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第三章 共和国編
第131話 手詰まり
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エース・フトゥーレは魔導学院の敷地に乗り込んでいた。乗り込むというよりは潜入と言ったほうがいいかもしれない。
陽は完全に落ちきっており、外を歩く者はほとんどいない。
彼がマーリンを殺そうと考えたのは、単にゲス・エストに対する嫌がらせだけが目的ではない。
ダースに会う前の未来視で、マーリンがゲス・エストにしか能力が使えなくなっていることを知っている。ゆえに奪い返す意味はない。
だからといって捨て置くわけにもいかない。マーリンを殺しておかなければ、どこに隠れてもその位置を知られてしまい、ゲス・エストから逃げきれない。
さて、マーリンはどこにいるのか。
アークドラゴンの復活時にペットの鼠が飛ばされてどこかへ消えてしまったため、いまは自分の未来を容易に視ることができない。
物陰から学院生の未来を視ても、自分とは関係ない未来ばかりで役に立たない。
何でもいいからペット代わりの生物を探そうか。この際、虫でもいいし、なんならイーターでもいい。
だが、何でもいいわけではない。自分に対して攻撃することなく、逆に自分から逃げることもしない生き物でなければならない。
虫を足や羽を千切って持ち歩くか?
いや、いくらなんでも未来視に頼りすぎだ。あんまり脳を使っていないと思考力がどんどん鈍っていく。すでにそれを重々承知してしまっている時点で手遅れの感があるが、これ以上の悪化を食いとめるのとそうでないのとでは大きく違う。
考えるのだ。そう、地位ゆえに得られた多大なる知識と情報力。その情報量を活用し、衰えつつもいまだ並外れた観察力と洞察力をもって、マーリンの居場所を推察するのだ。
いまは夜。魔導学院の校舎内には人はいないはず。いてもせいぜい教員。マーリンがいる可能性は低い。
ではゲス・エストが拠点としているはずの黄昏寮はどうだろうか。
あそこは半壊していてゲス・エスト以外の学院生はほかの寮へと移ったと聞いている。仮にマーリンがゲス・エストと生活をともにしていたとしても、ゲス・エストが不在のいま、マーリンをそんなセキュリティー性皆無の場所に一人だけ残すとは考え難い。
となると、誰かに預けていると考えるのが妥当。ゲス・エストには仲間と呼べる者たちがいる。
彼が誰かを信頼しているとは思えないが、彼の中での信頼が意味するところは、ずばり強さだ。こと、マーリンを預けることに対しては、その信頼の定義は揺るがない。
ゲス・エストの味方の中で最も強いといえば、E3のダース・ホークだろうか。
だが彼はすでに手負い。ほかの誰かに託して療養せざるを得ないほどの重傷を負っている。
では同じくE3のリーン・リッヒはどうか。
彼女はゲス・エストとの関係が敵なのか味方なのか判別がつかない。それに、長期でもない不在で拠点からほど遠い帝国首都に預けているとは考え難い。
もしもマーリンを預かっていたのがダース・ホークで、傷を負って誰かに引き継いだとしたら、それはマーリンが親しくしている人物。つまりはゲス・エストの取り巻きの誰かのはず。
シャイル・マーンはゲス・エストに同行していたから、キーラ・ヌアかリーズ・リッヒのどちらか。つまり暁寮。
特に何も考えずとも同じ結論に至ったかもしれないが、根拠があるかないかの違いは大きい。自信を持って行動できる。行動に迷いがなくなる。
暁寮の敷地は広い。背が低く長い塀の切れ目に、格子状の鉄扉が挟まれている。鍵がかかっていたが、細剣ムニキスで叩き斬るとあっけなく壊すことができた。
エース・フトゥーレは暁寮の敷居をまたいだ。
暁寮の電気が消えていて、寮生はすでに就寝していることがうかがえる。時間的には少し早い。寮には就寝時間が定められているのかもしれない。だが、さすがのエース・フトゥーレでもそこまでの情報は持っていない。
エース・フトゥーレの未来視は、対象が生きてさえいれば睡眠状態であっても効果を発揮する。
かくれんぼで言うならば、鬼を務める自分が暁寮で寝ている学院生を一人でも見つければ勝ちという状況。
マーリンの余命のカウントダウンはすでに始まっている。
暗くて建屋の入り口が分からないが、とにかくうっすらと黒いシルエットの建築物へと歩みを進める。
「――ッ!!」
突如、建物中の電灯がいっせいに点灯した。
それだけではない。建物の上空にも光源がある。これは魔法だ。たしか魔導学院の生徒会長が光の発生型魔法を使う魔導師だったはずだ。
待ち構えられていたようだ。となると、敵は一人ではない可能性が高い。
眩しさに慣れるのに少し時間がかかるが、それはあちら側も同じはず。敵にまだ動きはない。
ようやく眼を開けていられるようになったとき、エース・フトゥーレは息を呑んだ。敵の姿を見ることができたのだが、その人数が一人や二人ではない。十数人いる。
逆光のためシルエットでしか見られないが、未来視を使えば判別はつく。中央付近にいるのは生徒会長のレイジー・デントだ。それから車椅子に埋まるダース・ホーク。その二人の間にマーリンがいる。
取り囲まれてはいないようだ。後方には誰もいない。照明を点灯するタイミングしだいで取り囲むこともできたはずだが、それをしないということは彼らもできれば戦闘は避けたいということだろう。
試しに自分が身を引く意思で未来を視てみるが、やはり誰も追ってこないし攻撃もしてこない。とりあえず手を出さなければ向こうから攻撃してくることはなさそうだ。
「マーリンちゃんを狙っていることは知っているよ」
その声を発したのはレイジー・デントだ。
「なるほど、ダース・ホークの魔法で闇の中から私の声を拾ったわけだな?」
マジックイーターは元々マーリンを取り戻そうと何度か刺客を送っていたが、なぜこのタイミングで襲われると分かったのかを未来で質問する。
その回答として、ダース・ホーク本人から自分が「うむ、マーリンを殺しに行くか」とつぶやいたのを小さな闇のワープゲートを通じて聞いていたことを聞く。
ダース・ホークは未来で辛そうに喋ったが、敵の戦力としてはやはりいちばん警戒すべきところ。魔法は脳しか使わないため、魔法を使うことは喋ることよりも体への負担が少ない。
「そうさ。で、この人数を相手に勝てる未来は視えるかい?」
答えないが、答えは「まだ視えていない」だ。
手負いとはいえ、ダース・ホークを含むこの人数の魔導師が相手ではさすがに分が悪い。未来視で完全に最善手を視きったら勝機はあるかもしれないが、未来視が間に合うかどうかが問題だ。
未来の光景は走馬灯のように超高速再生される。
音声も耳ではなく脳が直接聞くため速くても理解できる。
二十四時間後までの未来を三秒で視られるし、それを部分的に切り取って一秒間で八時間分だけ視ることもできる。
視ている未来の光景に満足して途中でやめることも可能。
だが、未来を視た結果行動を変えようと考えて再度未来を視れば別の未来を視ることができるわけで、その分岐数が多ければ多いほど十秒、一分、十分と時間がかかってしまう。
最適化はほんの数分の未来に限定して無数の未来の選択肢を試すため、一秒とかからずに最善の未来を知ることができるのだ。
未来視により、こちらから手を出さなければ相手から手は出してこないことは知っている。
だからエース・フトゥーレは時間をかけて最善の未来を探す。
敗北につながる膨大な量の選択肢を切り捨てていき、少しずつ、少しずつ未来視の中での戦闘時間が長くなっていく。
勝利の未来はまだ視えないが、近づいている感じはする。
「くそっ!」
エース・フトゥーレは未来視を中断した。
未来視の中で決着がついたわけではない。
未来視の上限の二十四時間に達したわけでもない。
勝利に近づきつつある未来の中で、その勝利を掴む前にゲス・エストがここへ到着したのだ。
それ以上は未来を視るだけ無駄だ。一人を相手にしても死の未来を視せられるゲス・エストがこの手勢に合流しては、自分が勝てるわけがないではないか。
これで逃走の選択肢しかなくなった。それも一刻も早くここを離れなければならない。ゲス・エストの合流の未来はそう遠くない。むしろ近いとさえ言える。
もしかしたら、すでにゲス・エストの空間把握モードの圏内に捕まっていて逃げきれないことが確定しているかもしれないが、せめてタイマンに持ち込まなければならない。
ネガティブな最善手だが、最善には変わりない。
「もし退散するなら、レイジーたちは追わないよ」
「知っている。お望みどおり退いてやる。だが、私はすでに勝っている。魔導師とマジックイーターの戦争はマジックイーターの勝利だ。封印から解き放たれたアークドラゴンはさぞかし怒っているだろうな」
エース・フトゥーレは踵を返すと、なりふり構わずに走った。
強気な捨て台詞を吐いてからのそれは、さぞかし格好悪く見えるだろうが、負け惜しみで言ったつもりは毛頭ない。心の底からの本心だ。
ただ悔しいのは、ゲス・エストから逃げるための疾駆が彼らに対する敗走と受け取られていそうなことだ。
だが、そういったことはすべてどうでもよくなって一気に吹き飛んだ。
「私の魔術は魔導師や魔術師どころか動物や虫、果てはイーターまで対象とする。これは脅威的なことであり、もはや奇跡ですらある。だが、自分に対して使えないことだけは欠陥と言わざるを得ない」
邂逅してしまった。
エース・フトゥーレの正面にはゲス・エストが立っていた。
「植物に対しては使えないのか?」
「それは、試したことなかった……」
ゲス・エストの落ち着いた様子からすると、エース・フトゥーレがマーリンに手を出すこともできずに学院から走ってきたことを知っているようだ。ダース・ホークが闇を通して伝えたか、あるいは空間把握モードですでに掌握されていたかのどちらかだろう。
あと、いまさらながら植物に対して魔術を試してみたが、効果はなかった。
「せっかく贈ってもらった塩だが、賞味期限切れだ」
「そうか。わざわざ教えてくれてありがとう。ちなみに、塩に賞味期限はないぜ」
陽は完全に落ちきっており、外を歩く者はほとんどいない。
彼がマーリンを殺そうと考えたのは、単にゲス・エストに対する嫌がらせだけが目的ではない。
ダースに会う前の未来視で、マーリンがゲス・エストにしか能力が使えなくなっていることを知っている。ゆえに奪い返す意味はない。
だからといって捨て置くわけにもいかない。マーリンを殺しておかなければ、どこに隠れてもその位置を知られてしまい、ゲス・エストから逃げきれない。
さて、マーリンはどこにいるのか。
アークドラゴンの復活時にペットの鼠が飛ばされてどこかへ消えてしまったため、いまは自分の未来を容易に視ることができない。
物陰から学院生の未来を視ても、自分とは関係ない未来ばかりで役に立たない。
何でもいいからペット代わりの生物を探そうか。この際、虫でもいいし、なんならイーターでもいい。
だが、何でもいいわけではない。自分に対して攻撃することなく、逆に自分から逃げることもしない生き物でなければならない。
虫を足や羽を千切って持ち歩くか?
いや、いくらなんでも未来視に頼りすぎだ。あんまり脳を使っていないと思考力がどんどん鈍っていく。すでにそれを重々承知してしまっている時点で手遅れの感があるが、これ以上の悪化を食いとめるのとそうでないのとでは大きく違う。
考えるのだ。そう、地位ゆえに得られた多大なる知識と情報力。その情報量を活用し、衰えつつもいまだ並外れた観察力と洞察力をもって、マーリンの居場所を推察するのだ。
いまは夜。魔導学院の校舎内には人はいないはず。いてもせいぜい教員。マーリンがいる可能性は低い。
ではゲス・エストが拠点としているはずの黄昏寮はどうだろうか。
あそこは半壊していてゲス・エスト以外の学院生はほかの寮へと移ったと聞いている。仮にマーリンがゲス・エストと生活をともにしていたとしても、ゲス・エストが不在のいま、マーリンをそんなセキュリティー性皆無の場所に一人だけ残すとは考え難い。
となると、誰かに預けていると考えるのが妥当。ゲス・エストには仲間と呼べる者たちがいる。
彼が誰かを信頼しているとは思えないが、彼の中での信頼が意味するところは、ずばり強さだ。こと、マーリンを預けることに対しては、その信頼の定義は揺るがない。
ゲス・エストの味方の中で最も強いといえば、E3のダース・ホークだろうか。
だが彼はすでに手負い。ほかの誰かに託して療養せざるを得ないほどの重傷を負っている。
では同じくE3のリーン・リッヒはどうか。
彼女はゲス・エストとの関係が敵なのか味方なのか判別がつかない。それに、長期でもない不在で拠点からほど遠い帝国首都に預けているとは考え難い。
もしもマーリンを預かっていたのがダース・ホークで、傷を負って誰かに引き継いだとしたら、それはマーリンが親しくしている人物。つまりはゲス・エストの取り巻きの誰かのはず。
シャイル・マーンはゲス・エストに同行していたから、キーラ・ヌアかリーズ・リッヒのどちらか。つまり暁寮。
特に何も考えずとも同じ結論に至ったかもしれないが、根拠があるかないかの違いは大きい。自信を持って行動できる。行動に迷いがなくなる。
暁寮の敷地は広い。背が低く長い塀の切れ目に、格子状の鉄扉が挟まれている。鍵がかかっていたが、細剣ムニキスで叩き斬るとあっけなく壊すことができた。
エース・フトゥーレは暁寮の敷居をまたいだ。
暁寮の電気が消えていて、寮生はすでに就寝していることがうかがえる。時間的には少し早い。寮には就寝時間が定められているのかもしれない。だが、さすがのエース・フトゥーレでもそこまでの情報は持っていない。
エース・フトゥーレの未来視は、対象が生きてさえいれば睡眠状態であっても効果を発揮する。
かくれんぼで言うならば、鬼を務める自分が暁寮で寝ている学院生を一人でも見つければ勝ちという状況。
マーリンの余命のカウントダウンはすでに始まっている。
暗くて建屋の入り口が分からないが、とにかくうっすらと黒いシルエットの建築物へと歩みを進める。
「――ッ!!」
突如、建物中の電灯がいっせいに点灯した。
それだけではない。建物の上空にも光源がある。これは魔法だ。たしか魔導学院の生徒会長が光の発生型魔法を使う魔導師だったはずだ。
待ち構えられていたようだ。となると、敵は一人ではない可能性が高い。
眩しさに慣れるのに少し時間がかかるが、それはあちら側も同じはず。敵にまだ動きはない。
ようやく眼を開けていられるようになったとき、エース・フトゥーレは息を呑んだ。敵の姿を見ることができたのだが、その人数が一人や二人ではない。十数人いる。
逆光のためシルエットでしか見られないが、未来視を使えば判別はつく。中央付近にいるのは生徒会長のレイジー・デントだ。それから車椅子に埋まるダース・ホーク。その二人の間にマーリンがいる。
取り囲まれてはいないようだ。後方には誰もいない。照明を点灯するタイミングしだいで取り囲むこともできたはずだが、それをしないということは彼らもできれば戦闘は避けたいということだろう。
試しに自分が身を引く意思で未来を視てみるが、やはり誰も追ってこないし攻撃もしてこない。とりあえず手を出さなければ向こうから攻撃してくることはなさそうだ。
「マーリンちゃんを狙っていることは知っているよ」
その声を発したのはレイジー・デントだ。
「なるほど、ダース・ホークの魔法で闇の中から私の声を拾ったわけだな?」
マジックイーターは元々マーリンを取り戻そうと何度か刺客を送っていたが、なぜこのタイミングで襲われると分かったのかを未来で質問する。
その回答として、ダース・ホーク本人から自分が「うむ、マーリンを殺しに行くか」とつぶやいたのを小さな闇のワープゲートを通じて聞いていたことを聞く。
ダース・ホークは未来で辛そうに喋ったが、敵の戦力としてはやはりいちばん警戒すべきところ。魔法は脳しか使わないため、魔法を使うことは喋ることよりも体への負担が少ない。
「そうさ。で、この人数を相手に勝てる未来は視えるかい?」
答えないが、答えは「まだ視えていない」だ。
手負いとはいえ、ダース・ホークを含むこの人数の魔導師が相手ではさすがに分が悪い。未来視で完全に最善手を視きったら勝機はあるかもしれないが、未来視が間に合うかどうかが問題だ。
未来の光景は走馬灯のように超高速再生される。
音声も耳ではなく脳が直接聞くため速くても理解できる。
二十四時間後までの未来を三秒で視られるし、それを部分的に切り取って一秒間で八時間分だけ視ることもできる。
視ている未来の光景に満足して途中でやめることも可能。
だが、未来を視た結果行動を変えようと考えて再度未来を視れば別の未来を視ることができるわけで、その分岐数が多ければ多いほど十秒、一分、十分と時間がかかってしまう。
最適化はほんの数分の未来に限定して無数の未来の選択肢を試すため、一秒とかからずに最善の未来を知ることができるのだ。
未来視により、こちらから手を出さなければ相手から手は出してこないことは知っている。
だからエース・フトゥーレは時間をかけて最善の未来を探す。
敗北につながる膨大な量の選択肢を切り捨てていき、少しずつ、少しずつ未来視の中での戦闘時間が長くなっていく。
勝利の未来はまだ視えないが、近づいている感じはする。
「くそっ!」
エース・フトゥーレは未来視を中断した。
未来視の中で決着がついたわけではない。
未来視の上限の二十四時間に達したわけでもない。
勝利に近づきつつある未来の中で、その勝利を掴む前にゲス・エストがここへ到着したのだ。
それ以上は未来を視るだけ無駄だ。一人を相手にしても死の未来を視せられるゲス・エストがこの手勢に合流しては、自分が勝てるわけがないではないか。
これで逃走の選択肢しかなくなった。それも一刻も早くここを離れなければならない。ゲス・エストの合流の未来はそう遠くない。むしろ近いとさえ言える。
もしかしたら、すでにゲス・エストの空間把握モードの圏内に捕まっていて逃げきれないことが確定しているかもしれないが、せめてタイマンに持ち込まなければならない。
ネガティブな最善手だが、最善には変わりない。
「もし退散するなら、レイジーたちは追わないよ」
「知っている。お望みどおり退いてやる。だが、私はすでに勝っている。魔導師とマジックイーターの戦争はマジックイーターの勝利だ。封印から解き放たれたアークドラゴンはさぞかし怒っているだろうな」
エース・フトゥーレは踵を返すと、なりふり構わずに走った。
強気な捨て台詞を吐いてからのそれは、さぞかし格好悪く見えるだろうが、負け惜しみで言ったつもりは毛頭ない。心の底からの本心だ。
ただ悔しいのは、ゲス・エストから逃げるための疾駆が彼らに対する敗走と受け取られていそうなことだ。
だが、そういったことはすべてどうでもよくなって一気に吹き飛んだ。
「私の魔術は魔導師や魔術師どころか動物や虫、果てはイーターまで対象とする。これは脅威的なことであり、もはや奇跡ですらある。だが、自分に対して使えないことだけは欠陥と言わざるを得ない」
邂逅してしまった。
エース・フトゥーレの正面にはゲス・エストが立っていた。
「植物に対しては使えないのか?」
「それは、試したことなかった……」
ゲス・エストの落ち着いた様子からすると、エース・フトゥーレがマーリンに手を出すこともできずに学院から走ってきたことを知っているようだ。ダース・ホークが闇を通して伝えたか、あるいは空間把握モードですでに掌握されていたかのどちらかだろう。
あと、いまさらながら植物に対して魔術を試してみたが、効果はなかった。
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