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番外編・11
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「あなたの叔父上はよほど爵位が欲しいようですねえ」
エイナルは盛大に笑ったあとに、涙目になりながら話を続けた。
彼はイーサンに向かって嫌味ったらしく言ってくるが、叔父とシーラのつながりや、行動の意味がさっぱりわからない。
「わ、私には何がなんだか……。エイナル殿は何を知っておられるのだ?」
「旦那さまの叔父上は、王宮内に保守派のお友達が多いようですねえ?」
エイナルがそう言うと、隣に座るソフィアが大きく溜め息をついた。彼女は何かを察したらしい。
「……そう。王宮内にいる保守派の方々が、爵位を欲している叔父さまを唆したのね。お父さまの体面を汚すことができたら、爵位を継げるように口を利いてやるとでも言ったのかしら?」
相変わらず小狡いことを考えるわね、とソフィアは吐き捨てる。
エイナルの短い言葉で察することができるほど、彼女の一族はこれまでにも様々な嫌がらせを受けてきたのだろう。
イーサンは今さらながら自分の無頓着さを恥じる気持ちになってきた。ぽかんと口を開けていると、エイナルが苦笑しながら視線を向けてくる。
「旦那さまには信じがたいお話かもしれませんが、そういうことが起こりえるのですよ」
「何の努力もせずに、生まれ持った血だけで権力を握ってしまうと、拗らせてしまう方が多いのですわ。お父さまが今の地位を簡単に手に入れたわけがないというのに」
ソフィアが拳を握って唇を噛んでいる。すると、エイナルがソフィアに視線を向けてゆっくりと首を横に振った。
「……奥さま。今回に限っては叔父上が過激な保守派と知り、シーラさんから王宮内の保守派の方々に話を持ちかけたのだと思います。それが叔父上の元へという流れなのです」
「……どういうこと? お姉さまが保守派の方々を唆したと言いたいのかしら」
ソフィアが顔をしかめる。
イーサンにはすでに理解のできない話で、ただ二人の会話を聞いていることしかできなくなっている。
「以前より師は王宮内でのご自身のお立場を安定させるため、シーラさんを政略結婚させようと嫁ぎ先を探しておられました。ですが、やはり難色を示されるお家が多く苦労されていたのです」
「お父さまが決めた家に嫁がされるくらいなら、ご自分で嫁ぎ先を決めたということ? でも、それなら逃げる必要はないし、ちょっとおかしな話よね」
「シーラさんは師に恥をかかせたかったのですよ。シーラさんの企ては、叔父上からすれば師と旦那さま、邪魔もの双方の体面を汚せる良い計画ですからね」
イーサンの頭の中は疑問符だらけだった。
聡明なソフィアも、エイナルの言い分には合点のいかない部分があるらしく、難しい顔をしているのが唯一の救いだ。
「なんとも回りくどいやり方ではありますが、叔父上からすれば強引に旦那さまを亡き者にして爵位を得るよりも、自然に旦那さまを追い詰めることができます。せっかく爵位を手に入れても、領民の支持がなければ後ろ指をさされてしまいますからね」
イーサンの性格を考えると、結婚式がぶち壊しになった場合、叔父に爵位を譲りたいと言い出すほどに衝撃を受けても不思議ではないだろうと、エイナルが同意を求めてくる。
イーサンがそれもそうだと遠慮がちに頷くと、ソフィアがおでこを指ではじいてきた。しっかりしろと言いたいらしい。
「――っもう! だからってどうしてそんな計画を……。それでお姉さまに何の得があるというのよ」
「シーラさんは一門の次の当主はご自分だと確信しておられましたからね。まさか自分が他家に嫁がされるとは夢にも思っていなかったのでしょう」
エイナルの言葉に、ソフィアが驚いて言葉を失ってしまった。
エイナルは盛大に笑ったあとに、涙目になりながら話を続けた。
彼はイーサンに向かって嫌味ったらしく言ってくるが、叔父とシーラのつながりや、行動の意味がさっぱりわからない。
「わ、私には何がなんだか……。エイナル殿は何を知っておられるのだ?」
「旦那さまの叔父上は、王宮内に保守派のお友達が多いようですねえ?」
エイナルがそう言うと、隣に座るソフィアが大きく溜め息をついた。彼女は何かを察したらしい。
「……そう。王宮内にいる保守派の方々が、爵位を欲している叔父さまを唆したのね。お父さまの体面を汚すことができたら、爵位を継げるように口を利いてやるとでも言ったのかしら?」
相変わらず小狡いことを考えるわね、とソフィアは吐き捨てる。
エイナルの短い言葉で察することができるほど、彼女の一族はこれまでにも様々な嫌がらせを受けてきたのだろう。
イーサンは今さらながら自分の無頓着さを恥じる気持ちになってきた。ぽかんと口を開けていると、エイナルが苦笑しながら視線を向けてくる。
「旦那さまには信じがたいお話かもしれませんが、そういうことが起こりえるのですよ」
「何の努力もせずに、生まれ持った血だけで権力を握ってしまうと、拗らせてしまう方が多いのですわ。お父さまが今の地位を簡単に手に入れたわけがないというのに」
ソフィアが拳を握って唇を噛んでいる。すると、エイナルがソフィアに視線を向けてゆっくりと首を横に振った。
「……奥さま。今回に限っては叔父上が過激な保守派と知り、シーラさんから王宮内の保守派の方々に話を持ちかけたのだと思います。それが叔父上の元へという流れなのです」
「……どういうこと? お姉さまが保守派の方々を唆したと言いたいのかしら」
ソフィアが顔をしかめる。
イーサンにはすでに理解のできない話で、ただ二人の会話を聞いていることしかできなくなっている。
「以前より師は王宮内でのご自身のお立場を安定させるため、シーラさんを政略結婚させようと嫁ぎ先を探しておられました。ですが、やはり難色を示されるお家が多く苦労されていたのです」
「お父さまが決めた家に嫁がされるくらいなら、ご自分で嫁ぎ先を決めたということ? でも、それなら逃げる必要はないし、ちょっとおかしな話よね」
「シーラさんは師に恥をかかせたかったのですよ。シーラさんの企ては、叔父上からすれば師と旦那さま、邪魔もの双方の体面を汚せる良い計画ですからね」
イーサンの頭の中は疑問符だらけだった。
聡明なソフィアも、エイナルの言い分には合点のいかない部分があるらしく、難しい顔をしているのが唯一の救いだ。
「なんとも回りくどいやり方ではありますが、叔父上からすれば強引に旦那さまを亡き者にして爵位を得るよりも、自然に旦那さまを追い詰めることができます。せっかく爵位を手に入れても、領民の支持がなければ後ろ指をさされてしまいますからね」
イーサンの性格を考えると、結婚式がぶち壊しになった場合、叔父に爵位を譲りたいと言い出すほどに衝撃を受けても不思議ではないだろうと、エイナルが同意を求めてくる。
イーサンがそれもそうだと遠慮がちに頷くと、ソフィアがおでこを指ではじいてきた。しっかりしろと言いたいらしい。
「――っもう! だからってどうしてそんな計画を……。それでお姉さまに何の得があるというのよ」
「シーラさんは一門の次の当主はご自分だと確信しておられましたからね。まさか自分が他家に嫁がされるとは夢にも思っていなかったのでしょう」
エイナルの言葉に、ソフィアが驚いて言葉を失ってしまった。
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