16 / 1,519
冒険者の朝早過ぎ
しおりを挟むギルドの二階で採取品リストを読み耽る。ワタウリより美味い物を探しているのだ。
自分の実力を無視して高い物を並べていく。
ブラッドツリーの血塊 1ナリ10万ヤン
ペインマッシュ 1ナリ5~6万ヤン
フライフィッシュの卵 1ナリ5万ヤン
生首草(全体) 1本3万ヤン
ミッドナイトドラゴンスケイルの実 1個1万ヤン
一万ヤン以上で、小さくて軽くて単価の高い物をチョイスしてみたつもりだ。
一ナリ単位の物は、沢山取れるか全然取れないかのどちらかだろう。
ブラッドツリーの血塊は樹液。量を取るのが大変そうだ。
ペインマッシュはキノコ。形の良い物をたくさん欲しいタイプ。
まさかのUMA。ではなく空を飛ぶ魚の野獣らしい。捌いて卵塊を取る。
生首草は絵を見た限り野生の蕪なイメージ。ポーションの原料だ。
ミッドナイトドラゴンスケイルはサボテンに似てる。これもポーションの原料。
普通のドラゴンスケイルの実は一つ千ヤン。
どれもこれも取れる場所が遠い。遠い=敵が強いな感じがするのでUMA狩りは辞めとこうか。
明日から遠征。狙うはブラッドツリーだ!
暮れなずむ時間に目を覚ます。もうガチャガチャしてるんだけど、冒険者の朝早過ぎないか?
装備を整え忘れ物チェックして部屋を立ち、門へ向かう。こんな早いのに開いてんのな。
暗いうちに空に上がりたいのでクリープで走って行く。
道から逸れて畑の柵沿いに薮に直行。人が居ないので体が浮く。
(ブラッドツリーの場所まで加速!)
方向が、逆だった。詳しい場所まで分からなかったのでいつもの門から出たが無駄足だったぜ。迂闊。
街に向かって大きく迂回しながら高度を上げて飛んで行った。
街の反対側の門の先は木の少ない山岳が聳え立つ。森林限界じゃないはずだが鉱毒でも出てるのかな?それなら井戸水飲めないか。
山を越え、谷を越え、荒野、否、砂漠に出る。砂漠と言っても石の砂漠だ。投擲武器拾い放題投げ放題!
サボテンも生えてる。実が大量に取れるならって事で指示を出す。
(買取可能なドラゴンスケイルの実が70個以上取れるなら減速下降して実の前でクリープ)
ググーッと下降した。
いきなり一ナリ十万の採取品は狙われたりして危ないからな。
一個千ヤンもまあ危ないが。
目の前にセンザンコウみたいな色艶の鱗の塊がある。これがドラゴンスケイルだ。鱗状の外皮は硬く、中はとろ~りクリィミー。味は苦いと書いてあった。実はまんまサボテンの実で赤紫のイソギンチャクが着いている。実の根元からナイフで切って採取する。汁が甘い。これは高いな。
(サボテン側の汁は甘いのか?)
興味本位で汁溢れる鱗をペロリング。苦味無し、甘みあり。汁を集めたら売れそうな予感。
まだ花状態の汁も試してみる。甘し。
舐めてないのを一輪お持ち帰りする。
星の帯が見えなくなる頃にはカバンにたっぷりになってしまった。布製のカバンでも買っておけば良かった。
この世界はハウス栽培も無さそうだし、旬の時期にしっかり収穫しないと勿体無いな。
朝飯代わりに二個食った。甘いドラゴンフルーツで中身も一緒。サボテンは宇宙から飛来した!?とても美味し。
モンスターや野獣も居たが鳥と蛇の野獣が弱肉強食してるだけでこちらには目もくれなかった。勝ったのは鳥。嘴に一本両足に二本掴んで飛んでった。ブフリムを引っぱたいて臭い袋を拾うと飛んで来て持って行く。
ここのブフリムは鱗の鎧を着てた。防御と隠密性を兼ねた良い装備だが頭を守ってないのでフルスイング数発で気絶する。
臭い袋の中身だけを各ポケットに詰め込み帰宅しようとするものの、この辺りも冒険者がうろつき始めたのでゆっくり帰る。
カバンの中に一財産入っているのでクリープは解かずスタスタ歩く振り。
何パーティかと声を掛け合い歩いて行くが、帰りは山越えかなー?
馬車的な物に乗ってる人が居ないから近道は無さそうだ。棒を杖にして進む。
山に差し掛かった所で飛べて助かった。行きと同じように迂回して草原方向から門に帰って来た。
時間は既に夕方を過ぎていて、また走る羽目になった。
「お前何時も走って帰って来るな」
「ゼハー、ヒィ~。」
「呼吸で返事するなよ。閉めるからさっさと入れー」
「ご、ぐどーざん。ブヒーッ」
今日はギリギリだったみたい。
息も絶え絶えギルドに向かう…。
0
あなたにおすすめの小説
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
魔力0の貴族次男に転生しましたが、気功スキルで補った魔力で強い魔法を使い無双します
burazu
ファンタジー
事故で命を落とした青年はジュン・ラオールという貴族の次男として生まれ変わるが魔力0という鑑定を受け次男であるにもかかわらず継承権最下位へと降格してしまう。事実上継承権を失ったジュンは騎士団長メイルより剣の指導を受け、剣に気を込める気功スキルを学ぶ。
その気功スキルの才能が開花し、自然界より魔力を吸収し強力な魔法のような力を次から次へと使用し父達を驚愕させる。
病弱が転生 ~やっぱり体力は無いけれど知識だけは豊富です~
於田縫紀
ファンタジー
ここは魔法がある世界。ただし各人がそれぞれ遺伝で受け継いだ魔法や日常生活に使える魔法を持っている。商家の次男に生まれた俺が受け継いだのは鑑定魔法、商売で使うにはいいが今一つさえない魔法だ。
しかし流行風邪で寝込んだ俺は前世の記憶を思い出す。病弱で病院からほとんど出る事無く日々を送っていた頃の記憶と、動けないかわりにネットや読書で知識を詰め込んだ知識を。
そしてある日、白い花を見て鑑定した事で、俺は前世の知識を使ってお金を稼げそうな事に気付いた。ならば今のぱっとしない暮らしをもっと豊かにしよう。俺は親友のシンハ君と挑戦を開始した。
対人戦闘ほぼ無し、知識チート系学園ものです。
暗殺者から始まる異世界満喫生活
暇人太一
ファンタジー
異世界に転生したが、欲に目がくらんだ伯爵により嬰児取り違え計画に巻き込まれることに。
流されるままに極貧幽閉生活を過ごし、気づけば暗殺者として優秀な功績を上げていた。
しかし、暗殺者生活は急な終りを迎える。
同僚たちの裏切りによって自分が殺されるはめに。
ところが捨てる神あれば拾う神ありと言うかのように、森で助けてくれた男性の家に迎えられた。
新たな生活は異世界を満喫したい。
【完結】ポーションが不味すぎるので、美味しいポーションを作ったら
七鳳
ファンタジー
※毎日8時と18時に更新中!
※いいねやお気に入り登録して頂けると励みになります!
気付いたら異世界に転生していた主人公。
赤ん坊から15歳まで成長する中で、異世界の常識を学んでいくが、その中で気付いたことがひとつ。
「ポーションが不味すぎる」
必需品だが、みんなが嫌な顔をして買っていく姿を見て、「美味しいポーションを作ったらバカ売れするのでは?」
と考え、試行錯誤をしていく…
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる