見まわり頻度が少ないことは喜ばしいことであろう。
だが、キナイ組合長にとっては違った。看守が早く回ってこないかと、もどかしささえ感じていた。
コツコツコツ、と高らかに響く足音に心を躍らせるも、平静を装い、キナイ組合長は己の発する言葉に魔術を込める準備をした。
今日はキナイ組合長が収監されて三日目。
「看守さん、看守さん。私の出所まであと五日ですねぇ」
「何を言っているんだ。おまえは出所なんてできないぞ」
かつての五護臣に対してへりくだることのない看守。キナイ元組合長が戯言を吐いていると切り捨ててそっぽを向き、再び足音を鳴らす。足音は一定のリズムで遠ざかっていき、そして聞こえなくなった。
それでよかった。
キナイ組合長の魔術の性質上、一瞬のうちに状況を動かすことは難しい。ゆっくり時間をかけて、しかし安全に自分の思惑を通す。
それがキナイ組合長という魔術師なのだ。
囚人服に身をやつし、派手さを失っているが、恰幅のよさが彼のアイデンティティを損なわせなかった。
宮廷料理でも平らげたかのように満足気で、しかし陰湿さを含んだ笑みをたたえ、彼は横になった。そして寝息を立てる。
翌日、彼は再び看守に語りかけた。
「私の出所まであと四日ですねぇ。出所したら、一緒にゲス・エストに報復しに行こうではありませんか」
「また戯言を」
看守は取り合わない。返す言葉も短くなった。
しかし廊下に響く靴音のリズムは変わらない。看守は日常を繰り返す。
しかし、キナイ組合長のカウントダウンは始まっている。そして、それは彼の口から現実に放たれている。
翌日。
「私の出所まであと三日。楽しみですよ。私とあなたがゲス・エストを殺す瞬間が」
「ふん」
看守の返事はより短くなった。それだけ、言葉に含まれる否定の成分が薄まっている。
そうなると侵食は早い。キナイ組合長は焦ることなく、着実に数字を一つずつ数えた。
翌日。
「私の出所まであと二日です。準備しておいてくださいよ」
「…………」
看守は返事をしなくなった。キナイ組合長は満足気な笑みを浮かべる。声は出さない。それほどではない。込み上げるほどおかしくはない。彼にとっては当然のこと、日常のこと。
そうやって人を洗脳し、騙してきた。それが彼の魔術。彼の言葉をなんとなく信じさせ、真実だと思い込ませる。
手っ取り早く人を騙すには、時間制限を設けて緊急的に判断させるのが効果的だ。
しかし、こうして時間をかければ、騙した後で気づかれにくいし、安全なのだ。
キナイ組合長の話術があればそれも魔術なしにやってのけられるが、幸運にも彼にはそれを後押しするように、そういう魔術が備わっていた。
だから彼は人を騙しつづけ、魔法や魔術の申請義務があるリオン帝国にあっても彼の本当の魔術を知る者、気づいている者はおそらくいない。
彼のカウントはまた一つ進み、いよいよ世界最大の監獄からの脱出に王手をかけた。
これを成し遂げれば、世界初の大偉業となるだろう。
惜しむらくは、そのことに気づく者は出てこないということ。脱出後は身を隠すから外の人間がそれを知る由もないし、看守たちは洗脳されて気づかない。
しかしそれでいい。彼はそうして生きてきた。自分のすごさを認められずともいい。別の形でちゃんと結果が出るのだから。そうやって五護臣という地位を実際に勝ち取ったのだから。
「私の出所は明日になりました。ちゃんと準備はしているんでしょうね?」
「ああ」
看守はもはや肯定の言葉を返すまでになっていた。揺るぎない。キナイ組合長の作戦成功の結果は磐石である。揺るぎない。
そして、ついにこの日がやってきた。
コツ、コツ、コツ。さすがにこの日は看守の歩行リズムも異なっている。特別な日なのだから当然だろう。
いつもは自ら立ち止まることのない看守が、キナイ組合長が声をかけずとも立ち止まった。檻の前で。その入り口の前で。
「ついに私の出所日が来ましたね。さあ、出してください」
当然のようにカチリと音がした。
錠が外され、扉が開いた。
キナイ組合長は動かない。焦って出ようとせずとも、看守が丁重に自分を連れ出してくれる。
彼はニコニコと満面の笑みを浮かべていた。ギルドで有能な部下を褒めるときの顔だ。
看守は背の低い扉をくぐり、中へ入った。
それから、扉を閉めた。
「ん? なぜ閉めるのです? さあ、出ますよ」
看守が目深に被っていた帽子を取った。
すると、バサリと長い髪の束が姿を現した。
そのポニーテールには見覚えがある。
「貴様は!」
「残念だけれど、あなたが魔術をかけた看守はここにはいないわ」
シャイル・マーン。
キナイ組合長と戦い、彼に勝ち、彼をここに投獄した張本人だ。
「おやおや、私の魔術を見通したまではいいですが、ちょっと無用心すぎやしませんかねぇ。牢の中に入るべきではなかったと思いますよ。もう、あなたはここから出られません」
魔術というものには基本的に発動条件というものがある。その発動条件が厳しいものほど、その効果は大きいものとなる。
その中で、キナイ組合長の魔術は発動条件に段階のある珍しいタイプであった。
彼の言葉や文字を相手に認識させると、相手はそれを信じる可能性が出てくる。その回数が多いほど相手はそれを信じやすくなる。
さらに、相手と視線を合わせた状態で彼の言葉を聞くと、相手はほぼ一回でそれを信じてしまう。
そしてさらに、言い回しによって巧妙に騙し、相手に納得させる形でその魔術を使えば、一発で相手を言葉で縛ることができる。
キナイ組合長は確信した。いま、シャイルは最大レベルで魔術にかかった。
もう彼女は彼女自身の思い込みによってこの檻から出ることができない。
次は魔法を使えなくして、その後に奴隷にでもしてやろうと、実現性の高い妄想を繰り広げた。
そして、善は急げとばかりに畳みかける。
「それだけじゃあない。シャイル・マーン、あなたは牢屋内、つまり私の領域に踏み込んでしまった。もう魔法は使えませんよ」
シャイルは完全にキナイ組合長と目を合わせていたし、黙って彼の言葉を聞いていた。キナイ組合長はニンマリと狂おしいほどの喜びを顔に浮かべた。これで安全は確保された。
彼は立ち上がり、シャイルに歩み寄る。
なかなかに端整な顔立ちをしているではないか。このみずみずしい肌の艶や張りは、このような若さがなければ備えることができない。そしてまた、若さだけでもこの麗しさは拝めない。
キナイ組合長は卑しい笑みを浮かべ、シャイルの肩に手を伸ばす。
「――ッ!!」
丸太のように太いその手は、シャイルの肩に触れる前に止まった。
キナイ組合長は心臓が飛び跳ねたかのようにビクッと身を竦ませた。
彼の見るシャイルの瞳は、燃える炎よりも紅く輝いていた。
さっきまでの彼女は、そんな瞳の色をしていなかった。彼女の瞳の色は黒だったはずだ。
「貴様……シャイル・マーンか?」
「ふふふ」
その笑い声を聞いた途端、まるでミコスリハンで背中をひとなでされたかのような悪寒が全身を駆け巡った。
明らかにシャイル・マーンではない。
「私のひとなでは、ちょうどミコスリハンなのよ」
「は? 何の話だ! ミコスリハンはもう存在しない。私の闇道具はすべてゲス・エストが破壊した!」
キナイ組合長は後ずさりし、踵で便器につまずいてそのまま倒れこむように蓋のない便座に座った。
瞬きをした一瞬のうちに、紅い目のシャイルが彼の眼前まで距離を詰めていた。
「ねえ。考えたことある? 闇道具って、誰が作ったんだろうね」
背中がぞわぞわする。まるで大きな虫が走りまわっているかのようだ。
しかし背中はコンクリートの壁につけているのだから、それはあり得ない。錯覚だ。
しかし、そうと断定しても背中を這いまわるおぞましい感覚は消えない。
「そりゃあ、考えたことはあるさ。だが誰も知らない。誰にも分からない」
「じゃあ、なんで闇って言われていると思う?」
「そりゃあ、あまりにも恐ろしい効果を秘めているからだろう……」
キナイ組合長は目の前の人物はシャイルではないと断じたが、もし本物のシャイルであるのならば、よほどの狂気に呑まれている。
彼はいまの彼女のことを、『狂酔シャイル』と自然に呼称していた。
その狂酔シャイルは彼にグーンと顔を近づけ、ニヤッと笑った。
「ハズレ」
彼女は元の姿勢に戻り、キナイ組合長を見下すように見おろした。
「闇という言葉がついているのは、道具を使うにはリスクがあるからよ。リスクというのは呪いのようなもの。効果が極めて強力な代わりに、使用者にも副作用が及ぶ。それが何なのかは道具によってさまざまで、分かりやすいものだと、五回使用するごとに歯が一本抜け落ちるとかだけれど、分かりにくいものは死ぬまで気づかないものもあるわ。で、このミコスリハンのリスクって何だと思う?」
そう言って、狂酔シャイルはどこからかタワシを取り出した。
キナイ組合長は悟った。それはミコスリハンだ。ゲス・エストが破壊したはずの、あの恐ろしい殺人タワシだ。
「し、知らん、そんなこと……」
「でしょうね。ミコスリハンの名前は三回半こすれば必ず死ぬということが由来になっているのだけれど、実は三回半以上こすっても死なない人間をつくるのって簡単なのよ。どうやってつくると思う? ミコスリハンを使わせればいいのよ。ただそれだけ。ミコスリハンを使った者は、他人に使った回数分だけミコスリハンでこすられても死ななくなる。いいえ、死ねなくなる。つまり、元々二こすりされたら死ぬ人間が、これで三こすりして人を殺した場合、そいつは五こすりされないと死ねなくなるのよ。けれど、一こすり目の苦痛は変わらない。つまり、二こすりで限界を超えて本来は死ぬはずが、三こすりされても死ねず、限界を超えて苦痛はますます大きくなるの」
ゴクリ、と喉が鳴った。
キナイ組合長はとんでもないことをしたと自覚した。
それは人を苦しめて殺したことに対してではない。浅い愉悦のために、自分をとんでもなく悪い状況へと追い込んでしまっていたことに対してだ。
無料で貸し出された馬車が、実は使うととんでもない使用量を請求されるシステムだった、なんて例えではぬるすぎる。
もし呪いの効果が発揮される瞬間がきたら、何度、死を懇願することになるのか。
「元組合長さん、あなたは他人に何こすりしたかしら?」
「……七だ。二こすりずつして二人を殺した。三こすりで一人。あと、ゲス・エストに半こすり……」
「じゃあ十回くらいこすれるわね」
「馬鹿な! そんなことをしたらきさまだって呪いを受けるぞ!」
やはりコイツは自分にミコスリハンを使う気なのだと、悪い予感が確実のものとなりつつある。
なんとしても阻止しなければならない。
自慢の話術でどうにかできるだろうか?
いや、無理だ。いまの精神状態は悪すぎるし、そうでなくても相手が悪すぎる。
「ふふふ。馬鹿ね。これは私が作ったのよ。私には効かないわ。それに、あなたをこするのは私じゃない。あなた自身よ」
「そんな馬鹿な! するわけない。そんなことをしたら……」
そう、永遠に死ぬことなく、苦痛が増幅していく。そんなことを自分でするわけがないではないか。
だいいち、ほんの数こすりで腕なんか動かなくなるはずだ。
しかし、キナイ組合長は自らミコスリハンを手に取った。
「馬鹿な、馬鹿なぁあああっ! 何をしている、この手は! この腕は! 貴様かあっ!」
キナイ組合長は狂酔シャイルを睨みつけた。
煌々と輝く紅い瞳は嬉しそうに輝き、狂ったように燃えていた。
睨んだはずが、蛇に睨まれた蛙になっていた。体は動かない。しかし動かされている。見えない力によって、意思に反して自発的に動いている。
ミコスリハンがゆっくりと向かう先は、キナイ組合長の頭頂部だった。
「ああ、あああ、やめろっ、やめろぉおおおおおっ!」
ふと、あのときのエース大統領の言葉が脳裏で再生された。
『見境なく牙を剥くとは、あなたも大概ですね。あんまり常軌から逸脱すると、とんでもないものから目をつけられますよ』
『とんでもないもの? 神に目をつけられるとでも?』
『いえいえ、その神に救いを求める羽目に……、いえ、この話はやめましょう。語るだけでも恐ろしいことですから』
もしエース大統領に視えていたのだとしたら、ここに来て八日という時間すらまやかしで、実はまだ収監初日なのかもしれない。
キナイ組合長は神に祈った。
(どうか、このわたくしを殺してください! いますぐに! 早く! 早くっ! どうか! 何でもしますから! どんな償いでもしますから!)
「嘘ばっかり。どんな償いでもするのなら、これも受け入れなさいよ」
驚愕に目が飛び出そうになる。祈りというか、心の内が筒抜けになっている。
神か、と疑うはずもない。こんな恐ろしい存在が神ならば、世界は最初から最後まで地獄のはずだから。
彼女は人の心が読めるのだ。あるいは聞けるのだ。人の体を勝手に動かし、心を見透かし、魔術も無効化し、時間さえ操る。
やりたい放題ではないか。もう滅茶苦茶だ。
「ふふふ。あははは! 自分のやった所業が何倍にもなって返ってくる気分はどう?」
そしてついに、ミコスリハンが皮膚に触れた。
「あああああああああああああああああああああああああああああああああああ!」
腕が勝手に動いてタワシを頭頂部で往復させる。
ポーンと勢いよく目玉が飛び出した。
転がった先から自分の体がよく見える。
便座の上でのたうち回りながらもタワシの勢いを止めることはない。
眼球と体との神経は完全に切れているのに、その様子が明瞭に見てとれる。
目蓋がないので目を閉じることもできない。
強制的に自分の無様な姿を見せられている。
しかしそんなことはどうでもいい。プライドなんてつけ入る隙もないくらいに、痛みと苦しみの共振が絶え間なく襲い来る。
そこに悔しさや怒り、恨み、絶望などという感情的なものを抱く余裕すらもない。
ひたすらに絶大すぎる苦痛が襲いつづける。
ほんの一秒が何日分かに引き延ばされたかのように長い。
数秒間、キナイ組合長は頭上でミコスリハンを高速で往復させていたが、ついに腕が千切れ飛んで苦痛の上昇は止まった。
上昇が止まっただけで苦痛の波は続く。腕が千切れた痛みのほうが相対的に小さい。
全身の皮は剥がれ落ちて、筋肉も細断され、内臓が肛門から滑り落ちて便器に山を作っていた。
その状態に対する苦痛ですら優しい痛みと感じる程度に、ミコスリハンの直接の苦痛は計り知れなかった。
「あらら。これはね、実はただのタワシなのよ。自分の魔術で思い込みが現実の苦痛を引き起こしたようね。あなたの乏しい想像力では現実のミコスリハンを再現することはできないから、私があなたの想像力を補ってあげたのだけれどね」
キナイ組合長はおそらく放心している。まだ生のある肉塊と言ったほうが近いかもしれない。
狂酔シャイルは彼に声が聞こえていることが分かっているから話を続ける。
「ねえ、ミコスリハンがないと分かって安心した? でも残念ね。ミコスリハンを作ったのは私。どうして私にそんなものが作れるか分かる? 私のひとなでは、ちょうどミコスリハンなのよ」
狂酔シャイルは真紅の爪が光る指先をキナイ組合長の肩に伸ばした。
そして触れる。
しかしこすらない。
彼女はキナイ組合長を便座から押しのけた。
すっかり肉が剥がれ落ちて痩せ細った裸体は、便座の横に仰向けに転がった。
「このミコスリハンの手で、あなたの内臓を洗ってあげるわね。ちょうど水があるから綺麗に揉み込んであげる」
そう言って彼女は嬉しそうに便座の中へと両手を差し入れた。
「………………………………………………………………………………………………」
もはや声は出ない。
しかし声が出ないだけで、魂は絶叫している。
これほどの理不尽がこの世に存在していいのか。
そんなことを考える存在であることを、もはや彼は許されていない。
ただただ果てしない苦痛を受けつづける細胞の塊でしかなかった。
本話には過激 (グロ)な表現が含まれます。苦手な方はご注意ください。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
リオン帝国、軍事区域北端。
切り立った崖の中腹の岩肌を抉り取ってできた場所がある。
世界最大の監獄・ザメイン。
そこへは飛行能力を有する魔法でしか行くことができず、出ることもできない。
大陸の北辺なだけあって、一年を通して非常に気温が低く、春から夏にかけてツララの雨が降るくらい過酷な寒さの場所である。
どこからか流れてくる極冷の海流も寒さの一因であり、激しい海流と極冷の海温の両方に対応できる魔導師などまずいない。すなわち、泳いで逃げることは不可能と言っていい。
崖を昇ろうにも絶壁な上に凍っていて、岩場を掴むこともできず登ることができない。
崖上の地上を少し内陸に行けばずいぶんと温かくなるが、ザメインのあるこの一帯だけは空気からして冷たいため、そこから脱獄しようと考える者もまずいない。
ただし、脱獄ではない方法でこのザメインを脱出しようと目論む者がいた。
キナイ組合長だ。
数人の飛行可能な精鋭魔導師が巡回していて脱獄は無理だし、仮に脱獄できたところで生き延びることはできない。だったら、正規に釈放されればいいというわけだ。
キナイ組合長は魔術師である。魔術師に対して看守の見まわり頻度は少ない。
魔導師に対してはその頻度が少し多くなり、飛行可能な魔導師は最も厳重な檻に収監され、看守の見まわり頻度も非常に高い。
魔術師にとって看守の見まわり頻度が少ないことは喜ばしいことであろう。
だが、キナイ組合長にとっては違った。看守が早く回ってこないかと、もどかしささえ感じていた。
コツコツコツ、と高らかに響く足音に心を躍らせるも、平静を装い、キナイ組合長は己の発する言葉に魔術を込める準備をした。
今日はキナイ組合長が収監されて三日目。
「看守さん、看守さん。私の出所まであと五日ですねぇ」
「何を言っているんだ。おまえは出所なんてできないぞ」
かつての五護臣に対してへりくだることのない看守。キナイ元組合長が戯言を吐いていると切り捨ててそっぽを向き、再び足音を鳴らす。足音は一定のリズムで遠ざかっていき、そして聞こえなくなった。
それでよかった。
キナイ組合長の魔術の性質上、一瞬のうちに状況を動かすことは難しい。ゆっくり時間をかけて、しかし安全に自分の思惑を通す。
それがキナイ組合長という魔術師なのだ。
囚人服に身をやつし、派手さを失っているが、恰幅のよさが彼のアイデンティティを損なわせなかった。
宮廷料理でも平らげたかのように満足気で、しかし陰湿さを含んだ笑みをたたえ、彼は横になった。そして寝息を立てる。
翌日、彼は再び看守に語りかけた。
「私の出所まであと四日ですねぇ。出所したら、一緒にゲス・エストに報復しに行こうではありませんか」
「また戯言を」
看守は取り合わない。返す言葉も短くなった。
しかし廊下に響く靴音のリズムは変わらない。看守は日常を繰り返す。
しかし、キナイ組合長のカウントダウンは始まっている。そして、それは彼の口から現実に放たれている。
翌日。
「私の出所まであと三日。楽しみですよ。私とあなたがゲス・エストを殺す瞬間が」
「ふん」
看守の返事はより短くなった。それだけ、言葉に含まれる否定の成分が薄まっている。
そうなると侵食は早い。キナイ組合長は焦ることなく、着実に数字を一つずつ数えた。
翌日。
「私の出所まであと二日です。準備しておいてくださいよ」
「…………」
看守は返事をしなくなった。キナイ組合長は満足気な笑みを浮かべる。声は出さない。それほどではない。込み上げるほどおかしくはない。彼にとっては当然のこと、日常のこと。
そうやって人を洗脳し、騙してきた。それが彼の魔術。彼の言葉をなんとなく信じさせ、真実だと思い込ませる。
手っ取り早く人を騙すには、時間制限を設けて緊急的に判断させるのが効果的だ。
しかし、こうして時間をかければ、騙した後で気づかれにくいし、安全なのだ。
キナイ組合長の話術があればそれも魔術なしにやってのけられるが、幸運にも彼にはそれを後押しするように、そういう魔術が備わっていた。
だから彼は人を騙しつづけ、魔法や魔術の申請義務があるリオン帝国にあっても彼の本当の魔術を知る者、気づいている者はおそらくいない。
彼のカウントはまた一つ進み、いよいよ世界最大の監獄からの脱出に王手をかけた。
これを成し遂げれば、世界初の大偉業となるだろう。
惜しむらくは、そのことに気づく者は出てこないということ。脱出後は身を隠すから外の人間がそれを知る由もないし、看守たちは洗脳されて気づかない。
しかしそれでいい。彼はそうして生きてきた。自分のすごさを認められずともいい。別の形でちゃんと結果が出るのだから。そうやって五護臣という地位を実際に勝ち取ったのだから。
「私の出所は明日になりました。ちゃんと準備はしているんでしょうね?」
「ああ」
看守はもはや肯定の言葉を返すまでになっていた。揺るぎない。キナイ組合長の作戦成功の結果は磐石である。揺るぎない。
そして、ついにこの日がやってきた。
コツ、コツ、コツ。さすがにこの日は看守の歩行リズムも異なっている。特別な日なのだから当然だろう。
いつもは自ら立ち止まることのない看守が、キナイ組合長が声をかけずとも立ち止まった。檻の前で。その入り口の前で。
「ついに私の出所日が来ましたね。さあ、出してください」
当然のようにカチリと音がした。
錠が外され、扉が開いた。
キナイ組合長は動かない。焦って出ようとせずとも、看守が丁重に自分を連れ出してくれる。
彼はニコニコと満面の笑みを浮かべていた。ギルドで有能な部下を褒めるときの顔だ。
看守は背の低い扉をくぐり、中へ入った。
それから、扉を閉めた。
「ん? なぜ閉めるのです? さあ、出ますよ」
看守が目深に被っていた帽子を取った。
すると、バサリと長い髪の束が姿を現した。
そのポニーテールには見覚えがある。
「貴様は!」
「残念だけれど、あなたが魔術をかけた看守はここにはいないわ」
シャイル・マーン。
キナイ組合長と戦い、彼に勝ち、彼をここに投獄した張本人だ。
「おやおや、私の魔術を見通したまではいいですが、ちょっと無用心すぎやしませんかねぇ。牢の中に入るべきではなかったと思いますよ。もう、あなたはここから出られません」
魔術というものには基本的に発動条件というものがある。その発動条件が厳しいものほど、その効果は大きいものとなる。
その中で、キナイ組合長の魔術は発動条件に段階のある珍しいタイプであった。
彼の言葉や文字を相手に認識させると、相手はそれを信じる可能性が出てくる。その回数が多いほど相手はそれを信じやすくなる。
さらに、相手と視線を合わせた状態で彼の言葉を聞くと、相手はほぼ一回でそれを信じてしまう。
そしてさらに、言い回しによって巧妙に騙し、相手に納得させる形でその魔術を使えば、一発で相手を言葉で縛ることができる。
キナイ組合長は確信した。いま、シャイルは最大レベルで魔術にかかった。
もう彼女は彼女自身の思い込みによってこの檻から出ることができない。
次は魔法を使えなくして、その後に奴隷にでもしてやろうと、実現性の高い妄想を繰り広げた。
そして、善は急げとばかりに畳みかける。
「それだけじゃあない。シャイル・マーン、あなたは牢屋内、つまり私の領域に踏み込んでしまった。もう魔法は使えませんよ」
シャイルは完全にキナイ組合長と目を合わせていたし、黙って彼の言葉を聞いていた。キナイ組合長はニンマリと狂おしいほどの喜びを顔に浮かべた。これで安全は確保された。
彼は立ち上がり、シャイルに歩み寄る。
なかなかに端整な顔立ちをしているではないか。このみずみずしい肌の艶や張りは、このような若さがなければ備えることができない。そしてまた、若さだけでもこの麗しさは拝めない。
キナイ組合長は卑しい笑みを浮かべ、シャイルの肩に手を伸ばす。
「――ッ!!」
丸太のように太いその手は、シャイルの肩に触れる前に止まった。
キナイ組合長は心臓が飛び跳ねたかのようにビクッと身を竦ませた。
彼の見るシャイルの瞳は、燃える炎よりも紅く輝いていた。
さっきまでの彼女は、そんな瞳の色をしていなかった。彼女の瞳の色は黒だったはずだ。
「貴様……シャイル・マーンか?」
「ふふふ」
その笑い声を聞いた途端、まるでミコスリハンで背中をひとなでされたかのような悪寒が全身を駆け巡った。
明らかにシャイル・マーンではない。
「私のひとなでは、ちょうどミコスリハンなのよ」
「は? 何の話だ! ミコスリハンはもう存在しない。私の闇道具はすべてゲス・エストが破壊した!」
キナイ組合長は後ずさりし、踵で便器につまずいてそのまま倒れこむように蓋のない便座に座った。
瞬きをした一瞬のうちに、紅い目のシャイルが彼の眼前まで距離を詰めていた。
「ねえ。考えたことある? 闇道具って、誰が作ったんだろうね」
背中がぞわぞわする。まるで大きな虫が走りまわっているかのようだ。
しかし背中はコンクリートの壁につけているのだから、それはあり得ない。錯覚だ。
しかし、そうと断定しても背中を這いまわるおぞましい感覚は消えない。
「そりゃあ、考えたことはあるさ。だが誰も知らない。誰にも分からない」
「じゃあ、なんで闇って言われていると思う?」
「そりゃあ、あまりにも恐ろしい効果を秘めているからだろう……」
キナイ組合長は目の前の人物はシャイルではないと断じたが、もし本物のシャイルであるのならば、よほどの狂気に呑まれている。
彼はいまの彼女のことを、『狂酔シャイル』と自然に呼称していた。
その狂酔シャイルは彼にグーンと顔を近づけ、ニヤッと笑った。
「ハズレ」
彼女は元の姿勢に戻り、キナイ組合長を見下すように見おろした。
「闇という言葉がついているのは、道具を使うにはリスクがあるからよ。リスクというのは呪いのようなもの。効果が極めて強力な代わりに、使用者にも副作用が及ぶ。それが何なのかは道具によってさまざまで、分かりやすいものだと、五回使用するごとに歯が一本抜け落ちるとかだけれど、分かりにくいものは死ぬまで気づかないものもあるわ。で、このミコスリハンのリスクって何だと思う?」
そう言って、狂酔シャイルはどこからかタワシを取り出した。
キナイ組合長は悟った。それはミコスリハンだ。ゲス・エストが破壊したはずの、あの恐ろしい殺人タワシだ。
「し、知らん、そんなこと……」
「でしょうね。ミコスリハンの名前は三回半こすれば必ず死ぬということが由来になっているのだけれど、実は三回半以上こすっても死なない人間をつくるのって簡単なのよ。どうやってつくると思う? ミコスリハンを使わせればいいのよ。ただそれだけ。ミコスリハンを使った者は、他人に使った回数分だけミコスリハンでこすられても死ななくなる。いいえ、死ねなくなる。つまり、元々二こすりされたら死ぬ人間が、これで三こすりして人を殺した場合、そいつは五こすりされないと死ねなくなるのよ。けれど、一こすり目の苦痛は変わらない。つまり、二こすりで限界を超えて本来は死ぬはずが、三こすりされても死ねず、限界を超えて苦痛はますます大きくなるの」
ゴクリ、と喉が鳴った。
キナイ組合長はとんでもないことをしたと自覚した。
それは人を苦しめて殺したことに対してではない。浅い愉悦のために、自分をとんでもなく悪い状況へと追い込んでしまっていたことに対してだ。
無料で貸し出された馬車が、実は使うととんでもない使用量を請求されるシステムだった、なんて例えではぬるすぎる。
もし呪いの効果が発揮される瞬間がきたら、何度、死を懇願することになるのか。
「元組合長さん、あなたは他人に何こすりしたかしら?」
「……七だ。二こすりずつして二人を殺した。三こすりで一人。あと、ゲス・エストに半こすり……」
「じゃあ十回くらいこすれるわね」
「馬鹿な! そんなことをしたらきさまだって呪いを受けるぞ!」
やはりコイツは自分にミコスリハンを使う気なのだと、悪い予感が確実のものとなりつつある。
なんとしても阻止しなければならない。
自慢の話術でどうにかできるだろうか?
いや、無理だ。いまの精神状態は悪すぎるし、そうでなくても相手が悪すぎる。
「ふふふ。馬鹿ね。これは私が作ったのよ。私には効かないわ。それに、あなたをこするのは私じゃない。あなた自身よ」
「そんな馬鹿な! するわけない。そんなことをしたら……」
そう、永遠に死ぬことなく、苦痛が増幅していく。そんなことを自分でするわけがないではないか。
だいいち、ほんの数こすりで腕なんか動かなくなるはずだ。
しかし、キナイ組合長は自らミコスリハンを手に取った。
「馬鹿な、馬鹿なぁあああっ! 何をしている、この手は! この腕は! 貴様かあっ!」
キナイ組合長は狂酔シャイルを睨みつけた。
煌々と輝く紅い瞳は嬉しそうに輝き、狂ったように燃えていた。
睨んだはずが、蛇に睨まれた蛙になっていた。体は動かない。しかし動かされている。見えない力によって、意思に反して自発的に動いている。
ミコスリハンがゆっくりと向かう先は、キナイ組合長の頭頂部だった。
「ああ、あああ、やめろっ、やめろぉおおおおおっ!」
ふと、あのときのエース大統領の言葉が脳裏で再生された。
『見境なく牙を剥くとは、あなたも大概ですね。あんまり常軌から逸脱すると、とんでもないものから目をつけられますよ』
『とんでもないもの? 神に目をつけられるとでも?』
『いえいえ、その神に救いを求める羽目に……、いえ、この話はやめましょう。語るだけでも恐ろしいことですから』
もしエース大統領に視えていたのだとしたら、ここに来て八日という時間すらまやかしで、実はまだ収監初日なのかもしれない。
キナイ組合長は神に祈った。
(どうか、このわたくしを殺してください! いますぐに! 早く! 早くっ! どうか! 何でもしますから! どんな償いでもしますから!)
「嘘ばっかり。どんな償いでもするのなら、これも受け入れなさいよ」
驚愕に目が飛び出そうになる。祈りというか、心の内が筒抜けになっている。
神か、と疑うはずもない。こんな恐ろしい存在が神ならば、世界は最初から最後まで地獄のはずだから。
彼女は人の心が読めるのだ。あるいは聞けるのだ。人の体を勝手に動かし、心を見透かし、魔術も無効化し、時間さえ操る。
やりたい放題ではないか。もう滅茶苦茶だ。
「ふふふ。あははは! 自分のやった所業が何倍にもなって返ってくる気分はどう?」
そしてついに、ミコスリハンが皮膚に触れた。
「あああああああああああああああああああああああああああああああああああ!」
腕が勝手に動いてタワシを頭頂部で往復させる。
ポーンと勢いよく目玉が飛び出した。
転がった先から自分の体がよく見える。
便座の上でのたうち回りながらもタワシの勢いを止めることはない。
眼球と体との神経は完全に切れているのに、その様子が明瞭に見てとれる。
目蓋がないので目を閉じることもできない。
強制的に自分の無様な姿を見せられている。
しかしそんなことはどうでもいい。プライドなんてつけ入る隙もないくらいに、痛みと苦しみの共振が絶え間なく襲い来る。
そこに悔しさや怒り、恨み、絶望などという感情的なものを抱く余裕すらもない。
ひたすらに絶大すぎる苦痛が襲いつづける。
ほんの一秒が何日分かに引き延ばされたかのように長い。
数秒間、キナイ組合長は頭上でミコスリハンを高速で往復させていたが、ついに腕が千切れ飛んで苦痛の上昇は止まった。
上昇が止まっただけで苦痛の波は続く。腕が千切れた痛みのほうが相対的に小さい。
全身の皮は剥がれ落ちて、筋肉も細断され、内臓が肛門から滑り落ちて便器に山を作っていた。
その状態に対する苦痛ですら優しい痛みと感じる程度に、ミコスリハンの直接の苦痛は計り知れなかった。
「あらら。これはね、実はただのタワシなのよ。自分の魔術で思い込みが現実の苦痛を引き起こしたようね。あなたの乏しい想像力では現実のミコスリハンを再現することはできないから、私があなたの想像力を補ってあげたのだけれどね」
キナイ組合長はおそらく放心している。まだ生のある肉塊と言ったほうが近いかもしれない。
狂酔シャイルは彼に声が聞こえていることが分かっているから話を続ける。
「ねえ、ミコスリハンがないと分かって安心した? でも残念ね。ミコスリハンを作ったのは私。どうして私にそんなものが作れるか分かる? 私のひとなでは、ちょうどミコスリハンなのよ」
狂酔シャイルは真紅の爪が光る指先をキナイ組合長の肩に伸ばした。
そして触れる。
しかしこすらない。
彼女はキナイ組合長を便座から押しのけた。
すっかり肉が剥がれ落ちて痩せ細った裸体は、便座の横に仰向けに転がった。
「このミコスリハンの手で、あなたの内臓を洗ってあげるわね。ちょうど水があるから綺麗に揉み込んであげる」
そう言って彼女は嬉しそうに便座の中へと両手を差し入れた。
「………………………………………………………………………………………………」
もはや声は出ない。
しかし声が出ないだけで、魂は絶叫している。
これほどの理不尽がこの世に存在していいのか。
そんなことを考える存在であることを、もはや彼は許されていない。
ただただ果てしない苦痛を受けつづける細胞の塊でしかなかった。
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