151 / 151
けじめ
16
しおりを挟む
「…………そろそろ街へ戻りますか?」
すっかりクロードの姿は見えなくなっていた。
だというのに、ライラがいつまでもぼんやりと突っ立っていると、ふいにエリクに声をかけられた。
ライラはエリクの言葉に返答をする前に、どっとその場に崩れ落ちた。
「――ど、どうかなさいましたか⁉」
とつぜんライラが音を立てて地面に膝をついたので、エリクは何事かと慌てふためいている。
「ああ、なんだかすっごく疲れたわ」
深くため息をついて、ライラは地べたに座りこむ。
ライラは口では疲れたと言ってはいるが、清々しい気持ちだったので朗らかに笑っていた。
そんなライラの姿に気が付いて、エリクはほっと胸を撫でおろしたあと、一緒になって笑顔を浮かべた。
「……ずっと心の中に抑え込んでいた気持ちを、ようやく伝えられたのですね」
「うん、そうなのよ。気持ちを伝えるってこんなに疲れるのね」
「言葉を口にするだけと言ってしまえば簡単なことのようですが、気持ちを伝えるというのは難しいですからね。お疲れにはなったでしょうが、すっきりしたのでは?」
「ええ、すっごくすっきりした。なんだかね、これでようやくけじめのようなものをつけられた気がするの」
この土地に流れてきてずいぶんと時間が経ってしまった。だが、これでやっと新しい一歩を踏み出せる気がする。
「……私の人生、ここからもう一度やり直しね……」
ライラは目を閉じると、おもいきり頬を叩いた。
パンと、大きな乾いた音が耳に届く。
「――――よし! それじゃ、帰りましょうか」
ライラは目をかっと見開くと、勢いよく立ちあがった。
「そうですね。きっと皆さんお待ちかねですよ」
「ええ、早く帰りましょう」
イルシアやファルが心配して待っているだろう。
きっとマスターには嫌味を言われる。
ライラはクロードが去っていった王都の方角へ背を向ける。
皆が待つ街に向かって、しっかりと自分の足で一歩を踏みだした。
――――――――――――――――――――――――――――――――――
――――――――――――――――――――――――――――――――――
これにて終了でございます。
お付き合いくださいました皆さま、ありがとうございます。
本当にありがとうございます!!
次の作品の参考にしたいので、感想をいただけるとすごく嬉しいです。
よろしくお願いいたします!
約一年に渡りお話を公開させていただきました。
途中お休みをしてしまいましたが、最後までお付き合いくださいました皆さま、
ありがとうございます!
本当に本当に、ありがとうございます!!
公開当初、HOTランキング1位になったときはもうびっくりでございまして……。
おもわずスマホでスクショなんてしたりしておりました。
本当に本当にありがたいかぎりでございます。
感謝感激しております。
すべての感想にお返事ができておりませんが、ひとつひとつ大切に目を通させて頂いております。
ありがとうございます。
このお話に目を通していただいたすべての皆さまに感謝の気持ちが伝わりますように……。
それでは、失礼いたします。
2022/09/29
すっかりクロードの姿は見えなくなっていた。
だというのに、ライラがいつまでもぼんやりと突っ立っていると、ふいにエリクに声をかけられた。
ライラはエリクの言葉に返答をする前に、どっとその場に崩れ落ちた。
「――ど、どうかなさいましたか⁉」
とつぜんライラが音を立てて地面に膝をついたので、エリクは何事かと慌てふためいている。
「ああ、なんだかすっごく疲れたわ」
深くため息をついて、ライラは地べたに座りこむ。
ライラは口では疲れたと言ってはいるが、清々しい気持ちだったので朗らかに笑っていた。
そんなライラの姿に気が付いて、エリクはほっと胸を撫でおろしたあと、一緒になって笑顔を浮かべた。
「……ずっと心の中に抑え込んでいた気持ちを、ようやく伝えられたのですね」
「うん、そうなのよ。気持ちを伝えるってこんなに疲れるのね」
「言葉を口にするだけと言ってしまえば簡単なことのようですが、気持ちを伝えるというのは難しいですからね。お疲れにはなったでしょうが、すっきりしたのでは?」
「ええ、すっごくすっきりした。なんだかね、これでようやくけじめのようなものをつけられた気がするの」
この土地に流れてきてずいぶんと時間が経ってしまった。だが、これでやっと新しい一歩を踏み出せる気がする。
「……私の人生、ここからもう一度やり直しね……」
ライラは目を閉じると、おもいきり頬を叩いた。
パンと、大きな乾いた音が耳に届く。
「――――よし! それじゃ、帰りましょうか」
ライラは目をかっと見開くと、勢いよく立ちあがった。
「そうですね。きっと皆さんお待ちかねですよ」
「ええ、早く帰りましょう」
イルシアやファルが心配して待っているだろう。
きっとマスターには嫌味を言われる。
ライラはクロードが去っていった王都の方角へ背を向ける。
皆が待つ街に向かって、しっかりと自分の足で一歩を踏みだした。
――――――――――――――――――――――――――――――――――
――――――――――――――――――――――――――――――――――
これにて終了でございます。
お付き合いくださいました皆さま、ありがとうございます。
本当にありがとうございます!!
次の作品の参考にしたいので、感想をいただけるとすごく嬉しいです。
よろしくお願いいたします!
約一年に渡りお話を公開させていただきました。
途中お休みをしてしまいましたが、最後までお付き合いくださいました皆さま、
ありがとうございます!
本当に本当に、ありがとうございます!!
公開当初、HOTランキング1位になったときはもうびっくりでございまして……。
おもわずスマホでスクショなんてしたりしておりました。
本当に本当にありがたいかぎりでございます。
感謝感激しております。
すべての感想にお返事ができておりませんが、ひとつひとつ大切に目を通させて頂いております。
ありがとうございます。
このお話に目を通していただいたすべての皆さまに感謝の気持ちが伝わりますように……。
それでは、失礼いたします。
2022/09/29
71
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
田舎娘、追放後に開いた小さな薬草店が国家レベルで大騒ぎになるほど大繁盛
タマ マコト
ファンタジー
【大好評につき21〜40話執筆決定!!】
田舎娘ミントは、王都の名門ローズ家で地味な使用人薬師として働いていたが、令嬢ローズマリーの嫉妬により濡れ衣を着せられ、理不尽に追放されてしまう。雨の中ひとり王都を去ったミントは、亡き祖母が残した田舎の小屋に戻り、そこで薬草店を開くことを決意。森で倒れていた謎の青年サフランを救ったことで、彼女の薬の“異常な効き目”が静かに広まりはじめ、村の小さな店《グリーンノート》へ、変化の風が吹き込み始める――。
刷り込みで竜の母親になった私は、国の運命を預かることになりました。繁栄も滅亡も、私の導き次第で決まるようです。
木山楽斗
ファンタジー
宿屋で働くフェリナは、ある日森で卵を見つけた。
その卵からかえったのは、彼女が見たことがない生物だった。その生物は、生まれて初めて見たフェリナのことを母親だと思ったらしく、彼女にとても懐いていた。
本物の母親も見当たらず、見捨てることも忍びないことから、フェリナは謎の生物を育てることにした。
リルフと名付けられた生物と、フェリナはしばらく平和な日常を過ごしていた。
しかし、ある日彼女達の元に国王から通達があった。
なんでも、リルフは竜という生物であり、国を繁栄にも破滅にも導く特別な存在であるようだ。
竜がどちらの道を辿るかは、その母親にかかっているらしい。知らない内に、フェリナは国の運命を握っていたのだ。
※この作品は「小説家になろう」「カクヨム」「アルファポリス」にも掲載しています。
※2021/09/03 改題しました。(旧題:刷り込みで竜の母親になった私は、国の運命を預かることになりました。)
【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる
三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。
こんなはずじゃなかった!
異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。
珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に!
やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活!
右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり!
アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。
【完結】奇跡のおくすり~追放された薬師、実は王家の隠し子でした~
いっぺいちゃん
ファンタジー
薬草と静かな生活をこよなく愛する少女、レイナ=リーフィア。
地味で目立たぬ薬師だった彼女は、ある日貴族の陰謀で“冤罪”を着せられ、王都の冒険者ギルドを追放されてしまう。
「――もう、草とだけ暮らせればいい」
絶望の果てにたどり着いた辺境の村で、レイナはひっそりと薬を作り始める。だが、彼女の薬はどんな難病さえ癒す“奇跡の薬”だった。
やがて重病の王子を治したことで、彼女の正体が王家の“隠し子”だと判明し、王都からの使者が訪れる――
「あなたの薬に、国を救ってほしい」
導かれるように再び王都へと向かうレイナ。
医療改革を志し、“薬師局”を創設して仲間たちと共に奔走する日々が始まる。
薬草にしか心を開けなかった少女が、やがて王国の未来を変える――
これは、一人の“草オタク”薬師が紡ぐ、やさしくてまっすぐな奇跡の物語。
※表紙のイラストは画像生成AIによって作られたものです。
【完結】あなたに知られたくなかった
ここ
ファンタジー
セレナの幸せな生活はあっという間に消え去った。新しい継母と異母妹によって。
5歳まで令嬢として生きてきたセレナは6歳の今は、小さな手足で必死に下女見習いをしている。もう自分が令嬢だということは忘れていた。
そんなセレナに起きた奇跡とは?
貴族令嬢、転生十秒で家出します。目指せ、おひとり様スローライフ
凜
ファンタジー
第18回ファンタジー小説大賞にて奨励賞を頂きました。ありがとうございます!
貴族令嬢に転生したリルは、前世の記憶に混乱しつつも今世で恵まれていない環境なことに気が付き、突発で家出してしまう。
前世の社畜生活で疲れていたため、山奥で魔法の才能を生かしスローライフを目指すことにした。しかししょっぱなから魔物に襲われ、元王宮魔法士と出会ったり、はては皇子までやってきてと、なんだかスローライフとは違う毎日で……?
お兄様、冷血貴公子じゃなかったんですか?~7歳から始める第二の聖女人生~
みつまめ つぼみ
ファンタジー
17歳で偽りの聖女として処刑された記憶を持つ7歳の女の子が、今度こそ世界を救うためにエルメーテ公爵家に引き取られて人生をやり直します。
記憶では冷血貴公子と呼ばれていた公爵令息は、義妹である主人公一筋。
そんな義兄に戸惑いながらも甘える日々。
「お兄様? シスコンもほどほどにしてくださいね?」
恋愛ポンコツと冷血貴公子の、コミカルでシリアスな救世物語開幕!
魔法が使えない令嬢は住んでいた小屋が燃えたので家出します
怠惰るウェイブ
ファンタジー
グレイの世界は狭く暗く何よりも灰色だった。
本来なら領主令嬢となるはずの彼女は領主邸で住むことを許されず、ボロ小屋で暮らしていた。
彼女はある日、棚から落ちてきた一冊の本によって人生が変わることになる。
世界が色づき始めた頃、ある事件をきっかけに少女は旅をすることにした。
喋ることのできないグレイは旅を通して自身の世界を色付けていく。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。