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その後
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ライラは試験が終わると、宿にしている定食屋までまっすぐに帰ってきた。
定食屋に着いたのは、まだ日の沈んでいない明るい時間だった。
ルーディとジークは夜の営業の仕込みが終わり、つかの間の休憩をとっているところだった。
そこへライラが帰ってきたものだから、ルーディが試験の話を聞かせろとせがんできた。
ライラはすっかりカウンターでルーディと話しこんでしまっていた。
「へえ、大変だったんだね。でもさ、それで受験者の半分が合格したってことなら凄いんじゃないの?」
「うーん、どうなのかしらねえ。そこらへんはまだよくわからないわ」
モンスター乱入というトラブルがあったというのに、今回の試験では約半数の受験者が合格をした。
結界の中に逃げ込んだ受験生たちは、あの時点で互いに見つけていたコインを大人しく交換していた。
ライラとマスターの会話をちゃっかり聞いていた八番の男が、コイン交換をあの場で皆に持ちかけたそうなのだ。
「……あの八番君、これから伸びると思うわ」
運よく八の数字が刻まれたコインを見つけていた者がいた。
彼はライラとイルシアがモンスターを討伐している中、試験を中断するという宣言はなかったと主張して自分の受験番号のコインを提出したそうだ。
たしかにあの時は試験の制限時間内だったし、彼自身が試験を棄権すると宣言していたわけではなかった。
だからといって、あの場でコインを提出できる度胸は大したものだと、その話を聞いて呆れてしまった。
「ふーん。私にはよくわからないけど、頭の切り替えが早い子なんじゃない?」
「そうかもね。試験終わりにみんなで飲みに行こうなんて機嫌よく声かけてたしね」
あんな面倒な試験を終えたあとに、よく酒を飲む気分になれるものだ。
「アンタも飲みに行ってくればよかったのに。仲間と交流できて、いろいろ話がきける機会だったんじゃないの?」
「今日はさすがに疲れたの。早く帰って寝たかったのよね」
ライラがそんな話をルーディとしていると、ジークが厨房の中から手を伸ばしてきた。
ライラの目の前に温かいミルクの入ったカップが置かれる。
「早く寝るのはいいが、せめてこれくらいは口に入れてから休め」
ジークはそれだけ言って厨房の奥に戻ってしまう。
壁にかけられた時計を見ると、そろそろ夜の営業が始まる時間だった。
「そうだね、それくらいは飲みなよ。今日はいつもにまして青白い顔をしているもの」
ルーディが豪快に笑い、ばしばしとライラの背中を叩く。
「……あ、ありがとう」
ライラは苦笑いを浮かべながら、ごくりと息を呑んでカップを持ち上げる。
モンスター討伐後にあれだけ盛大に腹は鳴ったが食欲はない。
ライラは覚悟を決めてカップに口をつけた。
いつものように、生温かく気持ち悪い感触が喉を通り抜けていく、そう思っていた。
「…………あ、あれ……?」
口の中に甘くて優しい味が広がる。
「このミルク、はちみつが入っているの?」
「うん、そうだよ。アンタあまり食べないからさ。少しでも栄養が取れたほうがいいだろうと思って……」
そこまで言って、ルーディがぎょっと目を見開いた。
定食屋に着いたのは、まだ日の沈んでいない明るい時間だった。
ルーディとジークは夜の営業の仕込みが終わり、つかの間の休憩をとっているところだった。
そこへライラが帰ってきたものだから、ルーディが試験の話を聞かせろとせがんできた。
ライラはすっかりカウンターでルーディと話しこんでしまっていた。
「へえ、大変だったんだね。でもさ、それで受験者の半分が合格したってことなら凄いんじゃないの?」
「うーん、どうなのかしらねえ。そこらへんはまだよくわからないわ」
モンスター乱入というトラブルがあったというのに、今回の試験では約半数の受験者が合格をした。
結界の中に逃げ込んだ受験生たちは、あの時点で互いに見つけていたコインを大人しく交換していた。
ライラとマスターの会話をちゃっかり聞いていた八番の男が、コイン交換をあの場で皆に持ちかけたそうなのだ。
「……あの八番君、これから伸びると思うわ」
運よく八の数字が刻まれたコインを見つけていた者がいた。
彼はライラとイルシアがモンスターを討伐している中、試験を中断するという宣言はなかったと主張して自分の受験番号のコインを提出したそうだ。
たしかにあの時は試験の制限時間内だったし、彼自身が試験を棄権すると宣言していたわけではなかった。
だからといって、あの場でコインを提出できる度胸は大したものだと、その話を聞いて呆れてしまった。
「ふーん。私にはよくわからないけど、頭の切り替えが早い子なんじゃない?」
「そうかもね。試験終わりにみんなで飲みに行こうなんて機嫌よく声かけてたしね」
あんな面倒な試験を終えたあとに、よく酒を飲む気分になれるものだ。
「アンタも飲みに行ってくればよかったのに。仲間と交流できて、いろいろ話がきける機会だったんじゃないの?」
「今日はさすがに疲れたの。早く帰って寝たかったのよね」
ライラがそんな話をルーディとしていると、ジークが厨房の中から手を伸ばしてきた。
ライラの目の前に温かいミルクの入ったカップが置かれる。
「早く寝るのはいいが、せめてこれくらいは口に入れてから休め」
ジークはそれだけ言って厨房の奥に戻ってしまう。
壁にかけられた時計を見ると、そろそろ夜の営業が始まる時間だった。
「そうだね、それくらいは飲みなよ。今日はいつもにまして青白い顔をしているもの」
ルーディが豪快に笑い、ばしばしとライラの背中を叩く。
「……あ、ありがとう」
ライラは苦笑いを浮かべながら、ごくりと息を呑んでカップを持ち上げる。
モンスター討伐後にあれだけ盛大に腹は鳴ったが食欲はない。
ライラは覚悟を決めてカップに口をつけた。
いつものように、生温かく気持ち悪い感触が喉を通り抜けていく、そう思っていた。
「…………あ、あれ……?」
口の中に甘くて優しい味が広がる。
「このミルク、はちみつが入っているの?」
「うん、そうだよ。アンタあまり食べないからさ。少しでも栄養が取れたほうがいいだろうと思って……」
そこまで言って、ルーディがぎょっと目を見開いた。
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