女神に嫌われた俺に与えられたスキルは《逃げる》だった。

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ベッドで寝たい

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 買い取りの美人さんと買取カウンターへ戻る。
前を歩く美人さんが心なしか弾んで見える。

「ワタウリのワタの件ですが…、美味しかったです」

「それは良かったね」

俺からすると薄味なのだが、シルケには甘味が足りないのだろうか?

「種の方は買取可能な種が二十八個取れましたので計三十四個。計千二十ヤンになります。買取合計は千四百六十一ヤンになりますが買い取らせて頂いてよろしいですか?」

「よろしいよ」

「フフッ、それではワタウリのワタ代を合わせて千五百ヤンをお受け取り下さい」

「ワタ代なんて良いのに」

「情報料も含まれていますので、もしかしたら更に支払う事になるかも知れませんが受け取って下さいませ」

「そう言う事なら貰っとくよ」

銀貨一枚と銅貨五枚貰った。
甘味についての情報料か…、これも金になるな。
美人の前で長居すると良くない事が起こる気がしたので安宿と道具屋を教えて貰いすぐにギルドを後にした。


 宿屋はギルドの裏手に併設されてた。入口が違うだけで同じ建物だったりして。
入ってすぐのカウンターにでかいハゲの筋肉が居る。

「…客か?」

「男一匹。飯は何時出る?」

「一泊三千前払い。飯は一食五百で朝晩二回、食う前に先払いだ」

「体を洗いたい時は?」

「湯は出せるが共同浴場に行け、どっちも五百だ」

カウンターに敷かれた地図をトントン指さす。

「一泊だ」

ブフリムの臭い袋をドシャッとカウンターに乗せる。

「ブフリム臭ぇ、そうかお前ぇ冒険者か」

「まだヒヨっ子さ」

「だろうな。鉄貨と銅貨以上は分けておけ。皮袋に入れておけばいざと言う時武器にもなるからな、あとギルドで両替しとけ」

銅貨三十枚が筋肉ハゲに拉致された。
飯代と風呂代含めて一泊で持ち金が三分の一以下になるな。

「二階の二つ目だ。ドアに同じ絵が貼ってある。出掛ける時は持って来い。盗まれる物は置くなよ?」

可愛らしい花の絵の木札を受け取った。

「ああ、すぐ出るから問題無い」

「女は呼ぶなよ」

「呼ぶならもっと稼いで良い宿に泊まるさ」

「くくくっ、違いねぇ」

 ウケたので二階に上がる。
ドアに花の絵が貼ってある。識字率が良くなかったりするのかな?
ドアノブを押したり引いたりスライドさせてみるが開かない。鍵はかかるみたいだ。
ドアノブの下に丁度木札の入りそうな穴があるのでググッと奥まで差し込むと、ドアが押し開くようになった。木札は鍵なんだな、理解。
部屋の中から木札を差した所を見ると、引っこ抜ける感じに木札が飛び出てる。引き抜くと閂が出る。穴から覗けない工夫もしてあるし、生活の知恵が詰まってるな。足元に内鍵もあった。

ドアを閉めて、木札を抜いて、内鍵掛けて、ほっと一息部屋を見渡す。
部屋の広さは三平米くらいで実家の六畳より狭い感じ。シングルベッドに椅子と机。机の上にランタンが置いてある。寝るだけならこれで充分だな。
ベッドに腰掛けいらない装備を外していく。と言っても売り忘れた十メートルのワタウリの蔓と、持ち過ぎてポケットを圧迫する投擲武器石ころと飴のゴミだけだが。

(石二つとナイフと財布と臭い袋は所持しておこう。棒はどうすっかなー)

金は三千ヤンと価値の解らん鉄貨五十三枚。
鉄貨一枚一ヤンとして、百枚で一銅貨と予想しておく。鉄貨以下の硬貨があるやも知れんし。

(両替はさっき銅貨を払ってする必要無くなったし、鉄貨用の皮袋と昼飯と、明日泊まる為のまとまった金が欲しいなー。
一日街で過ごすと飯・風呂・寝るで五千ヤン。銀貨5枚は最低必要になる。このままだと明日の朝飯を食ったら千五百ヤンと鉄貨五十三枚しか残らないぞ?
とっととベッドで寝たいけど、屋台で軽く食ったら金策するか!)

棒を持ってお出掛けする。



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